ドラグナー1型(D1)

登録日:2009/09/05(土) 21:38:59
更新日:2024/08/17 Sat 23:17:32
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騎兵隊、ただいま見参!


ドラグナー1型とはアニメ『機甲戦記ドラグナー』に搭乗するD計画機体、及び主人公ケーン・ワカバの愛機である。

◆概要

◇形式番号
XD-01
XDFU-01(リフター装備時)

◇スペック
全高:17.6m
重量:61.5t
出力:21万ポンド

◇主な搭乗者
ケーン・ワカバ

◇武装
75mmハンドレールガンLPS9型
迫兵戦用レーザーソード×2
迫兵戦用アサルトナイフ×2
2連式25mm機関砲×2
ショルダーボム×2
スローイングボム
ハイブリッドシールド
5連デュアルミサイルポッド×2(リフター1)


◇解説
元ギガノス技術者ラング・プラート主導のD計画によって開発された機体。ラングが地球連合に亡命する際に持ち逃げされた。
作中では「D1」と呼称される事が多い。

機体に搭載されたAIの愛称は「クララ」。ケーンと添い寝するかわいこちゃん。

本機は接近戦を重視して作られており、そのパワーはダインの首を引っこ抜いてしまうほど。

主武装のレーザーソード(ガンダムシリーズでいうビームサーベル)は柄尻を結合させ、諸刃(ゲルググのビームナギナタ状)にできる。刃の色は黄色
歌舞伎のように見得を切るシーンはアイキャッチにもなり本機を代表するポーズとなっている。
切れ味はMAを容易く両断し、内部突入により単騎で戦艦をもたやすく破壊する。
腕には弾倉をいれるスリットがついており、長期戦にも対応可能。

予備兵装としてサバイバルナイフがふくらはぎのアーマーに収納してあるが、アニメでは使わなかった(小説では使用)。これは「ナイフで戦うのは少年犯罪みたいでよくない」と監督から言われたかららしい。
後に演出に携わった福田己津央が監督した『機動戦士ガンダムSEED』の前半主役機・ストライクガンダムが使う「アーマ―シュナイダー」のモデルになっている。
また同じD機体であるD2とD3にも(基本フレームは共通なため)実装されているが、作業用としてしか使用しなかった。

キャバリアー0という追加武装もあり、D2の砲撃能力とD3の電子戦能力を使用できるようになる。
しかし全部載せの宿命として使い勝手は悪く、近接戦ではパージする必要があった。
結局は序盤に囮として使われ大破、以来登場する事はなかった。
ちなみにモデルは渡世人の三度笠と合羽。

また、飛行用ユニット「リフター1」をつけることによって機動性と攻撃力を上げられ、空中を飛行可能になる。

レーザーソードの連結機構やリフターも、『ガンダムSEED』に要素が反映されている*1

元々本機は試作機だが、完全なワンオフ機として開発されたのではない。
量産化を前提に開発された試験用の機体のため、重慶基地でデータをとった後は廃棄される予定だった。

……がケーン達の力を知ったラング博士自身が改修。新たにドラグナー1型カスタムとして生まれ変わる事になる。

ちなみにファルゲン、及びゲルフとは兄弟機のような関係である。



◆ドラグナー1型カスタム(D1カスタム)


◇形式番号
XD-01SR

◇スペック
全高:17.6m
重量:78.7t
出力:24万ポンド

◇主な搭乗者
ケーン・ワカバ

◇武装
55.6mmハンドレールガンLPS32型
迫兵戦用レーザーソード×2
迫兵戦用アサルトナイフ×2
6連デュアルミサイルポッド×2
2連式25mm機関砲×2
ショルダーボム
スローインボム
マルチディスチャージャー
スーパーハイブリッドシールド
光子バズーカ

◇解説
前述の通り、重慶基地にて新たに生まれ変わったドラグナーの姿。AIは変わらずクララ。

改良点は以下の通り。

  • ジェネレータの強化
  • 装甲を新型に置き換え
  • レールガンの口径を小さくし、速射性を向上
  • レーザーソードを左腰に、スローインボムを右腰に移動
  • アフターバーナーなどの強化
  • リフターを本体と完全固定化。Xリフターではなくなり、折りたたみも不可能に
  • 左肩に新たに重力場感知システムを新規搭載。ショルダーボムは右肩のみに


大幅な改修を受けたが、基本フレームは全く同じ。右肩と左肩が左右非対称である。ちなみに光子バズーカの色は薄い赤。
改修により、D1より高性能なドラグーンを上回る性能を得た。番組の路線変更によりパワーが尋常ではなくなっており、身の丈ほどもある巨岩を投げ飛ばしたり、ギルガザムネの巨大な長剣を真剣白刃取りしてしまうほどの描写がある。
かなりピーキーな機体だがケーンは見事乗りこなし、連合を象徴する機体とまでになった。



■ゲームでの性能


スーパーロボット大戦シリーズ


リアル系の主人公機なだけあって、概ねどの作品でもエース候補に食い込むくらいの性能を持つ。
同時にある程度D-2・D-3やファルゲンとの同時運用が前提になっていることも多い。


初参戦のAでは、高い運動性はもちろんのこと盾持ち*2なのでかなりタフでもあり、非常に生存性が高い。
単独での火力の低さがネックだが、D-フォーメーションアタックや恐怖のトリプルアタック、ツインレーザーソード等の合体攻撃が強いので気になりにくい。
ハンドレールガンがP武器の割に射程長めだったり、カスタム化後に追加される光子バズーカ砲が本作で厄介な木連機のディストーションフィールドに有効だったりと、何かと小回りが効くのもいいところ。
また、設定面では「こちらの世界(本作の舞台)」ではD兵器が原作通り活躍したおかげでドラグーンも主力になった*3のに対し、「あちらの世界(シャドウミラーのいた世界)」ではD兵器にケーン達が一切関わらず、予定通り正規パイロットが搭乗し、碌にデータが取れないまま撃墜されたということになっている*4

