ドローソース(TCG)

登録日:2015/01/07 Wed 00:14:43
更新日:2024/10/19 Sat 11:19:06
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儲かりすぎるのも考えものだな。――アクアン





ドローソースとは、カードゲームにおける「デッキからカードを引く能力を持つカード」のことである。


概要

トレーディングカードゲームは基本的に、手札からカードをプレイするゲームであり、
手札が多ければ多いほど、質が良ければ良い程、自分が取れる戦術が増えるため基本的に有利になり、この優位性は「ハンド・アドバンテージ」と呼ばれている。
どこぞの満足民の話はこの概要では触れないからね?

だが特に何らかの理由がない限り、ドローはゲーム開始時とターン開始直後に決められた分しか引けない。
そのため「カードを追加で引ける」能力を持つカードは重宝され、いろんなデッキに採用され得る。
デッキをぶん回そうと思ったら、基本的に「手札」と「使用コスト」を供出する方法が必須であるわけである。

ドローというのは、手札の増加に伴う選択肢の増加はもちろんのこと、山札の総枚数を減らすことによって「デッキ圧縮」カードの効果を高めることにもつながる*1
デッキのキーカードを強引に引きにいったり、デッキトップを強くするといったように、カードゲームにおける完全回避不可で最大の敵たる運の要素を極力排除してくれるドローは欠かせない能力なのだ。

実際環境でランクインする類のデッキは程度の差こそあれどドロー、もしくは間接的にそれを促すカードは特殊な事情がない限りほぼ採用されているといっていい。

それ故に手札を手に入れるカードは性能に比例してコストを引き上げたり大きなデメリットが付いていることも珍しくない。
あるいは特定条件満たす限定的条件下でそのデメリットを軽減できる特殊能力を備えていたりするものである…最近は。


だが黎明期のトレーディングカードゲームにおいて、ドローは軽視されていた。
おそらく相手にダメージを与えたり自分が強化されるわけではなく手札が増えるだけ、だからだろう。
盤面に影響を与えない能力は、最初は開発やプレイヤーからも甘く見られがちだった。

手札が増える・デッキを掘り進めることがどれだけ恐ろしいことか、
ということを多くのカードデザイナーやプレイヤーは理解し始めたため今のドローソースは落ち付き気味である。

……落ち着いてるったら落ち着いてるの。


関連用語

ドローエンジン

ドローソースといえば基本的にはその場で効果を発動したら終わる、cip(場に出た時に出る効果)や呪文の効果が多いが、
ときにフィールドに存在し続け、その間条件を満たせば引き続けられるものがあり、その手のカードをドローエンジンと呼ぶ。
なお、なぜかデュエル・マスターズでは「置きドロー」という表現をする。
デュエル・マスターズでは特にドローエンジンが重要なゲーム故により呼びやすい名称をつけたということだろうか。
なにが来るかは運任せの要素が多いが、上手く引き込めばスペック以上の爆発力を生む可能性があるのが魅力。

サーチカード

ドローといえば山札の上から引くことだが、
山札から任意のカードを手札に持ってこれるものを「サーチカード」と呼び、行為自体を「サーチ」と呼称する。
厳密にはドローではないが広義のドローソースとみなされる。
ドローエンジンに比べ枚数的には劣るものの、デッキの安定性を促進し、一枚だけで勝敗を決定づけるカードを引き込む分にはドローエンジンより優れていることがほとんど。

キャントリップ

何か他の効果がついていて、そちらと別に1枚だけカードを引けるもの。
ドローに使用するというよりは、手札を減らさずに効果を使用する、という見方が強い。
だが使用デッキによっては、キャントリップがデッキの回転を促す重要なドローソースであることも多い。

