メディウス・ロクス

登録日:2014/06/28 Sat 00:25:47
更新日:2022/06/19 Sun 10:31:06
所要時間:約 10 分で読めます





メディウス・ロクスはゲームスーパーロボット大戦シリーズ』のオリジナルメカ。
スーパーロボット大戦MX』、『第2次スーパーロボット大戦OG』に登場。



◆概要◆

あらゆる空間に偏在するエネルギー『ターミナス・エナジー』で駆動するTEエンジン
自己修復機能を持つ新素材「ラズムナニウム」を用い、修理も補給も必要ない
メンテナンスフリーの機体を開発することを目的とした『ツェントル・プロジェクト』のもと開発されたTEアブゾーバー・試作5号機
機体名のメディウス・ロクスはラテン語で『中央』という意味
(試作5号機=試作試作10号機『ODEL-』で完成するプロジェクトの丁度半ばで生まれた機体)。

TEエンジンとラズムナニウムは試作段階では双方ともに調整が非常に難しいというネックがあり、
充分なデータが取得できるまでは同じ機体に搭載できないという理由で、
本機には後者のみが採用されている(TEエンジン搭載機が試作6号機のサーベラス&7号機のガルムレイド)。

ラズムナニウム装甲の恩恵で機体整備に支障がなく、修理や整備に煩わされることがない。
さらに実地運用に際してはラズムナニウムのリミッターが外されており、
自己修復機能の他に自己増殖・自己進化機能まで持ち合わせている。

また、オペレーターとして同乗するエルデ・ミッテの希望により有機コンピュータ「AI1」を搭載。
戦闘データを機体のガンカメラで記憶し、AI1の能力発展に充てられた。
とはいえ、基本アルベロはエルデやAI1の勝手を許さず、自身の長年の経験を元に戦いを進める。

パイロット不在のままプロジェクトの格納庫に死蔵されていたが、元クライ・ウルブズ隊長のアルベロ・エストが強奪。
以後は彼の搭乗機として、様々な陣営を渡り歩きつつ、幾度となくヒューゴ達と激闘を繰り広げることになった。

しかし、これは「MODEL-X」開発のために必要なTEエンジンとラズムナニウムのデータ取得を
実戦形式で競い合わせることで一挙両得の成果を得るために開発者のザパトが仕向けたマッチポンプであった。
アルベロとエルデもそれを了承しているが、それぞれの目標は大きく異なっており、
ザパトとは互いに利害の一致から利用しあう関係である。





行け! 無明の世界へ!



◆第1形態◆

分類:人型機動兵器
形式番号:YЦP-05
全高:19.6 m
重量:47.8 t
動力:不明
装甲材質:ラズムナニウム
補助MMI:AI1
開発者:ミタール・ザパト
搭乗者 アルベロ・エスト【パイロット】
エルデ・ミッテ【機体制御】



次期量産機を意識した機体だけに基本的なサイズや運用法はPTとほぼ同じリアル系。
胴体にある赤いコアを除いて機体カラーは艶消しの黒一色
非常にシンプルかつスマートにまとまったシルエットを持つ。

ダークヒーロー然としたデザインからプレイヤー人気も高く、後に大きな変貌を遂げることに対しては
「第1形態が最もかっこいい」「進化するほどダサくなる」
……というのが大体の総意。なにげにMXではOPムービーにも登場している。

度重なる交戦の末に、最終的にはメディウスは限界を迎え、ヒューゴ達の前に膝を屈することになる。
しかし、オペレーターのエルデはメディウス(より正確にはそれを制御するAI1)の敗北が認められず、
独断で記録データをロード、ラズムナニウムに干渉させ……


★武装・必殺技★

コーティング・ソード
右前腕部装甲に内蔵された特殊合金製の両刃剣。展開すると金色のエネルギーフィールド刀身を覆う
OG世界ではR-1のコールドメタルナイフと同系統の武器と思われる。サーベラスの近接武器もこの系統。


ディバイデッド・ライフル
長い銃身を持つ大型ライフル。銃+(刃を持たぬ打突武器)の機能を持ち合わせる複合武装で、
携帯時は肉厚の鞘に収まった大剣を思わせる形状をしている。
ライフルモードはグリップを握るのではなく前腕部に装着し腕全体が銃身となる。
撃つ際に先端がセパレートし、2門の砲口から金色のエネルギー弾を連射する。着弾箇所がほとんどぶれない。
発射時銃身に黒いスパークが走るのが特徴。


