海魔女のソレント


「聞きたまえ、死のメロディーを!」
 デッドエンドシンフォニー!」

「フッ、無駄だ。耳をふさいでもこの笛の音はきみの頭脳に直接届くのだ。
 そしてきみを殺す!」

+ 担当声優
塩屋翼
作品全般
小林裕介
『ライジングコスモ』

『週刊少年ジャンプ』で連載されていた車田正美氏の漫画『聖闘士星矢(セイントセイヤ) 海皇ポセイドン編』の登場人物。
「海魔女」は「セイレーン」と読み、下記の「海闘士」も「マリーナ」と読むが海外アニメの人魚とは無関係。
名前の由来はイタリア民謡の楽曲「帰れソレントへ」から。同曲の歌詞には「惑わしのセイレーン」というフレーズも登場する。
無論、ロレントソイレントは関係無い。
女顔の美形で、称号となっている海の怪物の名は「魔女なのに本人は男性だが、本作では称号と本人の性別が異なるのは良くある事である*1


原作での活躍

海皇ポセイドン*2配下である海闘士の中でも、最強格である七人の海将軍(ジェネラル)の内の一人で、南大西洋の柱を守護する16歳の青年。
当然、その実力はアテナ配下の聖闘士の中でも最強格である黄金聖闘士(ゴールドセイント)に負けず劣らず。
歌声で旅人を惑わして死に至らしめたというギリシャ神話の海の怪物「セイレーン」同様、自らも横笛の音色で相手の小宇宙(コスモ)を奪う技を使う。
その音色「デッド・エンド・シンフォニー」は小宇宙を通じて脳に直接響くため、鼓膜を破っても防ぐことはできない。
また笛の音は黄金聖闘士の血で強化された「最も黄金聖衣(ゴールドクロス)に近い青銅聖衣(ブロンズクロス)」をも砕く程の物理的な破壊力を持つ
その最高潮である「デッド・エンド・クライマックス」は、相手の体を宇宙の塵としてしまう。

主に笛の音で戦うため物理攻撃はほとんど見せた事は無いが、肉弾戦の際には笛を打撃武器としてネビュラチェーンを弾き返したり、
意識を失いかけたにとどめを刺すために笛で殴りつけた事がある。
セイレーンの鱗衣(スケイル)の分解装着図には笛は含まれていない(神話の怪物セイレーンも歌で誘惑はするが笛の演奏はしない)ので、
その笛は鱗衣の備品ではなくソレントの私物という可能性がある。
だが普通の笛では聖衣と殴り合える耐久性の説明が付かないので、ポセイドンに与えられたオリハルコン製の笛なのだろうか。
そうだとしても、楽器を乱暴に扱うのは音楽家としてどうなんだ……
声を荒らげることは少ないが毒舌な発言も散見されるので、見た目の割に気性は激しいのかも知れない。

地上を粛清し善人だけの理想郷を築くためと信じ、海将軍第一の刺客として星矢暗殺に赴き、そこで牡牛座のアルデバランと激突。
先制の笛の音で小宇宙を奪っての断頭チョップは躱され無防備に背後を取られるも、
弱体化したアルデバランをデッド・エンド・シンフォニーの最高潮で消し去ったことは有耶無耶になるなど、*3
戦いは優勢だったが、その場に現れた女神(アテナ)こと城戸沙織の強大な小宇宙には逆らえず、海皇が鎮座する海底神殿へと案内する事になる。*4
前述の瞬との戦いに敗れたものの生き残り、そこで海皇が完全に目覚めておらず此度の侵攻が邪悪に仕組まれたものであったことを悟り、
神殿の破壊を黙認した後、双子座(ジェミニ)の弟でありながら海龍(シードラゴン)に成りすまし海皇を利用していた黒幕カノンの制裁へ向かう。
そして沙織の慈愛の心に触れた事により、地上粛清が過ちであると気付き、海皇編終了後は海皇の依り代だったジュリアン・ソロと共に贖罪の旅に出る。
後の『冥王ハーデス編』では、冥王の地上支配を妨害するために一時的に目覚めた海皇(ジュリアン)と共に登場。聖闘士達の健闘を祈った。

