鳥人戦隊ジェットマン


「鳥人戦隊!ジェットン!!」

『鳥人戦隊ジェットマン』とは、1991から翌1992年に放送された『スーパー戦隊シリーズ』の第15作目にあたる作品。
「超人戦隊」ではない(既に『超人戦隊バラタック』と言うロボットアニメが存在していた。『東映ロボットガールズ』の「バラたん」の元ネタである)。
後の平成『仮面ライダーシリーズ1期でも有名な井上敏樹氏*1がメイン脚本を担当している。

当時、『スーパー戦隊シリーズ』は低迷しており、東映の特撮部門も会社内で軽視されていたため、シリーズ打ち切りの危機に直面していた。*2
それを打開するために、スタッフは当時人気だったトレンディドラマ的なストーリーを導入。
「男児向け」というお約束を破った、敵味方絡めた愛憎劇(恋愛的な意味で)を展開する革新的な作品となった。
また、スタッフもメインライターに初登板となった井上氏だけでなく、
メタルヒーロー』シリーズや『仮面ライダーBLACK RX』を中心に活動していた雨宮慶太氏などの、当時は若手だった面々を起用。
目論見通り「戦うトレンディドラマ」と称され、高年齢層のファンを新たに獲得する事に成功、大人向けの続編小説まで発売された。
鳥モチーフな上、ブラックが反抗的だったり、イカロスハーケンがガッチャスパルタンぽかったりで初期は「ガッチャマン過ぎだろ」とも言われたが
一方高年齢層向けに振り切った反動からか、次回作の『恐竜戦隊ジュウレンジャー』は低年齢層を意識したファンタジー要素満載の内容となったが、
ある意味、シリーズの作風の幅を大きく持たせられる切っ掛けになったと言えるかもしれない。
ちなみに企画当初のタイトルは『バードマン』で、
後述するバードニックウェーブやジェットイカロスの必殺剣「バードニックセイバー」に、その名残りが見られる。
パーマン』の上司の名前と被るから没にしたんだろうか?
(ただし原作での名前はスーパーマン(パーマン=半人前のスーパーマン)。尤もアニメ化以降は原作でもバードマンに変更されているが)

また、スーパー戦隊シリーズの主力玩具ともいえる巨大ロボでも、
シリーズ初の(体は人型であるものの)鳥型の頭部とカギ爪状の手を持つ2号ロボ「ジェットガルーダ」が登場。
更には1号ロボに分解した2号ロボがくっつくだけの所謂「下駄履き合体」だった今までのスーパー合体とは異なり、
両方とも一度分解して組み直す事で抜群のプロポーションを得る事に成功した「グレートイカロス」
(ただし劇中ではジェットイカロスと同サイズのはずだったジェットガルーダが、玩具では合体後のプロポーションを再現する為に馬鹿デカくなってしまった)、
前作のマックスマグマが売れなかったからか基地ロボではなく、小柄なサポート特化型の3号ロボ「テトラボーイ」
と言った、その後のシリーズに続く革新的な試みがされている。

+ ジェットマンメンバー

レッドホーク・天堂 竜(上画像の左から二番目) 演:田中弘太郎
ジェットマンのリーダーにして、唯一の正規メンバー。天道じゃなくて天堂。
あとレッドホークと言ってもアオシマの合体空母ではない(合体空母の方が古い)。
更には演者も後にアバレキラーを演じていたりはしていない(そちらは田中 幸太朗 で同音異字)。
ジェットマンを開発した地球防衛軍スカイフォースの隊員で、超エネルギー・バードニックウェーブを浴びて一人目のジェットマンになるも、
直後に基地が次元戦団バイラムからの攻撃を受け竜と司令官の小田切綾(上画像の左から三番目のスーツ姿の女性)を除いて全滅。
他の隊員(同僚兼恋人の藍リエ含む)が浴びるはずであったバードニックウェーブも方々に飛び散ったため、
それを浴びた者達をスカウトしてジェットマンとして戦っていく事になる。
香(ホワイトスワン)に惚れられ(竜自身は死んだリエに未練がある)、凱(ブラックコンドル)からは恋のライバル視され、
さらにはリエと同じ顔をしたバイラムの女幹部の正体が、洗脳されたリエ本人であった為それに悩み、最終的に彼女との辛い別れを経験する。
…と言う「戦うトレンディドラマ」の中心となる人物でもある。
ちなみに酒が飲めないのかそれとも職務に差し支えると思ってなのか、
凱の行きつけのバーに来る時には決まってミルクを頼んでいるなめてんのか!?小僧!

