野球仮面(秘密戦隊ゴレンジャー)

登録日:2017/10/03 Tue 20:14:32
更新日:2024/04/18 Thu 17:44:45
所要時間:約 9 分で読めます





ぬはははは!いよいよホームラン王の登場か!
あ、腕がなるう~よ!

出典:秘密戦隊ゴレンジャー/東映/第53話「赤いホームラン王!必殺の背番号1」/1976年6月5日放送

野球仮面とは、『秘密戦隊ゴレンジャー』に登場した、黒十字軍の仮面怪人である。


【プロフィール】

身長:191cm
体重:86kg
出身地:甲子園球場
声:永井一郎


概要

第53話「赤いホームラン王!必殺の背番号1」に登場。

火の山仮面マグマン将軍の配下であり、イーグルに逮捕され終身刑となったた黒十字軍の大量殺人兵器の研究家・死神博士(※ショッカーの方とは無関係です)をイーグル刑務所から脱獄させるべく、出動命令が下った。冒頭のセリフはその時のものである。

巨大な野球ボールに目が付いた頭に黒い野球ユニフォーム、
背番号「1」*1の入ったマント、武器として赤いバットを所持……という、数いる仮面怪人の中でも一際モチーフが分かりやすい、インパクトの塊のような姿をしている。
さらに、配下のゾルダー達も野球の背番号2から0が入っていてキャッチャーのチェストプロテクターを付けた者までいる。野球仮面からしたら彼らは兵隊であると同時にチームメイトであり「カワイイ兵隊」と呼んでいる。登場した際には、彼らと共にトレーニングに励んでいた。時には青や緑などのカラフルなバットを持って戦った事も。
声優が声優であるためか、部下を叱る際には「バカモン!」どこかで聞いた感じで怒る。

その野球のボールそのままというインパクトある姿と永井氏の声によるコミカルな言動、
更にゴレンジャーハリケーンを一度は破る実力と部下想いな一面を持っているためか、数あるスーパー戦隊シリーズの怪人でトップクラスの人気を誇る。




活躍

マグマン将軍の命を受けてイーグル刑務所の周囲を探っていると、運動でキャッチボールをしていた受刑者のボールが塀を越えて飛んで来た。野球仮面はそれを自前のボールにすり替えて打ち込むと、ボールは死神博士の目の前にまで飛んでくる。博士がそれを開いて中に入っていたカプセルをこっそり飲み込むと、突然苦しみだして倒れてしまう。
刑務所の医師が診断するが、既に博士は心臓麻痺で死んでしまっていた。
刑務所の規則で死神博士の死体を検死のため大学病院まで運ぶ最中、突如として野球仮面とその配下のゾルダーが襲いかかって来た。

大太「何者じゃいお主は!?ボールのバケモノか!」
野球仮面「そぉりゃ失礼だろうがぁ!黒十字軍のホームラン王!野球仮面は、背番号、ぁ「1」ぃ~!!」

野球仮面は、死神博士を刑務所から出すためにあえて殺し、生き返らせるのだと企みを明かすと、頭の部分のフタを開き、内蔵されていたピッチングマシンから大量のボール爆弾を発射して爆発させる。
ゴレンジャーが変身をすると、ゾルダーと自分の9人に補欠の0番を含めたダイナマイト打線でゴレンジャーを迎え撃つ。

出典:同上
0番「オレは補欠だ!」


互いに円陣を組んで気合を入れて戦い始め、ゾルダーたちがあっけなく蹴散らされると、自慢のバットとピッチングマシンで圧倒、更には自らゴレンジャーハリケーンを放って来いと「ゴレンジャーハリケーンを、忘れたのかっ?」と言い挑発する余裕を見せる。

出典:同上

ゴレンジャーはご期待通りに『ゴレンジャーハリケーン・ストレート』を放つが、アッサリと一本足打法で打ち返されてしまう。
戦っている間にゾルダーが死神博士を奪い返すと、そそくさと退散してしまう。ゴレンジャーハリケーンの効かない強敵・野球仮面に、ゴレンジャーは戦慄した。

