イーヴィルティガ


「見よ、私の神々しい姿を!
 私は神に近付いたのだ!私に続くのだ!!」

円谷プロの特撮作品『ウルトラマンティガ』に登場する闇の巨人。
第44話「影を継ぐもの」に登場した、ティガと同じ古代の戦士である。

フォームチェンジは使用する描写は無いが
ティガのハンドスラッシュに相当する「イーヴィルビーム」や、
ゼペリオン光線に相当する「イーヴィルショット」(ゼペリオン光線とは逆に横に開いた手を閉じる形でチャージ後、逆L字に手を組んで放つ)など、
姿だけでなくティガに酷似した光線技も使用する。
また、ティガより先に変身しておきながらカラータイマーはティガより数秒前程度で点滅し始めたため、
暴走の影響もあるかもしれないが、変身時間はティガよりも長いと思われる。

+ 原作での活躍
熊本県にある地下遺跡にて相棒のガーディーと共に石像となって眠っていたが、
ダイゴと同じく超古代人の血を引くマサキ・ケイゴ(演:高良隆志)が創り出した地中鮫ゲオザークによって発見され、
自分もウルトラマンとなって人類から進化した存在として導こうと目論むマサキの手で、
ダイゴから奪ったスパークレンスと彼の開発した光遺伝子コンバーターなる装置により、マサキが石像と融合した事で復活した。
ところが、強すぎる野心や欲望といった「間違った心で光になった」マサキは巨人の力を制御し切れず暴走し、
破壊活動を始めてしまう。

止めに入ったガーディーを殺害するが、そこにスパークレンズを取り返してダイゴが変身したティガが駆け付け、
怒りに震えるティガと一進一退の攻防を繰り広げる。
身体能力も光線の威力もほぼ互角で、互いにカラータイマーが点滅状態となるほど消耗するが、
ティガのチョップとイーヴィルティガのキックのぶつけ合いの果てに、ティガは先に片膝を突いてしまうダメージを受けたのに対して、
イーヴィルティガは大きく倒れ込んでしまうほどの、より重大なダメージを負ってしまう。
苦し紛れにイーヴィルショットを放とうとするが、先のダメージが尾を引いた&エネルギー不足で不発となり、
逆にティガの放ったゼペリオン光線を受けて消滅した
(分離したマサキは死亡を免れたが、適正も無いのに無理に変身した後遺症なのか錯乱した状態でTPCによって拘束。
 ガーディーが復活の為合体した子犬は無事に生還)。

イーヴィルティガの敗因は変身者であるマサキの経験不足に加えて、
先に変身した事と直前のガーディーを痛め付けた際のエネルギーの消費により、
ティガとの間に光線1回分撃てる余力の差が生まれてしまったためである。
その意味では、涙ながらに彼を止めようとしたガーディーは決して犬死にではなかったのだろう。

しかし、イーヴィルティガの石像の残骸はTPCによって回収され、これが後の「F計画」の始まりとなり、
『THE FINAL ODYSSEY』におけるルルイエ事件へと繋がったとされる他、
ウルトラマンダイナ』の時代においてイーヴィルティガの残骸をベースに、
かつてゴルザメルバが破壊した石造の残骸なども組み合わせることにより、
人造ウルトラマン「テラノイド」が作られ、大騒動を起こす事になるなど、
イーヴィルティガの存在は後のフロンティアスペースに大きな影響を与えている。
……つくづくこの巨人が報われないように見えるのは気のせいではない。

なお、ティガや他のウルトラマンと同様に人間の言葉を喋るわけではなく、
上記の台詞はマサキがあらかじめ録音していた音声を、自分の変身に合わせて周囲の人間に向けて流しているだけである。

シリーズ恒例の「悪のウルトラマン」に分類される敵キャラクターだが、
変身者であるマサキ・ケイゴのせいで暴走していただけで、本来の巨人自身が邪悪というわけではない
「イーヴィルティガ」という呼称はレナ達がティガの偽者と認識したがために付けられたのだが、
実の所偽物ではなく出自上は本物のウルトラマンの1人であり、姿がティガに似ていたのはたまたまである。
まぁ、イーヴィルティガの元となった巨人がティガの血縁者か何かだったという可能性はなくもないが。
また、後年のイベントにおいてメインライターの小中氏は、
「イーヴィルティガは悪のウルトラマンや偽ウルトラマンではなく、アナザーウルトラマンオルタナティブティガ)」
という見解を述べている。
いずれにせよ元の巨人からしてみればとんだとばっちりだったのは間違いない。
更に、後日談の劇場版でティガは闇の巨人「ティガダーク」だった時期もあると明かされているため、少々ややこしい。
順当に考えればティガや闇の三巨人と同じく固有の名前を持っているはずだが、劇中では明かされなかった
恐らくは元の巨人の意思がマサキを認めていないためにスパークレンスが入手できなかったり名前が明かされていないのではないか、という考察もある。
その場合それを突破したマサキの才能とバイタリティはある意味で自惚れるだけのことはある天才と言える