ホワイトスワン・鹿鳴館 香(上画像の右から二番目) 演:岸田里佳
バードニックウェーブを浴び、最初にスカウトされたメンバー。
名門・鹿鳴館財閥の令嬢で、ジェットマンを「ジェントルマン」と聞き間違えたりするおっとりした性格だが、怒らせると怖いタイプ。
爺やから剣道を仕込まれていたりと武道の心得もあったため、戦士として決して引けは取っていない。
当初から竜に恋心を抱き、香自身は凱に惚れられる、と言った形で三角関係が築かれた。
バイラムとの戦いを終えた後の最終回では竜と結ばれ結婚式を挙げた。

演じた岸田氏は『ジェットマン』後は海外に移住していたが、近年になり帰国して舞台等で役者業を再開、
『ジェットマン』以来に井上氏がメイン脚本を務める『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の夏の劇場版にてカメオ出演を果たしている。

イエローオウル・大石 雷太(上画像の右から三番目) 演:成瀬富久(後に「ただのいっこ」に改名)
香に続いてスカウトされたメンバーで、キレンジャー以来の太め体型な農業男子
(彼とキレンジャー以外では、ゴーグルイエローが少し太めぐらいで、実は戦隊でもデブイエローと呼べるキャラは結構少ない)。
卑屈な面はあるものの暴力を嫌う穏やかな性格だが、バイラムの攻撃で野菜が被害を受けた事からジェットマンに加入を決める。
運動音痴であったがバードニックウェーブの効力で克服しており、腕力はあったためそれを生かし戦う。
香に恋心があったもののそれを表には出さず、最終的に幼馴染と結ばれた。
後の『海賊戦隊ゴーカイジャー』では無農薬野菜のネット通販会社をやっていると語られており、凱の墓前にも野菜が供えられていた。

演じた成瀬氏は後の『五星戦隊ダイレンジャー』にて巨大戦力・ダイムゲンの人間体・亀夫役でも出演している。

ブルースワロー・早坂 アコ(上画像の左端) 演:内田さゆり
三原北高校に通う女子高生(3年)。バイト感覚でジェットマンのスカウトを受ける。
快活な性格で小田切司令官をオバン呼ばわりする遠慮知らずだが、悪い事は悪いとしっかりした面もあり世話好き。
こちらもあまり運動は得意でなかったらしく体育の授業もサボるほどだったが、
バードニックウェーブを受けてからはスポーツ万能に。なおジェットマンになった後も高校には通い続けている。
メインの恋愛模様からは蚊帳の外なマスコット的存在で、燕の甚平やミドレンジャーにあたる若輩(子供)枠だが、
ゲストキャラ(下記の先輩等)とちょっといい感じになったりする事も。

彼女を語る上で欠かせないエピソードとして「アコちゃんラーメン」なるカップメン(および販促ソングの「陽気なアコちゃん」)がある。
学校の先輩のラーメンオタクが作った商品なのだが、実はバイラムの次元獣の手が加えられていて、
一度食べると3分どころか1分も我慢出来ないほどの短気な性格になってしまうという危険な代物であった。
…こんなのが『ゴーカイジャー』での凱の墓前に供えられていたがいいのだろうか
(まぁ次元獣は倒されているので、既に普通のカップ麺のはずではある)。

演じる内田さゆり氏は過去にも『高速戦隊ターボレンジャー』に出演した事があり、
そちらでも女子高生の役だったが優等生的人物で、アコの方が地に近く演じやすかったとの事。
また後に『百獣戦隊ガオレンジャー』にもゲスト出演し、
こちらでは怪人に協力して若返らせてもらおうとする女性を演じていたが流石にアコにはならない

ブラックコンドル・結城 凱(上画像の右端) 演:若松俊秀
最後にスカウトされたメンバーで、サックスや賭け事・女遊び等の趣味に生きる危険な香り漂わす自由人。
要はトレンディドラマにおける物語の引っ掻き回し役。
男と納豆が嫌いと言ってはばからず竜のスカウトも拒み続けるが、根っこには正義感を持ち彼に根負けしてジェットマンに加わる。
元々喧嘩が強い上に男前な事もあって戦闘能力は高く、ジェットマンになってからは卓越した剣術の腕も見せる。
加入後も一匹狼な性格は変わらず、クソ真面目なリーダーである竜との衝突も多いが、
結局は助け合う事になる事も多くサブリーダー的存在になっていくアオレンジャー(と言うかコンドルのジョー)的ポジションである
(というかOPでの紹介順は鳥人戦隊だけにトリなのに名乗りシーンでは二人目、というとこまでアオレンジャーと一緒)。
「(竜は振り向かないから)惚れるなら俺に惚れろ」と強引なまでに香にアプローチし、一時はくっついたものの別れる事となり、
最終回では二人の結婚式を祝福すべく花束を手にして向かっていたが、途中で引ったくりを捕まえようとして刺されてしまう。
その傷を隠しながらも結婚式には駆け付け、ベンチに座り二人を見守ったまま静かに息を引き取った。*3
そして竜と香の間に生まれた子供は「凱」と名付けられた。
ちなみにこの時の引ったくりを演じたのは、ブラックコンドルのスーツアクターの大藤直樹氏。きゃあ、じぶんごろし。
なお後日談を描いた公認の漫画版『鳥人戦隊ジェットマン 時を駆けて』では、
凱の後任として「グリーンイーグル/ジェフリィ・剣崎(通称ジェフ)」(無論BOARDとは無関係)が登場している。

