「死なねえ。死んでたまるか。このままじゃ…。
こんな所じゃ終われねえ。だろ? ミカ」
アニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の主役機パイロットである
三日月・オーガスと対を為す、もう一人の主人公。
アルファベット表記は「Orga Itsuka」、漢字表記は「御留我 威都華」。
CVは
細谷佳正
氏(幼少期は
東内マリ子
女史)。
ちなみに細谷氏は『鉄血』より前に放送されていた『ガンダムビルドファイターズトライ』にも出演、
『SEED DESTINY』の主人公役が演じるキャラとはチームメイトとして共演している。
原作での主な経歴
火星の民間警備会社「クリュセ・ガード・セキュリティ(CGS)」において、
人身売買で集められた子供達や困窮家庭の子息、戸籍を持たない子供──
敬遠孤児達(オルフェンズ)を集めて作られた、非正規(要は捨て駒)部隊「参番組」の隊長を務める青年。
*1
褐色肌と一房の前髪、首に巻いたストールが特徴(ストールは2期で見られたスーツ姿では着用していない)。
孤児ゆえか年齢は不明(17歳説あり。オルガに限らず、本作の登場人物は極一部を除き年齢が公表されていない)。
物語序盤にて、自分達を虐げるCGSに反発しクーデターを決行。
組織を掌握し
グレン団「鉄華団」へと名を改め、その団長に就任。
以降、鉄華団を率いて戦火を潜り抜ける事になる。
その過程で木星軌道の運び屋タービンズのリーダーである名瀬・タービンと
義兄弟の杯を交わしており、
どう見てもゾッキーのそれとしか思えない漢字表記はぶっちゃけこの
名瀬の趣味である。
三日月とは幼少期からの長い付き合いであり、「ミカ」の愛称で呼び互いの信頼も厚い。
また、
カリスマ性にも溢れ彼を「団長」と呼び慕う者も多い。
一方でそのカリスマ性故か「対等に並び立つ者」が団内に存在せず、また本人も三日月を含めた周囲からの期待に応えるべく、
一人で抱え込みがちになるなど年相応の危うい青臭さを持っており、それが結果的に鉄華団に戦死者が続出する遠因となってしまう。
慎重な性格からオルガ達のブレーキ役となっていた少年が、不運にも比較的早くに戦死してしまった事で、
団全体に「後戻り出来ない」という空気が蔓延してしまった事、戦場以外での団の収入源になる筈だった場所が、
不可抗力で失われてしまった事なども、状況に拍車を掛けてしまった。
オルガ自身も火星の孤児としては珍しく読み書きが出来る、集団戦術や指揮に関する才覚もあるなど、
リーダーとしての能力や適正は決して低くは無かったのだが、やはりまともな教育を受けた事の無い(大局の見方を知らない)少年兵であったためか、
考案する「策」の殆どがハイリスク・ハイリターンな一種の「賭け」であった事も(鉄華団の状況を鑑みれば無理も無い場面も多かったが)事実である。
かくして少年達は一度は大きく躍進しながらも、やがて坂道を転がり落ちるように謀略と流血の連鎖に飲み込まれていく。
なお、ガンダム主人公としては異色の
「ガンダムに乗った事が無い主人公」でもある
(一応、漫画やゲームやOVAなら(主に
ジオン軍を主役にした)前例が沢山あるが、TVシリーズでは初。
主人公自体がガンダム?そういうのは別だ)。
戦闘時もモビルワーカーや戦艦に乗っての前線指揮が主で直接戦う事は少なく、
ついでに専用モビルスーツも用意されながらも遂に劇中で乗る事は無かった(代わりに副団長が乗った)など異例づくめ
(あくまで同陣営に属するW主人公の片割れなので、三日月と役割を分担したためでもあるが)。
『1st』で言えばホワイトベース艦長の
ブライト・ノアに当たるポジションである。
カラミティガンダムに乗ってたじゃんって?それは別のオルガです
こうした「
バディもの」と呼ばれる二人体制が受けたのか、
続くTVシリーズ後継作となる『水星の魔女』もパイロットと非パイロットキャラのダブル主人公となっている。
ちなみに
現実ではオルガという名は
女性名である…というのは早とちりで、
実際は
ロシアなどスラヴ圏で用いられる「O
l
ga」が女性名であるのが正確。
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ゲーム等の外部出演 |
『新約SDガンダム外伝』でも「鉄華団の団長」という役はそのままで、最終章では彼自身も騎士シデン( カイさんではない)となって戦闘するも、
鉄華団メンバー全員生存エンディングを迎えている。
『スーパーロボット大戦』シリーズでは『DD』から初参戦。
イサリビの艦長扱いなのだがゲームの仕様上直接使う事は出来ずNPC扱い。
『30』でもDLCにて『鉄血のオルフェンズ』が追加参戦するも、 「機体&パイロットのみ参戦」と発表されていたため、
異世界オルガの出番は無い…と思われたがなんと無事登場。
今回もイサリビこそ無いが単なるNPCではなく、部隊に支援効果を与えられる「サポーター」として起用できるようになり、
その効果も部隊の全ユニット出撃時に「加速」( 移動力アップの精神コマンド)、
