サーベラス

登録日:2014/07/05 Sat 23:14:23
更新日:2023/02/12 Sun 14:53:38
所要時間:約 15 分で読めます





サーベラスとは

1.ギリシャ神話に登場するケルベロス英語読み
2.スーパーロボット大戦シリーズに登場するバンプレストオリジナルロボットの名称
3.ゲーム「Mass Effect」シリーズに登場する架空の組織


ここでは2のサーベラスについて解説する。
3はこちら


サーベラスはゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズのオリジナルメカ。
初出はスーパーロボット大戦MXで同作で『リアルロボット系』を選択した際の主人公機。


本項目では後継機『サーベラス・イグナイト』についても記載する。

メカニックデザインは青木健太氏。同氏はMXのスーパー系主人公機ガルムレイドのデザインも担当。

◆概要◆

分類:人型機動兵器(TEアブゾーバー)
形式番号:YTA-06BW【ツェントル・プロジェクト6号機】
全高:20.4 m
重量:50.7 t
動力:TEエンジン+各関節部の駆動用の補助電池
MMI:ダイレクト・フィーリング・コントロール
所属:マグネイト・テン(MX)鋼龍戦隊(第2次OG)
開発者:ミタール・ザパト
主なパイロット: ヒューゴ・メディオ【メイン】,アクア・ケントルム【サブ】



あらゆる空間に遍在するエネルギー『ターミナス・エナジー』で駆動するTEエンジン
自己修復機能を持つ新素材「ラズムナニウム」により修理も補給も必要ないメンテナンスフリーの機体を
開発することを目的とした『ツェントル・プロジェクト』により開発されたTEアブゾーバー・試作6号機
TEエンジンとラズムナニウムは試作段階では双方ともに調整が非常に難しいというネックがあり、
充分なデータが取得できるまでは同じ機体に搭載できないという理由で、本機にはTEエンジンのみが搭載されている。

機体名はギリシャ神話に登場する地獄の番犬デカマスター(CV:トロンベケルベロスの英語読みから。
厳密にはギリシャに冥府はあっても地獄は無いのだがそこはまあ、語呂優先で。詳しいことは寺生まれのDさんヒビキ君に訊こう。
ガルムレイドとは神話つながりであり、元クライ・ウルブズ=だったヒューゴの今の有り様を表した皮肉も込められている。

試作5号機メディウス・ロクス同様、いわゆるリアルロボット型の機体だが、距離を選ばぬバランスの取れた武装を持つメディウスに対し
高い機動力を活かした距離を取っての砲撃戦を主眼においた武装を多数搭載している。

白と青紫を基調にしたカラーリング。
リアル系にしては結構がっしりとしたマッチョな体型(モビルスーツよりもメタルアーマーに近いか)をしており、
全身に配された鋭角的な一次装甲も相まってやや嵩張った印象を見る者に与える。後継機ともども、あまりSD映えしないデザインかもしれない。
一方顔つきそのものはシャープで、ゴーグルの下には切れ長のツインアイがあるイケメンロボ。

大型のレールキャノンを傾向火器として装備する他、巨大な剣を斜めに背負ったようなシルエットをしているが、
これはターミナスキャノンの砲身であり、格闘武器としての機能は無い。
一見大きな剣に見える射撃武器、という点ではメディウスのディバイデッド・ライフルに似通ったデザインコンセプトである。


不安定なTEエンジンを制御するためにメインパイロットとは別にオペレーターがピッチピチなエロ水着DFCスーツを
絶対に着用せねばならないのはガルムレイドと同じ。

サーベラスのモチーフのひとつはバイク(後述)でもあるので、この機体を操縦するのは
いつ火を噴くかわからないエンジンを積んだモンスターバイクを水着のねーちゃんと2ケツして乗り回すようなものであり、
とってもクレイジー。実際ヒューゴは過去に1度、本編でも1度の計2回『不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまった』わけだが…

ゲーム内ではガルムレイド同様、マグネイト・テン(第2次OGでは鋼龍戦隊)に合流し、
最後はメディウスに敗れ大破してしまう。第2次OGの場合、直前のインターミッションで本機かガルムレイド、
どちらの機体を残すかを調整できるので本機を残したい場合はヒューゴ退場回にガルムレイドに乗り換えると良い。

ユニットとしては飛行こそできないが高い運動性、長い射程、二人乗りとリアル系としてはかなり優良な部類に入る。
メディウスとのサシの戦いでも運動性をきちんと伸ばしてパーツで死角を補えば十分互角にやりあえる。
全武器が弾やENを消費するので継戦能力を伸ばすにはEセーブ/Bセーブの習得がおすすめ。