奪い返した死神博士は特殊な装置で生き返り、スイッチで爆発する大量殺人兵器『ボール爆弾』の開発を始めた。しかし、野球仮面は爆弾の実験にかわいいゾルダーを殺されて死神博士に詰め寄るが、博士は「ゾルダーなど消耗品だ!天才のわしのやる事に文句があるのか!」と返され、更にマグマン将軍からも「お前は黒十字軍の行動隊長!さっさと次の作戦にかかれ!」とどやされる始末であり、死神博士に恨みを抱く。

野球仮面の次なる作戦は、ガスタンクをボール爆弾の入れ物に改造する事であった。40万個のボール爆弾をガスタンクに詰め込もうという作戦であり、爆発すれば10km四方の人間が皆殺しになってしまう。
先ほどの件もあり野球仮面と死神博士がいがみ合う中スイッチが押されようとしてしまうが、そこに潜入していた海城が乱入、爆破装置を壊されて不発になってしまう。怒り狂い死神博士と競い合うように追いかけるが、そこに残りのメンバーも合流し、ついに決戦の時が来た。

野球仮面「さあ~戦え黒十字軍!お前らは黒十字軍の、星になるのだ~!」
キレンジャー「どっかで聞いたことのあるセリフじゃい!」

死神博士の試合開始の会図と共にゾルダーと共に迎え撃つが、死神博士が戦場で出しゃばって新型銃を撃ち、それがバットに当たって穴が開いてしまう。それに怒った野球仮面は、ついに我慢の限界が来てしまい、ゾルダーに命じて博士を処刑してしまう。

出典:同上

「ゴレンジャー、お前らも『死刑!』だ!」(がきデカのあのポーズで。)

対するゴレンジャーは、ゴレンジャーハリケーン・変化球を野球仮面に放つが、ミドのアンダースローとアオのスローボールであっという間に空振り2ストライクとなってしまう。
実はボールは野球で負けて帰って来た太郎の発言をヒントにモモによってリモコン式で自在に動くようになっていたのだが、そうとは知らない野球仮面は、ホームラン王の面目に賭けても打つぞと躍起になる。しかし、リモコンでフヨフヨと動くボールについに疲れ果ててしまい、へたり込んでしまった。

出典:同上

「うーん、ついに引退の時がきたかぁ~………」


\コツン/
出典:同上

「あ痛~!!」



出典:同上

「うーん、サラバ!!


そして、へたり込んだ野球仮面の頭へ変化球のボールが直撃し、野球仮面は倒れ爆発四散。
こうして野球仮面は、黒十字軍の恐ろしい作戦と共に散ったのであった………


今回の失敗で後がなくなったのか、次の話でマグマン将軍は移動要塞ナバローンによる『ローラー作戦』を決行した。








追記・修正は野球勝負に勝ってからお願いします。



画像出典:秘密戦隊ゴレンジャー/東映/第53話「赤いホームラン王!必殺の背番号1」/1976年6月5日放送














ウーーーッ!






ウグイス嬢「大変長らくお待たせいたしました。これより、試合開始でございます。」


「なんだなんだ?」



ウグイス嬢「バッターは1番、指名打者―――」






DH









野 球 仮 面 !

画像出典:海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船(2011年8月6日公開) より
@東映、劇場版「オーズ・ゴーカイジャー」製作委員会



時は流れ2011年、35年の時を経て『海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船』にてまさかの復活!!
勿論、着ぐるみは新規造形!


「生まれ変わった野球仮面、とだけ言っておこう。この俺と、野球で勝負だ!」


幽霊船内に出現した野球場でゴーカイジャーを出迎え、彼らに野球勝負を申し込む。
ゴレンジャーと野球対決をしたときは左打席*2だったが、前回はそれで負けたので右打席にスイッチしている。


「懐かしい!35年ぶりだのう!燃えてきたぞぉ!」


ゴーカイジャーがゴーカイチェンジしたゴレンジャーの姿に感涙しつつもバッターボックスに立ち、ゴーカイジャーの『ゴレンジャーハリケーン・チアガール』に立ち向かう。
しかし、生前と同様にアンダースローとスローボールで2ストライクに追い込まれてしまい、
向えた三球目にはボールが割れて出現したチアガールに見とれてしまい、三振を許してしまった。



「ンンッ…老兵は去るのみ……若返れ野球界~!」



コンッ(投げ捨てられたボールが脳天に直撃)



野球仮面「あいたーっ! うーん、サラバァァァァァァァァ!!


