登録日:2020/08/09 Sun 22:55:00
更新日:2024/12/14 Sat 10:37:56
所要時間:約 10 分で読めます
西暦2087年。
地球と宇宙は、熱い炎に包まれた。
地球人類の再生を賭けて、月に樹立された統一帝国「ギガノス」は
新たな宇宙の秩序を目指して、地球連合軍に戦いを挑んだのである。
組織と科学力において優れた帝国軍は、旧態依然とした地球の諸国を制圧。
その7割を支配下に置いた……
▲概要
『機甲戦記ドラグナー』とは1987年に名古屋テレビをキー局とした
テレビ朝日系で放送されたテレビアニメである。日本サンライズ(現:サンライズ)製作。全48話。
監督は『
銀河漂流バイファム』を手掛けた神田武幸が担当。
本作の前番組は『
機動戦士ガンダムΖΖ』で、「
ガンダムのリニューアル」をコンセプトに創られている。
実際「
地球側と宇宙側で起きた人類戦争の最中、民間人が偶然パイロットになり戦いに巻き込まれる」という雰囲気はガンダムに似ている他、
メカニカルデザインに大河原邦男氏を採用するなど、ガンダムに携わったスタッフも参加している。
『ZZ』が終盤では失速してしまったからなのと、映画『
トップガン』の影響も受けていたからか、コミカルな描写や海外ドラマを思わせるやり取りが特徴的。
だが中盤以降は『
北斗の拳』を思わせる
いかにもな悪者が登場したり、派手な白兵戦が行われたりと、路線変更が行われた。
視聴率は悪くは無かったのだが、当時は既に
ロボットアニメのブームが過ぎていたこともあり、
シリーズ化するほどの人気を得ることができなかった不遇の作品となってしまった。
だが、本作で演出を務めた福田満夫は福田己津央と名を変え、
『
機動戦士ガンダムSEED』の監督として「ガンダムのリニューアル」に再挑戦し、リベンジを果たすこととなる。
そして本作自身も、当初はVHSが無くLDだけの発売に留まり、某民放ドラマでは本作のVHSがお宝扱いされるほどの扱いであったが、
後年は
スパロボへの参戦によりいくらか再評価されている。
▲あらすじ
時は西暦2087年。月に誕生した「ギガノス帝国」が地球連合に対して独立を宣言し、宣戦を布告。
ギガノス側のマスドライバーやMA(メタルアーマー)といった兵器により地上の7割がギガノスの支配下とされてしまった。
そんな中、スペースコロニー「アルカード」の住人であるケーン・ワカバら3人の学生は、ギガノスの襲撃にあう。
避難している際に成り行きから新型兵器「ドラグナー」の正規パイロットに登録されてしまい、ギガノスと戦う羽目になってしまう。
しかもドラグナーのパイロット登録は軍の司令部に行かなければ解除できないという始末。
こうしてケーン達は登録を解除するまでの間地球軍の軍人として戦争に身を投じることとなったのであった。
果たしてケーン達は倒れるまで走るほどに、熱く生きることはできるのだろうか?
