ヤマタノオロチ

ヤマタノオロチとは「古事記」などで語り継がれている日本最古の神獣の一角である。
漢字表記は「八岐大蛇」で本来は山神または水神として扱われているが、
外見は八つの谷と八つの峰を覆う八首八尾の巨龍とされており、大の酒好きとして知られる。

ヤマタノオロチは出雲(現在の島根県)の斐伊川上流に根城を構え、
土地神である足名椎命と手名椎命の娘を毎年一人ずつ生贄に差し出すように要求していた。
8人いた土地神の娘で唯一残された櫛名田比売も生贄にされる時期が近付き、親子は嘆き悲しんでいた。
そんな時、高天原を追放された須佐之男命(スサノヲノミコト)が通りがかり、櫛名田比売との結婚を条件にヤマタノオロチの退治を請け負い、
神酒「八塩折之酒」を用いて泥酔させたヤマタノオロチの首を十拳剣で切り討伐に成功した。
この際、ヤマタノオロチの尾を切ると十拳剣の刃が欠け、尾の中から出てきた大刀が「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」、
後に草原で火攻めに遭った倭建命(ヤマトタケルノミコト)が、この剣で草を刈り取り迎え火をする事で命拾いした一件から、
草那藝之大刀(くさなぎのたち)とも呼ばれる事となった、今日では三種の神器の一つとされる神剣である。

沢山の首(=支流)を持つ事から暴れ川の化身説、赤く燃え立つ目と体内から剣が出て来る事から出雲のたたら製鉄の象徴説等、
その由来は神話らしく諸説存在する。
日本神話でも一際知名度が高い存在であり、『ドラゴンクエストIII』や『THE KING OF FIGHTERS』、『大神』などの敵役や、
ところ天の助の奥義「オロチ拳」など必殺技のモチーフに使用される事もあり、多くの創作物でヤマタノオロチは題材にされている。

ちなみに「ヤマトタケル」と対決させられる話になっているものもあるが、これは近年の創作だけではなく(別の大蛇っぽいが)日本書紀で、
「伊吹山の神の化身の大蛇と敵対して最終的にそれが元で死んだ」という話や、岐阜県の御霊神社に大蛇と戦って倒した伝説があったりするので、
古くから混同されやすかったようである(「神酒で泥酔して全滅」という死因まで一致している所為で、伊吹山の酒呑童子はオロチの血族説がある程)。
そこを逆手に取ってか、後述もする1994年公開の東宝映画『ヤマトタケル』では、
ヤマトタケルがアマテラスの使いと合体して巨大ヒーロー「宇宙戦神(ウツノイクサガミ)」に変身する展開が描かれ、
同作のメディアミックスとしてコロコロコミックで同年に連載された漫画版(原作:三村渉・作画:たかや健二)では、
「ヤマトタケルはスサノオの子孫の太陽神族」という設定になっており、
邪神ツクヨミと対決するため、かつてスサノオの駆った巨大神像「宇宙戦神」を巡って冒険を繰り広げる。
同じく映画とのメディアミックスとして同年放送されたアニメ版ではこれらの設定をさらに換骨奪胎し、
25世紀の遥か宇宙の移民惑星「イズモ」を舞台とし、地球人移民の少年・ヤマトタケルが、
「魔空戦神(まくうせんじん)スサノオ」に乗って他の魔空戦神と戦うロボットアニメとなっていた。
また『ヤマトタケル』以前にも宇宙人スサノオと合体した高校生が巨大化変身、蘇ったオロチと戦う『暗黒神伝承 武神』というOVAがあり、
効果音そのまんまだったり変身バンクがぐんぐん人形だったり元ネタ隠す気ねえぞこれ日本人にとっては「怪獣退治」として馴染み深いモチーフである。

某小学生「おかしいよ、頭が八つならまたは七つだよ。ナナマタのオロチというべきだ」
なお、「マタ」は分岐点ではなく分岐先の数を表現する言葉なので、「ヤマタ」で問題は無い。
そうでないと「二股かけてる」が「股は一つだから問題無い」になってしまう。
これを意識したかどうかは定かでないが、『地獄先生ぬ~べ~』で登場したヤマタノオロチは円周型に首が配置されていたり、
本項目で解説されるヤマタノオロチは中央の親首の周りに七つの首が配置されるなど、
分岐元も八つになるような造形がされたヤマタノオロチも存在している。
ちゃんと答えられず「昔からヤマタと決まってるの!」で誤魔化した青狸が悪い