「地上はすべてが汚れきったわけではなかったのだ……
 たとえ一握りでも愛というものが残されている限りは……」

アニメ版オリジナルエピソードである『アスガルド編』では、終盤に(海皇の代行者としてだが)全ての黒幕として登場。
それを知った神闘士(ゴッドウォーリアー)アルファ星ドゥベのジークフリートによる自爆技の道連れにされたかに見えたが、直後のポセイドン編では無傷で登場。
星矢との闘いで瀕死だったジークフリートを瞬殺して脱出していた事が明かされた。

+ その後、ゲーム・外伝的続編への出演
上記の通り、彼は原作完結時に「敵勢力の戦士で無事に生き残ったという明確な描写がある」という極めて珍しいキャラクターとなった。*5
更には戦闘能力を失ったわけでも無く、鱗衣は水没した海底神殿にあるか、地上のどこかに保存してあると推測でき、
この世界の鎧は必要な時には鎧の方から飛んできて一瞬で装着されるものであるため、
(鱗衣がかなり破損しているとはいえ)いつでも戦線復帰が可能なのである。
魚座の黄金聖闘士を倒した技をまともに喰らってもこれで済んでいるあたりに見た目によらぬ打たれ強さが窺える。
そのため二次創作等では「新たな敵から地上を守るため聖闘士と共闘する」という展開が描かれる事もある。
ハーデス編では(僅かとは言え)海皇が聖闘士に協力しているため、ラスボスが海皇でさえなければ違和感も無い。



 ……と言う経緯があるので、アニメ続編『聖闘士星矢Ω』のゲーム化『アルティメットコスモ』に登場。
 復活したポセイドンを守って再び地上侵略を狙う……かと思ったら、
 アテナに頼まれて若き聖闘士を鍛えるために協力していただけだった
 (ツンデレ味方枠になっちゃってませんか?
  一応ポセイドンはアテナからアクアドロップという報酬を受け取っている)。
 この時までには海魔女の鱗衣は修復できており
 (聖衣のように修復士がいるわけでもないので十数年かかっての自然治癒と思われる。
  また、後述する『海皇再起』の描写を考えると、ポセイドンの血も受けているはず)、
 さらに「アプスの隕石」の影響か、Ω時代の聖衣と同様にデザインが変化している。

更にチャンピオンRED連載のスピンオフ作品『聖闘士星矢 海皇再起 RERISE OF POSEIDON』では、
聖闘士達とハーデスの戦いの後、まだ聖闘士達が地上に戻ってきていない間に、
「人間が地上界の安寧の為に神(ハーデス)を倒すと言うなら、そのような傲慢には地上界を滅ぼすのが相応の神罰」と、
「復讐の女神ネメシス」が地上に隕石を落として人類絶滅作戦を決行。
それに対して、本来の肉体を冥界ごと滅ぼされて冥界の蝶の姿になるまで力を失ったハーデスが「地上界(生者)あってこその冥界(死者)」だとして、
ネメシスの手から地上を守護できる者としてポセイドンの封印を解き、
戦力として海底神殿で死んだ海将軍達や、冥界でラダマンティス諸共吹き飛んだカノンを一時的に復活させ、それぞれの鱗衣を模した冥衣(サープリス)を与える。
再び海龍(シードラゴン)の海闘士に戻ったカノンは流石に他の海将軍から責められていたものの、
事態が事態なので責任追及よりも地上防衛が優先となった。
そもそも「ポセイドンは全て分かっていた上で(遊び半分で)カノンの悪企みに付き合ってやっただけ」という設定があり、
ポセイドンから「過ぎた事で争うでない」との言葉を賜った以上は海将軍達も引かざるを得なかった。
さらにポセイドンから神の血を与えられた事によって、破損箇所が多かった海魔女の鱗衣は完全修復、
復活組がハーデスから与えられていた冥衣も鱗衣に変化。
かくして完全にツンデレ味方枠になったポセイドンは地球の表面積の七割を占める海に小宇宙を込めて隕石落下の衝撃を食い止める防壁とし、
その間に海将軍達がネメシス神殿に向かい、海闘士とネメシスの配下英魂士(スピリット)による戦いが始まった。
ハーデスがネメシスを説得した方が早くね?思い込みが激し過ぎて聞く耳持たないとか?