▲登場人物
☆地球連合・ドラグナー遊撃隊
主人公。D-1のパイロット。日系2世。3人組のリーダー格。基本的には
熱血感で無鉄砲な性格。タップ・ライト同様に美人に目が無い。
登場当初は
リーゼントヘアだったが、ベンに散髪されて以降は無造作なショートヘアになった。
元々民間人だったこともあって戦闘に関しては素人だったものの、数々の戦いを経てマイヨやグン・ジェム隊をも退けるほどの強さを身につけていく。
リンダに一目惚れして以降彼女に幾度もアプローチをし続けており、その想いは彼女の秘密を知って以降も変わることはなかった。
自分を一人で育ててくれた母・アオイを深く愛しており、終盤アオイを人質に取られて
一時的にギガノスについて地球連合軍と戦ったこともあった。
逆に父・ジムの事は自分を捨てたと思い込み、蛇蝎の如く嫌っていた。
D-2のパイロット。
おもしろ黒人。3人組のムードメーカー。大の音楽好き。心優しく陽気な性格で、自他共に認めるフェミニスト。
家族に仕送りをしたり、曰く「命から3番目に大事なもの」であるカセットプレイヤーを壊してしまったりなど、苦労も多い。
後にローズとイイ仲になる。
D-3のパイロット。
イギリス出身。頭脳明晰でIT技能に優れた、3人組の
知恵袋。
他2人がバカすぎるので比較的冷静な方だが基本的には他の2人同様お調子者の2枚目半。
実は名門貴族の出身だが、本人は特別扱いされることを嫌ってあまり話したがらない。
3人の中で唯一彼だけぼっちだった
地球連合軍ドラグナー遊撃隊の軍曹。ドラグナーのパイロットになったケーン達の教育係となる。
スキンヘッド&スカーフェイスで厳つい外見とは裏腹に人情派な面もあり、なんやかんやでケーン達とは良好な関係を築いている。
後にケーン達が昇進して自身より上の階級になった後も変わらず良き兄貴分であり続けた。
妹がいるらしい。
地球連合軍ドラグナー遊撃隊の大尉。本来は彼がD-1のパイロットになる予定だった。
融通が利かず感情的になりやすい面からケーン達への印象も良くなく、「
スピッツ(犬種の一つ)大尉」と揶揄されている。
D-1のパイロットに選出されていた腕は確かで、単なる戦闘ポッドでプラクティーズの面々を抑えてみせると何気にすごい事をやってのけたりしている。
後にドラグーンに搭乗。
ヒロイン。金髪の美人。父親はドラグナーの開発者、兄はギガノスのエースパイロットと複雑な境遇の持ち主。ガンダムで言うところの
セイラさん。
その経緯故に当初は心を閉ざしていたが、ケーンのアタックを受けるうちに少しずつ心を開いていき、やがて相思相愛となる。
元々は難民として輸送船アイダホの乗り合わせた身。戦争で行方不明になった両親を探している。ガンダムで言うところのフラウにあたる。
タップとは少しずつイイ仲になっていった。
オトナな魅力あふれるお姉さん。その正体は地球連合軍の諜報員で、民間人を装いアイダホに乗り合わせた。ガンダムで言うところのマチルダさんあたり。
ライトから好意を寄せられるも適当にあしらっていた。終戦後はベンと結婚する。
☆ギガノス帝国軍
ギガノス帝国軍親衛機甲兵団第一師団所属の
エースパイロット。「
ギガノスの蒼き鷹」という
異名で恐れられている。
シャアと同じく主人公の
ライバルキャラ。
冷静沈着で高潔な軍人であり、ギルトール元帥や部下達からの信頼も厚いが、反面肉親の情愛よりも国家の大義を選ぶなど家庭面においては問題を抱えている。
中盤ドルチェノフの罠によりギルトール暗殺の濡れ衣を着せられ追われる身となってしまうが、プラクティーズの説得やミンとの関わりを経て再起を決意する。
終盤は完全に彼が主役みたいになっている
終戦後は消息不明となる。
- ダン・クリューガー、カール・ゲイナー、ウェルナー・フリッツ(CV:柏倉つとむ、島田敏、竹村拓)
