グレイズ

チチチチチチチチチチチチチチチチ・・・・・・(効果音

東方萃夢想』(2004年)および続編の『東方緋想天』『東方非想天則』におけるメインシステム。
ギャラルホルンの量産型MSではない。
これらの作品では一部キャラを除き投げ技が無い代わりに、グレイズ・打撃・射撃で三竦みを成り立たせている。

地上ダッシュ、空中ダッシュ、バックステップ、大ジャンプ、飛翔・回避結界(『緋想天』以降)、一部のダッシュ攻撃、
一部のコマンド技およびスペルカード(超必殺技)中に付与される属性で、
射撃属性の攻撃をノーダメージですり抜けることが可能(一部グレイズ不可の例外有り)。
一見打撃に見えても「射撃属性」の攻撃もあるので、どの攻撃がグレイズ可能かあらかじめ知っておく必要がある。
射撃無敵とは若干性質が違うので注意。

射撃をガードすると霊力(射撃などの弾数制限とガードクラッシュゲージを兼ねる)が減ってしまうため重要な回避行動であるが、
単に射撃はグレイズすれば良いというわけではなく、グレイズするために霊力消費が必要な「磨耗射撃」、
グレイズ自体が不可能な「特別射撃」などもあり、またグレイズ中はガードが出来ず打撃によるグレイズ狩りには無防備なため、
相手と自分の位置によってはグレイズだけでなくガードも重要である。
射撃によってはグレイズで弾自体消滅したり、攻撃判定だけが消えてアイテム変換判定が残ったり、グレイズでは攻撃判定が消えないものもある。

ストーリーモードはこのグレイズで回避しつつ立ち回るのが大前提になっているため、
MUGENにおいてグレイズが出来ないキャラでストーリーモードを攻略するのはどうしても無理ゲーになってしまう*1

ちなみにグレイズ (Graze) とは「カスる」の意であり、
元は原作『東方Project』シリーズ4作目『東方幻想郷』(1998年)から登場した「敵弾に当たり判定の外側ギリギリでかする」システムが元。
基本的に点数加算の効果があるので、作品により重要性は異なるがハイスコアには欠かせないシステムである。

更なる元ネタは『ライデンファイターズ2』(1997年)と言われている。
なお『サイヴァリア』の「BUZZシステム」ではパワーアップシステムとなっており、
『式神の城』シリーズの敵本体か敵弾に近付くほど撃破時の点数倍率・得点+攻撃レベル強化アイテムのコイン出現量が上がり、
最高倍率でショットが大幅強化される「テンション・ボーナス・システム」はその両方を取り入れたものと言える。

実は格闘ゲームに限っても『萃夢想』より古い『超鋼戦記キカイオー』(カプコン。1998年)で既に「スチールダッシュ」が存在する。
スーパーアーマー状態での体当たりなので単発飛び道具なら無視できる。
更にはガード不能なうえ、当たればダメージ0とは言え敵がよろめくので、どんな技も入れたい放題。
勿論弱点もあり、真空波動拳みたいな多段攻撃には耐えられないうえ、ガード不能技のお約束として避けられたら大きな隙を晒す
(3D作品なので横移動で回避可能。一応、技の出は遅くはない。流石にパンチよりは遅いが)。

『デモンブライド』(エクサム。2009年)では、特殊なゲージを消費して射撃を無効化しつつダッシュする「ブライドダッシュ」というシステムがある。
射撃用のボタンも存在しており、純粋な2D格ゲーとしては珍しいシステムの作品になっている。

新機動戦記ガンダムW ENDLESS DUEL』(バンダイ。1996年)ではガードを固めたままブースターで移動する「ガードダッシュ」というシステムがあった。
飛び道具に限らないが投げには無力なため実質飛び道具をかいくぐって接近する用途専用
(遠い間合いで素手攻撃をすると飛び道具を連射する「バルカン」というシステムがラスボス以外の全キャラにある)。


MUGENにおけるグレイズ

『萃夢想』が登場した直後に製作されたキャラの射撃は、東方キャラ以外はグレイズできなかった。
ルージュノワール氏製作の妖夢が「相手にグレイズさせる射撃」の元祖と言われている。
現在ではほとんどの東方キャラがこれに追随し、他の格ゲーキャラがダッシュした時もグレイズできるようになっている*1

しかしプレイヤー操作ならいざ知らず、普通のAIは「飛び道具に対してダッシュで突進する」などという行動はしない
(堅実なAIほど間合いの維持やガードを積極的に行うので、飛び道具に強い突進技や無敵移動技でも持たない限りその場で固められる)。
そのためパチュリーなどの『東方』でも生粋の弾幕キャラに近寄れずに封殺してしまったり、
逆にグレイズさせてくれない『東方』以外の弾幕(この人とかこの人)とかにレミリアなんかが突っ込んでいくこともしばしば。
……いや、飛び道具なんて無視してワープしたり、逆に跳ね返してきたりするキャラもいるんだけどね。
特徴的なシステムを実装することがいかに難しいかの見本と言えよう。

あまりに大量の弾幕を射出する場合は、そのままでは相手にグレイズさせることができないが、
飛び道具の判定自体を消すことによって擬似的にグレイズさせることができる。
ただし、タッグ戦だと相手一人がグレイズすることによりグレイズしていないもう一人も弾をすり抜けるという事態にもなってしまう。

また『スマブラDX』でもフォックスのブラスター(敵が怯まないが速射性に優れる飛び道具)で似たようなAI殺しがしばしば起こり、
一切怯まない以上、多少ダメージを喰らっても他の行動に移ればいいものを、こちらの連射が速いとCPUはひたすらガードを続けてしまい、
遂にシールドクラッシュ(ガードクラッシュ)という事をちょくちょくやらかしていた
同じゲームの中なのだから、それぐらいの対策させればよかったんじゃ…ちなみに『X』ではこのハメは修正されて不可能になっている)。


*1
ただ『萃夢想』とは違い一定時間でダッシュが中断されないキャラがほとんどなので、逆に『萃夢想』キャラが不利になりやすい。
例:CVSリュウ(S, N, K, EXグルーヴ)がアリスの弾幕乱射にランでぶつかると、密着できる。
これのバランス調整のため、打撃判定を持つスペルはアッパー調整がかかっていることが多い。
しかし『緋想天』は原作でも一部キャラを除きダッシュし続けていればグレイズが途切れず、その仕様を前提にして作られているので特に問題は無かったりする。


派生語「グレイズさせろ」

東方キャラ以外の弾幕があまりに酷い時に付けられるコメント。
自重しない状態のストライダー飛竜禍忌レミーペットショップなどが多い。
東方キャラの弾幕ならグレイズできても、こいつらの弾幕はガードせざるを得ない
類語として「霊力ゲージ付けろ」などがある。


+ Graze!!
全くの余談だが、東方Projectの2次創作において「ギリギリ18禁ではない」
著作権的にネタにしたらやばいものをセーフな範囲でネタにした」
等の作品をしばしば 年齢制限・著作権にグレイズする と言ったりする。


関連項目: 特殊システム一覧



最終更新:2022年06月23日 23:11