英魂士は神話の時代に活躍した英雄や下級神の魂を憑衣(シェル)に宿らせて不老不死にした存在で、
ポセイドンの血を受けて強化された鱗衣をあっさり破壊するという、
黄金聖闘士や冥界三巨頭など、これまでの人間の強敵達すら凌ぐ恐るべき戦士達だった。

ソレントはネメシス神殿に向かう途中、足止めに現れた女性、幻奏(ムジカ)のテレプシコラと対決。
テレプシコラはかつて芸術の女神ミューズの一人で、神話の時代にセイレーン(本物)との歌比べも制していた。
彼女は美しい音楽、歌と踊りがあれば人間は平和に暮らしていけると期待していたのだが、人間は争いの道へと進んでいき、
それに失望したテレプシコラはネメシスの誘いに乗ってしまったのである。
ソレントはテレプシコラの奏でる絶望の楽曲に圧倒されてしまうが、
かつてアテナから感じた愛の心や、戦後にジュリアンと世界を慰労する旅の中で出会った子供達の笑顔を思い出し、さらなる小宇宙を高めて復活。
その時、ポセイドンの血を受けた鱗衣は、神話の時代に造られた全盛期の姿である真鱗衣(アークスケイル)へと変化*6
ソレントの奏でる安らぎの楽曲「ヘブンリーコンチェルト」はテレプシコラの心を癒やし、憑衣から開放して天国に導いていった。

……ところでデッドエンドシンフォニーの時に現れる全裸の妖精達の時点ですでに分かろうものだが、この対決ではそれに加えて、
霊体で現れた人魚姫(マーメイド)のテティスが人魚の姿になっていて下半身は魚だが上半身は裸だったとか、
テレプシコラを映したアングルがほぼ真下からとか戦闘中からいろいろとエロい姿だったのに憑衣から開放された時にはついに全裸を見せてくれたとか、
沙織さんの回想がやけに胸の谷間が開いた姿だったとかよその女神のどこを見てたんだソレント
とにかく大変けしからん絵が満載された戦いになっている。
そして単行本のおまけのブックレットでネメシス様のサービスシーンまでも。なにやってんですか義憤と神罰の女神様。
なお、それとは別枠でクリシュナも脱ぐがそれはサービスシーンとは言わん

そして、海闘士と英魂士の戦いはさらに激化していき……。

+ 英魂士の解説と戦いの経過
  • 銀翼(アーリス)のベレロポーン
神話の時代に天馬ペガサス(本物)に乗り、魔獣キマイラを討ち取った英雄。
その後ペガサスに乗って天に昇ろうとしたがゼウスの怒りを受けて落雷を喰らい、死にかけていたところをネメシスに勧誘されて英魂士となる。
愛馬ペガサスを模した憑衣を身に着け、同じモチーフの天馬星座の聖衣とはそっくり。
空中からの突撃を得意とし、神の血で強化されたクリュサオルの鱗衣をあっさり破壊する恐るべき戦闘能力を見せつけた。
クリシュナはもはや死を待つのみと心折れてしまったが、幼き日に出会った高僧のごときクンダリーニに開眼していた少年の声がそれを止め、
かつて戦った聖衣を破壊されて頼みは命だけになっても戦い続けた男の記憶が再び立ち上がる気力となる。
蘇ったクリシュナは真鱗衣に守られ、ベレロポーンの突撃を一刀両断する新技「エクソダスディヴィジョン」で打ち破った。

  • 幻奏(ムジカ)のテレプシコラ
上述の元女神。

  • 竜牙(ドラコデンテ)のカドモス
神話の時代に戦神アレスの竜を打ち破った英雄。
作中では言及されていないが、ギリシャ神話ではアレスの竜と戦ったのはアテナの加護を受けての事で、
彼は聖闘士という軍勢が結成されるよりも前の時期のアテナの戦士であった可能性がある。
その後はテーバイの王として栄光の日々を送っていたが、年を経るごとにアレスの呪いによって家族を次々に失い、
神に刃向かった愚かさと人間の無力さを痛感。そこに勧誘に来たネメシスの英魂士となる。助けてあげようよアテナ……

