登録日:2017/09/27 (水) 21:32:10
更新日:2023/09/14 Thu 04:49:53
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◆概要
スーパーロボット大戦シリーズに登場する歴代
オリジナルキャラクター達が共演するドラマCD作品。
作品名にαと付いているが、αシリーズとの直接的なストーリーの関わりはない。一方で作中世界の暦はα同様に新西暦が採用されており、年表もαのものをベースにオリジナル設定のみで再構成されている。
また、
α外伝の発売直後だったためか、主題歌は外伝と同じく『鋼の救世主』が採用されている。
それまでのシリーズ中でも『魔装機神』や『超機大戦SRX』といった
オリジナルキャラクターによる世界観の構築が行われていたが、それらのオリジナル設定のみを用いて固有の世界観を構築・一本化し、1つの独立した作品として成立させたのはこの作品が初となる。
展開当初からゲーム化も視野に入れられており、ぞれを実現したのが『
スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATIONS(以下、OG)』であり、
このドラマCDは現在まで続くOGシリーズの原型になった作品でもある。
ストーリー展開も
SRXチームを主軸に、物語前半を
第2次スーパーロボット大戦で描かれたDC戦争を
オリジナルキャラクター達によって展開。
物語後半はスーパーロボットスピリッツの
攻略本に記載されたプレストーリー小説を下敷きにエアロゲイターとの戦いを描いた、所謂L5戦役とその最終決戦である『オペレーションSRW』を描いており、OG1リュウセイ編のプロトタイプと言うべき内容になっている(余談ではあるが、WSで展開されたCOMPACT2の
没データにR-1や
サイバスター等が存在するのは、OGを当初、WSで展開する予定だった名残である)。
また、ハガネやダイテツなど、OG1が初出と思われがちなキャラや機体の初出もこの作品。本編中には登場しないが、
ヒリュウ改やレフィーナなども付属ブックレットの設定資料集が初出である。
この設定資料集にはL5戦役中にマスタッシュマン=
ソウルゲインの存在も確認されており、OG1の隠しキャラとして
アクセルの登場が予定されていたことも併せ、この段階でOG2までの構想があったことが窺える。
また、ビルトラプターや
ビルトシュバインなど、αの図鑑や
攻略本収録の年表で設定が語られていたメカのデザインも本作でOG1の制作と並行して設定されたものである。
□リリース情報□
2001年4月25日発売。
内容は
ゲシュペンストMk-Ⅱのテスト運用中の
エルザムとエアロゲイターとの遭遇戦から始まり、
リュウセイの
SRXチームへのスカウトから南極事件を経てDCの決起までが描かれている。
2001年5月23日発売。
DCによる極東支部基地攻撃からハガネ発進とR-1起動、
サイバスターの合流とアイドネウス島でのDCとの決戦が描かれる。
2001年7月25日発売。
ビアンの敵討ちに燃える
リューネと
マサキの決闘から始まり、ホワイトスターの出現、
SRXチームとATXチームの模擬戦を経てイングラムの離反までを収録。
□登場人物□
ここでは主にゲーム版との差異について取り上げる。
ご存じ
SRXチームのR-1パイロットにして本作の実質的な主人公。基本的な描写はOG1と変わらない。OG1で賛否のあった
クスハとの
幼馴染設定はこの作品が初出。
テンザンが登場しない為、
ライバル不在となる前半はライとの衝突が目立つ。
クスハがエアロゲイターに拉致された後の
ブリットとの衝突はOGsでの改変の結果、なくなってしまったが、本作では
三木眞一郎と
杉田智和の熱演で聞くことが出来る。
ゲームでは断片的に語られるのみだった
ヒュッケバイン起動実験の失敗による事故で左手を失うまでの詳細な経緯が描かれている(ただし、このドラマCDの前にリリースされたイメージアルバムの天空の章で挿入されたドラマ内でも描かれており、この作品が初
というわけでもない)。
ジュデッカとの戦闘で大破した状態で
SRXが大気圏に突入し、リュウセイを救うために分離してR-2を
盾にするというラストはスーパーロボットスピリッツがベースである。
イングラムとの決戦の最中、念動力の逆流によって意識を喪失。イングラム戦後にジュデッカの攻撃を受け
SRXが大ダメージを受けた際、いざという時にはアヤを逃がすつもりでいたリュウセイとライの手でR-3を分離されるなど終盤は不遇(この際、故障で合体解除が出来なかったため、ライが義手で強制解除を行っている)。
上記のような扱いの為、レビとの絡みはなく、
ギリアムが登場しない為、レビの正体がマイであるということも明かされていない。
SRX合体失敗後にゲーム版同様に離反。オペレーションSRWではR-GUNの強化改造機と思われる機体に搭乗。おそらく
R-GUNリヴァーレの原型になった機体であると思われる。
離反後もリュウセイ達との戦いを通じて彼らの力を引き出すことで自分を倒させる事を目論んでいるような言動をしている。
OG1同様にこの時点での