  • 本wikiで取り扱っている「ヤマタノオロチ」に関連するキャラ
  1. 東宝映画『ヤマトタケル』の怪物 → 本項で解説
  2. THE KING OF FIGHTERS』シリーズのキャラクター → オロチ
  3. アリスソフトの地域制圧型エロSLG『ランス』シリーズのキャラクター → オロチ(戦国ランス)


東宝映画『ヤマトタケル』のヤマタノオロチ


ミラクルアイテムが輝くとき 全宇宙を支配する
魔王ヤマタノオロチとの戦いが始まる

SF特撮映画『ヤマトタケル』では、邪神ツクヨミ(演:阿部寛)の化身として登場した。
かつて創造神イザナギが世界を光の神アマテラスに委ねるとしたため、夜の神ツクヨミはこれに反発し、
世界を闇に沈めるべくヤマタノオロチと化し、姉兄でもあるアマテラスとスサノオ相手に争った末に敗北。
体内から力の源であるアマノムラクモノツルギを奪われ、イザナギによって氷塊に封印・宇宙の彼方に追放されてしまう。
しかし数千年の時間をかけて力を取り戻しつつあり、氷塊が月面に激突した事をきっかけに覚醒。
かつての戦いで折られたヤマタノオロチの牙をヤマトの国の祈祷師・月ノ輪に化身させ、
自らの力の源であるアマノムラクモノツルギを取り戻すべく暗躍、完全復活を果たして再び世界を闇に沈めようと目論んだ。

ヤマタノオロチを滅ぼす使命を帯びた王子オウスが生まれた事を知ると、父である大王ケイコウに憎まれるように仕向け、
やがてオウスがヤマトタケルへと成長すると、アマノムラクモノツルギを巡ってヤマトタケルと争奪戦を繰り広げる。
作中で明言はされていないが熊襲神(クマソガミ)、海神ムーバなどを邪悪な力で操って刺客として送り込み、
終盤でついにアマノムラクモノツルギを入手して力を完全に取り戻し、この世を滅ぼさんとしたが、
ヤマトタケルとオトタチバナに追い詰められた事でヤマタノオロチと化し、天変地異を引き起こして大和を襲う。
ヤマトタケルとオトタチバナは、天の白禽(アマノシラトリ)に騎乗し、ヤマタノオロチとの決戦に挑むのであった。

本作はSFアドベンチャー映画とされつつも、極めて真摯に忠実に日本神話のヤマトタケル伝説をなぞった古代日本ファンタジーとなっており、
当時流行していた剣と魔法のRPGのような構成や、ツクヨミとヤマタノオロチが同一など大胆にアレンジされている部分もあるが、
それらを除く細かい部分を挙げていくと、たとえばアマノムラクモノツルギがヤマタノオロチの力の源の一つなのは、
当然それが神話においてヤマタノオロチの尾から出てきたからであるし、かつてヤマタノオロチを封じたのも当然スサノオであり、
ヤマトタケルはいわば伝説の勇者から使命を託されて導かれる二代目勇者というポジションで、スサノオからその剣を受け継ぐといった点や、
その受け継がれる剣も、唯一オロチを滅ぼせる武器としてかつてスサノオが振るった十拳剣こと蛇の韓鋤剣(オロチノカラサイツルギ)である点、
さらに半ば追放同然のクマソ討伐、クマソタケルからの命名、オトタチバナヒメの入水、大蛇によるヤマトタケルの死、白鳥となっての故郷への帰還など、
全体のストーリーも原典である日本神話とヤマトタケル伝説へのオマージュに溢れている。
特に前半の山場となるクマソタケルとの対決は、ヤマトタケル役髙嶋政宏氏とクマソタケル役藤岡弘、氏の迫真の殺陣が繰り広げられる名勝負となっている他、
若かりし頃の阿部寛氏が演じるツクヨミは、それこそアニメに出てくるようなクールでイケメンの悪役といった風格たっぷり。
加えて川北紘一特技監督が手掛けたクマソガミ、海神ムーバ、そしてクライマックスのヤマタノオロチ戦などの特撮場面も凄まじいクオリティ。
さらに主題歌は本作でメジャーデビューを飾ったGLAY(プロデュースはYOSHIKI氏、アニメ版前期OP・EDも担当)と、
とにかく豪華の一言に尽きる作品となっており、未見の方は是非見て頂きたい傑作映画の一つである。*1
映画トレイラー
映画OP

