トニー・ウォン


"SAMMY YOU!"

タイトーの発売した格闘ゲーム『バイオレンスファイト』のボスキャラクター。
後に海外でのみ発売された続編『Solitary Fighter』で使用可能になった。
中国人風の名前であるが特攻野郎Aチームのコングの様な見た目で強力な打撃とチェーンを使って戦う。

身長225cm、体重115kgというかなりの巨漢。
1940年1月5日生まれ(ゲームの舞台は1950年代前半)、ニューヨーク出身
大会優勝候補とされる圧倒的パワーを持ち、勝つためならいかなる手段も選ばない
『タイトーメモリーズ』下巻収録版プレイ動画(12:36~)


『バイオレンスファイト』について

1989年にタイトーが発売した対戦格闘ゲーム。
『スト1』の2年後、『ファイナルファイト』と同年、『スト2』の2年前にあたる。
奇数ステージが奥行きありでベルトスクロールアクションのように移動でき、偶数ステージは奥行き無しで2D格闘ゲームのようになる。

ランダムで表示される勝利台詞の一つ「SAMMY YOU!」は辞書にも載っておらず、アメリカ人のゲーマーも首をかしげる謎の単語*1で、
このゲームを象徴する台詞となっている(他にこの言葉を使う場面はどこにも無いため)。

1950年代アメリカの裏社会の賭け格闘技試合が舞台となっており、近年の真っ当な格闘技スポーツが舞台の格ゲーとは異質の雰囲気を漂わせる。
悪役がマフィアとか悪の組織のボスといった設定は近年の格ゲーにもあるが、プレイアブルキャラすらもやばい輩しかいない。
……それも「怖い人達を集めたゲーム」というコンセプトでもなく、恐らく天然で。

+ そんな4人の暗黒プレイアブルキャラ達
  • バット・プルー

パンチ :70
キック :60
ジャンプ:55
スピード:50

ストリートチャンピオン。スターダストパンチと名が付いた、このゲームで一人だけエフェクトが付いたアッパーを持っている優遇された主人公枠。
よそのゲームなら一般的な爽やかアメリカ人が配置されそうなポジションにいるのだがいきなりの悪人面で、
勝利ポーズの「ハッハッハーッ」のボイスはチンピラそのもの。
後ろに虎の穴のミスターXがいる所が既にこの男が真っ当な格闘技人生を送ってはいない事を示している、状況的に最もやばい男。
このゲームの舞台は1950年代で『タイガーマスク』の20年ほど前なので、この人物はミスターXの父親だろうか。
アメリカの裏社会で秘密組織「虎」が勢力を拡大する時期を描いた一幕だったのかも知れない。
多分このゲームで負けた奴は死体が川に浮かぶのだろう。

たまに「バッド・ブルー」(Bad Blue)と表記される事があるのだが、単なる誤字でなければこいつの異名か何かだろう。
いかにもそういう顔してるし。

  • ベン・スミス

パンチ :45
キック :30
ジャンプ:65
スピード:100

「ネバダの荒鷲」の異名を持つ元海兵隊員。
4人のプレイアブルキャラ中で最高の移動速度を持ち、下の動画でのノーミスクリアには彼が使用される。
札束とねーちゃんを手にして知性0:欲望100に振れ切った顔付きを見せる、知性的に最もやばい男。

  • リック・ジョー

パンチ :100
キック :90
ジャンプ:30
スピード:15

試合中に13人殺して解雇された元レスラー。経歴が最もやばい男。*2 何故1人殺した時点で業界追放しなかったのか。
親族と思しき人物と札束を手にして満面の笑顔で「KILL YOU!」の台詞がシャレにならん。
ここなら殺しても誰も咎めそうにないし、最初から「敗者は死ぬ」ルールかも知れん。