第2次OGでは最強武器がALL属性になり援護には向かなくなってしまったが、それでもガルムレイド搭乗時には活かしにくい
ヒューゴの「ヒット&アウェイ」や「連続攻撃」のスキルが役立つため、ザコの掃討では活躍が見込める。
…問題はパイロットの育成に大きな落とし穴があることだが(後述)…



★武装・必殺技★
MX時代は足を止めての射撃戦がメインということもあり、基本は敵←自機といった構図の演出ばかりだったが、
第2次OGでは複雑かつ斬新なカメラワークを駆使した見ごたえのある戦闘アニメーションに進化している。


コーティング・ソード
ターミナス・キャノンに収納された実体剣で本機唯一の格闘用武装。切り払いもこれで行う。
腕から直接伸びるメディウスの隠し剣と違い手に持って使用する。
刀身は警棒のような多段収納式。機体の出力上昇と連動して、剣にターミナスエネルギーが供給され威力を増す。
第2次OGでは機体の背面を見せての飛行という珍しい構図から斬りかかる。



マシンガン・ポッド
肩アーマーの上下に2基、計4基搭載された有線式のガンポッド 。といってもインコムほど遠くには行けず、
あくまで射角を拡げてランダム性の高い弾幕を単機で展開、敵機を追い込むために用いる武装。
第2次OGではトドメに至近距離からレールガンを撃ち込む。
サーベラスの有射程武器では唯一P属性を持つ為、攻め込む際に使いやすい。

…実弾系兵器なのだが、銃身のすぐ後ろに位置制御用のバーニアがくっついたデザインで弾丸の入るスペースがほとんどない。
このことについてはデザイナーの青木氏も設定画でツッコんでいる。



ラディカル・レールガン
本機が携行する大型レールガン。かなりデカく、使用時以外はグリップやスコープを銃身内部に収納し、
本体とターミナスキャノンの砲身を繋ぐアーム部分に垂直にマウントしている。
ターミナル・エネルギーを帯びた弾頭を発射する主力武器で射程が長い上に連射も利く。
台尻にあたる箇所には外付けのバッテリーがセットされているので、機体同様この武器もサブ動力源に電気を使っている可能性もある。
弾数が8しかない上、支援攻撃やダブルアタック対応武器でもあるので、他の武器で節約した方がいい場合もある。



ターミナス・キャノン
サーベラスの最強武器。背面の長大な砲身をスライドさせ、機体の肩から上そのものをスコープ付の砲台に変形させて発射する主砲。
射線上の敵機を丸ごと呑み込んで消し飛ばす黄金の火柱の如き極太ビームはまさにケルベロスの咆哮。
発射の掛け声はデッド・エンド・シュート!!『ディスチャージ!!』
MXのサーベラスの武器では唯一障害物の除去に利用可能だが、燃費が悪いので勿体無い。

第2次OGではアクアのカチャカチャッターンカットインや肩アーマーから
周囲の空間のターミナルエネルギーを吸収するためのパネルを展開するなど、
プチサテライトキャノンめいたシークェンスが丁寧に描かれている。

なお、外側からは長いバレルに隠れて見えないが、銃口は奥まったところに2連装で設けられている。










― The Watchdog of Hell ―










サーベラス・イグナイト


分類:人型機動兵器【TEアブゾーバー】
形式番号:YTA-08BW【ツェントル・プロジェクト8号機】
全高:22.1 m
重量:65.4 t
動力:TEエンジン+各関節部の駆動用の補助電池
MMI:ダイレクト・フィーリング・コントロール(DFC)
開発者:ミタール・ザパト
主なパイロット ヒューゴ・メディオ(フォームGのメインパイロット / フォームSのTEエンジン制御)
アクア・ケントルム(フォームSのメインパイロット / フォームGのTEエンジン制御)

◆概要◆

スーパーロボット大戦MX、後期主人公機。

サーベラスの取得データを元に設計・開発されたTEアブゾーバー試作8号機。
外観こそサーベラスに酷似しているが、サーベラスとは別の機体である。イグナイトは英語で『点火する』。
あばよ涙!よろしく勇気!胸の(TE)エンジンに火~をつ~けろ~♪
自軍の仲間には『いたるところに(誤)火を点ける』カラテのタツジンもいるしな。

依然としてDFCスーツによるコンタクトや補助バッテリーの併用は必要なものの、
データの蓄積により改良された新型TEエンジンを搭載しており、出力・安定性はサーベラスと比べて飛躍的に向上している。
オペレーターの負担が軽減されたため、本機に乗り換えた後はアクアもメインパイロットとして操縦を担当する。