巨体を誇る豪傑で、巨漢はかませという車田漫画の鉄則を打ち破る異様な戦闘能力を見せる。
ギャラクシアンエクスプロージョンとサラマンダーショックをそれぞれ片手ずつで受け止めてまとめて跳ね返し、
カノンとカーサの頭を掴んで地面に叩き付けるだけの単純すぎる攻撃で瀕死の大ダメージを喰らわせる。
カノンはもはや打撃では打倒不可能と異次元に葬り去るゴールデントライアングルを放つが、
カドモスは超能力に腕力で対抗して踏みとどまるという化け物ぶりを見せ、カーサが心を覗こうとした事に激怒して二人をさんざんに叩きのめす。
こうして、冥界であれほどの活躍を見せたカノンが、2対1ですら手も足も出せずに惨敗した……。
だがカーサが奮起して真鱗衣に目覚めて新技「エビルアイズハレーション」で隙を作り、カノンの幻朧魔皇拳で精神を支配。
まともにぶつかっては撃破不可能な英雄をようやく制圧し、先へ進む事になるが……。

  • 天寵(グラツィア)のアイネイアース
神話の時代にトロイア戦争に参加した英雄で、トロイアの敗戦後は家族を連れて亡命、ローマの建国者となった人物。
神々への信仰心篤く、ゼウス、ヘルメス、ポセイドンといった神々の加護を一身に受けている「最も神に愛された男」。
英魂士になった経緯は描かれていないが、英魂士にならなかったら死後に天闘士(エンジェル)になっていたことだろう。
神々の力を借りた技を使う他、皆が平和で幸せな運命を辿ったパラレルワールドを創り出す大技「アカシックデスティネイション」によって、
アイザック、バイアン、イオの三人を「彼らが海闘士にならず、別の運命を辿った世界」に送り込んでしまう。

アイザックは見事に白鳥星座の聖闘士となるが、本来の使命を思い出して現実世界への帰還を望み、
それを止めようとした師・水瓶座(アクエリアス)のカミュと戦いになってしまい(カミュから見れば弟子が突然変な事を言い出したようにしか思えない)、
氷河との戦いで目覚めた絶対零度の凍気によって大恩ある師を撃破する。

バイアンとイオは戦士にはならず平穏な学生生活を送っていたが、人魚姫(マーメイド)のテティスが本当の自分を思い出させてくれた事で現実に復帰。
アイネイアースは海闘士の主君ポセイドンや天帝ゼウスの力で二人を圧倒するが、
小宇宙を燃やし、真鱗衣に目覚めた二人は合体技「サイクロンメイルシュトローム」でアイネイアースを撃破。
かつて「黄金聖闘士の足下にも及ばない」と酷評された二人が、小宇宙を神の域にまで高めたのであった。

そしてアイネイアースは、この戦いの裏に秘められた真実を語り始める……。

  • 不滅(アタナシア)のポルクス
神話の時代にアルゴー号の冒険に参加した英雄で、拳闘試合に勝利して活躍した。このためボクシングの始祖とも呼ばれる。
双子の兄カストールと並んで有名な人物だが、ポルクスが天帝ゼウスの血を引く神の子で不死身なのに対して、カストールは人間の子で死ぬ運命にあった。
そこで二人は天に上げられて星座となった……そう、黄金聖闘士の中でも最強の星座とされる、双子座の元となった英雄である。
なのに何故かネメシスの英魂士になっている。しかも人間であるカストールならまだしもゼウスの子であるポルクスが。その経緯は一切不明。

カノンとカーサがカドモスを操って侵攻してきたところを迎え撃ち、様子がおかしいカドモスを一撃で昏倒させる。
姿を隠していたカーサも見抜いて一発でダウンさせ、双子座の宿命を感じたカノンとの対決となる。

ボクシングの技術は『リングにかけろ』神話の時代に完成していたと豪語し、
天高く跳躍して空中から襲いかかる急降下パンチハリケーン・ボルト
喰らった相手が横一回転するほどのコークスクリューを加えた強烈なフック「ブーメラン・スクエアー」
五発のストレートを一瞬にして打ち込む連打「スペシャル・ローリング・サンダー
遙か彼方に吹き飛ばす強烈なアッパージェット・ラベンダー
と言った黄金の日本Jr.の必殺ブローを次々に繰り出してカノンを圧倒。
さらにはカノンが相打ちを狙った自爆攻撃すらすり抜けるようにかわしてしまう神技的ディフェンス回避力で、
カノンの攻撃を完全に封じてしまう。

