機甲戦記ドラグナー

登録日:2020/08/09 Sun 22:55:00
更新日:2020/09/17 Thu 21:45:53
所要時間:約 10 分で読めます






西暦2087年。
地球と宇宙は、熱い炎に包まれた。

地球人類の再生を賭けて、月に樹立された統一帝国「ギガノス」は
新たな宇宙の秩序を目指して、地球連合軍に戦いを挑んだのである。

組織と科学力において優れた帝国軍は、旧態依然とした地球の諸国を制圧。
その7割を支配下に置いた……



気をつけて 誰かが Watching you

背中から君を追いつめてる

ふりむいたら 負けさ



▲概要

『機甲戦記ドラグナー』とは1987年にテレビ朝日で放送されたテレビアニメである。日本サンライズ(現:サンライズ)製作。全48話。
監督は『銀河漂流バイファム』を手掛けた神田武幸が担当。
ガンダムのリニューアルをコンセプトに創られており、実際「地球側と宇宙側で起きた人類戦争の最中、民間人が偶然パイロットになり戦いに巻き込まれる」という雰囲気はガンダムに似ている他メカニカルデザインに大河原邦男氏を採用するなど、ガンダムに携わったスタッフも参加している。
しかし当時は既にロボットアニメのブームが過ぎていたこともあり、シリーズ化するほどの人気を得ることができなかった不遇の作品となってしまった。
(後年はスパロボシリーズへの参戦によりいくらか再評価されている)


▲あらすじ

時は西暦2087年。月に誕生した「ギガノス帝国」が地球連合に対して独立を宣言し、宣戦を布告。ギガノス側のマスドライバーやMA(メタルアーマー)といった兵器により地上の7割がギガノスの支配下とされてしまった。
そんな中、スペースコロニー「アルカード」の住人であるケーン・ワカバら3人の学生は、ギガノスの襲撃にあう。避難している際に成り行きから新型兵器「ドラグナー」の正規パイロットに登録されてしまい、ギガノスと戦う羽目になってしまう。
しかもドラグナーのパイロット登録は軍の司令部に行かなければ解除できないという始末。こうしてケーン達は登録を解除するまでの間地球軍の軍人として戦争に身を投じることとなったのであった。
果たしてケーン達は倒れるまで走るほどに、熱く生きることはできるのだろうか?


▲登場人物


☆地球連合・ドラグナー遊撃隊


  • ケーン・ワカバ(CV:菊池正美)
主人公。D-1のパイロット。日系2世。3人組のリーダー格。基本的には熱血感で無鉄砲な性格。登場当初はリーゼントヘアだったが、ベンに散髪されて以降は無造作なショートヘアになった。
元々民間人だったこともあって戦闘に関しては素人だったものの、数々の戦いを経てマイヨやグン・ジェム隊をも退けるほどの強さを身につけていく。
リンダに一目惚れして以降彼女に幾度もアプローチをし続けており、その想いは彼女の秘密を知って以降も変わることはなかった。
終盤母親を人質に取られて一時的にギガノスについて地球連合軍と戦ったこともあった。

D-2のパイロット。黒人。3人組のムードメーカー。心優しく陽気な性格で、自他共に認めるフェミニスト。
家族に仕送りをしたり、曰く「命から3番目に大事なもの」であるカセットプレイヤーを壊してしまったりなど、苦労も多い。
後にローズとイイ仲になる。

D-3のパイロット。イギリス出身。3人組の知恵袋。比較的冷静な方だが基本的には他の2人同様お調子者の2枚目半。
実は名門貴族の出身だが、本人は特別扱いされることを嫌ってあまり話したがらない。
3人の中で唯一彼だけぼっちだった

  • ベン・ルーニー(CV:島香裕)
地球連合軍ドラグナー遊撃隊の軍曹。ドラグナーのパイロットになったケーン達の教育係となる。
スキンヘッドで厳つい外見とは裏腹に人情派な面もあり、なんやかんやでケーン達とは良好な関係を築いている。
後にケーン達が昇進して自身より上の階級になった後も変わらず良き兄貴分であり続けた。

  • ジェームス・C・ダグラス(CV:大滝進矢)
地球連合軍ドラグナー遊撃隊の大尉。本来は彼がD-1のパイロットになる予定だった。
融通が利かず感情的になりやすい面からケーン達への印象も良くなく、「スピッツ大尉」と揶揄されている。