ハンデス/手札破壊

「ハンデス」の由来は、「ハンド・デストラクション:Hand Destruction」の略。
その名の通り手札を破壊するという、まさにドローの真逆を行く能力。
“戦術を増やす”ドローソースが強力ならば、“戦術を奪う”ハンデスもまた強力であることはお分かりだろう。
こちらも、匙加減がわからなかった黎明期に多くの問題児を排出した(また当時はドローの匙加減のない強さ故に、逆にバランスが良かったタイプもある)。

デッキ破壊

相手のデッキに眠る特定カードを破壊する戦法。上記ハンデスと比べて速攻性や決定打に欠けるため強さはピンキリ。
同名カードはもちろんそれに近い類似カードによって水増しすることができるカードゲームの特性1,2枚破壊しても支障をきたしにくい。
また、歴史の長いTCGでは、墓地を利用する手段も増えており、相手にメリットを与えてしまう危険性もある。
しかし、制約によって少数枚しか投入できない、勝利するためのほぼ必須カードを落とす分にはこの上ない最強の手段に変貌する。
また強力になりづらい故かたまにとち狂った凶悪カードが生まれることも。

ちなみに無差別に複数枚のデッキを破壊するカードがあるが、大抵は上記のためではなくデッキロスによるルール勝利を狙うための用途がほとんどで強さのベクトルが違う。

ドローロック

相手のドローに干渉する効果・戦法。
主に「相手のドローそのものを制限する」と「デッキトップ操作などで有用なカードを引かせない」の2種があり、強さのベクトルは異なるがどちらもハマれば強力な効果。後者はタイム・デストラクションと呼ばれることもある。
1~2ターンでも時間稼ぎとしては有用であり、長期に渡ってこれを行えるデッキ・カードは逆転の目を徹底的に摘む凶悪ロックデッキと化す。


TCG別の解説

Magic the Gathering

黎明期はパワー9の《Ancestral Recall》が1マナで3枚も引けるカードとして有名であり、青が強いとされる原因を作っている。
(というかパワー9、MoxとLotus以外は青の呪文だし…)

以後もカラーパイの都合上青はドローが得意とされ、特に条件のないドローが多い。条件があっても「引いて捨てるので墓地が肥える」とメリットになることが大半。
もしくは「島を2枚戻せばマナを使わずに2枚カードが引ける」等、デメリットの引き換えにそれを上回るリターンがあるタイプも。
古くは《渦巻く知識》、近年では「金玉漂流在外」あたりが有名か。

緑はクリーチャーが関わるなんらかの条件の達成、黒はライフロス等のリソースを支払うことによるドローが多い。
赤のドローは無作為に手札を捨てるデメリットが付くことが多かったが、近年は「捨ててから引く」タイプのドローが多くなっている。白は少なく、引けるとしても1ターンに1枚ずつか何らかのコストが必要。
MTGではドローは「知識」の象徴のようだ。

ただしフォーマットに左右されるものの、
どの色にもキャントリップ呪文や「コストを払ってこのカードを捨てればドロー出来る」というサイクリング呪文、
そして色拘束のないアーティファクトによるドローソースが存在するため、「色が○○だからドローソースが存在しない」なんてことにはならない。
いやあ、《頭蓋骨絞め》は強敵でしたね。もう帰ってこなくてもいいくらい。

2014年以降では主に赤に「デッキトップを追放し、一定期間だけ追放したカードをプレイできる」という効果を持つカードが増えている。
赤が出来ることが少なすぎることを危惧され「一定期間しか唱えるチャンスが無い上に、プレイできるかがギャンブル*2というのは赤らしい」という事から採用された。
開発では「衝動的ドロー」と呼ばれているため、これもドローカードの一つとして考えていいだろう。

また、白でも多人数戦の流行に伴いアドバンテージを得る手段が必要とされるようになったことから、「相手の行動(主にアドバンテージを得るもの)を咎める」「キャントリップの延長」「お互いにカードを引く」といった形のドローが作られるようになってきている。


