ロンダー囚人(未来戦隊タイムレンジャー)

登録日:2011/08/11 Thu 14:49:52
更新日:2025/05/23 Fri 09:54:59
所要時間:約 13 分で読めます






フフッ、せっかくいる囚人を、利用しない手はあるまい?

『圧縮冷凍』の逆。『解凍』だ……



ロンダー囚人は、『未来戦隊タイムレンジャー』に登場する怪人達。

●目次


【概要】

ロンダー囚人とは、30世紀の未来社会で犯罪を起こした後に逮捕され、ロンダー刑務所に収監された宇宙人や生体ロボット達の総称。
囚人達は圧縮冷凍の刑を受け、服役中は常に圧縮冷凍カプセルの中で過ごさなければならない。

基本的に圧縮冷凍は重犯罪者に対する刑罰であり、大物マフィアのドン・ドルネロは千年の刑を受ける予定だった。
ところが、ドルネロは配下のギエン、リラの手引きで刑務所のタワーを乗っ取り、20世紀末の地球にタイムスリップする。
刑務所ごと日本のどこかの森に不時着したドルネロ一味は「ロンダーズファミリー」と名を改め、囚人達を次々と解凍して悪事を働きまくる。

時間保護局に所属するタイムレンジャーには裁判権も刑執行権も無い為、あくまで逮捕が目的。
捕まっても圧縮冷凍し直されるだけであり、後年の『特捜戦隊デカレンジャー』に登場する犯罪者・アリエナイザーと違ってどんな大罪を犯しても命を奪われることはない。
作中で再逮捕されたのはタイムレンジャーに捕捉された者のみ。終盤のゲートの様に、タイムレンジャーにバレずに金儲けをする事に成功していた者も相当数いる様だ。
最終的には大消滅前に元の時代に帰る為、全員再び冷凍され未来に戻された。
忍者戦隊カクレンジャー』に登場した妖怪軍団同様、怪人達全員生存という運の良い奴等である。

とはいえ、妖怪軍団は封印の扉の中で元気にダンスをしていたのに対し、
この囚人達はカプセル内で意識だけは常にハッキリしたまま身動き一つ出来ずに長い刑期を過ごさなければならず、中には実質終身刑と言っても差し支えないヘルズゲート囚の様な奴らもいるので地獄である事には変わりない。
そのためある意味では死よりも辛い状況であると言える。


【ロンダーズファミリー】

30世紀から20世紀の地球に逃亡してきたドン・ドルネロが旗揚げした犯罪組織。
ロンダー刑務所を本拠としており、刑務所内の圧縮冷凍された囚人達を解凍して金を集めるための配下として運用するようになるがトップであるドルネロはあくまで元締めでしかないので、上下関係はそこまで無く普通にタメ口を話す。

組織のトップであるドルネロの意向から、主な活動目的は「金儲け」という、戦隊でも類を見ない活動方針が最大の特徴。
囚人達はドルネロやリラ、ギエンの計画した金策や目的に応じて圧縮冷凍から解凍され、人間社会に溶け込んであの手この手で金銭や高価な金目の物を掻き集めてドルネロに献上している。

目的が金儲けなので犯罪組織らしい裏稼業から(表向きは)堅気っぽい事業まで多種多様な業態に手を染めていたのが特徴。時には事業の邪魔になるタイムレンジャー抹殺のために囚人を送り込むこともあった。
ただし構成員が概ねゴリゴリの犯罪者ばかりだったためか、水面下で地道にコツコツ資金源を得るよりはドカンと大金を荒稼ぎしようとする囚人が多数を占めていた。
作中終盤ではドルネロが20世紀で社会基盤を築くために本編の裏で多くの囚人を社会に潜伏させ、タイムレンジャーやシティーガーディアンズに悟られることなく資金を稼いでいたことが示唆されている。

いいか。(ここ)に空いちまった穴だけはいくら金つぎ込んでも埋まらねえ。絶対にな

CV:大友龍三郎
演:千本松喜兵衛

30世紀のマフィア、ドルネロファミリーのボス。地球での偽名は「金城銅山」
第一級犯罪により1000年の圧縮冷凍刑を宣告されたが、刑務所ごと空間転移を行って20世紀に逃走。そこでギエンやリラと共にロンダーズファミリーを立ち上げた。
金と昔馴染みを愛し、金が無いと熱が出る生粋の守銭奴。
しかし、金にならない殺戮や破壊活動は好まない常識人(?)。
詳細は個別項目を参照。

名前の由来はアメリカの通貨「ドル」から。


〜♪ やっと待ちかねた死がやって来る…
やはり破壊だ!やはり死だ!!ヒャハハハハハ!!

