ゾロ


"I want to show you what justice is!!"

(正義とはどんなものかお前に見せてやる!!)

+ 日本語吹替声優
山内雅人
『快傑ゾロ(1940年映画版)』
金内吉男
1957年ドラマ版
野沢那智
『アラン・ドロンのゾロ』
関俊彦
『快傑ゾロ(1996年アニメ版)』
津嘉山正種
『マスク・オブ・ゾロ』(ソフト版)
樋浦勉
『マスク・オブ・ゾロ』(日本テレビ版)

ジョンストン・マッカレー氏が執筆した名作小説『怪傑ゾロ』シリーズの主人公。
初出は1919年の『カピストラノの疫病神』。覆面と衣装を纏う最古のヒーローとされている。
即ち日本の『黄金バット』(1930年。ニコニコで人気の1967年版アニメの原作は1950年)どころか『鞍馬天狗(こっちじゃないよ)』(1924年)よりも古い。
アメリカのヒーロー史に限定しても、近代型ヒーローの開祖『ザ・ファントム』や『グリーン・ホーネット』が共に1936年開始なのでそれより古い。

ゾロ(=Zorro)とはを意味するスペイン語である。
決してザンスカール帝国の量産型MS海賊狩りではない(前者は猫目だか狐目だかとか言われてるし、後者も彼が名前の由来だが)。でもない
「怪傑」は邦訳の際にタイトルに付けられた肩書きで、この他「解決快傑」「奇傑」という表記も存在する。

正体はスペイン領メキシコの大富豪の息子で本名はドン・ディエゴベガ*1
15歳の頃、弱者が虐げられている場面を目撃し、強気を挫き弱きを助く事を決意し、ゾロとなった。
当時のメキシコはスペインの支配によって虐げられており、ディエゴはスペインの富豪でありながら総督たちに立ち向かっていく。
普段は落ちこぼれで臆病者の遊び人を装っているが、これはゾロとしての自分を見抜かれないための演技であり、
戦闘時には圧倒的な剣術や馬術に加え、事前に戦法を練り、想定外の事態に陥っても即座に体制を立て直し、最善の策を講じられる。
民衆からは支持される一方、圧政者や軍人からは嫌われており、賞金首として追われている。

15歳の頃から剣術・馬術等を学んでおり、その戦闘能力は高い。
主な武器はレイピアで、他にも拳銃や牛追い鞭を使う。
また、変装爆弾設置等、ステルスにも長けている。
戦いが終わった後は、声明文代わりとしてレイピアを使って近場のや布にZ自らの頭文字を刻む
時には命をとらず見逃した悪人の皮膚(多くは直前までレイピアを突き付けていた首元等)に戒めを込めて小さくそう刻むこともある。
黒い馬に乗っており、原作では無名だがディズニーによる1957年ドラマ版では「トルネード」と名付けられ、
以降も多くの映画でこの名が用いられている。
もちろん単なる馬なので特殊能力の類は無いが、際立って賢い名馬であり、ゾロの指示を受けて巧みな連携を披露する。

その他、メキシコ人の従僕ベルナルド、ディエゴの良き友人でありゾロの正体を知らないドジな軍曹ゴンザレス、
そして同じくスペイン地主の娘でディエゴの婚約者ながらゾロに惹かれていく美少女ロリタらと共に、ゾロはスペイン軍の暴政に立ち向かう。
しかしスペイン軍もゾロに対抗し、将来有望な青年将校レイモンにゾロ討伐を命じるが、レイモンもまたロリタに恋をして求婚し……。
といった塩梅で、展開されるゾロの冒険は王道そのもの……というより、こうした作品の王道を作り上げたのがゾロなのである
(まあ派生作品も多いため、作品ごとに微妙に各キャラクターの名前や設定が変更されていたりもするが)。

実は「コルドバハット(スペインの都市コルドバに伝わる帽子)を被り、ドミノマスクを着けた黒尽くめの衣装」という姿は後になって確立されたもので、
最初はマントは紫色であり、顔全体をマスクを被っていたという。

後世の創作物に与えた影響は大きく、日本人に「レイピア(フルーレ)使い伊達男」というイメージを植え付けた元凶と言えよう。
逆にそれを「恰好付けたがりだけど今一締まらない男」というギャグとして扱っているのが後述するゾロリやピエールだったりする
かの有名なヒーロー・バットマンのモデルにもなっており、作中においてブルース自身も言及している。
また、原ゆたか氏が描いた、名作児童書シリーズ『かいけつゾロリ』(なおゾロリは擬人化した狐である)や、
やなせたかし氏の『それいけ!アンパンマン』に登場する「かいけつナガネギマン」(「N」と刻む)の元ネタであると言えば、
小さいお友達にも理解してもらえるだろう
(更に言えばナガネギマンの声は『マスク・オブ・ゾロ』(ソフト版)において、
 ディエゴの後を継ぎ二代目ゾロになったアレハンドロ・ムリエッタの声を充てた 大塚明夫 氏である。
 また、やなせ氏はこれ以前にも『熱血メルヘン 怪傑アンパンマン』という題の作品も連載していた)。
1996年には『快傑ゾロ』のタイトルでアニメ化され、NHKの衛星アニメ劇場にて放映されたため、そちらを見た人もいるかもしれない。
快傑ゾロOP