ギガノス帝国軍親衛隊「プラクティーズ」所属の3人。エリートとしてのプライドを持ち、マイヨに対して絶対の忠誠を誓っている。元ネタはアイドル時代の少年隊。
因みに中の人達はそれぞれガンダムで
ラスボスや
ライバルに近い役を演じてたりする。
マイヨが祖国に追われる身となってからもその忠誠心は変わらず、愛用機ゲルフの派生機も持ち出して彼に付き従う。
なお3人のうちダンは、最終盤にてマイヨや仲間達をドルチェノフの攻撃から庇い、機体を撃墜されて戦死する。
序盤に初代ガンダムのジーンと同じように手柄を立てようと独断専行することがあったが、その時に生還出来ただけに残念である。
スパロボでは基本的に生存。
ギガノス帝国の元帥。
環境破壊が進む地球を憂い、月面の駐留軍を纏め上げてギガノスの実質的な指導者となった経緯を持つ。
地球に対する愛は強く、事に当たっての理非を重んじる清廉な人物。
「地球を美しい姿のまま手に収めたい」という姿勢が、現実問題として自軍が劣勢に追い込まれていることに焦るドルチェノフに反乱を起こす一因となってしまう。
そして揉み合った末にドルチェノフに射殺される。
ギガノス帝国軍部中佐で、軍内での強硬派。傲慢で勝つためには手段を選ばない。
ギルトールに対してマスドライバーで地球への全面攻撃を度々進言していたものの、悉く拒否されてしまう。
遂には彼を
暗殺し、マイヨに罪を擦り付けた後は自らギガノス帝国総統の座に着く。
コイツより偉い将軍方はどうなったんだろう。
しかし、マスドライバーが破壊され、戦線はドラグーン量産に成功した連合軍によりたちまち逆転。
虎の子の機動要塞もマイヨの介入や連合軍のマイクロウェーブ照射により機能停止し、人質にしたアオイも奪還される。
さらに、ミンとの白兵戦の最中に通信回線が偶然開いたことで、ギルトール殺害の真相が知れ渡ってしまい、追い詰められる。
その後ギルガザムネに搭乗するが、ケーンとマイヨによる連携で機体は大破。そこから脱出出来なくなってしまう。
最期は酸欠状態に陥り、自らが統治したギガノスの幻想を見ながら、月面に落下していくギガノス機動要塞と運命を共にした。
指揮官としては醜態や器量の小ささばかりが目立つ一方、パイロットとしての技量はマイヨにも引けを取らないほど高い。
ギガノス帝国軍部少佐。ハゲチビ。ドルチェノフが総統の座に就いた後、グン・ジェム隊の後任でドラグナー討伐任務を与えられる。
勝利のためなら同僚をも利用する狡猾な人物であり、結果的にそれが彼の命を縮めることとなった。
- ゲルポック(CV.西村知道)、アデン(CV.星野充昭)、チェンドル(CV.千葉耕市)
黒カラーの専用ゲルフを操るゲルポック隊のメンバー。
隊長のゲルポックの階級は少佐。ヒゲを生やしたナイスミドル。
失態続きのグン・ジェム隊の支援に月から送られた増援で、過去に5隻の艦船を沈め、突撃勲章を3度も賜った強者。
アデンが電子戦を担う傍らで、武器運搬担当のチェンドルが鉄甲弾やコーキング弾等を込めた銃を投下し、ゲルポックが空中で受け取って攻撃を行うというスリーマンセルを得意とする。
ゲルポックは重い病を患っており、残りわずかな余命をドラグナー討伐に向ける。目的の為なら汚い手段も厭わない執念を持つ。
グン・ジェム隊
「
ギガノスの汚物」などとも呼ばれ、軍内部からも忌み嫌われるならず者集団
「グン・ジェム隊」の隊長。大佐。
残忍で狡猾で金儲けには目が無く、さらに策略家としてもパイロットとしての腕もケーン達を遥かに凌ぐ強敵。
敵に対しては非情、味方に対しても横柄な一方で部下に対する情は深い。
放映当時盛り上がってた
世紀末救世主伝説の
影響を強く受けた、という見方もできる。
- ガナン(CV:笹岡繁蔵、郷里大輔(サンライズ英雄譚代役)、大友龍三郎(SRWシリーズ代役))
グン・ジェム四天王の1人で階級は中尉。殺人犯が軍服を着ていると呼ばれる程に残虐で凶暴な性格で、ナイフ投げの達人。
常に釘を銜えている。鉄分不足なのだろうか?