しかしカノンは冥界で戦った経験を思い出し、阿頼耶識によって「死後の世界でも生前のように動く」事が可能なら、
「生前の世界でも幽霊のように動く」事が可能ではないかと推察、ポルクスの回避能力の謎を見破る。
それでもポルクスの力は圧倒的だったが、カノンはギャラクシアンエクスプロージョンの威力全てをジャブ一発に集中させた
ギャラクシアンファントム」を撃ち込み、ポルクスを木っ端微塵に粉砕した。

……かくして『リンかけ』の「黄金の日本Jr.」は『星矢』の神話の英雄クラスの天才であるという事になったわけだが、
主人公・高嶺竜児の「ブーメラン・テリオス」「ウイニング・ザ・レインボー」、
ライバル・剣崎順の「ギャラクティカ・マグナム」「ギャラクティカ・ファントム」神話の英雄にも為し得ぬ絶技という事にもなった。
これは偉大な作品に敬意を表しての設定だったそうだ。
またギャラクティカ・ファントムの威力は「ギャラクシアンエクスプロージョンの全威力を一点集中」と互角という事になり、
そんなものを喰らっても数百m吹っ飛ぶだけで死なない『リンかけ』キャラの耐久力の異常さがまざまざと浮き彫りにされる事になった。
なんで聖衣も小宇宙も使わずにそんな戦いが出来るんだ……。

英魂士を撃破した海将軍はネメシス神殿に到着。
ソレントは代表としてネメシスの前に一人で赴き、ヘブンリーコンチェルトでネメシスの心を解きほぐそうとする。
だがネメシスはなんらかの事情があって安息を拒む。
そこに現れたクリシュナが皆の魂を異なる時代に飛ばし、事態の真相に近づこうとする。

飛ばされた先は神話の時代……ハーデスとの最初の聖戦を戦い抜いた初代ペガサスの聖闘士・希星(シシン)が、
ネメシスと、その友人で、法と正義の女神ユスティティアに裁かれる瞬間であった……。
なお、今度もまた時を超える時に全裸のイメージになるなどサービスシーン満載である。あと脱いでないのはユスティティア様だけですが「罪状追加。死罪」

希星はその心根を測るために黄道十二宮になぞらえた十二の試練を受ける。
その中には試練と言うより明らかに絶命するだろうという代物も多数含まれていたが、希星は見事試練を完遂した。
特に難関と言えるのは「神聖衣を着ている自分の分身と素手で戦って勝て」という双子座、
「裸の女の子に囲まれながら法典100巻を暗記。一字一句でも間違えたら失敗」という乙女座の試練。神話の時代から双子座と乙女座は強かった……。
なお蟹座は「顔じゅうを蟹100匹に挟まれる」で済む。神話の時代から蟹座はカースト下位だったのか……

いかなる過酷な試練においても希望を失わない希星の姿に心打たれたユスティティアは、結局は死刑になってしまう希星を救おうと脱走を促す。
希星は追っ手として現れたベレロポーンには勝利したが、続いて現れたカドモスに捕らえられてしまった。
ネメシスはその場で希星を処刑しようとしたが、ユスティティアがそれを止める。
人の心を信じようとするユスティティア、神と人は同じでは無いと言うネメシス。
ユスティティアは希星を救う代償として、自らタルタロスの深淵に身を擲つのだった……。


MUGENにおける海魔女のソレント

fido氏が製作した手描きキャラが存在。
現在は海外サイト「Extreme Team M.U.G.E.N」にて代理公開されている。

操作方法は4ボタン方式。
横笛による打撃や音色を駆使して戦う他、ブロッキングゲージ溜めも可能。
ちなみに、笛の音色は原作でもイメージ的に登場したセイレーンを飛ばす飛び道具となっている。
超必殺技はもちろんデッド・エンド・シンフォニーで、彼のテーマ曲「海魔女ソレント」を奏でつつ相手を引き寄せて大ダメージを与える。
なお、1ゲージ消費の通常版と2ゲージ仕様の強化版(クライマックス?)があるのだが、設定ミスなのか威力・演出共に全く同じだったりする。

