ロケット団


「すべてはサカキさまのために!」

任天堂のRPG『ポケットモンスター』に登場する犯罪組織
『ポケモン』シリーズには様々な悪の組織が存在するが、その中でも初代作『赤・緑』で登場した最古参である。
ボスであるサカキを崇拝し、ポケモンの略奪、金儲け、町の占拠など様々な悪事を組織的に行っている。
組織は多くのしたっぱと一部の幹部などで構築され、大体が男女共に黒ずくめの服だが、幹部やアニメ版の一部キャラは白い服を着用している。
名前の由来は、タイトルの「POCKET」に線を追加して「ROCKET」にしている事から。また、「ロケット弾」と掛けたネーミングにもなっている。
また、漫画『ポケスペ』ではサカキの言葉「 R aid O n the C ity, K nock out, E vil T usks.」(「町々を襲いつくせ、撃ちのめせ、悪の牙達よ」)の略とされている。
…どこぞのSHOCKERを彷彿とさせる。

+ 構成員の紹介

サカキ




「せかい じゅうの ポケモンを
 わるだくみに つかい まくって
 かねもうけ する ロケットだん!
 わたしが
 その リーダー サカキだ!
 わたしに はむかう なら
 いたい めに あって もらう!」

ロケット団のボスにしてトキワシティのジムリーダー(現実で例えると行政のトップの1人が犯罪組織のトップ)。じめんタイプのポケモンの使い手。
名前の由来は植物の「」から。英語版での名前は「Giovanni(ジョヴァンニ)」。一晩でやってくれる捜査員ではない(そっちはジェバンニ)。
自らを「最強のトレーナー」と称し、世界征服を目論む。
シルフカンパニーの研究員からは「ポケモンを道具のようにしか考えていない」と評されている。
『ポケモンマスターズ』での担当声優は山崎竜二等でお馴染みの石井康嗣氏。

『赤・緑』では主人公とはタマムシシティのゲームコーナーに隠されたアジト、シルフカンパニー、トキワジムと三度戦う。
最後はグリーンバッジとわざマシン(『赤・緑』では「じわれ」、『ファイアレッド・リーフグリーン』では「じしん」)を主人公に譲り渡した後、
部下に示しが付かないとしてロケット団の解散を宣言し、ポケモンの修業を一からし直しに何処へと姿を消した。
リメイク『FR・LG』で追加されたマップでは解散宣言を知らない残党が登場する他、サカキに赤髪の息子がいる事が明かされる。

3年後の『金・銀』での動向は不明。トキワジムのリーダーはグリーン(『赤・緑』のライバル)が引き継いでいる。
リメイク『ハートゴールド・ソウルシルバー』では特別なセレビィを連れてウバメのもりのほこらに行くとイベントが発生。
主人公はセレビィの力で過去の時代へ「ときわたり」し、
やがてロケット団残党がコガネシティのラジオとうを占拠していた頃のトージョウのたきのとある洞穴へ辿り着く。
そこで団員達のラジオ放送に応じて再起を果たそうとするサカキと遭遇し、その野望を阻止するべく戦う事となる。
このイベントにおいて、前述の息子が本作で登場するライバル(後に「シルバー」と命名)である事が判明した。
なお、ライバル当人はロケット団を「一人だと弱い癖に集まって威張り散らす集団」と見なし、一人で強くなる道を選択している。
また、『HG・SS』ではBGMをゲームボーイ風の音色に変える「GBプレイヤー」というアイテムが存在するが、
入手時期がジムバッジ16個入手後と相当遅く、
めいきょくアルバム(サウンドテスト)以外でロケット団関連の曲をGB風仕様で聞けるタイミングはこのイベントのみ。
加えて特別なセレビィは映画限定配布である為、現在では上記の状況を用意できる環境自体がレアと化している。

『ブラック2・ホワイト2』では「ポケモンワールドトーナメント」におけるカントー地方のジムリーダーの一人としてゲスト出演。
表舞台に堂々と姿を現しているが、かつての悪行を償ったのかは不明。

第7世代にあたる『サン・ムーン』のマイナーチェンジ版『ウルトラサン・ウルトラムーン』では、並行世界の別人が登場。
なんと歴代の悪の組織のボス達を集めた「レインボーロケット団」を束ね、ミュウツーを切り札としている。