  • リンダ・プラート(CV:藤井佳代子)
ヒロイン。父親はドラグナーの開発者、兄はギガノスのエースパイロットと複雑な境遇の持ち主。
その経緯故に当初は心を閉ざしていたが、ケーンのアタックを受けるうちに少しずつ心を開いていき、やがて相思相愛となる。

  • ローズ・パテントン(CV:平松晶子)
元々は難民として輸送船アイダホの乗り合わせた身。戦争で行方不明になった両親を探している。
タップとは少しずつイイ仲になっていった。

  • ダイアン・ランス(CV:勝生真沙子)
地球連合軍の諜報員。民間人を装いアイダホに乗り合わせた。
ライトから好意を寄せられるも適当にあしらっていた。終戦後はベンと結婚する。


☆ギガノス帝国軍


ギガノス帝国軍親衛機甲兵団第一師団所属のエースパイロット。「ギガノスの蒼き鷹」という異名で恐れられている。
冷静沈着で高潔な軍人であり、ギルトール元帥や部下達からの信頼も厚いが、反面肉親の情愛よりも国家の大義を選ぶなど家庭面においては問題を抱えている。
中盤ドルチェノフの罠によりギルトール暗殺の濡れ衣を着せられ追われる身となってしまうが、プラクティーズの説得やミンとの関わりを経て再起を決意する。
終盤は完全に彼が主役

  • ダン・クリューガー、カール・ゲイナー、ウェルナー・フリッツ(CV:柏倉つとむ、島田敏、竹村拓)
ギガノス帝国軍親衛隊「プラクティーズ」所属の3人。マイヨに対して絶対の忠誠を誓っており、彼が祖国に追われる身となってからもそれは変わらなかった。

  • ギルトール(CV:大木正司)
ギガノス帝国の元帥。環境破壊が進む地球を憂い、月面の駐留軍を纏め上げてギガノスの実質的な指導者となった経緯を持つ。
地球に対する愛は強く、事に当たっての理非を重んじる清廉な人物。しかし「地球を美しい姿のまま手に収めたい」という姿勢がドルチェノフに反乱を起こす一因となってしまった。

  • ドルチェノフ(CV:飯塚昭三)
ギガノス帝国軍部中佐。傲慢で勝つためには手段を選ばない。ギルトールに対してマスドライバーで地球への全面攻撃を度々進言していたものの、悉く拒否されてしまう。遂には彼を暗殺*1し、マイヨに罪を擦り付けた後は自らギガノス帝国総統の座に着く。

  • ハイデルネッケン(CV:滝口順平)
ギガノス帝国軍部少佐。ドルチェノフが総統の座に就いた後、グン・ジェム隊の後任でドラグナー討伐任務を与えられる。
勝利のためなら同僚をも利用する狡猾な人物であり、結果的にそれが彼の命を縮めることとなった。

  • グン・ジェム(CV:加藤治)
ギガノスの汚物」などとも呼ばれるならず者集団「グン・ジェム隊」の隊長。残忍で狡猾で金儲けには目が無く、さらにパイロットとしての腕もケーン達を遥かに凌ぐ強敵。
敵に対しては非情な一方で部下に対する情は深い。
放映当時盛り上がってた世紀末救世主伝説の影響を強く受けた、という見方もできる。

  • ゴル(CV:島香裕)
グン・ジェム四天王の1人で、グン・ジェムよりも巨漢の大男。ゴリラ呼ばわりされると激怒する。頭の回転は良くないもののその実力は折り紙つき。

グン・ジェム四天王の1人で、殺人犯が軍服を着ていると呼ばれる程に残虐で凶暴な性格。常に釘を銜えている。

  • ジン(CV:島田敏)
グン・ジェム四天王の1人で、外見は美形だが味方を見殺しにしたり捕虜にしたリンダに暴行を加えようとするなどサディストな性格。

  • リー・スン・ミン(CV:島津冴子)
グン・ジェム四天王の1人で、紅一点。砂漠の赤いバラという異名を持つ。女性ではあるが鉄製のドアを体当たりで半壊させたり、配管パイプを素手で引きちぎるなどとんでもない怪力の持ち主。
隊の中で唯一戦死することなく生き残り、その後余曲ありながらもマイヨやプラクティーズと行動を共にするようになる。がさつな性格も嘘みたいに丸くなった。


☆民間人


  • ラング・プラート(CV:千葉耕市)
D兵器の開発者。マイヨとリンダの父親。ギルトールの同志でもあったが、理念の違いから袂を分かつ。
やむを得ない事情があったとはいえ、娘からは「妻も子も捨てた殺人兵器の設計者」、息子からは裏切り者呼ばわりされるなど、かなり可哀想な境遇の持ち主。

