「ごきげんよう。わたくし、アイムと申します」
東映特撮『スーパー戦隊シリーズ』の第35作記念作品『海賊戦隊ゴーカイジャー』に登場する戦士。
変身者はアイム・ド・ファミーユ(演:
稲田徹 の激推し小池唯)。
宇宙帝国ザンギャックによって滅亡したファミーユ星の元姫であり、
戦災孤児やスラム生まれのメンバーが多いゴーカイジャーの中で唯一の元上流階級出身。
故郷のファミーユ星をザンギャックに滅ぼされ両親を目の前で失った後、
逃亡生活の最中にザンギャックと戦うキャプテン・
マーベル マーベラス達に出会い、自ら懇願し海賊団に入った経緯を持つ。
当時は争いとは無縁の箱入り娘であったため、ルカからは無理だろうと嘲笑交じりで諫められるが、
「自分が生き延びて賞金首となることで逃げ延びた元ファミーユ星の人々を勇気づけたい」、
という信念をマーベラスに気に入られて、加入することになった。
武器はゴーカイサーベルとゴーカイガン。
仲間内で武器を交換してゴーカイガン二丁拳銃を使用することも多い。
巨大戦では「ゴーカイマリン」という潜水艦型のゴーカイマシンを使用する。
また、レンジャーキーをモバイレーツの鍵穴に差し込み、
歴代スーパー戦隊の能力を発揮できる「ゴーカイチェンジ」を使用できる。
ゴーカイチェンジはキーとモバイレーツさえあれば色も性別も変身に制限はないが、基本的には自身と同じピンクの戦士にチェンジしている。
ゴーカイジャー全員で特定の戦隊にゴーカイチェンジする際、赤・青・黄は大体どの戦隊にも居るのに対し、
ピンクは存在しない戦隊もいるため、こういった戦隊の場合は他の色へのチェンジを担当する。
*1
アバレピンク?あれはネオジェットマン 以下どころかただのコスプレでレンジャーキー自体が(本来)存在しないから。 …なのにその本来存在しないキーをハンドメイドしてアイムに変身までさせてしまった三条(旧姓・今中)笑里、なんなんだアンタ
+
『ゴーカイジャー』について
地球の平和と人々の笑顔を守り続けてきた、34のスーパー戦隊。
宇宙帝国ザンギャックとの戦いで失われた、その力を受け継いだのは、
とんでもないやつらだった!
冒険とロマンを求めて、宇宙の大海原をいく若者たちがいた。
宇宙帝国ザンギャックに反旗をひるがえし、海賊の汚名を誇りとして名乗る、
豪快なやつら、その名は…!
記念作である本作は過去34作のスーパー戦隊との
クロスオーバー を最大の特徴としており、
過去に34戦隊が地球を守り続けて来た世界という地続きの世界観を舞台に、
本来の姿に加えて過去のスーパー戦隊の戦士に自由に変身する能力を持つ「ゴーカイジャー」を主役とした物語となっている。
これらの設定は、本作以前に放送された平成仮面ライダーシリーズ第10作である『
仮面ライダーディケイド 』の影響が色濃く見られるが、
本作に登場する過去のスーパー戦隊シリーズのキャラクターは、
変身者にせロボにせよ原作に登場したオリジナルキャスト達が、「原作の後日談」という設定でキャスティングされている。
ただし、彼らは本編の前日譚に当たる「レジェンド大戦」で全員変身能力を失っており、
「ゴーカイジャー」の面々の出番を食いすぎないように演出されている。
企画当初は俳優業を
引退するなどして所在不明の キャストも多くいた こともあり、過去作の変身者の客演は一部のみの予定だったが、
客演したキャストの1人が東映も把握していなかった過去作キャストの連絡先を大量に所持していたことが判明し、
監督の竹本昇氏の尽力もあり全戦隊から最低でも1名以上の出演を達成するに到った。
また本作で『忍風戦隊ハリケンジャー』の主要キャスト3人が再集結し、例外的に変身も披露。
そして本編の後日談を描く『10 YEARS AFTER』シリーズの切っ掛けにもなった。
なんせこの人たち、東映の許可あらば自ら進んで 続編作りに集まる程のハリケンジャー大好きなんで……実際もう10年後にまた集まったし
また、
海賊 というシリーズ初のアウトローなイメージを持つ存在
*2 がモチーフで、
「海賊版」の意味合いも含まれている。
そのため宇宙警察である特捜戦隊デカレンジャー登場回では当初犯罪者として扱われ、さらに劇場版では……。
+
「ジュウッ!!」
なんと
