"I'm no errand boy. And I'm not in this war for Dooku's politics.
I am the leader of the most powerful droid army the galaxy has ever seen."
(わしは断じて使い走りではない。ドゥークーの政策のために戦っているわけでもない。
わしは銀河史上最強のドロイド軍団の指揮官だ!)
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日本語吹替声優 |
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菅生隆之
- 『クローン大戦』
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後藤哲夫
- 『エピソード3』『クローン・ウォーズ』
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坂東尚樹
- PS2/Xbox『エピソード3』
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渡部猛
- 『CRフィーバースター・ウォーズ ダース・ベイダー降臨』
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中村浩太郎
- 『LEGO スター・ウォーズ:ドロイド・テイルズ』
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映画『スター・ウォーズ』シリーズに登場するヴィラン。
本名は
カイメイン・ジャイ・シーラル。
有能な分離主義軍の戦略家であり、冷酷無比な恐るべきジェダイの狩人。
一見ドロイドに見えるが、実際は惑星カリーを母星とする「カリーシュ」という爬虫類型知的種族の出身。
元々は隣星の侵略者から故郷を幾度も守り抜いた武人気質の将軍であったが、
この戦争に(誤った情報により)
武力介入・自分達に経済制裁を行ったジェダイ及び共和国に強い憎しみを抱いている。
その後シャトルの事故で重傷を負った際に
体の大部分を機械化した事で、非常に高い戦闘能力を手に入れた。
*1
独立星系連合を率いるドゥークー伯爵からジェダイのライトセーバー戦闘技術を学んだ事に加え、サイボーグ化された体も凶悪な武器であり、
稲妻のような速さで凄まじい威力の攻撃を繰り出す。
クローン戦争ではその怪物じみた強さで何人ものジェダイを葬っており、殺害したジェダイの持っていたライトセーバーやパダワンの頭髪を、
戦利品としてコレクションする醜悪な趣味を持っていた。
ジェダイの未来予知を上回るほどの加速された身体能力、シス仕込みのライトセーバーフォームで数多くのジェダイが敗れ去り、
クローン戦争におけるジェダイ騎士団最大の敵の一人こそがグリーヴァス将軍であった。
そもそも数で勝る通商連合にはジェダイ騎士団とて押され気味で、それをクローンとジェダイという質によって逆転しようとしていたため、
単独でジェダイに匹敵する戦力であるグリーヴァス将軍は、その存在だけで戦局を一変させる脅威だったのである。
また、グリーヴァス将軍直属のバトル・ドロイド「マグナガード」も対ジェダイ想定でライトセーバーと渡り合えるエレクトロスタッフを装備し、
一対多の戦闘技術をラーニングしているため、二流のジェダイでは敵わないほどの戦闘力を持っている。
銀河史上最強のドロイド軍団と豪語するだけの事はある。
とはいえ、伯爵に対して「ジェダイを倒せというのにドロイドしかくれない」と文句を言っている
(既製品のドロイドの性能では対ジェダイに何の役にも立たず、マグナガードはコストが高く大量生産はできない上に、
流石に一流のジェダイには及ばないので結局自分の支援にしかならないため)。
歴戦の戦闘指揮官として軍事的才能にも恵まれており、数々の戦歴を経てきたベテランの指揮官であり、
武人気質もあって商業主義に走る通商連合のヌート・ガンレイなどは嫌っているが、逆に偏見も無く、
ガンレイと同じ種族であるラシュロス・ドフィーンには冷静な指揮官として信頼を置き、副官として重用している他、
ドゥークーのシスとしての弟子であるアサージとは良きライバル関係にあり、足を引っ張る事などもせず功を競い合っているなど、
傲慢な人物ではあるが、決して身内に不和をもたらすようなタイプではない事もグリーヴァス将軍の強みであろう。
ちなみにダース・シディアスの事は尊敬しているが、パルパティーンの事は「このジジイ」呼ばわりしてぶっ殺そうとした事がある。シス帝国最大の危機
弱点としては上記の改造手術の後遺症により激高しやすく、感情が昂ぶるとライトセーバーフォームが粗くなる事。
また卓越した剣士ではあるがフォースに目覚めていないため、フォースプッシュなどの攻撃は回避するしかなく、
ジェダイ特有の未来予測もできないため、ブラスター偏向も困難なので、クローントルーパーの制圧射撃に撤退する事も多い。
(無論、単独戦力では圧倒的なため、弾幕を掻い潜って飛び込めばクローントルーパーも物の数ではないが)。
しかし何よりも恐ろしいのは、グリーヴァス将軍自身がそうした弱点を自覚し、引き際を心得ている事だろう。
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原作での活躍 |
以上のように欠点こそあるものの依然強敵に変わりない……のだが、
ジェダイ狩りとして暴れ回る全盛期の将軍が描かれたのはアニメシリーズ『クローンウォーズ』での事で、映画のみ観ている人にとっては、