最後はハゲにされて爆死。
グン・ジェム四天王の1人で階級は少尉。こう見えて17歳。
外見は美形だが味方を見殺しにしたり捕虜にしたリンダに暴行を加えようとするなど下劣な性格。
グン・ジェム四天王の紅一点で階級は中尉。砂漠の赤いバラという異名を持つ。身長185㎝で巨乳。
20歳。
美人だが、鉄製のドアを体当たりで半壊させたり、
配管パイプを素手で引きちぎるなどとんでもない
怪力の持ち主。
隊の中で唯一戦死することなく生き残る。その後余曲ありながらもマイヨやプラクティーズと行動を共にするようになる。
マイヨには一目惚れし、がさつな性格も嘘みたいに丸くなった。
そして、機動要塞潜入時には(まぐれで)ドルチェノフの凶行を暴くという功績を上げた。
☆民間人
ギガノス帝国でのD兵器の
開発者。マイヨとリンダの父親。ギルトールの同志でもあったが、理念の違いから袂を分かち、D兵器を持ち出して地球連合軍に亡命した(表向きには死亡したとされている)。
やむを得ない事情があったとはいえ、娘からは「妻も子も捨てた殺人兵器の設計者」、息子からは裏切り者呼ばわりされるなど、かなり可哀想な境遇の持ち主。
中華まんが好物。
息子達と血が繋がっているとは思えない程明るい上に、
女性の3サイズを見立てる能力まで持っている。
ケーンの母親。けっこう美人。当初は行方不明になっていたが、後にギガノスの捕虜としてとらえられていることが判明。
後にケーンに対する
人質として利用されてしまうも、ベンとリンダの奮戦で救出される。
第16話に登場したケーン達の元クラスメート。ケーン達より先に地球に移住しており、後に徴兵でギガノスの兵士となった。
▲メカニック
★MA(メタルアーマー)
本作に登場する
人型機動兵器の総称。
”MA”と訳されることもあるが、これだとガンダムシリーズのモビルアーマーの略と混同してしまうため、視聴者からあまり略されない。
…ちなみに『
スーパーロボット大戦A』ではそれに因んだネタがある。
月面作業用機械であるメタルワーカーを基に、ギガノス軍が開発した。
機体デザインには航空機の要素が取り入れられ、中盤からリフターやフォルグユニット等の飛行用装備が登場していることからも、そのことがうかがえる。
MAの共通装備は、手持ち式機銃である「
ハンドレールガン」や「レーザーソード(ガンダムシリーズでいうところの
ビームサーベル)」、機体によっては
ミサイルやグレネードなどを装備。
コックピットは胸部にあるが、パイロットが横から入る構造になっている。
○
D-1(ドラグナー1型)
ケーンが搭乗する
試作MA。白兵戦特化型で、高い運動性能を有する。搭載されているAIの名前はクララ。
弱点は燃費の悪さと射程の短さ。
後にリフターを装備して
空戦能力を得た他、
改修されてD-1カスタムとなる。
ちなみに前期OPにおいてはアニメーターの
大張正己氏により大幅なアレンジが加えられており、ファンからは「
バリグナー」というあだ名をつけられている。
結果的にOP詐欺になっていたのはご愛嬌
というか本編でもアニメーターが各々個性を出して描かれているので回によって見た目が違ってたり。
洗練されている回と野暮ったい回の差が見ていてはっきり分かるほど。
詳細は個別項目を参照。
○キャバリアー0型
D-1に、D-1~3の特性を併せ持つ追加パーツ「キャバリアー0」を装着させた姿。
火力と燃料積載量が補われており、防御力も向上している。その代わり運動性が犠牲となっているのが難点。
ドラグナー1は最初はこの形態で登場し、白兵戦の際にはキャバリアーを分離して本体を見せるという演出がなされている。既にOPで姿モロバレとかいわない
なおキャバリアーは、地上に降りるまでの第一クールの終盤に、オトリの役目を果たして退場している。
○
D-2(ドラグナー2型)
タップが搭乗。
遠距離支援特化型のMAで、火力は3機の中でもトップクラス。さらに僚機への補給装置も持つ。搭載されているAIの名前はソニア。
後にリフターを装備して空戦能力を得た他、改修されて
D-2カスタムとなる。
スパロボでは機体解説でアザルトナイフについて触れられているのに
ゲーム中で使えないのはお約束。
○
D-3(ドラグナー3型)
ライトが搭乗。電子戦特化型の
支援向けMAで、
どら焼きレドーム型の頭部が特徴。その反面武装は少ない。搭載されているAIの名前はマギー。
作中屈指のチート機体であり、D-3がいなかったらどうしようもなかった場面は多い。