本機の最大の特徴は追加武装ユニット『イグナイト・パーツ』の装着箇所の変更によるリバーシブル変形機構である。
機体前部の場合は近接格闘主体の『フィギュアW』、後部の場合は後方射撃主体の『フィギュアB』と、
装着箇所の前後を入れ替える事で機体の特性を変更、別の機体として運用を可能にする柔軟性を持つ(ゲーム内では『変形』コマンドで再現)。
なお、フィギュアWのパーツ装着状態をフォームG、フィギュアBのパーツ装着状態をフォームSと呼称する。

実はイグナイト・パーツは、ガルムレイド・ブレイズの随伴機
『ヒオウ』『ロウガ』のように無人戦闘機としての運用もできるのだが、作品中では使われておらず、純粋な強化パーツとしての利用に留まっている。
『電撃スパロボ魂! 2013春号』に掲載された設定イラストを見る限り、少なくともフィギュアWなら単体でもサーベラスとほぼ同じような運用が可能と思われるが、逆に言えばイグナイト・パーツ無しではリバーシブル変形や後述の追加武装が不可能な構造となっているため、実質的に合体状態で運用する事が前提の機体と言える。

ここまで読んで『一人V作戦』を真っ先に思い出す人もいるだろうが、世に出たのはこっちが先である。
同じIMPACT系列の機体にあやかるなら『一人ATX計画』とでも言ったところだろうか☆
自軍のよく似た声のガンダム乗りの人を尻目にガシャンガシャンと変形しまくろう。単機で空も飛べる。



フォームG

サーベラス・イグナイト格闘戦仕様形態。旧サーベラスの面影を残しながらもより重武装で武骨な雰囲気に。
運動性はきちんと高いまま火力がアップし、ボス戦でも頼れる戦力になる。一方、アウトレンジへの反撃能力は低下しており、
なによりほとんどの武器が射撃属性だったサーベラスに合わせて、
ヒェーゴにガンファイトを習得させてしまうと完全に乗り換え後は死に技能になってしまう
(第2次OGならヒット&アウェイも要らなくなる)。この極悪な罠に数えきれないプレイヤーが陥り、
『イグナイトを運用するならアクアのフォームSがメイン』という意見が支配的になるのだった。
念のために言っておくと、ちゃんと見越した養成をすればフォームGも充分使いやすい。



フォームS

サーベラス・イグナイト射撃戦仕様形態。リバーシブル変形で青紫色を基調とした完全な別メカに。
特にツインアイが露出した顔はゴーグル型のサーベラスから大きく印象が変わって見える。
その重装備から、SD頭身だと物凄く太ましい機体に見えるが、ウエストの太さはフォームGと一緒である。
懐に隙こそあるが、長大な射程と絶大な火力でほとんどの敵を圧倒できるうえ、装甲も上がるのでTEスフィアの恩恵を受けやすいしそもそも避ける。
あと、アクアが最初からガンファイトを持っているのでいきなりフォームG時より火力が上なんて事も良くある。



★武装・必殺技★
両形態で全属性軽減バリア『TEスフィア』を展開可能。


【フォームG】
第2次OGではかなり演出の印象が原作と変わっている。

  • Hoミサイル・ランチャー
脚部のコンテナから発射するミサイル。溢れんばかりのΖΖガンダム臭。
支援攻撃、ダブルアタック可能な射撃武器。射程がそこそこ長く、反撃でも使える。また、MXでは障害物の破壊も可能。


  • レイガン・ポッド
有線式の兵装ポッド。ツッコミに応えて実弾からビーム砲に変更され、完全にインコムに。
移動後に使用可能だが射程は短い。ヒューゴにガンファイトを覚えさせてしまった場合、最も恩恵を受けられる武器。
ポッドの設置位置は肩から脚部に変更された。
第2次OGでは4基揃えて斉射することでより強力なビームを撃つことも可能に。


  • コーティング・ソードTeX
最も燃費の良い武器だが、射程が1で固定なので使いにくい。
機体の背面から蝶の羽のようなTEの奔流が噴き出し、それで姿勢を制御しているかのような演出が入る。
第2次OGで設置位置が両腕部であることが明らかになった。同作では連続攻撃対応武器であり、
敵をまとめて撃墜したいなら世話になる(2人乗り機体なので、経験値やPPの獲得量が多いため)。
二刀流のX字斬りで敵機を爆散させる姿がかっこよすぎて「光の交錯に消えろ! 」とか叫びたくなる。