また、『ONE PIECE』の主要キャラクター・ロロノア・ゾロの名前の由来にもなっており、
バンダナを着けると目元に掛かる影が、ドミノマスクに見えた事から名付けられたのだとか。
RPGでは『ロマンシングサ・ガ3』の怪傑ロビンがまさに怪傑ゾロのオマージュであり、
ヤーマスの町で悪事を働く悪徳商人・ドフォーレ商会の悪だくみに敢然と立ち向かうマスクヒーローとして登場する。
通常はすらっとした長身の青年が扮したロビンが活躍するが、たまに似ても似つかない太っちょの偽ロビンが現れる事も…?
ちなみにヤーマスの町のロビンイベントを一通り完了する事で、本物と偽物どちらか片方を仲間にする事が可能。
偽ロビンも単なる偽者にしては能力が高く、「実は偽者というより引退から復帰した先代だったのでは?」という考察も存在する。
小剣技最強格の「ファイナルレター」も小剣でZの字に切り裂く技なので、オマージュは明らかである。
格闘ゲームでは『ブレイカーズ』に登場するエセ貴族のピエール・モンタリオも、その出で立ちや格闘スタイルからして多分に影響を受けていると思われる。
性格的にはドン・キホーテの方だが


MUGENにおけるゾロ

DC VS MARVEL氏、Brucewayne74氏(TheGianni74氏)、Yolomete氏らが共同製作したMUGEN1.0以降専用キャラが存在する。
現在は海外サイト「The Mugen Multiverse」の他、
コンプゲー『Dynamic Super Robot Wars - THE GAME』で知られるGIANNI from PARTINICO氏のサイトで代理公開されている。
やはりと言うべきかドットは某エセ貴族をベースとしており、ボイスは1957年ドラマ版でゾロを演じたガイ・ウィリアムズ氏の物を使用しているようだ。
なお、ReadMeの類は付属していないため、各種コマンドはcmdファイルを開いて確認する必要がある。

操作方法は『MVC』風の6ボタン方式で、チェーンコンボやエリアルレイヴが使用可能。
剣を使うので通常技のリーチが長く、剣の部分には喰らい判定が無いので非常に強力だが、空中強攻撃でダウンを奪えないという欠点があるので注意。
必殺技超必殺技はピエールの面影を残しつつしっかりと差別化されており、
連続突きを繰り出す「flashsword」や愛馬トルネードで相手を轢く「tornado」、上から無数の樽を落とす「Barrel」といった多彩な技が揃う。
中にはピエールの「ムッシュ・クラッシュ」そのまんまな技もあるが、技の演出的に違和感は全く無かったりする。むしろ奴の方が偽者だ
AIは搭載されていない。
紹介動画。お相手はピエール・モンタリオ

この他に、MatreroG氏によるMUGEN1.0以降専用のステージ「The Hacienda」も公開されている。
通常版に加えてモノクロ版も同梱されており、ゾロ本体の3Pカラーと併せれば雰囲気ぴったり。
DLは下記の動画から



出場大会

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*1
例の四天王の名前のゴタゴタをご存知の方なら「え、ベガって女性的な印象が強いんじゃないの!?」と思うかもしれないが、
バイソン将軍のページにも書かれている通り、あちらのベガはα星(琴座で一番明るい星で、夏の大三角の一角を為す)の名称に採用され、
「真夏の女王(東洋における織姫星)」を意味するようになったアラビア語が由来なのに対し、
こちらのベガは「牧草地に住む人」または「平野に住む人」を意味する正真正銘のスペイン語で、実在するスペイン語圏の名字である
(日本で言う所の「牧原」さん「野原」さんみたいなニュアンスか)。
日本で既知なものではカジノで有名な街「ラスベガス(Las Vegas)」のベガも同じ語源。
女性的なイメージを持たれてるのはあくまでも「琴座α星」の方なので何も問題は無い。
海外版における「ベガ」もスペイン人なので、この場合は(製作スタッフの意図は別として)ディエゴと同じく苗字と考えると良いだろう。


最終更新:2025年04月26日 13:33