遊戯王オフィシャルカードゲーム

初期の名物ドローソースといえば《強欲な壺》辺りが有名か。
「強欲な壺が入っていないデッキはデッキではない」と言われたほどで、わざわざピンポイントメタが存在するほどの強さである。
またカードを3枚引いて2枚捨てる《天使の施し》もよく使用されていた。(ただしこちらは手札の枚数は増えないので、厳密にはドローソースではなく手札交換カードである。)

現環境では強欲な壺の調整版である《貪欲な壺》《強欲で貪欲な壺》《強欲で金満な壺》がよく使われている。
他にも【図書館エクゾ】でお馴染み《王立魔法図書館》や《強欲で謙虚な壺》や《金満で謙虚な壺》(後者2枚は厳密にはドローソースではない)など。

遊戯王OCGはマナなどの別途コストが無い*3ため、手札に来てすぐ使えるカードが多く、
必要なカードを呼び込み、デッキを圧縮できるドローソースカード(サーチ、キャントリップ含む)が重要である。
極論を言えば事故などを考慮しない限り、「手札の枚数が多いほうが勝つ」「引きたいカードを引けた者が勝つ」のである。

このような事情から一般的なTCGと比べてドローソースへの規制はかなり厳しく、
「手札が1枚増える」というだけでも重いデメリット・制約が付くか、さもなくば強欲な壺のように濫用の果てに禁止される運命である。
一方でカテゴリ・種族等のサーチカードが豊富なゲームとなっているため、手札補充手段はサーチばかりでドロー効果には縁がないというデッキも多い。
もっとも、専用サーチカードも環境で活躍すれば厳しい規制が掛かるのが常だが……。
《魔導書の神判》とか強かったね?

また、そうした事情の為に「2枚ドローの代わりに追加コストで1枚手札を失う(墓地へ送る、除外する、デッキに戻すetc.)」と言った形で、
手札の量的なアドバンテージが得られない代わりに、手札の質と墓地の枚数を上げる手札交換系カードが多いのが特徴である。
これらは、厳密にはドローソースではないが、ある種のドローソースに含まれることが多い。
また、実質的には手札が増えないサーチカードや手札交換系カードですら、規制されることがある点から、OCGの特殊なゲーム性が垣間見えるだろう。

他にも最近では上述したような「重いデメリット付きで2枚ドロー」という(かつ、汎用性のある)カードが徐々に増えてきている。
デッキの上を10枚除外する《強欲で貪欲な壺》、EXデッキをランダムで3~6枚除外する《強欲で金満な壺》が有名。
いくら手札の枚数が勝利に直結するゲーム性とは言っても、これらは運次第で致命的な結果を招く可能性もあり*4、考えもなしに使用できる物ではない。
もちろんただデメリットに甘んじるのではなく、デメリット動作をトリガーとする効果を持つカードと併用して損失を軽減、もしくはアドバンテージへと転換する動きもある。

海外ではドローソースが国内以上に評価される。外国人はドローが大好きらしい(ドローが貧弱なゲームだからこそという面もあるが)。
おかげで日本ではそれほどでもないカードでも海外ではレアリティが高くなることが多い。
例外もあり《フォーミュラ・シンクロン》は日本よりもレアリティが下がっている。

遊戯王のドローソース、手札は「施し」「宝札」「強欲」と言った「金銭」「取引」「欲」に例えるカードが多い。
例えば、《魔宮の賄賂》では相手にドローさせることを「賄賂」と表現している。

原作やアニメではOCGでは絶対に出ないであろうコストパフォーマンスに優れるドローソースがとても多い。
ただ、それらは尺を伸ばし過ぎたりしないようにとか、あるいは整合性を取るためとか、そういう理由なので仕方がない。
これらのドローソースはOCG化される際に弱体化されることがほとんど。
ARC-Vではアクションデュエルのためにドローソースは我々の世界と同じくらいの強さのようで、アニメ中でもそれを雑誌で指摘している。
VRAINSでは逆に「作中のカードをOCGのものと極力一致させる」方向性にシフトしているが、
「作中で扱うルール自体を高速なデュエルを推奨するルールにする」ことで尺を調節しており、ドローソースに依存せずに作劇している。
ラッシュデュエルを扱うSEVENSではルール側で毎ターン最大5枚ドローとすることでアニメオリジナルドローソース依存を解決している。