紛れもない悪人ではあるが、主人公がポケモンをとても大事に育てている事を見抜いたり、
ジムリーダーとして正々堂々と戦い、負けを認めた上で組織の解散というケジメを付けたりするなど、
本質的には武人肌古風の任侠肌な人柄である事が推測できる。
また、残党がサカキの復帰を呼びかけていた事から、組織のトップとしてのカリスマ性を持ち合わせている事も窺える。

一人称は基本的に「わたし」だが、初出の『赤・緑』やリメイク『FR・LG』ではまだキャラクター性が固まっていなかったのか、
2戦目から一人称が「おれ」に変わり、やけにテンションが高く口調も荒くなっていた。
『HG・SS』以降の作品では『赤・緑』の1戦目に近い大物感が溢れるキャラクター性で定着しているものの、
2度目の『赤・緑』リメイクとなる『Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』では口調が原作から変わっていないどころか、
新たに追加されたセリフや表情も相まって、ただのチンピラにしか見えない
ちなみにゲスト出演扱いの『B2・W2』では、容姿は他のジムリーダーと同様『HG・SS』準拠だが、
台詞は『赤・緑』時代のものがほぼそのまま流用されているため、一人称や性格が安定していなかった。

「社長さん よお! おれを だませると 思うなよ!
 マスターボール…… 本当は 出来て いるんだろ!」

+ メディアミックスでのサカキ
アニメ版では概ねゲーム版の設定に基づいており、加えて複合企業「ロケット・コンツェルン」の経営者という表の顔も持っている。
トキワシティのジムリーダーも務めていたが、後に手を引いている(後任は決まっておらず、カントー四天王のキクコが代理を担当)。
ペルシアン(サトシと中の人が同じ)をペットとして飼っている。
当初のCVは鈴置洋孝氏。氏が逝去されて以降は三宅健太氏が担当している。
余談だが、三宅氏はアニポケにてギンガ団のボスであるアカギも演じている。

『THE ORIGIN』ではメインの悪役として登場し、幾度かレッドと対決する。
原作同様ポケモンをビジネスの道具と考えている悪人だが、
ジムリーダーとしてレッドと戦った際には彼のリザードンを見て、
自身も幼い頃にヒトカゲと共にバトルをしていたことを思い出したりするなどといった一面も見せた。
レッドに敗れた後はロケット団の解散宣言と共にジムバッジを渡し、悪事から足を洗いポケモン達とやり直す決意をする。
CVは小山力也氏が担当。

ギエピーこと穴久保幸作氏による漫画版ではまさかの双子設定。
弟の方が原作のサカキのデザインに近く、途中から弟のみが登場するようになった。

カードゲームの公式イラストレーターである姫野かげまる氏の漫画『ポケモンカードになったワケ』第17話「傷だらけのペルシアン」は、
サカキの意外な過去が語られている名エピソード。

幹部


ジョウト地方が舞台の『金・銀』では「ロケットだんいんのかんぶ」が登場。
コガネシティのラジオとうを占拠してロケット団の復活を宣言するも主人公の活躍により頓挫し、再び解散する運びとなった。
リメイク『HG・SS』では各幹部に固有の外見と名前が与えられた。
左からアポロアテナラムダランスで、いずれも宇宙用ロケットの名前に由来している。
当然だが、アポロはチーターマンの長男ではないし、アテナは超能力アイドルをやったり赤いビキニを着けたりもせず、
ラムダも脳筋でなければ、ランスは鬼畜王でも鬱クラッシャーでも戦闘種族でもない。
この内、アポロは『赤・緑』の再リメイク『Let's Go!ピカチュウ・イーブイ』にも登場している。

ちなみに、ラジオとうを占拠した目的は復活宣言だけでなく、
ラジオとうから怪電波を世界中に流してポケモンを操るという計画を実行に移すためでもあった。
これ以前にもチョウジタウンにてポケモンを無理矢理進化させる怪電波を起こしている(いかりのみずうみの赤いギャラドスはこれによる個体)。

下っ端


『赤・緑』では男性のしたっぱのみの登場だが、『金・銀』では後述のヤマトに酷似した女性のしたっぱが追加。
『FR・LG』からは女性の外見が変更され、男性の服装をベースにピンク髪とミニスカートというデザインになっている
(『FR・LG』の公式イラストでは緑髪だが、ゲーム中のドット絵はピンク色)。
『HG・SS』では男性も髪がピンク色になっている。
『ウルトラサン・ウルトラムーン』でのレインボーロケット団のしたっぱはこれをベースに、髪が緑色、制服の赤色部分が虹色に変更されている。
ちなみに、『FR・LG』以降の女したっぱのデザインは一部の人に地味な人気がある。