ユーゼスの動向が全く言及されておらず、そもそも名前すら出てこないので、この作品でのイングラムがどのような状態だったのかは明らかにされていない。その為、彼の真意も不明となっている。
終始エアロゲイター側の指揮官として登場。
ゲームと違い彼女とイングラム以外にエアロゲイターの指揮官が登場しない為か味方になることもなく、オペレーションSRWの際にはエゼキエルに搭乗。至近距離から
アルトアイゼンの
クレイモアを受けて機体が大破し生死不明となる。
エアロゲイターの大ボス。
セプタギンが登場しないので
ラスボスも務める。
ユーゼスやラオデキヤが登場しないので
バルマーがどうなっているのか不明だが、所々にバルマー本星の指示で動いていることを匂わせる発言をしている。
上記のようにアヤとの絡みはない。
終盤、ジュデッカの圧倒的戦闘力で連邦軍に大打撃を与えるも、ハガネのトロニウムバスターキャノンを使った
SRXの天上天下一撃必殺砲を受けて念動フィールドを破られ、スパロボ御馴染みの集中攻撃の末に
サイバスターの放ったコスモ・ノヴァでトドメを刺される。
アイドネウス島での決戦の際、ビアンから
ガーリオンを与えられてハガネ隊を阻む。
オペレーションSRWではスピリッツプレストーリー同様、
ヒュッケバインMK-Ⅱで
SRXチームを援護する。
最後までハガネのオペレーター。PTには搭乗しない。ついでにリョウトも登場しない。
ビアンのトドメを刺し、レビのトドメを刺し、とリュウセイを差し置いて主役級の活躍をする様は後のアニメ版であるディバイン・ウォーズを暗示するかのようである。
相変わらず謎めいた言動が多い。やはり邪神ヴォルクルスに
洗脳されているのだと思われるが、作中では明らかになっていない。
ちなみにブックレット設定では南極会談の際にエアロゲイター側がイングラムの他にも地球に工作員を送り込んだと解説されており、交渉に来た「ゲスト」はどうやらゾヴォークではない模様。その為、グランゾンに用いられているEOTもα設定に準じてエアロゲイター由来と思われる。
声が付いたのはこの作品が初。
博打好きなど性格付けがIMPACT以降に準じている。リリース時期を鑑みるにIMPACTとOG1の開発が行われたのは同時期と考えられるので、その際の設定を
ゲームに先行する形で取り入れた可能性がある。
キョウスケ同様にこの作品から声が付いた。
アインスト関連と思われるシャトル事故の設定もブックレットに記載されているが、本編では言及されていない。キョウスケ同様、IMPACTに先行したゲスト出演の赴きが強い。
□登場メカニック□
ここでは主にゲーム版との差異について取り上げる。
◆
SRX
L5戦役中に初合体を成功させ、イングラムと死闘を演じるも大破し、R-3部分を分離。ジュデッカの念動フィールドを打ち破るため、投棄されたハガネのトロニウムバスターキャノンと強引に接続、天上天下一撃必殺法で念動フィールドを打ち破るも、反撃を受け大気圏へと落下していく。
ちなみに大気圏を落下していく大破した
SRXの姿はD-4のジャケットイラストにも描かれており、第三次αで出てきていきなり大破状態だった
SRXと破損個所がほぼ同じだったりする。
本作が初登場。アイドネウス島での決戦の際にビアンが新型機としてエルザムに与える。
ゲームと違い、作中ではエルザム機しか登場していない。
基本的にはゲーム版と同様にブリットが搭乗。音声だけの媒体かつ、
ヒュッケバイン問題が発生する前の作品だったのでバニシングしたりはしない。
ブックレットの解説によればブリットとエルザムの機体であるRTX-010とは他にマオ社内の
テスト用に型式番号をPTX-010とする機体が3機生産されている。
OG1のキョウスケ編で
マオ社がコロニー統合軍に制圧された際にはその設定に全く触れられていないので、どうやらゲーム化に当たってバニシングされた模様。
どういうわけか本機のGインパクトキャノンがアイドネウス島の固定砲台として配備されている。ゲーム版では移動砲台(OGsではM-ADATS)に置き換わっているが、αのDC日本支部でGインパクトキャノンを開発していた繋がりなのだろうか。
ゲーム版同様に
クスハが搭乗。
ブックレットの解説によるとクスハ機であるSRG-02の他、トライアル用のTSR-02が3機のみ生産とのこと。
◆R-GUN強化改造機(仮)
オペレーションSRWの際にイングラムが搭乗した機体。ビジュアルや具体的な設定がされておらず、作中でこの機体を見たライがその姿からR-GUNの改造機と推定している。
ガン・スレイヴやアキシオン・バスターを用いて
SRXと死闘を演じてリュウセイ達を苦しめる等、明らかに
R-GUNリヴァーレの原型になった機体である。
イングラムがOG1で
アストラナガンに乗ってこなかった理由はこのドラマCDの再現の為。
本作は何故
アストラナガンではなかったかの説明はないが、「裏切ったイングラムが乗っているのが、(リュウセイ視点で)すぐに分かるように」ではないかと推測されている。
最終決戦の最中に長々と新機体の説明とか盛り上がらないしね。
追記・修正をお願いします。
最終更新:2023年09月14日 04:49