同じく東宝による日本神話を題材にした1959年公開の映画『日本誕生』にも「ヤマタノオロチ」が登場するため、
それとの兼ね合いで区別できるように、媒体によっては「魔王ヤマタノオロチ」とも表記される。
全長66m、首長22m、体重5万t。四肢を持ち、尻尾は1本。翼は無いが、この体躯で宇宙を飛翔する事も可能。
頭部は西洋の龍のようになっており、八つの首から高熱火焔を吐く能力を備えている他、
目からツクヨミの増幅した妖力を放つ稲妻状の破壊光線「覇帝紅雷撃(はていこうらいげき)」、
8対の目の同時攻撃「覇帝紅嵐舞(はていこうらんぶ)」を武器とする。
角はツクヨミの心が宿った八つの思考脳にそれぞれ直結した感覚器となっている他、
胴体には別個に行動脳があり、さらに捕食したものを火炎とエネルギーに変換して蓄える炉が備わっている。

「今こそ、このツクヨミの世の到来を知らしめようぞ……」

「人の子のお前たちが、どうやって神の我に勝つ?」

当初はアマノシラトリに騎乗して生身で戦うヤマトタケル、オトタチバナをその巨体と火炎放射で追い詰めるが、
三つの光であった彼らが合体して最も新しき神宇宙戦神(ウツノイクサガミ)と化した事で形勢は逆転。
長首を用いて絡み付いた所を全身から気を放出する「怒裂爆閃砲(どれつばくせんほう)」で吹き飛ばされ、
火炎放射は時空間を分断する障壁「時裂空漸波(じれつくうざんぱ)」の前に防がれ、と攻撃を封じられてしまい、
首をオロチノカラサイツルギで切断された挙句、頭部の日輪から放たれる光線「魔砕天照光(まさいてんしょうこう)」を浴びせられ、遂に倒された。
そして再び封印されたツクヨミを前に「邪悪な神であれば滅ぼすべきではないか」と主張するオトタチバナに対して、
「次に帰って来る時は、人々に幸せをもたらす神やもしれん。神とはそういうものだ」とイザナギによって再び宇宙に追放。
ヤマトタケルとオトタチバナはアマノシラトリに乗って大和へと帰還し、オロチの呪縛が解けた大王ケイコウは息子の帰りを心待ちにするのだった。

なおこのクライマックスシーン、実際にヤマタノオロチの口に仕込んだ火炎放射器が火を噴いているため迫力満点。
そしてウツノイクサガミはその火炎放射を実際に耐熱ガラス製のバリアーで防いでいるという凄まじさである。
当初はCGや合成の予定だったが、やはり炎の照り返しや、バリアに激突した時の炎の透明感を見せるため、本物の炎に切り替えたのだとか。
この火炎放射の爆音がスタジオの外まで響いてご近所から苦情が来た、なんて神話とはある意味正反対の微笑ましい逸話もある。
劇しい光でも見てるんですかこの人達は
このヤマタノオロチのきぐるみ……と呼んで良いのか、全長10m、総重量500kgを超すこの巨大なスーツは、
脇腹から内部のコクピットに乗り込んで二人がかりで操縦する、もはやロボットか重機といっても過言ではないような代物で、
さらに外部から首と尻尾を操作し、歩行時には最大で20名のスタッフが必要となる、東宝怪獣映画でも歴代最大級の、正にモンスターとなっている。
おまけにこのヤマタノオロチ、デザインが難航した事もあってスーツの制作期間はたった30日
しかも撮影スケジュールの都合上、初っ端から爆発四散し、その後もウツノイクサガミによって首を切断されるシーンやらが入るため、
その度にスーツを修繕してまた撮影に投入、急遽組み込んだ火炎放射器で頭部が溶けないかヒヤヒヤしながら見守るという過酷な現場であった。
おかげで超全集でインタビューに答えてる小林知巳造形担当の写真は完全に目が据わっている
メインとなる操縦者アクターとしてクレジットされているのは、ヘドラや『VSゴジラ』シリーズのゴジラを担当した薩摩剣八郎氏。
この巨大なスーツの他、スーツだけでは表現できない細かい動きが可能なギニョール(手動操作する操り人形)ヘッド、
ゴジラでは実現困難な生身の人間と怪獣の戦闘シーンを描きたいという意向から、1/1サイズの巨大なヘッドモデルが制作された。