デュエル・マスターズ

MtGの弟分だけあって、青に相当する水文明がドローを得意とし、かつ「知識」の象徴であることも変わらない。
…にもかかわらず初の殿堂入りではドローカードがやたらと多かったりしている。MtGのドローカードから何を学んだんですかね・・・
アクアン》は厳密にはドローではないが、【アクアンホワイト】【アクアンブラック】と、
ドローソースの分際でデッキタイプに名前を冠するほど有名になり、プレミアム殿堂になった。
だがそれでも息子を環境に送り込んでくる。

そのほかにも《ストリーミング・シェイパー》《サイバー・ブレイン》《炎槍と水剣の裁》《アストラル・リーフ》《知識の精霊ロードリエス》《アクア・ティーチャー》など青が絡んだドローソースは強いものが多い。
サイブレ、裁はプレミアム殿堂を経験している。
リーフについても、殿堂入りするまで青単のキーカードとして環境を支配し続け、「リーフマスターズ」を作り上げた。
当該項目にその暴れっぷりが記されているほか、ググればその悪名はいくらでも出てくる。
一説によれば、闘魂編の水文明レアカードが弱く設定された原因とも。

割とどの文明も置きドロー含めたドローソースが存在しており、単発のドローにさえこだわらなければそれなりに手札は補充できる。
MTGではドローが苦手な白に相当する光文明も、クリーチャーの数だけドローする《共鳴の精霊龍 サザン・ルネッサンス》やクリーチャーが出るたびにドローする《雷鳴の守護者 ミスト・リエス》といった複数枚引けるカードを有している点はMTGとの顕著な違いだろう。
闇や火は自分のシールドを手札に加える(=ライフを削って手札を増やす)ことが多く、加えて火は手札をすべて捨てて一定枚数ドローすることも得意。自然はクリーチャーを条件とするものがある程度存在する程度で不得意寄りだったが、マナゾーンからの回収というもっとタチの悪い手段を備えているため問題になることはほぼ無い。

ただ、プレミアム殿堂入りから10年の時を経て《サイバー・ブレイン》が殿堂入りに降格(という名の禁止解除)されたのを皮切りに、デュエル・マスターズのドローカードの質は年々インフレの一途をたどっている。上述した殿堂カードたちも《シェイパー》を除いた全てが殿堂解除されている。1ドローあたり1.33どころか1なんて当たり前の世界になってしまったよ…

特に顕著なのは水以外のドローソースの進化であり、自然では構築を整えれば低コストで3〜4ドローが当たり前、火は「1〜2枚捨てて+1枚引く」小回りの効く手札交換や低コストのシールド回収が増加。光は呪文やブロッカーなど「特定条件のサーチ」なら水や自然に劣らないものもあり、闇は「ハンデスしたらドロー」などライフやスーサイドに頼らない手札補充が増えた。

またドローソースが強い分ハンデスが強いのも特徴と言える。複数枚のハンデスやピーピングハンデス(手札を確認して選んで捨てさせられる)のコストはどんどん低下しており、早期に全ハンデス(級)を叩き込めるカードも少なくない。


WIXOSS

MtGプレイヤーが作っているためか、やはり青の得意分野。
汎用性の高い《THREE OUT》が第1弾時点で存在しており、てっきり青が強いと思ったら……。
当の青自体は当初弱く、一方で強い色である白と緑が《THREE OUT》を使いこなす始末。
特に緑は【オサキループ】で悪用しまくったためにルールで併用不可にさせられた。