ゴーカイジャー』では亡霊として登場し、彼らを導きジェットマンの大いなる力を授ける事になる。
亡くなっているためか、他のレジェンド戦士と異なりレンジャーキー無しでも変身が可能。
…と言う事は、二代目キレンジャーと初代バトルコサックと初代イエローフォーも変身可能なのだろうか?
(なお、ゴーカイジャー世界での歴代のスーパー戦隊は、
 直前の「レジェンド大戦」の影響で自身の力の全てがレンジャーキーへと変わり、変身能力を失っている)
ただし、ゴーカイジャー唯一の地球人であるゴーカイシルバー・伊狩鎧にだけは見えなかった。
ガイ(凱&鎧)繋がりの安直な絡みが敏樹のお気に召さなかったのだろうか
一応、ゴーカイシルバーは追加戦士の力を借りる戦士なので特に問題は起きていない。
おまけとして、ネオジェットマン*4は「ゲスト戦士」であって追加戦士ではないので、やはりゴーカイシルバーの管轄外と思われる。
と言うか大友向けとして売られたゲスト戦士レンジャーキー『LOST EDITION』でもネオジェットマンだけはハブられた

演じた若松氏は後に『暴れん坊将軍』で二回のゲスト出演を経て、御庭番・速水左平次役でレギュラー出演の他、
井上敏樹氏との縁からか、『仮面ライダーアギト』でも終盤にゲスト出演したり、
同じく敏樹氏が関わった『衝撃ゴウライガン!!』にも敵幹部キャラでレギュラー出演したりもしている。
ちなみに彼がトレンディドラマを代表する役者・織田裕二氏に似ている事も「戦うトレンディドラマ」と呼ばれる所以となった模様。

また、スーパー戦隊では初めてファミコンゲームが発売された作品でもある。

『非公認戦隊アキバレンジャー シーズン痛』第1話でもゲスト出演し、アキバレンジャーと共闘。
草尾毅 氏、 関智一 氏、 中川亜紀子 女史が代役を担っている。むしろこの人選だと『ボイスラッガー』じゃね?
ちなみにレッドホークはシーズン1で先んじて登場しており、
大いなる力のパチモンこと大それた力の1つ「ジェットウインガー」をアキバレンジャーに授けた。
この時は声優が充てられず終始無言だった事もあり、レッドホークのスーツアクターを務めた新堀和男氏がゲスト出演した。

格ゲー的には『KOF』のに台詞等をパロられている事でも印象が強い。基本敵キャラの方からが多いが


MUGENにおけるジェットマン

韓国の製作者であるManiac氏による、MUGEN1.0以降専用キャラ(?)が公開中。
ドットは前述のファミコン版のものが使用されている。
キャラ選択の際に押すボタンによって、ジェットマン5人とグレートイカロスを使い分けるという形で、
戦隊のMUGENキャラ化を実現している。

+ コマンド
  • ジェットマン5人
    • x:Attack
    • x+a:Kick
    • y :Super Move
  • グレートイカロス
    • x:Attack
    • y:Special Move 1, 2, 3, 4
    • c:Super Move 1
    • z:Super Move 2
    • ↓:Guard
    • ↓+y:Dash

ジェットマンの通常技はレッドとブラックが剣、イエローが拳、ブルーとホワイトは銃になっている。
また、戦闘中にサポートキャラがアイテムを落とし、それを拾う事でゲージを上昇する事が可能。
性能はシンプルであり、比較的ドットの元となったファミコン作品をなるべく再現する形で作られている。
AIも搭載済み。

ニコニコ動画では主題歌がジェット(・リー)つながりで黄飛鴻(ただし「 ヘヘヘヘヘヘヘヘヘ 」限定)の戦闘BGMとして使われるため、
視聴者にはジェットマンではなく師父のイメージが強いかもしれない。