スティング・アクセレレイション
メディウス必殺のコンバットパターン。
出力を限界まで上げ、ディバイデッド・ライフルをソードモードで構え連続射撃で相手を牽制。
懐に飛び込んで突きを叩き込み、そのまま銃口を展開し零距離射撃で吹き飛ばす。
OG2ndでは連続攻撃の前に蹴り飛ばす動作やバレルロールしながらの接近などが追加され、より躍動感あふれる演出に。
どう贔屓目に見てもどっかの杭打機であるが、それは突っ込んではいけない。







堕ちろ! 地獄の業火の中へ!!


◆第2形態◆

分類:人型機動兵器(特機)
形式番号:YЦP-05
全高:50.0 m
動力:TEエンジン
装甲材質:ラズムナニウム
補助MMI:AI1
開発者:ミタール・ザパト
搭乗者 アルベロ・エスト【パイロット】
エルデ・ミッテ【機体制御】


エルデがAI1の記録データをメディウス・ロクスに入力し、
リミッターを解除したラズムナニウムの自己進化機能を発動させた結果、メディウスが変貌した形態。

黒一色の機体にが入り、カラーリングは毒々しい印象に。
マッシヴに巨大化したボディは翼や角、両手足の鉤爪などを得て刺々しさを増し、まさに悪魔そのものといった佇まいである。
リアル系好きのプレイヤーからは敬遠されがちだが、ケレン味の利いた戦闘アニメからこちらの形態の人気もそれなりにある。

進化に際して主人公機のTEエンジンを奪取して取り込んだことにより、
曲がりなりにもTEアブゾーバーとしては完成を見ている。また、機体特性自体は試作7号機ガルムレイドを基本として、
スーパーロボット(特機)寄りに調整されている。攻撃手段もほぼガルムレイドを手本としている
(つまり、リアル系主人公機のサーベラスを選択しても、一応ガルムレイド自体は開発されているということになる)。

この形態では更なる機能を発生させ、テルグムフロンスなど過去にツェントル・プロジェクトで開発された機体を創造している。
これもAI1の記憶データから模倣したと思われる(ゲーム内では敵増援の形で表現)。

アルベロにとっては復讐の道具であり、自らの生命を脅かす者への反抗に使用される。

その関係上、共通の脅威に対しては手を貸してくれることもあり、
実際MXの終盤で2度にわたり味方として使用できる機会がある(無論稼いだ経験値はムダになるのでトドメは刺させないほうがいい)。

しかしエルデのAI1に対する執着心と、アクアの力量が自分へ追いついてきたことに対する焦りにより、
彼女は更に高エネルギー体(MXではラ・ムーの星)を吸収させ……



★武装・必殺技★
TEエンジンを取り込んだことにより全属性の攻撃を軽減させるバリア『TEスフィア』が追加。
背面には翼のようなスタビライザーが生え、飛行が可能になったことでより立体的な攻撃を仕掛けられるようになった。

ライアット・ブーメラン
機体の肩や背面の羽型パーツを炎を纏ったブーメラン状に変化させ、敵機めがけて投げつける。
パーツの装備箇所により投げ方にテクニカルな差異が見られ、
「く」をおざなりにぶん投げるだけになりがちなブーメラン系武器にしては異様に力が入っている。

……武器名を略するとライアットBとなんだか主人公機のなりそこないみたいだが別物である。


スパイラル・ファング
両腕から3本の爪を生やして敵機に突撃し、爪を突き刺した後高速回転しながら装甲を穿つ。漢字だときっと「○・○○抜刀牙」
ジャンプの高さを2倍にしたり回転数を3倍にするだけで「熱血」「魂」の効果がガンガン重複しそうな攻撃である。
鍛え抜かれた鋼の肉体を持つアルベロはともかく、エルデの三半規管が非常に心配。
MXにおいて前期主人公機を大破させ、ヒューゴを半殺しにしたのもこの技。


ターミナス・ブレイザー
機体中心部からTEエネルギーを放出する。ガルムレイド・ブレイズのターミナス・ブラスターと原理は同じだが、
こちらは黒いビーム。なんとなく某トンデモ量産機の必殺武器を髣髴とさせる。


