「世の中は常に大きな流れに従っている
人が死ぬのも生まれるのもその流れのうち
だから人を生き返らせようなんて事は絶対にしてはいけない」
漫画『
鋼の錬金術師』の登場人物。
アニメの担当声優は
津田匠子
女史(2003年版・『FA』版共通)。
エルリック兄弟の師匠(せんせい)で、高い技量を持つ錬金術師。
普段はダブリスという町で夫のシグ・カーティスと共に「カーティス精肉店」を営んでいる。
元々弟子を取らない主義であったが、旅行中にリゼンブールに立ち寄った際に幼い頃のエルリック兄弟と出会い
弟子入り志願したエルリック兄弟の真剣な眼差しに根負けして、
「ヨック島で一ヶ月、錬金術なしで生き延びる事」と同時に「一は全、全は一とは何かを知る」を条件に弟子入りを認めた。
エルリック兄弟に錬金術の基礎だけでなく体術をスパルタ式で叩き込んだため、
その時のトラウマからか兄弟は彼女に頭が上がらず(彼らの敵に勝てる判断基準が「師匠よりは弱い」)、
幼くして母を亡くした兄弟にとっては厳しくも優しい二人目の母親のような存在として慕われてもいる。
兄弟の父であるヴァン・ホーエンハイムとも面識があったが、兄弟と姓が異なるためか彼らの父親とは気付かなかった。
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以下詳細な原作の設定・展開 |
実はエルリック兄弟と同じく人体錬成の経験者。
最初の妊娠時に病気で流産してしまい、人体錬成によって死んだ子供を蘇らせようとした結果、
臓器の大半を持っていかれ、二度と子供を産めなくなった *1上に、
死は免れたものの残った内臓が複雑に絡み合って機能を保つ状態になる後遺症を背負い、
頻繁に吐血する虚弱体質になってしまった。
人体錬成の件は「二度も子供を殺した」として当人の中ではトラウマとなっていたが、
エドワードが中盤で人体錬成は絶対に成功しないという理論 *2を導き出して伝えられた事で、ある程度払拭された。
しかし南部の視察に来た キング・ブラッドレイ(ラース)に人体練成の経験者(人柱候補)と感付かれ、
以後はアメストリス軍から目を付けられるようになったのを察知し、一時的に旅行と偽って身を隠した。
その際に偶然ヴァン・ホーエンハイムと再会したが、体調が悪化したところで人体練成の経験者と見抜かれ、
錬丹術による治療を施されて症状は大幅に緩和された。
ホーエンハイム曰く、失った臓器はイズミの「罪の証」という事で彼にも戻す事は出来ないらしいが *3、
腹の中の臓器の配置を調整して血の巡りを改善した事で呼吸しやすくしたらしい。
ただし 治療する光景が腹を手刀でブッ刺すという猛烈に誤解を招くビジュアルだったせいで、
当然ながらその光景を見たシグは怒りの形相でホーエンハイムを殴り飛ばしている
(錬丹術の効果で腹に傷はできず、イズミ自身は一瞬多量の吐血はしたが呼吸が楽になった事に困惑しながら心配するシグを止めた)。
夫であるシグとの馴れ初めは、冬山修行を終えて仕留めた熊を持ち帰りつつ師匠の下へ急いだ際に、
ぶつかって落とした熊を拾ってもらったことがきっかけ…らしい。
人体練成の際に真理の扉を見た影響で、練成陣無しで練成する事が出来る。
錬金術に頼らずとも グリードの部下を一人で全滅させ、ホムンクルスのスロウスも片手でブン投げるなど、
前述のハンデさえなければ作中の人間の中でも最強クラスの戦闘力を備えている。
Q.何者なんですか、この人。
A.主婦です。
…作者の荒川弘センセも出産前後でもハガレン連載を続けたって言うし…
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MUGENにおけるイズミ・カーティス
Rogue CD氏による、『
JUS』風
ドットを用いた
MUGEN1.0以降専用の
ちびキャラが公開中。
作者曰く、グリードを作ろうとしたが満足いくスプライトが入手できず代わりにイズミを作ったらしい。
高い
コンボ性能に加えて地面を錬金術で隆起させて攻撃する広範囲攻撃も備えている他、
檻を出現させて敵を閉じ込める設置技などでテクニカルな攻め方も可能。
AIもデフォルトで搭載されている。
「『誰だ』と訊かれりゃ『主婦』だと名乗る
それが私の作法だが
今日ばかりはあえてこっちを名乗らせてもらおうか」
「錬金術師だ!!!!!」
出場大会
*1
ただし、シグは「流産した際にもう子供は望めなくなった」とイズミの証言と食い違う発言をしている。
整合性を取るなら心に深い傷を負ったイズミを案じて黙っていたため、イズミは人体錬成のせいと誤認したと思われる。
*2
人の肉体はまだしも。この世から失われた死者の魂は存在しない。
よって「等価交換の原則」により人体錬成を行った者はその不足により「真理の扉」に飛ばされ、
しかし死者の魂の情報など無いので何を代価にしたとしても「真理の扉」から得られず、
「通行料」だけを持っていかれるという結果のみが発生する。
これが人体錬成が必ず失敗し、錬金術師も多大な障害を負うメカニズムである。
(ちなみに魂の無い「抜け殻のようなものを作る」までなら成功者がおり、対価として両目を失っている)。
誤解無きように言うが、肉体を持っていかれるのは人体錬成の対価ではなくあくまでも「真理の扉の通行料」であり、
人体錬成そのものはそもそも必要な情報が無いので支払うべき対価も存在しない。
このため、「生きた人間を材料として、その人物自身を再錬成する」という形の人体錬成であれば不可能ではなく、
劇中ではエドワードが自分自身を分解して真理の扉を通過する事で、別の場所に再構成するという形で
グラトニーの中から脱出している。
もっとも、この場合はそうでもしなければ脱出できない状況下だった上に、真理の扉を通過した分の「通行料」は当然ながら要求され、
通行料代わりの賢者の石という対価がその場にあったからこそ実現できた荒業である。
また作中では錬金術を生きた人間に対する医療目的で使う技術も確立されているが、
これは簡単な止血や生体エネルギーの流れを活かした自然治癒の促進、簡易的な整形手術等を行うもので、
通常は失った四肢や臓器を再生したり、致命傷となる傷を即座にを完治させるような事はできない。
これを成功させるには賢者の石を用いたり、移植する為の四肢を他の人間が提供する等相応の対価が必要となる。
ただし医療目的の錬金術を扱うには当然ながら人体に対する深い知識と理解が求められるため、
これを扱える人間は通常の医療に携わる医師としても優秀な能力を持っている場合が多い。
*3
他の実例として、エドは当初アルの「身体のついで」に奪われた魂だけしか取り戻せず、
加えて偶然から再び真理の間に来た際に奪われたアルの肉体に肉薄したものの、この時もアル本人じゃないという理由で奪還できず、
罪の証であるアルの肉体を取り戻すにはアル自身が真理の間に行く必要があった。
最終更新:2024年11月20日 18:02