スーパー戦隊シリーズのMUGENキャラは海外ゲームなどをベースにしたパワーレンジャーのキャラが大半を占めており、
WIP版を除けば初のMUGEN入りした日本の戦隊である。

出場大会

  • 「[大会] [鳥人戦隊ジェットマン]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
後にスーパー戦隊35作記念作品の『海賊戦隊ゴーカイジャー』では、
ジェットマンのレジェンド回(過去作の戦隊メンバーがゲスト出演する回)において同氏が脚本家として登板した。
また、2022年放映の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』でも60歳を超えてなお再びメインを張り、衰えない脚本力とカオスな展開でファンを驚かせている。
ちなみに『ドンブラザーズ』には『ジェットマン』をモチーフにした怪人も登場していたのだが、その怪人は単なる一般怪人だったため、
「『ドンブラザーズ』の脚本家は『ジェットマン』の脚本家に」等とネタにされている

*2
もっとも当時は、仮面ライダーシリーズが『RX』(1988-1989)を最後に単発作品(『』『ZO』『J』)しか作られず、
平成シリーズの『クウガ』の開始が2000年。
ウルトラシリーズも『80』(1980-1981)を最後に海外作品(『USA』(単発アニメ)、『グレート』『パワード』)か、
ネタ作品(『ウルトラマンキッズ』(アニメ))しか作られず、平成シリーズの『ティガ』の開始が1996年。
東映不思議コメディシリーズも1993年を最後にアニメ番組に枠を奪われたと言う正に「特撮冬の時代」であった。

一応『メタルヒーロー』シリーズ(1999年に終了し『燃えろ!!ロボコン』を挟んで『クウガ』が始まった)は続いていたが、
末期の2作品はコメディ系であって、(一応主役のロボット達は変形でヒロイックな姿にはなれるが)特撮ヒーローとは言い辛い
(要は『がんばれ!!ロボコン』のノリ。そして『燃えろ!!』はリメイク作品である)。

*3
劇中では曖昧な描写であったが、演じた若松氏も後年のインタビューにて、
「だって、凱は死んだんだから」と語っており、少なくとも製作側では死んだというのが共通認識であった模様。
「ジェットマンがナイフに刺された程度で死ぬなんておかしい」と言うツッコミに対しては、
「ジェットマン引退から時間が経っていてバードニックウェーブの効果が弱まったから」とされており、
実際後日談漫画でも香がバードニックウェーブを再度浴びる=時間が経って効果が抜けた事を示唆するシーンがある。

「空が目に沁みやがる……綺麗な空だ……」

「あぁ…俺達が守ってきた、青空だ」

ちなみに、この衝撃的な最終回が語り草になったためか、
ゴーカイジャーと同じくお祭り作品である『機界戦隊ゼンカイジャー』では、ジェットマンの力としてまさかの最終回が再現され、
敵怪人が凱役となり、引ったくり役のゼンカイジャーのメンバーにぶっ刺されるという、一から十まで突っ込み所満載の展開となった。
ついでにバッグをひったくられた女性役は、界賊であるツーカイザー(男)と更にカオス。
この回が放送された後は東映公式Youtubeチャンネルにてパロディ元との検証という形で最終回が限定配信されたが、
流石に元ネタがギャグではない事もあってか、このセルフパロディに難色を示したジェットマンファンもそれなりに見られている。
尤も、『ゼンカイジャー』のプロデューサーは『ジェットマン』でサブプロデューサーを務めた白倉伸一郎氏であるため、
元スタッフの本気のパロディで怒るに怒れないというオチでもあったのだが。
また、上記の『ドンブラザーズ』の『ジェットマン』をモチーフにした怪人が登場したエピソードでも、
前述のぶっ刺された敵怪人のモチーフでもある恋愛を前面に押し出したカオスな展開が描かれていたため、
『ゼンカイジャー』でのパロディもある意味では必然だったのかも知れない。

*4
ちなみにこのネオジェットマンのリーダーJ1を演じていたのが、
次回作『恐竜戦隊ジュウレンジャー』にてティラノレンジャー・ゲキ役に抜擢された望月祐多氏であったりする。
また他にも2号ロボの本来の持ち主である反バイラムの裏次元戦士達の一人として、
『ジュウレンジャー』のトリケラレンジャー・ダン役の藤原秀樹氏が出演しており(こちらでの役名も「ダン」)、
二人は本作での実績を経ての次回作での起用と相成っていた。


最終更新:2024年03月14日 01:44