後にリフターを装備して空戦能力を得た他、改修されてD-3カスタム……
にはならなかった。
(あくまでも外観が変わっていないだけで、搭載されているOSや各種プログラムがアップデートされている)
少なくともロボットアニメにおいて”電子戦”の概念を確立させ、
ゲッター3や
ガンタンクを始めとした「主役側の3番手機体は不遇」という
お約束から脱却した功労者でもある。
○
ドラグーン
D兵器ことドラグナーの量産型。
所謂
ジムに該当する機体だが、もっぱら
量産機=やられ役として定義されがちな中で数少ない「
試作機よりも安定して強い」ことが名言されている貴重な機体だったりする。
なにせD-1の運動性能、D-2の砲撃戦能力、D-3の電子機器を兼ね備えてコンパクトに纏め、更にコンピュータの補助でどんなパイロットでも安定して運用ができる、いいとこ取りの機体なのである。
事実、劇中でもドラグーン採用によりドラグナーがお役御免になりかけたし、また配備後はギガノスとのミリタリーバランスを覆すほどの大活躍をしたのだから、その実力は推して知るべし。
結局は試作型が強化されて性能が逆転したことやパイロットの練度の差からやられ役であることに変わりはなかったけど
○
ファルゲン
マイヨ
専用機。機体名は
ドイツ語で「鷹」を意味する「Falke」(ファルケ)が語源。ファルコン(隼)ではない。
高い運動性能と高性能なレーダー・センサー類を搭載しており、パイロットの腕も相まって高い戦闘力を持つ。飛行ユニットを装着した状態では
ファルゲンマッフと呼称される。
この手の作品においてライバルキャラは次々と乗機を乗り換えていくのがセオリーなのだが、ファルゲンは最後までマイヨの愛機として活躍し続けた。
○ゲイザム
グン・ジェムが搭乗。たった1機しか作られていない試作型のMA。左腕にハンドレールガンの給弾ベルトが巻き付けられている。
D-1のレーザーソードとも互角に切り結べる青竜刀のような実体剣がメイン武器。
○ゲバイ
宇宙におけるギガノス軍の主力量産型MA。要するにやられメカその1。主にイエローカラー。
機体名の由来はドイツ語の「2」にあたる「Zwei」(ツヴァイ)のもじり。
防御重視でダインより装甲が厚い。また操作性がよく、本機を支持するパイロットは多い。
ゴルが搭乗するカスタム型のスターク・ゲバイはレールキャノンやハンドグレネードを装備して火力を向上させている。
○
ダイン
ゲバイと同時期にロールアウトした指揮官用MA。要するに
やられメカその2。
機体名の由来はドイツ語で「1」にあたる「Ein」(アイン)のもじり。
ミンが搭乗するカスタム型の
スターク・ダインは
チェーンソー型の武器ハイブリッド・サージやセンサー殺しの光熱弾を搭載している。
○ドラウ
主に偵察・電子戦で使用されるギガノス軍の最初期製作型MA。メタルワーカーの要素が残っている。
やられメカ以下の雑魚で、流れ弾が命中した破片に当たって破壊されるほど。
名前の由来はドイツ語で「3」にあたる「Drei」(ドライ)のもじり。
○
ゲルフ
ダインの
後継機として作られたMA。ダインよりも運動性能が強化されている。
拡張性が高く、後に攻撃性能を高めた
ヤクトゲルフ、索敵・通信性能を高めた
レビゲルフ等の兄弟機も誕生した。なお運動性能は基本型のゲルフが最も高い模様。
主にプラクティーズが搭乗し、ドラグナーと幾度も激闘を繰り広げた。後にウェルナーはヤクトゲルフ、カールはレビゲルフに乗り換える一方、ダンは最後までゲルフに乗り続けた。
また、ゲルポック隊は黒いカラーリングの専用機を保有。プラクティーズより先に派生機のお披露目もしている。
基本装備となっているレーザーサーベルは、形状からして『ガンダムSEED』の対艦刀の元となっていることが分かる。
○
ドーラ
陸戦用の量産型MA。ギガノス軍の地上における主力機。
脚部の代わりにロケットエンジンが装備されており、ホバリング飛行で移動する。
主にバイク型機動ユニット
ガンツァーと合体した
ガンドーラとして運用される。水上艇ユニット
ゲルファーと合体して
ゲルドーラにもなれる。
ガナンが搭乗するカスタム型の
スターク・ガンドーラは重武装になりつつも運動性能がさらに向上し、接近戦用のレーザーソードも装備している。
○
ズワイ
水陸両用MA。名前の由来は恐らく
ズワイガニ。
左腕の巨大な爪が特徴的。外見はダインのパチモンみたいだが、なかなか強かった。
○
ギルガザムネ
終盤ロールアウトされた、頭頂高28.3mを誇る大型MA。鎧武者のような外観と