『宇宙刑事ギャバン 』と番組枠を越えてのクロスオーバー 『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』が実現。
たった一人で宇宙犯罪組織マクーを全滅させた伝説の男ギャバンにはさしものゴーカイジャーも歯が立たず逮捕されるも、
それはザンギャックによる
ギャバン・ブートレグ(海賊版) を作るための陰謀であった。
ただ一人立ち向かっていたギャバンを救うため、ゴーカイジャーは難攻不落の魔空監獄へと立ち向かう……というストーリー。
ギャバンを演じる大葉健二氏は過去にもバトルケニア、デンジブルーとあとシュリケンジャー として戦隊にも登場していたが、
本作のラストではファンに対するまさかまさかのサプライズ まで実現しており、
これは間違いなく『海賊戦隊ゴーカイジャー』という作品の功績だと言えよう。
+
「レジェンド大戦」について
ゴーカイジャーが地球にやって来る数年前に起きた、
歴代スーパー戦隊34組の戦士達と地球に侵攻してきた宇宙帝国ザンギャックとの激突。
劇場版『199ヒーロー大決戦』において断片的に戦いの様子が描かれている。
初手から
億単位 の最終決戦クラスの戦力を導入するという
戦隊のお約束破りの 大攻勢を行ったザンギャックに対して、
地球サイドは
後続に任せていた戦隊達 はもちろん、宇宙人や宇宙に旅立った戦隊も全員終結、
ブラックコンドル やアバレキラーのように原作で死亡しながら何らかの方法で蘇った戦士達も含めた、
文字通り全戦隊の戦士達が総力を結集してこれに立ち向かった。
『199ヒーロー』の冒頭、ゴセイジャーが戦闘員でしかないゴーミン、スゴーミンにボコられているのは、
監督曰くこの時点で
10日間ぶっ通しで戦っていた ため。
例外的に『忍者戦隊カクレンジャー』のニンジャマンはスーツが現存していない という大人の事情から不参加で、
後々新造スーツと当時不参加だった理由を用意され、本編に客演している
スーパー戦隊達は全巨大戦力と引き換えにザンギャックの戦力を半数以下に減らすが数の劣勢を覆せず
(同じく冒頭にて、劣勢なゴセイジャーの背後に艦隊との激戦の末に大破したゴセイグレートが確認できる)、
最終的にアカレンジャーの号令の下で、全戦士のエネルギーを集結させた爆発により、大艦隊を退けたのであった。
だが、これにより戦隊の力は「レンジャーキー」として宇宙中に飛び散り、全戦士が変身能力を失ってしまった。
ちなみに、純粋な科学技術で作られた戦隊はもう一度装備を作り直せば……と思われるが、
大人の事情で 仮に装備があっても再変身できない状態になっている模様。
ここで一つ問題視されているのが、地球署以外にも「〇〇星署のデカレンジャーチーム」が存在するはずの『特捜戦隊デカレンジャー』である
なお、似た設定の
ライドウォッチ と異なり、レンジャーキーを失った戦士は、
変身前の固有能力 も使用不可となり、
身体能力に優れただけの一般人となってしまう。
一方でザンギャックが撤退したとは言うものの、ダメージを受けたのは前線部隊に過ぎず、帝国中枢は無傷であった事から、
(皇子の箔付け的な理由もあり)「スーパー戦隊」という守りの要を失った地球への再侵攻を謀ることになる…。
そしてこのレジェンド大戦により、宇宙に散らばったレンジャーキーが「宇宙最大のお宝」の入手に必要と知った、後にゴーカイレッドとなるマーベラス、
そしてVシネマ『轟轟戦隊ボウケンジャーvsスーパー戦隊』にも登場したアカレッド、
後に宇宙最大のお宝の独占を目論み彼らを裏切るバスコ・タ・ジョロキアが「赤き海賊団」を結成するのに繋がり、
そこから転じてマーベラスを中心に本項目のアイムも含めたメンバーが集いゴーカイジャーが誕生する遠因にもなっている。
なお、34戦隊とザンギャックが一斉に戦うシーンを撮影するために文字通り日本中のスーツアクターがかき集められたとか。
主にスーパー戦隊の変身者を主軸に物語が進められるが、
劇場版『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』では、
全スーパー戦隊の
巨大戦力 が一斉に揃うという夢のような展開となっている。
ちなみに45周年記念作『機界戦隊ゼンカイジャー』にはゴーカイジャーによく似た「
ゴーカイゴールド ツーカイザー」という追加戦士が登場するが、