「『EP3』でいきなり出て来た猫背でゲホゲホ言ってて不健康そうな癖に逃げ足だけは異様に速いメカっぽい人」という感じになってしまう。
サイボーグ手術による後遺症のため元々心臓と肺を患っていた所に、当時最強のジェダイだったメイス・ウィンドゥと交戦した際、
フォース・グリップを胸部に喰らったのがとどめとなり、『EP3』で登場した頃には度々咳き込むようになったのである。 *2
このメイス・ウィンドゥと繰り広げたコルサントでの戦いでパルパティーン誘拐作戦を成功に導いたグリーヴァス将軍は、
旗艦<インヴィジブル・ハンド>で艦隊戦の指揮を取り、共和国軍の猛攻をくぐり抜けてコルサントを脱出する。
さらにパルパティーン救出のため艦内に潜入し、師匠であるドゥークー伯爵を殺したアナキンと オビ=ワン・ケノービの二人を捕縛。
しかし一瞬の油断を突かれて二人が脱出すると、エレクトロスタッフを駆使して彼らを迎え撃った。
やがて形勢不利と悟ると艦を破壊して宇宙空間に飛び出し、生身のジェダイたちが議長と共に宇宙へ吸い出されまいとする中、
悠々と艦内に再び戻り、 脱出ポッドを使って撤退に成功した。
その後 ついさっき殺しかけたダース・シディアスからの指示を受け、通商連合本拠地のムスタファー移転作戦に従事。
しかしグリーヴァス将軍の所在を掴んだオビ=ワンが奇襲を仕掛け、クローン戦争における好敵手二人は此処に雌雄を決する事となる。
4本のライトセーバーを操り、 ライトセーバーを持ちながら手首を振り回して接近するシーンは中々の迫力。
概ね「みろ!!おれさまの北斗神拳を!!」ってシーンなので末路もお察しである
だが、速攻で2本斬り落とされ一発芸に終わってしまう。 *3
形勢不利と見るや部下やドロイドを押し退けてでも事前に用意した脱出経路を用いて撤退するのだが、
オビ=ワン・ケノービとの再戦にして最後の決闘では、この戦術も通用せず、死闘の末に双方武器を失っての格闘戦にもつれ込む。
最期はオビ=ワンに
ブラ=サガリ
からのブラスターで胸部を撃ち抜かれて死亡。僅かに残った生身の部分を焼き尽くされる最期は中々にグロい。
最後のチェイスシーンはかなり長い尺でCGが作られていたが、大幅にカットされてしまった。
上記の割とあっさりと終わった四本腕での戦闘シーンも、
当時の制作状況では四本腕を縦横無尽に振り回すのは 予算とスケジュール的に不可能という 止むに止まれぬもので、
そうした制約が一切無い『クローンウォーズ』ではグリーヴァス将軍の活躍を思う存分堪能する事ができる。
まあグンガン族に負けた事もあるけど、あれは一騎当千の水陸両用戦闘民族が罠にハメた上に犠牲を顧みず総攻撃でかかって、 一族の英雄が命と引換えにしてやっと勝った戦いなので……
アニメシリーズでの彼を知っているか知らないかで印象がかなり違うキャラクターだと思われる。
ある意味「えっと、誰だっけ……ああ、『EP6』で大ミミズに食われる人!」と言われがちなボバ・フェットに似た立ち位置であるとも言える
とは言え、『クローンウォーズ』においてはセーバーの師であるドゥークー伯爵から、
「たまたま勝てた事についてのぼせるな」「トップクラスのジェダイに勝つには威圧させるか、逃げた方が良い」 「確実に勝つためには戦いに持ち込まずに不意を突け。そうすれば勝てる」
と諌められており、まだまだライトセーバーの使い手としては発展途上、つまり恐るべき事に 成長途中であった事が分かる。
これまでの解説から格ゲーで例えると「下位キャラに滅法強いが、上位キャラにはまず勝てない性能のキャラ」という印象を受けそうだが、
決してグリーヴァス将軍が弱いわけではなく、「あくまでも 世紀末レベルの中では中~下位キャラ」という点だけは誤解無きよう。
なにしろあのオビ=ワン・ケノービが、 ブラスターを使わねば殺せなかった強者なのだ。 *4
死後、グリーヴァス将軍は故郷カリーシュの英雄として供養され、戦神グリーヴァスとして祀られる事となる。
そしてその後、グリーヴァス将軍の死から間をおかず、銀河にはもう一人 サイボーグ化されたライトセーバーの達人が現れる。
その機体構造はグリーヴァス将軍のものを参考にした上で、製作者の意向によりデチューンされたものだというが……。
それでも尚フォースを縦横無尽に振るいブラスター偏向すら可能というのは、あの暗黒卿の恐ろしさを物語っている。
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(以上、「グリーヴァス将軍|スター・ウォーズ公式」より引用・改変)
なお余談だが、『
ロードス島戦記』では二代目主人公スパークのパーティ(TRPGリプレイ版では三代目に当たる)メンバーの一人に、
ドワーフの神官「グリー
バス」がいたりする(登場はあちらが先なのでグリーヴァスが元ネタではなく、偶然)。
まあ名前被りはままある事ではある。『D&Dがよくわかる本』内のミニリプレイでベンおじさんがいたり、
実卓以外でも某ゲームに破壊神ワドルディがいたりとか
MUGENにおけるグリーヴァス将軍
(
デカキャラの)
成歩堂龍一等を製作したOmegabros氏によるキャラが存在。
日本未発売のGBAソフト『Star Wars Episode III:REVENGE OF THE SITH』の
スプライトを用いている。
ストライカーとしてドロイド兵の援護射撃が実装されている。
並程度の強さを持つ
AIもデフォルトで搭載済み。
この他、BaganSmashBros氏によるものも確認されている。
"I will rest when the Jedi are dead."
