強欲で謙虚な壺(遊戯王OCG)

登録日:2010/11/21(日) 12:52:43
更新日:2022/03/13 Sun 17:55:22
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「強欲で謙虚な壺」とは、遊戯王OCGに存在するカードの1つ。
条件付きで手札を補充する効果を持つ魔法である。

強欲で謙虚な壺
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、
このカードを発動するターン、自分はモンスターを特殊召喚できない。
(1):自分のデッキの上からカードを3枚めくり、
その中から1枚を選んで手札に加え、その後残りのカードをデッキに戻す。

【概要】

第7期最初のパックである「DUELIST REVOLUTION」で登場した魔法カード。

遊戯王OCGでは恒例の「壺」カードの1枚で、名前の由来は同じく壺繋がりの《強欲な壺》と《謙虚な壺》。
見た目は《強欲の壺》の前半分に、《謙虚な壺》の前半分を強引につなぎ合わせたもの。ストーリー上は落ちぶれた《成金ゴブリン》が詐欺目的で作った模様。

デッキからカードを手札に加える《強欲な壺》と、手札のカードをデッキに戻す《謙虚な壺》をミックスしたような性能になっている。
プレイヤーからの愛称は略して《強謙》。

ただし、名前こそ「壺」と付いているが、《強欲な壺》のように手札の枚数が増えるわけではない
そもそも「ドロー」するわけではないサーチカードである。
その性質は同じ禁止カードでも《天使の施し》の調整版に近い。

このカード最大の特徴であり利点は、デッキの上から3枚を見て好きなカードを1枚選べるということ。
自分の手札やフィールドの状態から最適なカードを選択できるので、格段に質の高いサーチができる。

また、現環境の他の手札交換カードは《トレード・イン》などコストを要求するものや《暗黒界の取引》など手札が減ってしまうものが多い。

前者はコストとなるカードを採用できないデッキではその恩恵を受けられず、また「ドローカードはあるがコストがない」など手札事故の可能性がある。
後者はアドバンテージで損をしているため一般的なビートダウンデッキでは使いづらく、どうしてもコンボデッキ専用になってしまう。

だが《強欲で謙虚な壺》はデメリットこそ課すもののコストは必要としない。
よってどんなデッキでも採用でき、かつ手札に来ればいつでも使うことが出来る。

これらの点から現存するドローソースと比べやや、強力なカードと言える。


このカードを使いやすいデッキは特殊召喚が封じられるデメリットが気にならないタイプのデッキである。

例えば、特殊召喚そのものを殆ど行わない【メタビート】や【チェーンバーン】等。
自分ターンに特殊召喚する事が少なく、相手ターン中に展開できる【アーティファクト】や【ブラック・マジシャン】も悪くない。

…だが、全盛期は特殊召喚を多用する【インフェルニティ】や【甲虫装機】等でも高い採用率を誇っていた(後述)。


【欠点】

このカードには2つのデメリットがある。

1つは発動ターンの特殊召喚を封じる制約。
これはサーチカードとしては無視できない点である。
基本的にドローソースやサーチカードは、「手札に加える→キーカード発動→形勢逆転」という流れが期待できるのだが、このカードではそれがやりにくい。
切り札モンスターを特殊召喚できないのでフィールドの状況を変えづらいからである。
このカードでサーチしたターンはどうしても大きく行動しづらく、1ターン動作が遅れてしまう。

なお、遊戯王のテキストには「発動後、指定した行為をできなくなるが、発動前ならば構わない」「発動後はもちろん発動前も指定行為ができず、していたターンには発動できない」2種類があるが、このカードは後者。

よって特殊召喚を行った後に発動することはできない


もう一つは同一ターンに同名カードを発動できない制約。

上記のデメリットに比べればそこまで気にならず、ピン採用ならこのデメリットはない。
ただ、採用する場合複数枚入れる事が多いカードのため、ダブった場合発動機会が中々来なくなったり、
効果で同名カードが捲れてしまった場合は少々煩わしく感じるだろう。

魔法カードのためダブってしまったら片方をブラフとして伏せたり、《サモプリ》などのコストとして活用する手もある。


手札に加えるカードは相手にも公開されるというのも問題であり、
マッチ戦のはじめから相手に自分のデッキタイプを教えてしまったり、
制限カードの《羽根帚》や《死者蘇生》が手札に無いのをバラしてしまう結果にもなりうる。