Z/X -Zillions of enemy X-

このゲームでも青が得意としている分野。
他の色にもいろいろと手札補充手段があるのでそこまで問題はないが、やはりドローと言ったら青である。
……とはいえ、ドローソース自体はコスト査定が重めでなのでバランスが取られている。


またデッキアウトでライフが減る上最後の一枚の場合敗北。開始時のドローが二枚、イグニッションでガンガン山札が減っていくので
黒や緑の回収系のほうが手札を安定させる分には都合が良かったりするのであまり派遣させてのドローソースというのは使われないことが多い。

また他のカードゲームとくらべサーチカードが殆ど存在しない。見れても5枚程度しか見ることはできない。
(ライフの中身を知るアドバンテージが大きいゲームなので仕方ないが……)


ポケモンカードゲーム

他のTCGよりデッキの枚数が多い上、エネルギーや進化というシステムが絡む関係上、ドローが直接的なアドバンテージに繋がりにくいカードゲームだからか、他のカードゲームなら間違いなくぶっ壊れ性能のドローソースが多く存在する。
「手札を全て捨ててカードを7枚引く」というカードゲーム史上最高のドローソースともされる《オーキド博士》の他、
コイントスで表ならカードを4枚引く《マサキの転送装置》、任意で最大3枚までカードが引けるが相手も同じ枚数引く《エリカ》などなど……。
ノーコストでカードを2枚引く《マサキ》すら地味に感じるという恐ろしい充実ぶりである。

サーチカードも充実しており、手札2枚を捨てて山札から好きなカードを手札に加える《パソコン通信》や
手札のポケモン1枚を山札から好きなポケモン1枚と交換する《ポケモン交換おじさん》が強力。

「旧裏面」と呼ばれる黎明期には上記のカードが属する「トレーナーカード」は自分のターンに何枚でも使える上に制限も禁止もされていなかった。
大量のドローカードで素早くキーカードを集めて速攻をかける戦法が流行ったのは言うまでもない。

現在はトレーナーカードも細分化され、上記のようなカードは「サポートカード」となり「1ターンに使用できるのは1枚」という制限が設けられている。
しかし「ノーコストで3枚引く」というカードの登場や《オーキド博士》と同効果のカードは残っている等、カードパワーは相変わらずのようである……というのはもう過去の話。
ポケモンカードにはスタン落ち(過去のカードは使えなくなるレギュレーションによるルール)があるので上記の「ノーコストで3枚ドロー」のカードはカード名を替えて定期的に登場しているが、インフレについていけず、環境デッキに採用されることは稀になってしまい、2枚or3枚ドロー+αの効果があるカードが増えている。
オーキド博士と同等の効果を持つカードも定期的に登場し、さすがにこちらの採用率は高い。
また、お互いに手札を山札にシャッフルし、ドローするような相手の手札を減らせるカードも人気。
ポケモンの特性でドローできることも多く、出たときにドローするタイプと場にいれば毎ターンドローの2通りがある。


バトルスピリッツ

赤がドローマジックでの補充や毎ターン引ける枚数+1のドローエンジン、紫がCIPドローで手札を減らさない、が得意。
CIPドローの基本は3コスト、2ドローマジックの基本は4コスト、そして初期のコアは4個なため第1ターンからドローを積極的に行える。
緑は手札を全部捨てて相手の手札の枚数分のドローが多く、青が手札交換による手札の充実が得意だが、破棄枚数を減らす効果と併用しないと手札は増やしにくい。
ちなみに例によって第一弾の緑の手札交換マジック「ストームドロー」はコストが安すぎるために禁止になりました。
黄色は破壊時ドローや召喚時ドローを与えたりはあるものの安定性に欠け、たまにすごいのがあるとすぐにループに悪用され禁止や制限になる。神煌臨編頃からはデッキの下からドローするという役割が追加され、コアは増えにくいがドローしやすい赤に近い立ち位置となっている。