(ジェダイがみな死ねば、そのときは休む)
出場大会
出演ストーリー
プレイヤー操作
*1
カリーシュと交戦状態にあった敵対種族が先にジェダイ騎士団に接触し、ある事無い事を吹き込んで救援を要請。
普段一切交流の無い辺境地帯であった事で全てを鵜呑みにしたジェダイによって、勝利間近のカリーシュは蹂躙されたのだ。
なのでグリーヴァス将軍としてはジェダイを恨むのも当然で、むしろ共和国末期の硬直したジェダイ騎士団の被害者ですらある。
しかし実の所、このシャトル事故はカリーシュが共和国に背負わされた負債を肩代わりする代わりに、
自分達の元で働いていたグリーヴァスを、戦力として確保したい分離主義勢力により仕組まれた物である。
さらにサイボーグ化の過程で彼の記憶や精神にはかなりの手が加えられており、
元々好戦的な気質の持ち主ではあったが、作中で見せる残虐・凶暴な面はこの影響もかなり大きい。
*2
ちなみにこの咳は、当時気管支炎を患っていたジョージ・ルーカス監督の声である。
*3
尤も、これはオビ=ワンが
守りを主眼に置き、全方位の攻撃にカウンターを繰り出すフォームをジェダイ史上最高級にまで極めており、
グリーヴァス将軍のドゥークーから伝授された攻撃系フォームはこのオビ=ワンのフォームとの
相性が極めて悪かった事も一因となっている。
また、この場面は「四刀流でライトセイバーをぐるぐる回転させてたら速攻で腕を落とされて負けた」とネタにされがちで、本項でもそのように描かれているが、
実際の戦闘場面を見れば、そう簡単に済ませられるようなものではない事がハッキリと分かる。
回転攻撃自体はあくまでもオビ・ワンを威圧するためのパフォーマンスめいたものであって、それ以降はきちんと四刀を駆使して激しい剣戟を繰り広げている。
一本、また一本と腕を切り落とされ二刀流になったのは事実だが、その時点でもライトセイバー対決ではオビ・ワンとは未だ互角であり、
逃走に入ったのはクローントルーパーが戦場に乱入した隙を突き、オビ・ワンがフォースプッシュで吹き飛ばしたがためである。
これによって隔壁に叩き付けられ階下に転落、ライトセイバーも紛失した事でグリーヴァス将軍は撤退に移行しており、
その後の格闘戦でもフォースで
ブラ=サガリブラスターを引き寄せなければオビ・ワンは敗北していた。
またCGアニメ『クローン・ウォーズ』で四刀流回転剣術を披露した際は、自由自在に跳躍するジェダイに対し全方位を警戒するために用い、奇襲を防いでいる。
よって「剣士」「戦士」としてのグリーヴァス将軍の恐ろしさは、一切軽んじて良いものではないのだ。
*4
実際の所『クローンウォーズ』などでは
六人のジェダイを同時に相手取って全員撃破という凄まじい戦果を上げており、
そもそも
「奇襲すればトップクラスのジェダイにすら勝てる」という時点で、ドゥークーからの評価も高い事が分かる。
現にグリーヴァス将軍が撃破したのはシャアク・ティ、キ=アディ=ムンディ、イース・コスといったジェダイ評議会のメンバーで、
またコミックスでは
ダース・モールとも対決、フォース抜きのセーバー対決ではダース・モールを一度ならず下しており、
フォースを使われた事で最終的にダース・モールに逃げられるものの、作戦を成功させ戦略的勝利を掴み取るなどの戦果を上げている。
つまりオビ=ワンやドゥークーなど最高峰には敵わずとも、ジェダイの上澄みレベルには十分勝利できるほどの剣士なのだ。
ジェダイをダブルタップで射殺できるジャンゴ・フェットを筆頭に、ジェダイ殺しができる時点で化け物なのである。
最終更新:2024年02月02日 00:44