三日月状の角飾りを持つ。
デザインモチーフは
伊達政宗で、機体名の由来は兵庫県にある
菊正宗酒造の代表作「
菊正宗」から。
全身に装備した大量のミサイル、ただのパンチや体当たりだけで並大抵のMAなら木っ端みじんにするパワー、
核爆発にすら耐える装甲(しかも耐えたのは最弱と思われる初期型のグン・ジェム機)、
バイオフィードバックシステムにより
光速のビームバズーカすら回避する極めて高い運動性能、極めつけは
10km四方を焼き尽くす巡航ミサイルなど、
全性能が他のそれまでのMAを遥かに凌駕する、
間違いなく作中最強のMA。
近接武器として機体サイズ相応の実体剣(グン・ジェム機は青竜刀、その他はサーベル)を装備。
カラーリングはグン・ジェム機の
金色、ハイデルネッケン機の
薄緑色、ドルチェノフ機の
黒色が存在する。
本機は間違いなく史上最強のMAであった。
しかしあまりに強力すぎて、技術に機体の性能が全く追いついていない未完成品であった。
まず第一に、
バイオフィードバックシステムによるパイロットへの過負荷と暴走のリスクがある。
最初のテストパイロットは稼働数分で失神昏倒し、グン・ジェムは当初こそ平気だったもののシステムの負荷により混乱、その結果味方であるジンを殺してしまう。
ハイデルネッケン機以降は、負荷がかかると5分間フィードバック機能を停止する安全装置を組み込んで対処したものの、機能停止中は性能も機動性も落ちてしまう。
実はほぼ
システムありきの機体である。
第二に、機体があまりにも巨大かつ重装甲・重装備すぎるため、それを維持するためには前述のように強烈な推進力とスピードが必要になった。
しかし、これほどの巨大なボディを無理矢理稼働させるのは作中での技術ではほぼ限界であり、
稼働し続ければ躯体がオシャカになってしまうのである。
実際、グン・ジェムの2度目の出撃ではドラグナーを追い詰めるも、相打ちとなった末に機体が限界を迎えて空中分解し、彼も戦死している。
本機は一撃離脱戦法が強力無比であるが、裏を返せば、たとえバイオフィードバックシステムが完璧であったとしても
継戦能力が極めて低い機体であった。
そして第三に、
捕捉した複数の敵機への照準が重なり合うと火器管制がエラーを起こして発砲ができなくなるという致命的な
弱点を持っている。
そのことがハイデルネッケン機のドラグナー戦で露呈し、散開→集合のコンボを受け欠点をさらけ出した隙に一斉砲火で倒された。
戦争の最末期に作られた機体だけあって本部への伝達がうまくいかなかったらしく、最終戦のドルチェノフ機に至っても上記の欠点はそのままだったため、既に欠陥を知っているケーンとマイヨの共闘により上記コンボを受けて大破した。
他にも少数が生産されており、緑や灰色の機体が確認されるが、結局活躍することはなかった。
★FA(フォルグアーマー)
航空戦力の弱さを補うために開発された大気圏
飛行能力を持つ機体。
○
シュワルグ
機動力重視のFA。航空機に手足が生えたような外観をしている。
しかし強固な装甲と
レールガンなどの武装により、連合軍の戦闘機に対して3倍以上の戦力を発揮するとされている。
○ダウツェン
シュワルグよりもさらに火力を向上させたFA。対地・対艦攻撃を主眼としている。
ジンが搭乗するカスタム型のスターク・ダウツェンは武装以外にも対地イメージセンサーを追加する等電子戦においても強化されている。
★その他
○アイダホ
連合軍の輸送艦。D兵器を輸送するため難民船に偽装していた。前半まで活躍。
武器の少ない輸送艦なためか、スパロボでは現状文章で語られたのみ。
○
マスドライバー
ギガノス基地に存在する資材運用に使われる装置。
質量弾を搭載することで
武器としても使用可能だが、ギルトールの厳命によりそのような用途で使われることは非常手段とされていた。
後にギルトールの遺言を受けたマイヨの手によって破壊される。
○無限軌道砲
グン・ジェム隊が起動させた巨大なビーム式自走砲(陸上戦艦)。
山をも一撃で破壊するほどの威力がある。
○ギガノス機動要塞
ギガノス最後の砦ともいわれる巨大要塞。ギルガザムネにも用いられていた思考コントロールシステムにより、サイズに反して驚異的な迎撃能力を誇る。
本作の最終決戦の場を飾る。
▲メディアミックス
園田英樹による
ノベライズ版が存在し、TVシリーズ放送終了後のタイミングで角川スニーカー文庫より全1巻で刊行された。
内容は序盤の基本的な大筋こそTVシリーズに準拠するも、小説オリジナルキャラであるギルトールの息子「クレスタ・ラナ・ギルトール」の存在によって