これは諸事情でゼンカイジャーの技術を模倣した、宇宙海賊ならぬ「界賊(異世界を股に掛ける賊)」のゴールドツイカー一家が、
カッコいいからスーツのデザインをパクったというだけの赤の他人 である。正真正銘、海賊の海賊版。
それこそ
「海賊の海賊版なんて、絶対に許しません!」 とはアイムの言だが、彼女含めゴーカイジャー一同がどう思うのかは気になる所である。
しかしながら10年後のVシネ作品『テン・ゴーカイジャー』もやってるというのに一向に出る気配は無い。5年前の時 は出たのに
……などと言ってたら、恒例のVS作品『ゼンカイジャーVSキラメイジャー&センパイジャー』にてマーベラスがセンパイジャーの一人として参戦した後、
『ツーカイザー×ゴーカイジャー』として
ゼンカイジャーを差し置いて クロス
(ツーカイザーは追加戦士だがゼンカイジャーには加わらず、あくまでゴールドツイカー一家として共同戦線の扱いのためと思われるが)。
ゴーカイジャー側も全員揃わずではあるがアイムも登場するため、とうとう海賊の海賊版に対面してしまうことに…。
余談だが、後年の『キョウリュウジャー』において、原作の最終回で天界に去ったジュウレンジャー達が客演したのは、
本作のレジェンド大戦以降も彼らが現世に残り諸国を漫遊していたという裏設定が存在するためである。
また本編後の客演でゴーカイジャーが先輩どころか後輩のレンジャーキーまで所持しているのは、
「伊狩鎧/ゴーカイシルバー」が頼み込んで借り受けているため。
ちなみにレンジャーキーは歴代戦隊の変身アイテムが変化しているという設定もあり、
実際本編に『ボウケンジャー』のボウケンレッドこと明石暁が客演した際はジャケットの左腕ホルスターにあるはずの変身アイテムが無く、
また後年の『ブンブンジャー』にゴーカイブルーが客演した際、ブンブンジャーの変身アイテムを手元でレンジャーキーに変化させる描写も見られた。
MUGENにおけるゴーカイピンク
グリーンレンジャー などを製作したchuchoryu氏の製作したコンプゲー用のキャラが存在。
キャラ単体も某所で公開されている。
「
パワーレンジャー キャラじゃないの!?」と思うかもしれないが、
ボイス は日本語(小池氏ではないが)で、
ファイル名も「CFJ_Gokai_Pink」だからしょうがない。
ただ、
超必殺技 が不死鳥のエネルギーを発射する演出など、
パワーレンジャーの影響を受けた性能は見られる
(メガフォースピンクレンジャーのモチーフは不死鳥)。
参考動画。お相手はmochi氏のゴーカイイエローVIDEO
出場大会
*1
白が多いが、ピンクも白もいないライブマンとゴーオンジャーでは黒にチェンジしている
(黒は基本的にはゴーカイグリーンの担当だが、どちらも赤青黄緑黒のチームのためハカセ(ゴーカイグリーン)が緑を担当。
例外は『獣拳戦隊ゲキレンジャー』のゲキレンジャー3人+(敵だったが最終盤で味方に成った)黒獅子リオ&メレに変身した際であり、
メレは緑だったもののデザイン的に男性への改変が難しかったからかアイムが変身している
ゲキチョッパー(白)とゲキバイオレット(紫)の立場は…てか、リオ(とメレ)は鎧が担当するべきでは?
ついでに、後の『宇宙戦隊キュウレンジャー』の正式メンバーとして緑でカメレオンな女性戦士が出るとは当時夢にも思わなかっただろう
なお、普段はゲキチョッパーを担当しており、メレに変身したのは1回のみである)。
他には、『忍風戦隊ハリケンジャー』はハリケンジャー3人(赤青黄)+ゴウライジャー2人(臙脂・紺色)+シュリケンジャー1人(緑)という特殊なチームのため、
ゴウライジャーのクワガライジャー(紺)を担当している。
また映画で
仮面ライダーオーズ や
メタルヒーロー にチェンジした際は一人だけ近似色が無かったため、
紫色(プトティラコンボ及び
ジャンパーソン )を担当したりも。
なおこれも後に『獣電戦隊キョウリュジャー』で紫の 女性戦士がry
*2
ゴーカイジャー以前にも、海賊をモチーフにする案はあった。
ちなみに『
銀河戦隊 星獣戦隊ギンガマン』の敵も宇宙海賊だったりする。
またアウトローな戦隊としては後のシリーズでも「快盗戦隊
ルパン レンジャー」(※「怪盗」
に非ず )が登場している。
最終更新:2025年05月09日 15:41