さらに任意コマンドで部隊全体に「突撃」( 通常移動後撃てない武器を撃てるようになる)と、
ネタ臭も漂わせつつ実用性の高いものになっている。 俺も止まんねえからよ…
またバルバトスなど鉄華団の機体の戦闘デモ中でも(通信という形で)三日月と掛け合いがあり、細谷氏の音声も収録されている。
後々のDLC発表を見るとそっちのついでで収録した可能性も考えられるが
『Gジェネレーション』シリーズでは『クロスレイズ』から初参戦。
一期版と二期版が存在し、二期版はスカウト登録条件が「鉄華団団員」を全員スカウト登録することと、かなり遅くなっている。
その分ステータスは高く、何より固有アビリティの「進み続ける意思」が「エリア内の味方(自分含む)の移動力+1」と破格の性能をしている。
なお、このアビリティはグループ派遣の「鉄華団本部脱出幇助」で手に入るので手軽に量産可能。
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ネット上での反応
そんな彼がネタ扱いをされるようになった元凶については、48話の一幕である「
止まるんじゃねぇぞ…
」の大百科を参照されたし。
当初は色々な意味で話題を呼んだ同時期のアニメと共に「鉄血のアーク
フレンズ」などと呼ばれるだけで済んでいたが、
放送から約2か月半後に投稿された動画群によりニコニコで本格的に火が付き、完全にMAD素材と化してしまう。
公式配信を中心としたあらゆる動画でこのネタのコメントが流れるのは序の口で、例によって例のアレでBB素材が作られ、
有志の立ち絵素材によるゲーム実況が行われるなど、
団長という名のネットミームと化してしまった。
雑魚の自爆で
ボロクズにされた戦士や
魔女に
頭を食いちぎられた魔法少女よろしく、
生前ではなく死亡直後の姿の方が有名になってしまった一例である(更には三人とも顔が写っていないために顔を知られていなかったり)。
愛されていると言えば愛されてはいるが…。
こういう事すっからサンライズのロボアニメはニコニコで配信やんなくなったんじゃ…
コラ画像やBB素材に関しても、文字通りの
死体蹴りとしてこのテの扱いを嫌うファンもいるのでネタを使う時は使っていいか否か気を付けよう。
ついでに言うと『鉄血』では、これ以外でもネタワードが妙に多い。ガチムチとか。
上記の扱いから転じて、オルガをツッコミ役兼オチ担当として他のアニメに混ぜ込むジャンルが生まれ、発端にちなんで「異世界オルガ」と呼ばれている。
現在進行形で数が増大していってるのでぶっちゃけ
仮面ライダーディケイド状態と言えなくもない。
題材に所謂なろう系が多いのは、ご都合主義かつ少女だらけの世界に対して前述のようなオルガのネタキャラとしての役割が良いスパイスになるからだろうか
中でも
某クソアニメとは「第一話のガタイが良い走るシーンが速攻でBB化」「あらゆるシチュエーションから襲い来る理不尽な展開」などが化学反応を起こし、
「オルガピピック」と呼ばれる風物詩となった。
MAD群に留まらず、逆にオルガが
最終話に出演(?)してしまう羽目になったのが何というか……。
また、冒頭にもあるようにミカヅキを「
ミカ」と呼ぶ事から此方も「なんだ
男か…」と落胆する初見の視聴者も少なくない。
それ故か同名のアイドル(城ヶ崎美嘉)を
プロデュースしたり、海軍の提督になって同名の
睦月型駆逐艦10番艦(三日月)を秘書にするなど、
ミカ側の別人ネタも豊富。
失敗すると「何やってんだミカ~!!」と渇を入れ、成功すれば「
・・・・すげえよミカは。」と褒めて伸ばすなど、
死亡シーンさえネタにされなければ良い上司として扱われるあたり流石
団長である。
また、『
シンデレラガールズ』とのコラボで主題歌の「RAGE OF DUST」がカバーされたのだが、ヴォーカルを担当したのは美嘉ではなく早坂美鈴だった
(一応中の人は『鉄血』にも出演済み)。
後に『スターライトステージ』にも実装されたが、
ビィ君や
ゼロと違ってオルガ達のゲスト出演やルームアイテム(事務所に配置できる家具)は無かった。
ニコニコ動画では、デレステのライブ中にオルガが乱入したり美鈴が走るBB素材化されたり原曲とマッシュアップした動画も投稿されている。
他には「フリージア」繋がりでネタにされるものも。
同じ頃、シリーズ40年目を記念して、NHKアニメのWebサイトで視聴者参加型の「全ガンダム大投票」が実施された。
そしてオルガはキャラクター部門の中間発表で2位を獲り、5月
イツカ5日の最終発表にて作品別ランキング1位に輝いた。
…が、その後総合ランキングが発表され、シャアとアムロに抜かれて3位に落ち着いた。初代ライバルコンビには勝てなかったよ…
(シャアやアムロは作品別に分かれており、作品別2位が
『1st』のシャアで3位が
『逆シャア』のアムロ)。
とはいえ3位以内はキープしたので、シャア、アムロ、オルガのTOP3が並んでるイラストが描き下ろされた。
最初の主人公とライバルに最新の主人公と、綺麗と言えば綺麗な並びではある。