小説中途から独自の展開を見せ、その結末も
原作からは完全に逸脱した展開となっている。
▲外部作出演
元々マイナーな作品に分類されていた本作だが、
スーパーロボット大戦シリーズへの参戦により一躍脚光を浴びることとなる。
初参戦の『
A』から始まり『
MX』『
GC』に参戦しており、シナリオ面でも1stを始めとするガンダムシリーズとの
クロスオーバーでかなり目立つ。
特に『A』では
ナデシコと並び全体のストーリーのメインを務め、主人公(特に
アクセル)とも良く絡むなどかなり扱いが良い。
マスドライバーに関しても「
地中を進める機体による破壊作戦が実行される(A)」「
DG細胞に侵食されてDGマスドライバーになる(MX)」など、作中でも重要なポジションとして扱われている。
ハゲたオッサンじゃなくて
美人に操縦をご教授願えたのも3人にとっては役得だった…かも。(実際はほとんど変わらないが)
また『MX』終盤では
三輪長官がギルガザムネに乗るという衝撃(?)の展開も描かれた。
但し操縦しているのは捕虜になったギガノス兵。ギガノス兵からすれば完全なとばっちりである。
MXでのD-1カスタムとファルゲンとの
合体攻撃は、共演した
天のゼオライマーと並んで
バランスブレイカーとして語られている。
Another Century's Episodeシリーズにも
初代から参戦。『
2』ではシナリオ上大きく扱われ、『
3』では新たに設定された「ファルゲン・カスタム」が登場している。なお『3』の方では既に原作の展開は前作で終了しているため、スパロボの方でも無かった
いるだけ参戦に近い形の参戦に。
しかしケーン達3人は終戦後も軍属に所属している形となり、
アムロ・レイと共に『3』オリジナルの主人公であるバレル・オーランドを導く先輩格として活躍。バレルに
『俺たちとアムロも成り行きでロボットに乗って戦う羽目になってしまった経験がある』という話もする。
ケーン「おい、あの手でいこうぜ!」
タップ「OKだ! まかせな!」
ライト「わかったぜ!」
ケーン「よーし、恐怖の…」
タップ「トリプル…」
ライト「追記・修正!!」
ケーン「とどめの…! 一筆ゥーっ!!」
- スパロボだとケーンの能力が高くマイヨとの合体攻撃もある1型、サポート性能が優秀な3型に比べて2型&タップだけ2軍落ちしがち。弱くはないし3機合体攻撃もあるんだけど出撃枠の問題でね -- 名無しさん (2020-08-09 23:33:32)
- 次にスパロボに出る時はD-2とD-3はD-1の僚機扱いになりそう。 -- 名無しさん (2020-08-09 23:44:29)
- 主役トリオのノリノリの掛け合いがCVも相まってコメディ洋画みたいな感じ。手本は1stガンダムだけどノリはZZ -- 名無しさん (2020-08-10 00:28:01)
- ↑3 D-2、補給装置を持ってる時は、役目もあったりするんだけどね… -- 名無しさん (2020-08-10 00:29:40)
- ドラグーンは確かにかませになるものの、大局的には戦局を逆転させている -- 名無しさん (2020-08-10 00:36:04)
- 後年主人公乗っ取られたとか言われているのに驚いた。特にそんな風に感じた記憶がなかったので -- 名無しさん (2020-08-10 00:45:57)
- 正直言ってグン・ジェムが出てからのが面白いよね -- 名無しさん (2020-08-10 03:44:05)
- ドラグナーが放送していた枠は数年後に紆余曲折を経て勇者シリーズが始まる事になります。 -- 名無しさん (2020-08-10 08:10:57)
- 富野監督のリアルロボット系作品も後に金曜夕方5時に時間を移動する事になりますが、こちらはガンダムシリーズ一本に絞られてしまいました。これと勇者シリーズの件から本作は良くも悪くも歴史のターニングポイントになった作品ですね… -- 名無しさん (2020-08-10 08:16:42)
- リアルロボットが色々煮詰まった時期故か全体的に中途半端な印象…設定は面白いけどなあ -- 名無しさん (2020-08-10 09:10:48)
- ↑ガンダムより後の作品なのに、なぜかガンダムより古臭く感じるな。つまらなくはないが、普遍性を持って続編やリメイクが続く下地は感じられない -- 名無しさん (2020-08-10 09:26:54)