  • アオイ・ワカバ(CV:火野カチ子)
ケーンの母親。当初は行方不明になっていたが、後にギガノスの捕虜としてとらえられていることが判明。後にケーンに対する人質として利用されてしまうも、ベンとリンダの奮戦で救出される。

  • ビル・ブライアン(CV:鳥海勝美)
第16話に登場したケーン達の元クラスメート。ケーン達より先に地球に移住しており、後に徴兵でギガノスの兵士となった。


▲メカニック

★MA(メタルアーマー)

D-1(ドラグナー1型)
ケーンが搭乗。白兵戦特化型のMAで、高い運動性能を有する。搭載されているAIの名前はクララ。弱点は燃費の悪さと射程の短さ。
後にリフターを装備して空戦能力を得た他、改修されてD-1カスタムとなる。
ちなみに前期OPにおいてはアニメーターの大張正己氏により大幅なアレンジが加えられており、ファンからは「バリグナー」というあだ名をつけられている。

キャバリアー0型
D-1に、D-1~3の特性を併せ持つ追加パーツ「キャバリアー0」を装着させた姿。
火力と燃料積載量が補われており、防御力も向上している。その代わり運動性が犠牲となっているのが難点。
地上に降りるまでの第一クールの終盤に、オトリの役目を果たして退場している。

D-2(ドラグナー2型)
タップが搭乗。遠距離支援特化型のMAで、火力は3機の中でもトップクラス。さらに僚機への補給装置も持つ。搭載されているAIの名前はソニア。
後にリフターを装備して空戦能力を得た他、改修されてD-2カスタムとなる。

D-3(ドラグナー3型)
ライトが搭乗。電子戦特化型のMAで、どら焼きレドーム型の頭部が特徴。その反面武装は少ない。搭載されているAIの名前はマギー。
後にリフターを装備して空戦能力を得た他、改修されてD-3カスタム……にはならなかった
(あくまでも外観が変わっていないだけで、搭載されているOSや各種プログラムがアップデートされている)

ドラグーン
D兵器ことドラグナーの量産型。
所謂ジムに該当する機体だが、もっぱら量産機=やられ役として定義されがちな中で数少ない「試作機よりも安定して強い」ことが名言されている貴重な機体だったりする。
なにせD-1の運動性能、D-2の砲撃戦能力、D-3の電子機器を兼ね備えてコンパクトに纏め、更にコンピュータの補助でどんなパイロットでも安定して運用ができる、いいとこ取りの機体なのである。
事実、ドラグーン採用後はギガノスとのミリタリーバランスを覆すほどの大活躍をしたのだから、その活躍は推して知るべし。
結局やられ役であることに代わりはなかったけど

ファルゲン
マイヨが搭乗。機体名はドイツ語で「鷹」を意味する「Falke」(ファルケ)が語源。
高い運動性能と高性能なレーダー・センサー類を搭載しており、パイロットの腕も相まって高い戦闘力を持つ。飛行ユニットを装着した状態ではファルゲンマッフと呼称される。
この手の作品においてライバルキャラは次々と乗機を乗り換えていくのがセオリーなのだが、ファルゲンは最後までマイヨの愛機として活躍し続けた。

ゲイザム
グン・ジェムが搭乗。たった1機しか作られていない試作型のMA。D-1のレーザーソードとも互角に切り結べる青竜刀のような実体剣がメイン武器。

ゲバイ
宇宙におけるギガノス軍の主力量産型MA。主にイエローカラー。機体名の由来はドイツ語の「2」にあたる「Zwei」(ツヴァイ)のもじり。
ゴルが搭乗するカスタム型のスターク・ゲバイはレールキャノンやハンドグレネードを装備して火力を向上させている。

ダイン
ゲバイと同時期にロールアウトしたMA。主に指揮官機として使用される。機体名の由来はドイツ語で「1」にあたる「Ein」(アイン)のもじり。
ミンが搭乗するカスタム型のスターク・ダインチェーンソー型の武器ハイブリッド・サージやセンサー殺しの光熱弾をを搭載している。

ドラウ
主に偵察・電子戦で使用されるギガノス軍の旧式MA。名前の由来はドイツ語で「3」にあたる「Drei」(ドライ)のもじり。

ゲルフ
ダインの後継機として作られたMA。ダインよりも運動性能が強化されている。
攻撃性能を高めたヤクトゲルフ、索敵・通信性能を高めたレビゲルフという兄弟機も存在する。
主にプラクティーズが搭乗し、ドラグナーと幾度も激闘を繰り広げた。