ドット絵のクオリティは高いのだが、一部のヒットエフェクトSEが抜けていたり、気絶時に姿が消える上に喰らい判定も異様に小さくなったり、
デッド・エンド・シンフォニーの発動中に攻撃を喰らうと一時的に挙動がおかしくなったりと、やや作り込みが粗いのが残念な所。
また、デッド・エンド・シンフォニーと前述の飛び道具は特殊やられとなっており、対応していないと姿が消えてしまうので注意。
この特殊やられはアニメ番号3060を使用しており、対応しているソレント本人を見るに、原作同様耳を押さえて苦しむ動作を想定しているようだ。
腕に覚えがある人は専用の画像を用意してみるのも一興かもしれない。
AIはデフォルトで搭載されているが、相手との距離を考えずにひたすらゲージを溜め続けたりとあまり強くはない。


「かつては戦った身ながら……この世を暗黒にせぬためにも……
 健闘を祈るぞ、アテナの聖闘士よ……!」

出場大会

  • 「[大会] [海魔女のソレント]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
称号と性別が食い違っている例を挙げると、
  • 主役陣の一人であるアンドロメダ星座(女性)の瞬(男性) 『Knights of the Zodiac』の事は忘れろ
  • 美女が呪われて熊になったと言う大熊星座の檄(男性)
  • 鷲座(ヤリチン主神の化身)の魔鈴とユナ(共に女性)
  • 蛇使い座(男性)のシャイナ(女性)。なお、オブジェ形態(鎧を組み替えて作る星座型の「置物」形態)にもおっぱいが付いている。
    ただし昔は男性の聖闘士が務めていて、黄道十三星座説により黄金聖衣だったので形状も別物だったという後付け設定も登場している。
  • 星座も人物像も男らしい獅子座のアイオリア(男性)の名は実は女性名
  • そのものズバリ乙女座(女性)のシャカ(男性)
  • 元ネタは美少年のはずなのに背後に現れるイメージ画像は成人女性になっている水瓶座のカミュ(男性)
  • 魚座のアフロディーテ(男性)に至っては美の女神と同名である。不敬罪にならないのだろうか?
    • なお魚座の元ネタはアフロディーテと息子のエロスが化けた姿である(なので本来の魚座は魚が2匹)
  • セイレーンと同じく女性型魔物である海聖獣(スキュラ)のイオ(男性)。なお、イオと言う名前も本来は女性名。
    • スキュラは一般的に魔獣とされるが、イオは鱗衣に宿した6種類の獣を「聖獣」と称しており、ポセイドン軍にとっては海聖獣なのだろう。
      だがクラーケンは海魔人。善人は襲わないという性質を持ち、敵対陣営の聖闘士候補生ですら助けてくれると言うのに
  • 冥闘士・ハーピー(女性型魔物)のバレンタイン(男性)
  • 外伝的続編『聖闘士星矢Ω』の双子座(男性)の黄金聖闘士は女性(それ以前の歴代双子座は全員男性)
などなど……。

特に聖闘士は基本男性しかなれず、女性がなる場合は顔を隠して女を捨てる必要があるという設定はあるのだが、
女性が聖闘士になった場合の制約が定められていたり、明らかに女性用の聖衣があるという事から、数は少ないが規定事項の範疇と言える。
まぁ海闘士にそういう制限は無さげだが。

*2
字数を縮める際には「海皇(ポセイドン)」表記の場合もある。これは「冥王ハーデス」も同じ。
アテナは「アテナ」か「女神(アテナ)」表記で通っており、「女神アテナ」は無い。

*3
なおその際に、
  • 首を切断したと思っていたら回避されていて空っぽのヘルメットを抱えていた
  • 粉々に吹き飛ばしたアルデバランの遺した聖衣と小宇宙に行く手を阻まれたと思い、
    「アルデバラン、きみは死してなお星矢たちを守るのか……」と感動していたら、目の前にその大男が立っていた
 → 