CV:戸部公爾

長身の機械化人間。全身金ピカ。
普段は冷静沈着で丁寧な言動を崩さないが、感情が高ぶると顔が展開し言動も狂気的になる。
アタッチメント式の左腕と、口に内蔵されたビーム砲を武器とする。
元は少々頭が悪いが、純粋無垢な人間だった。仲良くなったドルネロを匿ったために瀕死の重傷を負い、ドルネロが機械化改造で生き延びさせ、今の姿になった。しかし改造に使った電子頭脳の影響で、破壊と殺戮を好む残虐な性格に変貌してしまった。
詳細は個別項目を参照。

名前の由来は日本の通貨「円」から。

  • リラ
あたしの美貌よ?…1000万掛けて

演:久瑠あさ美
キャラクターソング:Frozen Beauty

ドルネロの愛人
愛人とはいえ曲がりなりにも犯罪組織の幹部であり、有事には光線銃で武装。
特に変装技術は超一流でありドルネロがまんまと収監前に脱獄せしめた最大の功労者である。そしてドルネロが直接動く時がドルネロに付き添って時には補佐も行うドルネロの秘書的立ち位置でもあった。

一人称は「あたし」
真面目・禁欲的・仕事熱心なユウリとは異なり、派手好き・強欲・享楽的・自己中心的を地で行くタイプ。
贅沢とお金が大好きでグルメ、美容、ファッション、バカンスなどあらゆる物に関心を持ち、欲しいものは必ず手に入れようとする欲深な悪女。
節約意識とは全くの無縁なので自分の欲を満たし美貌を磨くためなら金に糸目を付けない性格のため無駄遣いも多く、ドルネロの悩みの種。ドルネロとは金で繋がっている仲だったが、内心ではそれなりに好意も抱いていた。
なお、ドルネロにとっては死んだ母親に似ていたらしい。
ただしドルネロが家計簿を付けていたのは知らなかったらしく、それを知った際は驚きながら茶化していた。

Case Fail.47にて金を持ち逃げして事務所を後にし、そのまま消息不明となった。
ラストで事実上の未来の改変が起こった事を考えると、彼女も同様に生き方も大きく変わってしまったと思われる。

名前の由来はトルコの通貨「リラ」から。


  • ジャンクドロイド ゼニット
ギエンが開発した人型のロボット兵士で、小さなネジ状の部品から生み出される戦闘員。
薄茶色の個体がほとんどだが、中には金色のゼニットも存在する。

基本的に人語は喋ることは出来ないが、人間の姿に変身することもできその時は喋ることが可能。
戦闘やボディガード、エステティシャンのアシスタントに至るまで、囚人の犯罪に合わせて囚人達の指示に従い様々な雑務を淡々とこなす。
戦闘時にはマシンガンと剣が合体した武器を使い、金属音を鳴らす変わったステップを踏みながらタイムレンジャーと戦う。
誰でも倒せる雑魚戦闘員だがストーリー終盤、変身前のタイムファイヤー…滝沢直人を射殺するという快挙を成し遂げた。

金色のゼニットのスーツにはメタリックに光る特殊な素材が用いられている。顔の中央は覗き穴になっており、スーツアクターからは視界がよいと好評であったという。

名前の由来は日本の通貨「銭」から。


◆関連用語

  • 圧縮冷凍刑
ロンダー囚人達が受けている刑の総称。
この刑を受けた者は、肉体が数cmのミニチュアフィギュアサイズにまで縮小された上で肉体が凍りついたかのように一切動けなくなる。
加えて圧縮冷凍中は体は凍っていても脳は半分だけ動いている状態になる。
つまり、常に意識がある上に冷凍中故に加齢も止まるため寿命で死ぬことはなく、何らかの病に侵されていた場合それらの病の進行も停止する為、冷凍中に病死する事も無い。
他作品で例えると「動けはしないが、意識だけ覚醒した状態の凍れる時間の秘法といった所だろうか。
相当過酷な刑罰のようで、その辛さを「生き地獄」と例えた囚人もいる。
窃盗等の軽犯罪でも3回以上犯罪を働いた常習犯には適用され、また本来は圧縮冷凍になる程の罪でなくても、有力者が裏で手を回して圧縮冷凍の刑にされる事もある。

服役期間は劇中を見る限りでは短くて数年。数十年単位はザラで犯行が悪質ならば100年を軽く超える。
つまり、服役期間が長ければ長い程、生き地獄から解放される日は遠い。

  • 圧縮冷凍カプセル
500mlペットボトル程度のサイズの特殊カプセル。
囚人達は決められた服役期間中、この中で刑期を過ごす。
タイムレンジャーもこのカプセルをいくつか持っており、再度圧縮冷凍した囚人をこのカプセルに入れている。

  • 巨大化抑制シール
解凍された囚人は、解凍された反動で細胞が元の20倍という恐ろしいレベルに膨れ上がり、急激に肉体が巨大化する(通称「リバウンド」)。
それを防止する為にこのシールが貼られている。
デザインはロンダー刑務所のマークと思われる。
またシールの名を冠しているが、金属のような材質でできているような描写もある。

剥がしてしまうと再度圧縮冷凍される以外に小さくなる方法が存在しない為、一度剥がれてしまえば以後まともな社会生活を送ることは不可能。
言わば永遠に消えない罪人の印であり、このシールの存在を忌々しく思う囚人も存在する一方で逆に利用する囚人もいる。
圧縮冷凍を逃れる為の最後の悪あがきに剥がすのは勿論、リラやギエンに攻撃されて無理矢理剥がされたり、タイムレンジャーの攻撃を受けてうっかり剥がれてしまったりと様々。