ドーラ
地上におけるギガノス軍の主力量産型MA。脚部の代わりにロケットエンジンが装備されており、ホバリング飛行で移動する。
バイク型機動ユニットガンツァーと合体してガンドーラ、水上艇ユニットゲルファーと合体してゲルドーラにもなれる。
ガナンが搭乗するカスタム型のスターク・ガンドーラは重武装になりつつも運動性能がさらに向上し、接近戦用のレーザーソードも装備している。

ギルガザムネ
終盤ロールアウトされた鎧武者のような外観のMA。デザインモチーフは伊達政宗(戦国武将)*2、機体名の由来は兵庫県にある菊正宗酒造の代表作「菊正宗」から。
全身に装備したミサイル、バイオフィードバックシステムによる高い運動性能など、その性能は他のそれまでのMAを遥かに凌駕する。
しかし、バイオフィードバックシステムによるパイロットへの過負荷と暴走のリスクに加え、捕捉した複数の敵機への照準が重なり合うと火器管制がエラーを起こして発砲ができなくなるという致命的な弱点を持っている。
センサーの欠点に関してはハイデルネッケン機で露呈したものの、本部への伝達がうまくいかなかったらしく…
近接武器としてグン・ジェム機は青竜刀、その他の機体はサーベルを装備。
カラーリングはグン・ジェム機の金色、ハイデルネッケン機の薄緑色、ドルチェノフ機の黒色が存在する。


★FA(フォルグアーマー)

航空戦力の弱さを補うために開発された大気圏飛行能力を持つ機体。

シュワルグ
機動力重視のFA。しかし強固な装甲とレールガンなどの武装により連合軍の戦闘機に対して3倍以上の戦力を発揮するとされている。

ダウツェン
シュワルグよりもさらに火力を向上させたFA。対地・対艦攻撃を主眼としている。
ジンが搭乗するカスタム型のスターク・ダウツェンは武装以外にも対地イメージセンサーを追加する等電子戦においても強化されている。


★その他

マスドライバー
ギガノス基地に存在する資材運用に使われる装置。質量弾を搭載することで武器としても使用可能だが、ギルトールの厳命によりそのような用途で使われることは無かった。
後にギルトールの遺言を受けたマイヨの手によって破壊される。

ギガノス機動要塞
ギガノス最後の砦ともいわれる巨大要塞。ギルガザムネにも用いられていた思考コントロールシステムにより、サイズに反して驚異的な迎撃能力を誇る。
本作の最終決戦の場を飾る。


▲メディアミックス

園田英樹によるノベライズ版が存在し、TVシリーズ放送終了後のタイミングで角川スニーカー文庫より全1巻で刊行された。
内容は序盤の基本的な大筋こそTVシリーズに準拠するも、小説オリジナルキャラであるギルトールの息子「クレスタ・ラナ・ギルトール」の存在によって
小説中途から独自の展開を見せ、その結末も原作からは完全に逸脱した展開となっている。


▲外部作出演

元々マイナーな作品に分類されていた本作だが、スーパーロボット大戦シリーズへの参戦により一躍脚光を浴びることとなる。
初参戦の『A』から始まり『MX』『GC』に参戦しており、シナリオ面でもガンダムとのクロスオーバーでかなり目立つ。
特に『A』ではナデシコと並び全体のストーリーのメインを務め、主人公(特にアクセル)とも良く絡むなどかなり扱いが良い。
マスドライバーに関しても「地中を進める機体による破壊作戦が実行される(A)」「DG細胞に侵食されてDGマスドライバーになる(MX)」など、作中でも重要なポジションとして扱われている。
また『MX』終盤では三輪長官がギルガザムネに乗るという衝撃(?)の展開も描かれた。ただし操縦しているのは捕虜になったギガノス兵。ギガノス兵からすれば完全なとばっちりである。

Another Century's Episodeシリーズにも初代から参戦。『2』ではシナリオ上大きく扱われ、『3』では新たにファルゲン・カスタムが登場している。



ケーン「おい、あの手でいこうぜ!」
タップ「OKだ! まかせな!」
ライト「わかったぜ!」
ケーン「よーし、恐怖の…」
タップ「トリプル…」
ライト「追記・修正!!」
ケーン「とどめの…! 一筆ゥーっ!!」

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最終更新:2020年09月17日 21:45