悪の組織の所属だけあって基本的に柄が悪く、『赤・緑』ではシオンタウンでガラガラを殺害するという凶行に及び、
『金・銀』でもヒワダタウンでヤドンの尻尾を切り取って売りさばいていた。お前ら人間じゃねぇ!*1

大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』ではMiiファイターのコスチュームの一つとして採用されている。なぜ採用したし

アニメ

「何だかんだと聞かれたら!」
「答えてあげるが世の情け!」

アニメでは無印第2話よりムサシ(画像右)、コジロウ(画像真ん中)が準レギュラーとして登場
(通称「ムサコジ」、ニャース(画像左)を入れて「ムコニャ」)。
言うまでもなく、それぞれ宮本武蔵佐々木小次郎が名前の由来だが、本作のムサシは女性である。
CVはムサシが林原めぐみ女史、コジロウが三木眞一郎氏。
毎度悪事を行ってはサトシ達に懲らしめられ、「やな感じー!」と叫びながら吹っ飛んでいくのがお約束。
声優無法地帯こと『ビーストウォーズ』でも三木氏が演じるインフェルノがよく吹っ飛ばされている時にこの台詞を発している
たまに作戦が上手くいきそうになったり、映画版でも平和的に終わるときには「なんだかとってもいい感じ~!」と叫ぶこともある。
人数構成や立ち位置からして、有名アニメの三悪を意識しているのは間違い無いであろう。
スーパー戦隊よろしく口上を高らかに叫びながら現れるのも特徴的で、口上は作品によっていくつかのバリエーションがある。
主なポケモンにニャース、ソーナンスマタドガス等。
ただしニャースは人語を解せるという事もあり、手持ちの戦力というよりは三番目のメンバーという扱いが強め
(状況によっては「みだれひっかき」などを駆使して戦うこともある)。
地方を変える毎にその他のポケモンは現地調達しているのだが、野生のポケモンに懐かれて仲間入りすることもしばしば。
サン・ムーンがベースのアローラ地方に至っては拠点が割と凶暴なキテルグマの巣穴であり、
やられて吹っ飛ばされる度にどこからともなく確保され、巣穴に持ち帰られている(この時は「何この感じ~」とボヤく)。
イッシュ地方に派遣されてしばらくはマンネリ打破のためかプラズマ団の調査のために暗躍していてシリアスであり、
やられた時もグライダーで撤退とスマート。
従来のコミカルな雰囲気に戻るのは「エピソードN」終了後である。
ゲーム作品においても、
『ピカチュウ』『Let's Go!ピカチュウ・イーブイ』『Pokémon GO』『ポケモンマスターズ』でムサコジが逆輸入されて登場している。

『電撃!ピカチュウ』版ではサトシとピカチュウとの初対決や、その後の交流も違うことからあまり二人(一人と一匹)に執着していない。
そのため「エリートだったのがサトシたちを追いかけ続けたせいで転落した」のではなく「任務に奮闘する一般構成員」という設定になっている。
出番も2巻終盤からと遅く、サトシとはぐれたピカチュウがポケモンの隠れ里を探す三人組と接触するのが初遭遇だったり、
ピカチュウの群れを狙う密猟者としてサトシ相手に初めて名乗り口上を決めたところ「バーカ!」の一言で否定されて以降はそれも封印している。
そのため原作通りの三人組の友情は描かれつつも、基本的にサトシとピカチュウとは作戦行動の途中でたまたまかち合うだけで、
セキエイリーグ参戦直前にはサトシから「友達じゃない」と否定されつつも「腐れ縁てゆーか、おジャマ虫ってゆーか」とアニメより好意的に認識されている。
三人組側もセキエイリーグでアニメ版以上に奮闘するサトシを「頑張ってるじゃん」と、弁当を売りながらの片手間ながら、一切悪事も妨害も行わず観戦しており、
その後のオレンジリーグではサトシ側からの提案で一緒に食事をしたり、ヘッドリーダーに挑戦するにあたって攻略法に悩むサトシに、
「勝負は時の運。信じ合える仲間と前向きに進めば、道は開けるわよ!」と助言を与えて送り出し、サトシが迷いを振り切るきっかけを作った。
そしていざ試合が始まるとお手製の応援旗まで用意してカスミと一緒に仲良く観客席で応援しているなど、アニメ版とはかなり関係性が変わっている。
エピローグではムサシと結ばれたコジロウが、サトシの母にサトシからの手紙を届けるという、完全にロケット団を引退した姿が描かれた。
サトシの手紙に書かれた内容によれば、どうやらサトシとカスミが見守る中、コジロウからムサシに告白をしたらしい。
大きくなったお腹を抱えたムサシに加え、ニャースももちろん一緒におり、三人の幸せそうなワンカットも掲載されている。