一方、リメイク作のAPではシールドの仕様が他の作品と同じになったり、大半のMSが積んでいるビームライフルがP武器になってハンドレールガンが没個性化したり、とにかく命中率が足りないバランスのせいで低命中補正の光子バズーカ砲が使いにくくなったりと色々逆風気味。
ただ、ケーンがリメイクにあたって、精神コマンド「奇襲」が廃止された代わりに「不屈」を覚えるようになった上、シールド防御も素でL5まで成長するので割と頼りになり、連続ターゲット補正のキツい本作でもかなり落とされにくい。
そして合体攻撃も相変わらず強力。本作では終盤のシャドウミラー兵がひたすらお互いに援護防御し合ってウザいことこの上ないので、それをスルーして攻撃できる合体攻撃はかなり便利。
また1型そのものの性能とは関係ないが、基本D-3と固まって運用することになる関係上EWACの恩恵を受けやすく、比較的命中率にも困りにくい。


MXでは合体攻撃+魂+アタッカーで優秀なボスキラー。
比較的扱いやすく、後半ではファルゲンマッフとのツインレーザーソードがかなりの高威力かつ低燃費なのでずっと活躍する。

というか中盤ケーンが「見切り」をイベントで修得することでアムロすらも横に並べないほどの回避能力を誇るようになる。
これは1周目の時点で、運動性を限界まで改造していなくてもラスボス最終形態の攻撃の命中率が20%を切ってしまうというずば抜けた回避能力。

加えて基本武器のレーザーソードの射程が何故か2あるため各種強化により射程を4くらいまで延ばす事が出来てしまう。
その結果、中ボスクラスの敵の攻撃すら命中率0%に抑えてしまうユニットが単騎で突撃し、3000以上の攻撃力を持つ射程4の武器で延々と反撃し続けて敵を全滅させてしまうと言った事が可能になる。

さらにこれに加えて終盤ファルゲンマッフが仲間に加わるが、基本性能は見切りこそ覚えないものの上記とほぼ同じ性能なうえ
パイロットが消費10の精神コマンド「気迫」というとんでもないものを覚える。その他も集中・直撃・加速・魂と必要な物が全て揃った無欠のキャラとなっているのだ。

極めつけは前述した合体攻撃の「ツインレーザーソード」。
元の攻撃力が6375もあり、最大改造+パイロットの各種技能によっては9999到達さえ可能な攻撃力であるにもかかわらず、コストがたったの気力110+EN10のみ。
単体での性能と威力なら、あのゼオライマー以上のMXを代表するチート機体どもである。


GC(XO)でも最終決戦まで使える性能ではあるが、それほど目立ったものではない。


A.C.E.シリーズ

優秀なバーニア性能と多才な武器とコンボの多さで相手を圧倒出来る汎用性の高い機体。相変わらず、合体攻撃が光る。



◆立体物

立体化商品としてはアニメ放映時に、1/144と1/100スケールのプラモデルが発売。

2008年にバンダイの「魂SPEC」シリーズとして、オープニング仕様(バリグナー)とアニメ本編仕様の二種類が発売された。
ダイキャストのフレームにプラスチックのパーツをくっつける構造であり、基本フレーム、レーザーソード、レールガン、シールド等の武装はほぼ共通である。
オープニング版は大張正己氏の「中に人が入ってる感じをイメージした」ドラグナー、いわゆる「バリグナー」を再現したタイプでめちゃくちゃかっこいい。リフターも当然オープニング仕様となっている。
アニメ本編版は大河原邦男氏のいわゆるガワラグナーになっており、リフターに加えてレールキャノン、キャバリアー0が付属。
リフターとキャバリアーはオープニング版に装着可能。ボディの白はツヤありになっている。
バリグナーが最近になって再生産されたので入手がしやすくなった。

2014年にROBOT魂でもD1カスタムが発売されたが、魂SPEC以上にアレンジされた、癖のある形状になっている。

2021年11月には、プレミアムバンダイ限定だがHG 1/144で新規設計されて発売。最新フォーマットで外観とフレーム(KPS製)が再現される。
リフター1も付属して着脱が可能。各種武装もアサルトナイフ含めて付属。
さらにはオープニングのD1をイメージした頭部ひさしパーツも付属しており、通常のものと差し替えが可能。
4次販売までされ、さらにその後も何度か再販されている。
2024年10月には、ドラグナー3型までHGでキット化されたのに合わせて、D1カスタムの1/144旧キットがD2カスタムとドラグーンのセットで再販される。


◆余談

キャバリアー0は序盤でフェードアウトしたある意味知る人ぞ知る存在なのだが、演出の福田己津央氏にとっては思い入れのあるメカだった様子。
まさか放送から37年後にとんでもない形で日の目を見ることになるとは誰も思わなかっただろう。



アニヲターだ!追記・修正しねぇと痛ぇぞぉ!!


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最終更新:2024年08月17日 23:17

*1 フリーダムジャスティス等のサーベル、ジャスティスのファトゥム-00など。そのためかSEEDシリーズではサブ・フライト・システムがあまり登場していない。

*2 「A」のシールドは他の作品と異なり、独立したHPを持っていて被弾を肩代わりする仕様になっている

*3 ゲシュペンストの性能を恐れたシャドウミラーの裏工作としてドラグーンが主力に選ばれたのだが、ケーン達が予想外に活躍したため、目論見が裏目に出た。

*4 そのため、ドラグーンも完成度が低く、競合のゲシュペンストMk-Ⅱが主力になっている。