+ 余談
2021年放送のティガをリブートしたTV作品『ウルトラマントリガー』では、ティガによく似たトリガーが主役ウルトラマンだが、
ツリ目、下部プロテクターの形状、手首装飾など、むしろイーヴィルティガとの特徴の酷似が多いことから、
視聴者の間では放送前から「トリガーの正体はイーヴィルティガの同位体か何かではないか」という考察が出るようになった。
結局ティガ及びイーヴィルティガとトリガーの関係は不透明なまま本編は終了したのだが、
『劇場版ウルトラマントリガーエピソードZ』にてリメイクキャラである「イーヴィルトリガー」がボスを務めることになった。

+ その他の作品におけるイーヴィルティガ
ライブステージでは敵としての登場が多いが、稀にウルトラ戦士の味方に回る事もある
(設定を考えれば元は光の陣営だったはずなので矛盾はないが)。
映画『劇場版 ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』では、
元凶?であるカルロス黒崎がイーヴィルティガに変身して奮闘するという展開で再登場が検討されていたが、
最終的に没となり、カルロス黒崎の演者は本気で嘆いたらしい。
『NEW GENERATION THELIVE ウルトラマントリガー編』ではアブソリューティアン・タルタロスに召喚された並行同位体が登場したが、
いかなる世界線から召喚されたのかティガを倒すことのみを目的としていたためウルトラ戦士と対峙したが、
結局タルタロスとは決別し、最終的にゲームの世界に飛ばされそこで出会ったトリガーと同行した末に、
ラスボスの攻撃からトリガーを身を挺して庇い消滅するという、ダークヒーローのような立ち回りを見せた。
なお、消滅の間際のイーヴィルティガの姿は邪悪な変身者に染められていない本来の姿と思わしき物に変化しかけており……?

『ウルトラマン Fighting Evolution3』ではプレイアブルキャラの1人として登場している。
性能は本家ティガのマルチタイプの上位互換だが、タイプチェンジができない点で差別化されている。

ソーシャルゲーム『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』でも実装されていた。
属性は「速」でステータスは運(クリティカル率)が高め。継承スキルはSP増加系が揃っている。
必殺技の「イーヴィルショット」は使用すると相手全体の回避率を下げる効果がある。
固有スキルの「闇に落ちた戦士」は1ターン目開始時に攻撃・運・命中・移動力が3ターン上昇する能力。
スキル覚醒すると、必殺技使用時に1回だけ属性「技」以外の相手のスキルを無効化してダメージを与えられる
(なお、ミッションなどで登場するウルトラマンティガ・マルチタイプは属性「技」である)。
素のステータスはあまり高くなく、移動力が極端に低い弱点を持つため、短期決戦向きのキャラと言える。

『DARKNESS HEELS』では惑星テリオの技術で複製・再生されたイーヴィルティガが登場。
本来の巨人の人格とマサキ・ケイゴの人格が混濁した二重人格のようになっている
(舞台版ではマサキの人格では1人称は「私」で、イーヴィルティガの人格の1人称は「俺」。
 コミック版では「私」と「僕」が混濁した一人称をしている)。
なお、巨人はイーヴィル(邪悪)という名前を嫌っているが、上記の二重人格のような状態で復活した副作用なのか、
当人も自分の本来の名前や出自に関する記憶が曖昧なため、本名は未だに謎のままである。
また、同作では同郷・同時代出身のカミーラと共演しているが、生前は特に接点は無かった事が明かされている。


MUGENにおけるイーヴィルティガ

BlackCat氏&Sans_UA氏&Woz氏の共同製作によるキャラが公開中。MUGEN1.0以降専用。
技やモーションは『ウルトラマン Fighting Evolution3』をベースに作られているが、
闇の波動を放つオリジナルの必殺技も存在する。
また、マサキのボイスの流用で原作では特に接点の無いウルトラマンヒカリとの特殊イントロがある。
AIはデフォルトで搭載されている。
紹介動画
DLは下記の動画から

出場大会


+ おまけ


最終更新:2024年08月02日 19:17