メディアミックスにおけるヤマタノオロチ

『ヤマトタケル』は様々なメディアミックスが積極的に行われたプロジェクトでもあるため、
同時期に様々な『ヤマトタケル』作品が展開され、当然ヤマタノオロチもそれらに登場している。
とはいえいずれも『ヤマトタケル』という根本こそ一緒ながらストーリーや設定などは微妙に違うため、
各々が直接、特撮映画版と地続きの作品というわけではない。

アニメ版では「かつて宇宙を滅ぼさんとした邪神ツクヨミが作り出した生物兵器」という設定で、
デザインは特撮版に類似しているが、サイズは惑星規模で背には翼を生やし、腹部にも巨大な口を持つのが特徴。
星々を次々と滅ぼした末にイズモを襲ったが、古代イズモ先住民が作り出した「光のヤマタノオロチ」に敗れ、魂を八つのオロチダマに封印された。
この「光のヤマタノオロチ」が何だったのか、その他一切のことはわかりません!*2
それから長い月日が過ぎ、地球移民達が惑星イズモに到着、イズモ先住民達と共に暮らすようになってから十二年後。
ツクヨミの復活と共にオロチダマも力を取り戻し、周囲の金属を取り込んで意思を持つ巨大人型兵器「魔空戦神」に変化。
たまたま故郷の村に眠っていた魔空戦神スサノオを見つけた少年ヤマトタケルは、最後のオロチダマであるスサノオを狙うツクヨミ軍から故郷を守るため、
親友ロカ、謎めいた少女オトと共に、ツクヨミに付き従う他の七体の魔空戦神達と戦う冒険の旅に出る。

こうした経緯のため、主役機スサノオもヤマタノオロチの極めて危険で荒々しい面が宿っており、
第一話ではツクヨミ軍ごとタケルの故郷を焼き払い、その後もタケルの負の感情に影響を受けて暴走する事も多々あったのだが、
タケルの真っ直ぐな魂に触れ続けたことで善の心に目覚め、命の危機に瀕したタケルを救うためにオロチダマの力を解放する。
これによってタケルは救われたが、オロチダマの力からヤマタノオロチの依代たる「悪のスサノオ」、新たな魔空戦神ガイオウが誕生してしまい、
ガイオウ=ヤマタノオロチはツクヨミをも裏切って独自に行動を始め、ついに復活すると宇宙全てを滅ぼすべく暴れ出したが、
スサノオは完全にツクヨミ、ヤマタノオロチと決別して最後までタケルと共に戦い抜き、戦後はタケルの故郷で眠りに就いた。
そして3年後を描いたOVA版では再び復活したツクヨミを今度こそ完全に消滅させるべく、タケルとオトを自分の機外に放出。
ガイオウに取り込まれたオトの兄ミカヅチの魂と共に、ツクヨミごと太陽に飛び込む事で、イズモに平和を取り戻した。
そのためヤマタノオロチ自体は終盤まで登場しないものの、主役機スサノオはある意味「善のヤマタノオロチ」と呼ぶべき存在で、
特撮版のイザナギが言う「次に帰って来る時は、人々に幸せをもたらす神やもしれん。神とはそういうものだ」が正鵠を射たものだった事が分かる。
楽曲とソフト版元の違いで歴史の徒花となったアニメ前期OP
映画版主題歌と共通楽曲の前期ED
後期およびソフト版OP使用MAD
後期およびソフト版ED使用MAD
魔空戦神スサノオに何処となく承太郎とスタープラチナっぽさを感じてしまうのは何故だろう…?