またしても敗れ去った野球仮面は、35年前と全く同じ断末魔で散っていくのであった……。



ゴレンジャーハリケーンを破った強敵で人気のある怪人とはいえ、ストーリー上重要なキャラクターではない彼が復活できた理由は不明。
しかし、登場した敵の順番を見てみると、

戦闘員軍団→野球仮面(一般怪人)→エージェント・アブレラドロイド軍団(幹部怪人)→ロスダーク(親玉)

と、特撮の敵組織の登場順番になっており、一般怪人の中でも人気のある彼が選ばれたのかもしれない。

声優はオリジナルと同様に永井氏が務めているが、永井氏は2014年に亡くなってしまったため、氏の演じる野球仮面はこの映画で永久欠番となってしまった。



その後、『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』にも登場(声:堀秀行)。
デンライナーで1976年に来たジョー・ギブケン達の前に現れるが、駆けつけたアカレンジャーのレッドビュートを受けて一瞬にして倒された。



「そりゃないぜセニョール!!」



そして2017年、『アメトーーク』の姉妹版日曜もアメトーーク』の「スーパー戦隊大好き芸人」にも特別映像で登場。
声優は毎度おなじみ関智一氏が務め、何故か芋長の芋羊羹を食べると「巨大モンガー!!」と叫びながらまさかの巨大化!!*3
バラエティ番組とはいえ仮面怪人初の巨大化を果たし、テレビ朝日の本社ビルを破壊しだした。


「テレ朝がなんぼのもんじゃーい!」


そこにカズレーザーが同乗したキュウレンオー(01,02,06,07,09)が駆け付け、仮面怪人初の巨大戦*4を繰り広げる事となった。
地獄の千本ノックフライングヘッドバッドでキュウレンオーを追い詰めるが、千本ノックはカズレーザーの持ちネタ機転で跳ね返され、


カズ「ここWi-Fi飛んでるな。」
シシレッド「見えんのかい!!」


最期は会場(及び視聴者)の声援を受けた特殊な必殺技「キュウレンオーアメトーークブレイク」を喰らって爆死した。
この時、関氏の声という形ではあるが辞世の句が再現された。


野球仮面は番組内でも紹介されていたが、キュウレンオーの対戦相手に選ばれたのは初代ゴレンジャーの怪人である事と、宇宙戦隊キュウレンジャーの変身アイテムがキュータマであり、そのつながりで野球ボール型の頭部を持った彼が選出されたと思われる*5
なお、この放送から数ヶ月たって『キュウレンジャー』本編にも野球モチーフの怪人が現れる事に……
更に偶然とは思われるが、関氏は芋羊羹が登場する作品にて、野球仮面と同じく野球ボールがモチーフの怪人HH(ヒューヒュー)デーオを演じていた。

2021年に放送された特撮ドラマ『ザ・ハイスクール ヒーローズ』には野球仮面を元ネタにした「野球魔人」が登場する。

映画『機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い!オール戦隊大集会!!』では、スーパー悪者ワルドが召喚した「悪名高い悪者達」の1人として召喚された。

同じく映画『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』にも、怪人軍団の一員として登場している。


追記・修正は野球のバッティング練習の合間にお願いします。


この項目が面白かったなら……\サラバ/

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最終更新:2024年04月18日 17:44

*1 放送当時の王貞治と同じ。

*2 背番号と同様、王貞治氏が左打席であったのが元ネタか。

*3 この時、機械生命体の巨大化時と同じモーションが再現された。

*4 スーパー戦隊シリーズで巨大ロボットが登場したのは第3作『バトルフィーバーJ』、怪人の巨大化は第4作『電子戦隊デンジマン』から。

*5 実際キュウレンオーと対峙した時、「ド真ん中に打ちやすそうなタマがあるのう」とコメントしている。