  • ロンダー刑務所
元々はロンダー囚人を収容する30世紀の刑務所だが、時空転移に巻き込まれてタワーの天辺部分がドルネロ諸共20世紀の日本に転移した。
本編ではドルネロ達の本拠地代わりにされてしまったが、終盤ではドルネロが20世紀での社会基盤を築いた影響で本拠地としての重要性は減ってしまった。


【一般囚人達】

上記の通り金目的に悪事を働く犯罪者という性質から、以前の戦隊怪人の様に大規模な破壊活動や殺戮を決行することは少ない。
加えて犯罪歴も、殺人・強盗・誘拐・無差別テロを決行する者やマッドサイエンティスト等の凶悪犯の他、汚職警官、闇金業者、結婚詐欺師、ストーカー、悪徳業者、ハッカー、単にイキってるだけのチンピラ、エスティシャン、インチキ宗教家などピンからキリ迄。
犯罪歴が無駄に生々しく、性格も俗物的な奴等の宝庫で中にはみみっちい犯罪者もいるなど個性豊か。

本編内で描写されている限りだと、リラはドルネロの意向通り金儲けに長けた囚人、或いは自身の美容や贅沢暮らしを維持するのに役に立つ囚人を解凍する傾向にあり、
ギエンは金儲けよりも殺人行為や破壊活動に長けた囚人を解凍する傾向にある。

デザインは特筆のない限り原田吉朗が担当。



ヘルズゲート囚


やはり、破壊こそ極上の酒…!この興奮、このまま冷めるには惜しい…
もう少し、味わわせて貰おう?

フフフ…ハハハハハハハ!ハハハハハハハハ!!

数多くの犯罪者や凶悪犯を収監するロンダー刑務所の中でも指折りの凶悪犯達の総称。囚人たちの肩書は「ヘルズゲート囚」で統一されている。
彼等の入っているカプセルには髑髏のマークがプリントされた上で刑務所最深部の半永久独房に収められ、独房自体も専用の鍵で厳重管理されている。

特徴としてどいつもこいつも根っこから頭がイカれていて後先考えない大量破壊や大量殺戮位しか出来ず、金儲けには全く使えない。
その人格的な問題や、20世紀を荒らして組織の社会基盤を崩しかねない危険性からギエン以外の面々は彼らを忌み嫌っており、
ギエンがドルネロを欺き裏で無断で解凍した際は、身内に甘いドルネロすら激昂してギエンを殴り飛ばしおり、リラも「最悪」と呼んで存在そのものを唾棄する。
当初は破壊衝動に酔ったギエンが解凍するも、その凶行に激怒したドルネロが鍵を管理する事になる。
…が、2本目の鍵*7を隠し持っていたギエンが破壊衝動と殺戮衝動の赴くままに複数体を開放してしまった。

デザインは全て原田吉朗が担当。



【余談】

アリエナイザー同様様々な惑星出身の犯罪者であるため、デザインやネーミングにこれといった共通項は無い。

因みに前述のようにロンダ―囚人は「処刑」ではなく「圧縮冷凍される」設定なので、再生・幽霊的な怪人再登場ができず、
(サイボーグ的な奴もいるが)「製造される兵器」ではなく「そういう人間(異星人)」なので同型をもう一体作ったなどもできない。
『バットマン』などでよくある「囚人がまたまた脱走」という手もあるが、タイムレンジャーの管理が問われることになるし…。

この為Vシネマ「タイムレンジャーVSゴーゴーファイブ」にはボリバルの前座となる既知怪人軍団のポジは、

  • レイホウの姉ルピア
  • オーグの叔父バーツ
  • ドゴールの双子の弟レアル
  • ゲーマルクの又従弟ディナール
  • ブラスター・マドウの隣に住んでいたシリング
というそっくりさんの同族が親族の復讐として登場した。
ドモンも思わず「一族揃って犯罪者かよ!」とツッコミを入れている。

が、シリングは隣に住んでいたので親族ではない……それにしても、隣に住んでいたって…
前述のように間違っても人付き合いが出来そうもない奴のお隣さんがいて、生きていること自体が笑えるのは内緒




追記・修正は圧縮冷凍される覚悟でお願い致します。

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  • 反社会的勢力
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最終更新:2025年05月23日 09:54

*1 そもそも警官になったのもドルネロの悪事の手助けをするため

*2 実はギエンは本当は違う

*3 特にギエンを「金ピカ」呼ばわりして銃の手入れをさせるなど、まるで自分の手下のように扱った

*4 犯罪で大量に金は稼げるが、一気に稼ぐと基本豪勢に贅沢して過ごす事が原因。

*5 同年齢の子供だけでなく、最終的にサラリーマンや老人、カップル、幼児などにまで標的の範囲が拡大した

*6 あまり感情的にはならないタイムファイヤーも激怒する程である

*7 元々あった予備か、勝手に複製したのかは不明

*8 幸い、乗組員の勇気ある犠牲により悲劇は回避された模様

*9 リュウヤによると、本来の歴史では、この件で死亡する筈だったらしい