……と二度に渡っておかしな事になっているが、これは「実は笛の音はソレント本人にも作用していて幻覚にかかっていたのではないか」という考察がある。
ソレント自身が「心の清らかな人間には安らぎとなって聞こえるが、悪しき者にはまさに死のメロディとなって衝撃を与える」と説明しており、
その安らぎと言うのは「アルデバランを討ち取ったという自分に都合のいい幻想」の事だったとしたら、かなり迷惑な技だと言える……。

だが、実の所一回目はともかく二回目については、
作者がアルデバランを殺した事を忘れてもう一度描いちゃったために殺したわけには行かなくなったというとんでもない事情があるため、
展開が無茶苦茶になったり、上の考察のようにソレントの技に責任が降りかかってくるのは酷いとばっちりなのである。

*4
この時、勝利の証として牡牛座の聖衣のヘルメットを海底神殿に持ち帰っているのだが、
同行してきた沙織さんや、実は生きていたアルデバランは何も言わなかったのだろうか……。
さらにこのヘルメットは以後一切登場せず海底神殿崩壊まで放置されたのだが、後のハーデス編ではアルデバランが再び着用しているので、
ポセイドン撃破後に星矢達が回収して聖域に帰ったと思われる。
あるいは改心したソレントが届けてくれたのだろうか。
想像するとなんとなく微笑ましい場面が浮かんでしまうのである……。

*5
ソレント以外の他勢力の闘士は基本的に全員死亡しており、外伝的短編のキャラである氷闘士(ブルーウォリアー)のアレクサーがいるくらい。
この氷闘士も元を辿れば北極海に封印した海皇の魂を監視する為に派遣された聖闘士の一種だったらしく、
草一本生えない北極圏に住んでいたために日の当たる地を求めて勢力拡大を志したが、白鳥星座の氷河(キグナス ヒョウガ)によってその野望は打ち砕かれた。
そんな僻地に派遣しておいて何のフォローもせずに放置してたアテナ(と言うか教皇(というか偽教皇?))が悪いんじゃないのか?これ……

敵勢力ではなく「一時敵対した聖闘士」なら、主役陣の一人となった鳳凰星座の一輝(フェニックス イッキ)、十二宮編の黄金聖闘士多数、
ポセイドン編では海龍(シードラゴン)の海闘士として戦ったが、改心後に双子座(ジェミニ)の黄金聖闘士(味方)となったカノンらが戦後も存命し、
アテナの聖闘士として戦いに参加している(が、カノンを含めた黄金聖闘士はハーデス編で全滅している)。
他にも一輝の元部下である暗黒聖闘士(ブラックセイント)で生存の可能性がある者もいるが、実力的に再登場は厳しいだろう。

例外として、アニメ版ではソレントと同じく海闘士の人魚姫(マーメイド)のテティスが生き残っている
(原作では死亡、『海皇再起』では霊体で登場しているので死亡したようだたぶん生き返るんじゃないかとは思うが)。

後の作品では、『Ω』の元マルス軍(アテナ軍に鞍替え)や『黄金魂』版神闘士(見習いに逆戻り)も数人が生き残っており、
特に元マルス軍であった牡牛座のハービンジャーは正式にアテナ軍の教皇の座を押し付けられるに就くと言う大出世を遂げた。
なお紛らわしいが、マルス軍(火星士(マーシアン))はアレス軍狂闘士(バーサーカー)狂闘霊(ファントム))とは全くの無関係

*6
作中では語られていないが、神話の時代の第一次聖戦(最初の聖戦)はポセイドンとアテナの戦いで、
この際に海闘士の鱗衣に対抗して聖闘士の聖衣が作られたとされている。
つまりこの真鱗衣、聖衣よりも歴史が古い。
復活組のものはハーデスが与えた冥衣をポセイドンが変化させたものなので新しく造られた二着目だが、
ソレントが使用している海魔女の真鱗衣は、現役で使用され続けている歴史上最古の鎧という事になる
(ただし神の鎧を含むなら「神衣(カムイ)(アテナやポセイドン、ハーデスを含めたオリンポス十二神の鎧)」が存在する。
 更には「楚真(ソーマ)ティターン神族の鎧)」「偉大秘法(アルス・マグナ)」(最古の神の鎧)の方が更に古い)。


最終更新:2025年04月26日 09:32