- 三輪長官は実はドラグナーのキャラだったのか…! -- 名無しさん (2020-08-10 09:39:26)
- ↑いや彼はダンクーガのキャラだぞ(旧シリーズプレイヤー並感) -- 名無しさん (2020-08-10 11:11:32)
- ↑ダブデに乗ってたり試作2号機の開発を主導したりしてるから宇宙世紀ガンダムのキャラだろ。いや、ブルーコスモスだったからSEEDのキャラかも? -- 名無しさん (2020-08-10 12:12:33)
- OPは最高傑作。本編は途中で飽きてしまったので評価できないが… -- 名無しさん (2020-08-10 14:50:02)
- デデデン!(↑←↑) -- 名無しさん (2020-08-10 15:42:26)
- バリグナーって言われるとドラゴンファングの方を思い浮かべてしまう 並べると結構違うんだけどね -- 名無しさん (2020-08-10 19:41:41)
- メカに関しては初代ガンダムでの教訓を活かして主役機3機にそれぞれ特技と役割を与え連携させるなど上手くやってた ただ、その分人間ドラマの方は浅くなってしまった感じ -- 名無しさん (2020-08-11 04:42:49)
- メカや設定はリアルロボット系だけどキャラやノリはスーパーロボット系 -- 名無しさん (2020-08-11 04:45:12)
- 山寺宏一さん出てたらフルハウスだったのになぁ -- 名無しさん (2020-08-11 11:39:38)
- ↑6今見たらバリが手掛けるOPのテンプレはドラグナーで大体固まったんだねぇ -- 名無しさん (2020-08-11 14:53:39)
- トップガン+ガンダムという着目点はよかったんだけどなぁ。ケーンよりマイヨさんが目立ちすぎていたのが敗因か…… -- 名無しさん (2020-08-28 13:30:37)
- 登場人物の言い回しといい、ギルガザムネの鎧武者的デザインと言い、ギガノス帝国は結構日本のテイストが好きなのか? -- 名無しさん (2020-08-31 16:20:28)
- まさかと思うが、ドラグナーでマイヨさんがあんなに目立って、主人公を食ってたから、その反動または反省として、Vガンのクロノクルはあんな情けないキャラに……グシャ(怖くておかしいお姉さんに抹殺されました -- 名無しさん (2021-01-21 13:55:13)
- そりゃお嬢さん然として登場しといて辿った経過がアレなカテ公よりは初登場からは考えられないくらい花開いたミン大尉の方がnヂュッ(全裸ビームサーベル -- 名無しさん (2021-12-02 22:50:41)
- ビッグネームのタイトルそのものは用いずエッセンスをリニューアルするという点で「ガイスラッガー」や「ジェッターマルス」の系譜に連なる作品と言える。企画が約8年以上後であれば確実に「機甲戦記Dガンダム」だったろうけど -- 名無しさん (2021-12-02 23:47:07)
- 「もしも本作がヒットを飛ばせていたら」という想像も楽しい。この場合、「ガンダムを理解するためにガンダムである必要はない」という話になるため、アナザーガンダムというジャンルが生まれず、種がドラグナーのリブート作として作られた可能性がある -- 名無しさん (2022-11-12 22:27:17)
- ケーンたち3人で回すのを諦めたようで諦められなくて結局諦めてしまった煮え切らなさが時代というかなんというか -- 名無しさん (2023-06-04 22:12:00)
- スパロボでギルガザムネのバイオフィードバックを機体能力化して、より強敵にできないだろうか -- 名無しさん (2023-08-07 23:14:31)
- ↑×3 種に登場したウインダムがメタルアーマーみたいな外見のモビルスーツだった -- 名無しさん (2024-02-02 10:29:53)
- アニメは当時のリアルロボブームを終わらせてしまったが後の作品に大きく影響を与えた辺り面白いなって -- 名無しさん (2024-02-28 20:34:03)
- この作品の直後に出てくるのがあのパトレイバーということを考えると、いわゆるリアルロボット自体が駄目になっていたのかというとそういうわけではないという。やっぱりガンダム再びというスタートから中途半端になっちゃったのが駄目だったんだろうな。 -- 名無しさん (2024-07-11 18:07:30)
最終更新:2024年12月14日 10:37