  • イグナイト・パイク
両腕部の追加装甲内に仕込まれた大型のパイルバンカー本ッッッ当、おまえらは杭打機が好きだな?
古鉄どころかリーゼのバンカーよりも長くて高威力のはずなのに
まったくファンの印象に残らない不遇な装備。やっぱり二番煎じだからだろうか。
第2次OGでは「イグニション!」からのワンツーパンチに加えダメ押しに串刺しにして敵機を爆破する。
Bセーブで弾数を増やしておくと、比較的気軽に使えてGOOD。



  • ターミナス・キャノン
武器としては登場しないが、MXのケルベロス・ファングの演出で使用。
サーベラスでは頭部をボディに沈めて展開していたが、こちらは肩に担ぐようにする。


  • ケルベロス・ファング
機体をTEエンジンで引き出したエネルギー力場で包み、超高速で敵をかく乱。
ぎりぎりまで接近して左右のイグナイト・パイクを撃ち込んだ直後、トドメとしてターミナス・キャノンを展開し、目先の標的目がけてフルパワーでぶっ放す。
ケルベロスらしく3連続のコンビネーション。
パイルバンカーの大盤振る舞い、更に狙撃用の巨大主砲でゼロ距離射撃という、漢のロマンがこれでもかと詰まった大技。

第2次OGでは変形を駆使した連続攻撃になり、ターミナス・キャノンを使わなくなった。
言うなれば、『単機ランページ・ゴースト』…?
フィニッシュカットインは座席の位置を無視したウェディングケーキ入刀みたいな構図になっている(たぶんイメージ図)。





【フォームS】
念願のカットイン・解禁。堪能せよ。


  • コーティング・ソード
サーベラスの同名の武装と同じ。射程1で固定な上に格闘武器なので、使用頻度は低い。
スパロボ名物、『射撃機体の護身用に申し訳程度に装備させた剣』。
第2次OGでは一応フォームG同様に連続攻撃に対応している。
なにげにぶちかまし→百烈突き→三枚卸しとかなり凝った動きをしている。


  • レイガン・ポッド
フォームGのものと同じ。アクアにガンファイトがあるので、移動後にかなりの射程の長さで攻撃できる。射撃武器では唯一P属性。


  • ラディカル・レールガン
見た目はかつてのサーベラスと変わらないが何故かフォームSのみの武装になった。
ガルムレイド・ブレイズはフォームGしかライトニング・スピンエッジを使えないのでこっちはこっちでバランスを取ったのだろうか?
支援攻撃、ダブルアタック可能な射撃武器。元来の射程の長さがアクアのガンファイトでさらに延びるので使いやすい。
また、射程1に攻撃できる唯一の射撃武器でもある。反撃、ダブルアタック、援護攻撃……と、使用頻度が高いので、
Bセーブが無いと弾切れを起こす可能性が高い。撃ちまくれ!!


  • ターミナス・スマッシャー
両肩のキャノン砲(イグナイト・パーツ)から、収束したターミナス・エナジーによる砲撃を行なう武装。
使用時はマイクを壊さんばかりのシャウトで武器名を叫ぶべし。
主に援護攻撃用で、反撃で連発するにはEN消費が大きい。射程1~2には撃てない点には要注意。



  • ケルベレイド・バスター
両腕に装備したバレル砲と肩に展開したターミナス・キャノンによる一斉射撃。放たれる三本の砲火はまさしく地獄の番犬の名に相応しい。
最大射程は実に11。第2次OGでは高性能レーダーを2つ装備して射程+のアビリティを付ければ
トロフィー『狙撃王』を楽に獲得できる。



★余談

◎寺田P曰く、本器の装甲はバイクのカウルをイメージしているとのこと。また、肩から胸にかけての装甲のシルエットはの頭にも見立てられる。
高運動性長射程白いカウルわお~ん…なるほど、実にIMPACT系列主人公機らしいぞ!!


◎神話におけるサーベラス=ケルベロスは冥府の王ハデスの飼い犬だが、
MXではガチの冥王様が自軍に君臨している。気力が溜まるまではイマイチのユニットなので、本機を抑えにつけて共に運用するのも一興だろう。
ただし⊃(天)⊂を使う時はきちんと「ひらめき」で躱すこと。巻き込まれたらただでさえ薄い影が消えてなくなるぞ!


◎第2次OGではイグナイトと同じリバーシブル変形機構を持つMODEL-X=ガルベルスや、
3体揃って一人前の同じケルベロスモチーフの機体が登場。
しかもそれを駆る狂犬どもを束ねるのはかつてのクライ・ウルブズ隊長アルベロ・エストその人である。なんとも皮肉な巡り合わせ。






追記・修正はヒューゴにきちんとインファイトを習得させてからお願いします。

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最終更新:2023年02月12日 14:53