ヘブン・アクセレレイション
アルベロの「イグニション…!」により、メディウスが業火の如きTEエネルギーの炎に包まれ、
ありえない軌道を描きながら敵機に何度も超スピードで突貫
止めにブラックホールのようなものを発生させて敵機を吸引し、その中で業火を爆発させる。





Final Chapter

約束の地


◆最終形態◆

分類:変異型機動兵器
形式番号:YЦP-05
全高:98.3 m
動力:TEエンジン
装甲材質:ラズムナニウム
開発者:ミタール・ザパト(最終形態への変化には関与せず)
搭乗者:不明(ゲーム中はAI1がパイロット扱い)


メディウス・ロクス (第2形態)が『ラ・ムーの星』(ライディーンのエネルギー、ムートロンの解放装置)の力を吸収し、
人型から巨大な異形へと変貌した姿。ムートロンのエネルギーを吸収したことで
以前とは比較にならないほどのエネルギー反応を発しており、ラズムナニウムの異常活性で全身が倍近く肥大化。
形状も完全に大怪獣に(OVA超獣機神ダンクーガのグザードに似たシルエット)。

機体内部には、まだ前形態まで搭乗していたアルベロとエルデがいるはずだが、この形態時にどうなっているのかは不明。
「AI1」は機体中心部に移し替えられて、さらに巨大に膨れ上がっている。
この形態では第2形態と同じく機体を創造出来る能力があり、テルグムとフロンスの進化型であるシニストラデクステラを発生させた。

マグネイト・テンを閉鎖空間へと引きこみ、敵と認識して戦闘するが敗れる。
だが、暴走したAI1はメディウスそのものを取り込んでしまう。そして……

ゲーム的には正直言って大味な性能で弱く、ラスボスの前座のただ硬いだけのザコである。
また、第2次OGにおいては原作と異なりツェントル・プロジェクトの最終成果たる機動兵器、
MODEL-Xことガルベルスが完成したため、
メディウスは第2形態のままアルベロ諸共お役御免という不遇な扱いになっている。

無論、AI1もガルベルスに移植されているが、機体そのものはまだ現存している可能性もあり、
次回作以降で拾われる要素なのか動向が待たれるところである。




★武装★

ランページMX
触手を伸ばし打ちのめし・捉え・零距離で掌から極大のビームを放ち吹き飛ばす。
なんとなくデビルガンダム臭がする攻撃。自己進化の証=触手・極太ビームなのか?
……ところでMXって何の略?


インラージメントMX
TEエネルギーを拡散ビームに変えて広域放出する。拡散属性があり、分身系能力を無効化する。
のけぞって両手両足をアンカーとして地面に固定し、胴体中央部のコアが砲身の如く飛び出すシークェンスが超グロい。
だからMXって何の略だよ!?




★余談

◎普通スパロボのオリ敵は戦闘時図々しくも自身の専用BGMを強制的に流してくるものだが、
メディウス・ロクスはそうした優先仕様がまるで無く、

第1形態(アルベロ)のテーマ「Crying Black」は敵対時は聴けず味方としてゲスト参戦した時のみ聴け、
第2形態のテーマ「Medius Locus」も進化時に流れるのみ、とレア度が高い。

最終形態の戦闘時に流れる「遥かなる戦い、開幕(オンステージ)」
最終面のテーマBGMでもあり、専用BGMとはやや趣が異なる。


◎メカニックデザイン:斎藤和衛つながりか、紆余曲折あって第2次OGではAI1に吸収される役が本機から
アレス・ガイストに変更されている。リアルロボットレジメントでのみ見られる
アレス・ガイストの最終形態はエネルギーの吸収により肥大化した怪物という背景や機体の外観がメディウス・ロクス最終形態に酷似している。
また、どちらもOG参戦時には最終形態を見せる機会が無かったというあまりありがたくない共通点を創ることに。

◎最終ボス、AI1の武装のひとつ『クロス・メディウス・ロクス』で第1形態のコピーが数体出現する。
オリジナル史上ではこの武装が「大ボスが中ボス機を多数召喚してけしかける」系の演出のはしりとなった。




「AI1に余計な追記・修正をさせるなよ!」
「それはあなた次第ですわ」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2022年06月19日 10:31