この他にもコサブロウとヤマトといった名有りの団員達が存在する。同じ組織仲間のはずだが、ムコニャとは犬猿の仲のようだ。
モブのしたっぱ達も勿論登場し、とある回ではタケシから迷言名言を引き出す役割も果たした。*1

余談だがホロライブ5期生の一人である雪花ラミィは大きな声を出した際にニャースに似ているとネタにされ、
本人はその癖を抑えるようにしてきたが、段々と隠し切れなくなってからは開き直ってネタにした。

「銀河を駆けるロケット団の二人には!」
「ホワイトホール白い明日が待ってるぜ!」
「ニャーんてニャ!」



MUGENにおけるロケット団

HroHro氏による、レインボーロケット団のしたっぱ(女)が闇鍋ロダ4にて公開中。
レインボーロケット団のしたっぱ(女)のMMDデータで作られている。
使うポケモンは、クロバット、ベトベトン(アローラ)、プクリンの3体。
どれも強力で70レベルを超えており、プクリンに至ってはレベル96(ロケット団に入る前からの友達らしい)。
この娘、実はサカキや幹部より強いんじゃ……。
ちなみに、勝つと「ざっこ~い」、負けると「いうこときくからゆるして!」というセリフを吐く。ん?今いうこときくって言ったよね?

想定ランクは狂上位ぐらいとの事だが、1ラウンド取られると試合放棄したり、
切り札のプクリンを出した後は数フレーム後に自滅するなど、かなり極端な性能となっている。

ちなみに、『ピカブイ』におけるサントアンヌ号の一室には、
やけにでかいプクリンと一緒にいる少女がいるが…もしかしたら彼女の過去の姿なのかもしれないらしい。

出場大会



*1
+ お前ら人間じゃねぇ!
「ハヂメデア゙ッダドギノゴドガラァ゙!
 ゲッドジダドギノゴドヤァ゙ッ!!」
「一緒に旅をしたことや!」
「一緒になって、ポケモンバトルで頑張ったことまで!
 そんな思い出の結晶がモンスターボールなんだ!」
「それを奪うだなんて!」


「お前ら人間じゃねぇ!!!!」


『アドバンスジェネレーション』第176話「ロケット団解散!?それぞれの道!」にて、
タケシがロケット団(ムコニャではなく下っ端達)に対して発した台詞。
この回のロケット団は嘘っぱちの大会を開催し、
参加者が夢中になっている間に預かったポケモンをモンスターボールごと盗んで逃げるという卑劣な手口を行おうとしており、
それを知ったサトシ、ハルカら一行がポケモンを取り戻すべく止めに出た時の場面である。

台詞そのものはかっこいいのだが、
タケシ役のうえだゆうじ氏によるオンドゥル語熱の入りすぎたガチギレ演技とサトシやハルカの演技との温度差、
実際の絵面ではいつもの無表情顔というギャップの大きさから注目を集め、今なおネタにされ続けている。

世界的アニメである『ポケモン』にあるまじき過激な台詞…と言いたいところだが、
この直後にピカチュウの10万ボルトでロケット団の下っ端達にダイレクトアタックしたり、
これ以前にも気絶したムコニャを見たタケシが「厳かに水葬してやろうか」と死体扱いして海に沈めたり(サトシ達も死んだものと見なしていた)、
後の『ベストウィッシュ』第78話でもハチクが「許さんぞ、人間のクズめ!」と激高したり(ちなみに「お前ら人間じゃねぇ!」と同じ脚本家が担当)と、
この世界では短気・過激な言動はむしろよくあることのようだ。お前が言うなとかロケット団と変わらないとか言うな


最終更新:2025年04月29日 09:48