【環境での活躍】

これらのデメリットを差し引いてもこのカードの持つサーチ能力はとても強力で、結果として数多くのデッキに採用された。

第7期当時、特殊召喚に無縁なデッキでは勿論、環境トップレベルで特殊召喚を連発する【BF】【インフェルニティ】(登場当時は「ガン」無制限)」でさえも複数積まれた。
BF】においては全く同じ2つのデメリットを持つ上にコストがある「黒羽の宝札」の存在価値を奪ったに近い状態だった。

甲虫装機】や【聖刻】ではそのターンは死ぬことがないとはいえ、加えたカードによっては死刑宣告に等しい状態も作れた。

それだけ多くのプレイヤーがこのカードを高く評価し、実際その通りの活躍をしたということである。

その為、禁止カードでありこのカードの先輩とも言える【強欲な壺】になぞらえて「強謙の入ってないデッキはデッキじゃない」という迷言まで生まれた。

だが、いくらこのカードの汎用性が高いとはいえ《強欲な壺》の汎用性には及ばない。
上記のデメリットに加えて「加える手札が相手に筒抜け」な点、サーチカードゆえに「《ライオウ》に阻害される」など無視できない弱点もある。
特殊召喚封じも大きなデメリットとなるため、何も考えずにどのデッキにも入るわけではないのだ。

強欲な壺》はデッキの上から数えて3枚目のカードに干渉できないとはいえ、
引いて発動するだけで手札が1枚増えるのでこちらが強すぎるだけではあるが。

なお、このカードの発動にチェーンされ《リビングデッドの呼び声》等で《ライオウ》が蘇生された場合、
「デッキから3枚めくり1枚を選択し墓地へ送り、残りをデッキに戻す」と少々特殊な処理になる。

第8期あたりからはデュエルの高速化が激しくなったことで、このカードによる1ターンのタイムラグがかなり大きなデメリットとなり、採用率は減少。
特殊召喚に頼らず大量の妨害カードで相手を止める【メタビート】以外ではほとんど見かけることはなくなった。

そして時は流れて第11期。「ヴァレット」や「D-HERO」が強化された「BURST OF DESTINY」にて「ふわんだりぃず」が登場。
効果による召喚を駆使してアドバンス召喚を行うため、モンスターを展開するテーマでありながら特殊召喚を行うことがまずないインチキ集団珍しい存在である。

《強謙》のデメリットが気にならないため積極的に採用されている。
《成金ゴブリン》の悪事は、今や世界を旅する渡り鳥を助けているのである。


【値段の変化について】

このカード、上記のように多くのデッキで採用できてデッキの安定性を高めてくれるカードである。
遊戯王OCGプレイヤーとしては是非持っておきたいカードであるが、
なんと(というかやはりというか)初出のレアリティスーパーレア

この当時、スーパーレアのカードは1つの弾で9種類存在し、1ボックス30パックの中でランダムに3枚封入されている。
つまりこのどのデッキにも入れられて、できれば複数積みたい「強欲で謙虚な壺」を当てられる確率は3箱に1枚

当然価格は暴騰し、当時シングル価格は1枚約3000円前後も値が付いていた。
さらに海外ではシークレットレアにまで格上げされ、1枚10000円以上と日本に輪をかけて入手困難な事態になっていた。

こんな状態が続いていた中、GOLD SERIES 2012に再録が決定した。

しかし、やっぱりノーレアでした。
しかも同じ魔法カードに同じ「強」の文字で始まる《強制転移》も収録されているので、
一瞬喜んでしまうというコナミからの嫌がらせのようなファンサービスも用意されている

2012年12月にはストラクチャーデッキ「炎王の急襲」にて再録。紙質に難があるものの入手はしやすくなった。
環境の変化で以前程必須という訳でもなくなったので値段は落ち着いた。

また、2014年6月、「HERO's STRIKE」でも再録が決定。
日本製なのでペラペラではない強謙が手軽に入手できるようになった。

その後も「SPHR」「20th ANNIVERSARY PACK 2nd WAVE」「スターターデッキ2017」で再録されている。
現在ではレアリティにさえ拘らなければかなり安く手に入るため、ありがたいところ。


米版ではTinのプロモにスーパーレアで再録されている。
また、Battle Packシリーズでも収録されている


【規制】

2012年9月1日からの制限改訂により、準制限となった。
ただ人によっては初手に複数来るのを防ぐため、元々2枚だったりするので影響はそれほど大きくはなかった。
結局、2013年3月の制限改訂であっさりと無制限カードに戻った。




追記・修正は米版1st強謙を3枚デッキに入れてる方のみお願いします。

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最終更新:2022年03月13日 17:55