え?鉄血のもう一人の「主人公」ミカ(三日月・オーガス)?…14位だったよ
でもミカは中の人(河西健吾氏)が
スタジオに呼ばれて名シーン再現アフレコまでやったから…
(
オルガ役の細谷氏は別に呼ばれず番組は終わった。シャアの中の人だって最後駆け込みで声だけ出演はしたのだが…)。
『Gジェネレーション クロスレイズ』では、新録音声付き&ED曲フリージアの挿入歌付きでの再現イベントがあったりする始末。
まさしく公式が病気
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オルガvsオルガなんてことも可能
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MUGENにおけるオルガ・イツカ
MUGENでは主にBB素材を用いて製作されたものが2キャラ存在する。
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STG氏製作 |
ニュートラルが走るオルガBB、毎ラウンド開始時にOP曲『RAGE OF DUST』を流す辺りからお察しの通り、完全な ネタキャラ。
ちなみに『RAGE OF DUST』に関してはオプションでフル版かTVサイズ版か選べるが、そもそも流さない事も出来る。
オラオラしたり自身のBB素材を飛ばしたり巨大化して止まらないオルガになったり自分を ビッグボディしたりパンジャンドラムになったり、
原作では出来なかった自身の専用MSに搭乗して攻撃したり、また各イントロでは 某海外ゲームネタをしたり、
ニコニコ動画にある他のオルガを使ったMADネタを再現したり 他の走るBB素材に変身して走るなどやりたい放題。
2ゲージ消費する事で三日月・オーガスもガンダム・バルバトスで援護してくれるが、
敵味方関係無く攻撃が当たる上に出現場所の関係上 真っ先に攻撃が当たるのがオルガというトンデモ技になっている。
また、敗北演出が用意されているのだが敗北が2回目になると 自身の死亡シーンを一部垂れ流し、 下記のセリフを言うまでラウンドが終わらないといった 原作再現演出がある。
そのせいか、なんとこのオルガの容量は堂々の 150MBである。
そんな大容量である彼だが、それでも このキャラに比べればまだ可愛げがあると言える。
1Pで攻撃時 アーマー、カラーが上がると常時アーマーになり、さらに回復や被弾後無敵にライフ管理といった防御性能も加わっていく。
特殊カラーである11pは普通にやっても削れず、神キャラ相手でも倒すのが困難といった耐神耐性まで備えている。
低カラーではアーマー殺しで一瞬にして止まってしまうのが弱点。
また技はいずれも高性能ながら、 AIがランダムに動く事で釣り合いを取っている。
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シィグマ氏製作 DontStop |
こちらもSTG氏同様BB素材を用いられたキャラ。カラー差無し。
性能は相手が動き出したらライフが減り始め、相手が止まったら%nF5→%nF1を打つというような隔離キャラとなっている。
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「俺は止まんねぇからよ、お前らが止まんねぇかぎり、その先に俺はいるぞ!
だからよ、止まるんじゃねぇぞ…」
出場大会
凍結
*1
参番組の少年兵達は機動兵器の操縦を容易にするため、例外なく「
阿頼耶識」という
ナノマシン注入による操縦システムの施術を受けるが、
この際に背中に露出する接続用コネクタ(通称:
ヒゲ)の影響で、彼らは「宇宙ネズミ」という蔑称で呼ばれる。
更に人身売買された子供は「ヒューマンデブリ」と呼ばれるが、これは作中世界におけるれっきとした社会用語。
CGSに於いても彼らの制服には一目で分かる識別用のラインが引かれており、所有者を定めた契約書が存在するなど、
一応は最低限の給金が出ているその他の少年兵達と異なり、
文字通り「宇宙ゴミ(スペース・デブリ)と同程度の価値で取引される奴隷」としての扱いしか受けていない。
ただしCGSの労働環境は確かに劣悪かつ非人道的ではあるが、それでも阿頼耶識の施術にさえ成功すれば最低限の寝床は勿論、
大人と比較して粗末ではあるがヒューマンデブリであっても屈強な肉体を手に入れられるだけの食事や、
組織の一員としての制服がきちんと用意されるなど、作中で描かれた孤児の労働環境としてはかなり「マシ」な部類に入る。
仕事に関係しない範囲であれば行動の自由も認められており、余暇には近隣の住民と交流する者も多かった。
これに関しては後にオルガも認める発言をしており、少年兵達が組織の乗っ取りを図ったのも普段の不満の蓄積こそあれど、
最終的な切っ掛けとなったのは大人達が「危険どころか、そもそも生存の見込みの無い囮役」を自分達に押し付けたという形で一線を越えたためであった。
最終更新:2024年10月19日 11:41