一連のタイアップの一つとして1995年に発売されたSFC用RPG『火の皇子ヤマトタケル』にも登場する……のだが、
何故か中盤、日本を支配せんと目論む嫦娥が操る怪物として、出雲を征伐にきたヤマトタケルの前に立ちはだかる中ボスである。
初戦では負けイベントで、一時撤退してヤマタノオロチの倒し方を知る神農を頼らねば倒せないという強敵ではあるものの、
デザインも多頭の緑蛇といった感じで魔王ヤマタノオロチとは似ても似つかないため、完全に別物(別蛇)と言って良いだろう。
スサノオに導かれシラトリに乗って月面に向かい、ツクヨミ(と嫦娥)と戦うクライマックスは同じなのに、この扱いの差は……。
あと正直メインヒロインのオトタチバナよりサブヒロインのサワメちゃんのが可愛いと思う

他作品との関係

そして上記のスチール写真を見て「ん?キングギドラに似てね?」と思ったあなたは鋭い。
この『ヤマトタケル』という映画自体は1994年公開の作品なのだが、前述した1959年公開の『日本誕生』にて、
少年時代のヤマトタケルが「スサノオノミコトになり切ってヤマタノオロチと戦う場面を空想する」という展開が序盤にある
(『日本誕生』のヤマタノオロチは蛇のイメージか角が無いなどの差異がある)。
これをデザインやギミックの参考とし、そこに西洋竜の要素をミックスしてゴジラシリーズのキングギドラになったという経緯があり、
『ヤマトタケル』のヤマタノオロチはギドラの要素を逆輸入してデザインされているのである。
英語版『ヤマトタケル』(欧米ではビデオ映画としてリリースされた)のタイトルが「Orochi, the Eight-Headed Dragon」となっているのも、
キングギドラが初登場した『三大怪獣 地球最大の決戦』の英語版タイトル「Ghidorah, the Three-Headed Monster」を想起させる。
さらに本作制作のきっかけは「キングギドラの原点はヤマタノオロチだ」という話を聞いたプロデューサーが、
幼少期に祖母と共に見た『日本誕生』を思い出し、同じような映画を作ろうと決意した事であったりするため、
ヤマタノオロチがいなければキングギドラは生まれず、キングギドラがいなければ魔王ヤマタノオロチも生まれなかったのだ。
本Wikiのキングギドラの項目にもヤマタノオロチとの関係が記されているので、そちらも参照されたし。


MUGENにおけるヤマタノオロチ

カーベィ氏の製作したキャラが2025年の蛇年記念に公開された。
……龍じゃないかって?名前に大蛇ってあるので気にするな!
スプライトはkMIKEj氏提供のものを使用している。

ガードができない代わりに常時投げ無効&ハイパーアーマー状態、おまけにゲージ自動増加と至れり尽くせり。
7P以降は投げ無効とアーマーが無くなる代わりにガードができるようになり、一般的な格ゲーキャラに近い感覚で使える。
巨体を生かした攻撃や多数の口から発射する飛び道具が持ち味で、
中でも飛び道具の「覇帝紅雷撃」は発生・弾速共に速く、長時間画面に残り、多段ヒットするので撃ち合いにも有利と非常に強力。
機動力は致命的に低いものの、高性能な突進技を所持しているためある程度は補える。
ただし、どの技も見た目の割に火力はそれほどでもなく、アーマーを活かしたゴリ押しを前提にしているとも言える。
超必殺技として、前述した覇帝紅雷撃の弾数と攻撃範囲をさらに強化した「覇帝紅嵐舞」、
地面を疾走し巨体ではね飛ばす「突撃」、相手をロックし光線を浴びせる投げ技「電撃」の3種類の1ゲージ技を持つ。
いずれもモーション中完全無敵で発生も速く、ゲジマシに加えて素のゲージ回収率も悪くない事もあり、大いに役立ってくれる。
凄まじい投げ間合いの広さを誇り火力も高い電撃は特に強力。
AIもデフォルトで搭載されている。