ドロー効果自体のコストの緩さはTCG界でもトップクラスで、特に紫、赤はサクサク手札が増える。
また手札上限がなくドローしたカードはそのまま保持できるため、最低限の防御が確保できるならドローに数ターンを費やしても見返りが大きい。
その代わりデッキ全体から探すサーチがなく、基本的はデッキをシャッフルすることがない。

このような性質からドロー効果は非常に重視される傾向にあり、逆にドロー効果へのメタも強力なものが多い。
バースト(伏せカード)「条件:相手の効果によって相手の手札が増えた後」やドローした枚数に応じてハンデス
強制させるカード(スピリットではオーシン、ネクサスでは凍れる火山やクサナギなど)もあることから、無闇にドローカードを積むのも考えもの。
ハンデスネクサスを目の前に手札交換などしようものなら、実質手札枚数は増えていないくせに逆に減ってしまうので目も当てられない。

カルドセプトシリーズ

手札消費が激しく、ドロー手段も限られているため、ドローソースは重宝される傾向にある。
作品によってコストや効果は微妙に異なるものの、
  • 「ホープ」(2枚ドロー。皆勤賞)
  • 「リンカネーション」(手札を全て捨て、捨てた枚数+1枚ドロー。皆勤賞)
  • 「ファインド」(カードを1枚引く。使ってもなくならない。「セカンド」「サーガ」シリーズに登場)
  • 「チャリティ」(使用者の順位に等しい枚数ドロー。「DS」から登場)
といったカードが存在する。
初代のリンカネーションは捨てた枚数に関わらず6枚ドローできる上、使用コストもほとんど無いという凶悪性能だった。

ただし、カルドセプトにおけるドロー手段はほぼ全てが「スペル」と呼ばれるカテゴリに属しており、
スペルはドローフェイズの直後に1ターンに1枚までしか使用できないので、たくさん積めばいいというわけではない。
そういう点ではポケモンカードゲームとよく似ている。


カードファイト!!ヴァンガード

自分のターンの攻撃で「ドライブチェック」というものを行い、そこで手札が1~3枚増加するため、
ドローソースがなくてもデッキをそれなりに回すことができる。
また、手札を増やすことに対するコストが総じて高めに設定されており、手札以外でアドバンテージを得たほうが良い場面が多い。
他のTCGと比べるとドローの重要性は低いと言える。

とはいえドライブチェックは対戦相手に公開し、カード効果で得られるアドもまた公開するものがほとんどのため
互いに相手の状況を把握しやすいヴァンガードでは、手札を把握され辛いという点でドローソースを評価するプレイヤーもいる(いわゆる情報アドバンテージ)。

どのようなデッキでも使えるドローソースとしてはドロートリガーが存在。
他のトリガーよりシールドの数値は劣るが、手札一枚増えているので防御力が劣るわけではない。
Vシリーズでは他のトリガーのシールド数値が大きく上げられた中シールド数値は据え置きの5000のままだったが
これもまたドロートリガーにして完全ガードを兼ねるカードもあり、配慮されている。

クラン別ではオラクルシンクタンクを筆頭にグレートネイチャーバミューダ△などで得意なデッキもある。


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最終更新:2024年10月19日 11:19

*1 勘違いされやすいがドローそのものにデッキ圧縮(デッキの不要牌を減らす)効果は全く無い

*2 土地だったらそのターン別に土地をプレイしていたらもうプレイできず、呪文はマナが足りて無ければ唱えられず、もしプレイできなければそのカードは追放という重いデメリットとなる。

*3 アドバンス召喚の為のリリースやカード毎に課せられる発動コスト等はあるが……。

*4 引くべきカードやコンボに必要なカードが全て除外されてしまうなどのデメリットが考えられる。一方でこのデメリットによって窮地を救われるという珍事が世界大会で起こっている。