  • リー・チェン

パンチ :15
キック :100
ジャンプ:80
スピード:55

中国系アメリカ人でマイアミ出身。幼少期に中国本土に渡り、暗殺拳を修めた本格派(本格的にやばい)。
顔付きは一番まともそうに見えるが、後ろの謎の中国人の存在がやばすぎる。
勝ち上がれば大金が転がり込む舞台設定だが、いつかこいつに全財産持ち逃げされそうである。
+ 続編では
続編『ソリタリーファイター』では全員勝利時のグラフィックが変わったのだが、
前作の「腕は立つけど世間知らずのお人好しですぐ騙されそう」と言う印象から一転、完全に悪の殺人拳法家に変貌している。
やはり相方の男に騙されていた事に気付いて闇堕ちし、彼を始末したのだろうか……。

以上の悪人猛者共(自分以外)を全員倒すと、ボスキャラのロン・マックスとトニー・ウォンと戦い、
その後に突然登場するプレイヤーキャラの弟(同キャラ)との最後の戦いに突入する。
「俺を倒してでも賞金が欲しいか?」と言った事を告げて挑んでくるが、優勝した兄に向かって賞金目当てに挑んでくるのは弟の方である。
この兄にしてこの弟あり。弟もやっぱり真人間では無かった。
ちなみに2回あるボーナスステージでは虎と戦わされる。「普通の人間が虎と戦って勝てるわけ無いよね」というぐらいに異様に難しい。
続編『ソリタリーファイター』には熊も登場
物凄い『バイオレンスファイト』愛に溢れた紹介動画


MUGENにおけるトニー・ウォン

mitai dake氏が製作したものが存在。
同氏のパズズロンと同じくプロレス風味の大幅なアレンジが施され、特殊ガード「シールド」や当て身投げの他、
原作での軸移動の動きを再現した回り込みも搭載。
ゲージ溜めを持つ上に攻撃時や被ダメージ時の増加量も多いため、瞬く間にゲージが溜まっていく。
また、パズズほどではないがデフォルトの体力が1200とかなりタフである。さらに根性値補正で試合の終盤はとんでもなく硬くなる。
更に他の同氏製作キャラ同様、長いコンボなどの一部の攻撃を受けると、何故か 体力が回復する という摩訶不思議な仕様となっている。
もちろん原作の技に加えて多数のオリジナル技が搭載されており、力強い打撃技に加えて
木箱を投げつけたりチェーンで殴ったり虎に襲撃させたりと反則技も得意とする。
なんとなくスト1のバーディーとストゼロのバーディーの中間に位置するようなイメージである。
果ては謎のセクシーな女性を呼び出してナイフで攻撃させる「ブラッディナイフ」なる3ゲージ技まで所持している。
このお姉さんは一定時間経過か倒されるまで執拗に襲いかかって来るが、トニーとの関係は不明。また、倒されてしまうとそのラウンドでは呼び出せなくなる。
試合中は行動に応じて実況解説のボイスが鳴る。設定でON/OFFが可能なので気になる人はOFFにしておこう。
AIは搭載済み。
上述の回復する仕様がある為、コンボキャラと戦わせると際は注意されたし。
DLは下記の動画から

出場大会

凍結


*1
「sammy」という単語は探せばあるが「サミー」(サミュエルの愛称)という人名としての使用ばかりである。
英語の文法では名詞が2連続で来るのは単なる羅列なので、「sammy」が人名の意味であった場合、
「サミー、お前!」と、どこかにいる「サミー」と「目の前の相手(=サミーではない)」に呼び掛けているだけになるが……?

*2
戦争で敵兵を多数殺した」「職業:暗殺者」「裏社会で殺しもありで戦っている」などの敵の殺害が前提である事例を除いた、
基本的に人を殺してはいけない表社会のスポーツ格闘技としての殺害人数はニコニコMUGENwikiに記載された人物の中でも2位に入る。
普通なら1人殺した時点で追放されるからそんな記録は伸びない
1位は過去に13人+熊虎選手の合計14人を殺したタイガー・Mに敗れたため記録は14人でストップした。
比較対象が『チャージマン研!』というあたりで『バイオレンスファイト』世界の恐ろしさが良く分かる。


最終更新:2025年04月04日 21:49