出場大会

  • 「[大会] [ヤマタノオロチ]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
当初はハリウッド版ゴジラの展開に合わせ、『VSメカゴジラ』を以て『平成ゴジラ』シリーズが終了する予定だったため、
それに代わる年末年始の看板作品として3部作によるシリーズ化の構想がされており、
続編ではモスラと戦う予定だった没怪獣バガンが登場する他、3作目ではなんとゴジラと対決するという予定だったらしい。
しかしハリウッド版ゴジラの製作が遅れたため、年末は例年通りゴジラ新作(『VSスペースゴジラ』)を作る事になり、本作は夏休み映画として公開された。
配給収入は8億円(映画会社の収入。今で言う興行収入は映画全体の収益を示し、配給収入はその約50%にあたる)と悪くなかったものの、
当時人気絶頂だった『平成ゴジラ』シリーズ(最低でも『VSビオランテ』の10.4億円)には遠く及ばかったため、
「素直にゴジラ作った方が売れる(要約)」と判断されて結局シリーズ化は見送られる事となった。
またこの影響でアニメ版のスポンサーも降板してしまい、玩具売上の不振もあって4クールから3クールに短縮されてしまった。
とはいえ、参考として98年に公開された『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』の配給収入が4億5千万円であり、
『ウルトラシリーズ』興行収入歴代1位の『シン・ウルトラマン』44億円はともかく、歴代2位の『大決戦!超ウルトラ8兄弟』で8億4千万円なのを鑑みると、
配給収入8億円に到達した『ヤマトタケル』は決してヒットしていないわけではない。全盛期のVSゴジラは流石に相手が悪すぎる……
アニメ版も後日談のOVAが制作されるなど、決して不人気だったわけでもクオリティが低い作品というわけでもない。
『ヤマトタケル』は一作完結となった事で単体できれいにまとまっているのもあって、上質な特撮映画なのだ。

*2
クール短縮の影響もあって、古代に何があったのかという事は本編中ではほとんど明かされないままであった。
魔空戦神がそもそも古代の時点からツクヨミの侵略兵器だったという話もあり、このあたりはいまいちハッキリしない。
オロチダマがなければ魔空戦神は存在せず、魔空戦神が存在するならヤマタノオロチは封印されているはずなのだが……。
  • ヤマタノオロチ(魔空戦神)はオオナム星系の星々を滅ぼした末に惑星イズモを襲った
  • 古代イズモ先住民の作り上げた「光のヤマタノオロチ」によってヤマタノオロチは敗れ、魂は八つのオロチダマに封じられた
  • スサノオの中にヤマタノオロチ復活の鍵となる最後のオロチダマが宿っている
  • 星の中心にある星の魂を破壊し、イズモを滅ぼすことがスサノオの本来の目的である
  • 古代にイズモに降り立ったスサノオは、しかしイズモを滅ぼす事無く眠りに就いた
  • 古代のスサノオ操縦者は、スサノオの暴走によって命を落とした
  • イズモの海底には「オロチの抜け殻」と呼ばれる、スサノオが作った星の中心まで続く巨大な断層がある
  • 古代イズモは平和な世界だったが「オロチの抜け殻」から邪悪なものが吹き出して争いが生まれたと伝えられている
  • 地下世界ヨミの国では「星の中心に眠るオロチダマを奪うためスサノオが降臨した」と伝えられている
  • スサノオと共に、星の魂の力を集めヤマタノオロチを滅ぼす鍵となる三種の神器の一つ、ムラクモの剣が封じられていた
  • アマノシラトリなど古代イズモ先住民の作ったと思われるマシンが、魔空戦神と合体したり支援する機能を有している
  • スサノオはタケルを助けるためにオロチダマの力を解放しても自我を保ち、行動することができた
  • 前期OPラストやアニメクライマックスで、星の魂の力を宿したスサノオが光の巨人へと姿を変えてヤマタノオロチと対峙する
などの情報や伝承が作中で語られたり、あるいは描写されているのが、
例えば「スサノオは星の中心にある星の魂を破壊するのが目的」というのはツクヨミに暴走させられたスサノオの行動で事実なのがわかるが、
同じエピソードで「スサノオは星の中心からオロチダマを奪うため降臨した」という異なる伝承が語られるなど、情報も錯綜している。
ただ「オロチの抜け殻」とスサノオが封印されていたタケルの故郷ヤクモ村は物理的距離が近いなど、断片的な情報を繋ぎ合わせていけば
  • 元々魔空戦神はヤマタノオロチの子機として八つのオロチダマを中心に作られた侵略兵器だった
  • 離反したスサノオ操縦者が古代イズモ先住民と協力して星の魂の力を借り、ヨミの国でヤマタノオロチを八つのオロチダマに封印したが戦死した
  • 古代イズモ先住民がスサノオをヨミの国から回収し、ムラクモの剣ともども封印した
というのがイズモ先住民に伝わる「光のヤマタノオロチ」伝説の真相なのではないかと推測する事はできるが、結局の所これも憶測でしかない。
何しろ作中でも古代イズモ先住民の末裔が語る所によれば百万年前の話というから、
むしろこれだけ情報が遺っているだけマシというものかもしれない。


最終更新:2025年01月18日 01:26