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ドラえもん のび太の宝島

登録日：2018/04/13 Fri 22:00:00
更新日：2025/04/30 Wed 10:18:37
所要時間：約 10 分で読めます





見つけたのは、宝物以上の、宝物。

勇気と友情は、海賊にも奪えない宝物だ。



「ドラえもん のび太の宝島」とは、2018年3月3日より公開された、映画ドラえもんシリーズ38作目の映画作品。

監督は今井一暁、脚本は川村元気。

シリーズ初のOPが無い作品であり、原作者と監督のクレジットが冒頭に映るのみとなっている。
海賊と宝探しといった要素や同じ原作の回を元にしたシーンがあることで南海大冒険と比較されやすいが、こちらは古典児童文学の『宝島』をモチーフとした完全オリジナル作品である。

●目次

概要

監督＆絵コンテはテレビシリーズのスタッフである今井一暁、脚本は『君の名は。』のプロデューサーを務めた川村元気、キャラクターデザイン＆総作画監督は亀田祥倫、音楽は『半沢直樹』や『真田丸』などを手がけた服部隆之と、主要スタッフは全員映画ドラえもん初参加という今までにない布陣となっている。
キャラクターデザインはいわゆる『旧ドラ』『大山ドラ』時代のものに近い、初期からのファンにとって懐かしく感じるデザインへと大幅に変更されている。

主題歌を歌うのはドラえもんの大ファンである星野源で、曲のタイトルはズバリ『ドラえもん』。
(日テレ版ドラえもんのOP曲と同じ名前だが)、原作者の言葉や過去作を連想させる歌詞をはじめとして、間奏に『ぼくドラえもん』のメロディが使われていたり、CDのデザインが例のあのシーンだったりとまさにドラえもんに相応しいものとなっており、2019年10月からはテレビ版オープニングにも採用されている。
他にも挿入歌『ここにいないあなたへ』を担当しており、こちらは本作のゲストキャラクターの背景にマッチした切ない曲である。

全編に渡りアニメ映画史上トップクラスの作画を見せ、時間を忘れさせるような怒涛のテンポにより興行収入はもちろん、観客動員数も29年ぶりに映画ドラえもん歴代記録一位を更新。あまりの大ヒットぶりに入場者特典の生産が追いつかないという珍事が起こっている。

2011年に刊行された『のび太と鉄人兵団』以来、久々に小説版も発表されている。

ストーリー

「宝島を見つける！」とジャイアンたちに宣言したのび太は、ドラえもんのひみつ道具“宝探し地図”を使って宝島を探すことに。地図が指し示した場所は、なんと太平洋上に突然現れた新しい島だった…
ノビタオーラ号と名付けられた船で宝島に向かったのび太たちは、あと少しで島に上陸というところで海賊たちから襲われる！急に現れた敵に立ち向かうのび太たちであったが、戦いのドタバタのなかでしずかが海賊船にさらわれてしまう！
海賊に逃げられた後、のび太たちは海に漂う一人の少年フロックとオウム型ロボットのクイズと出会う。フロックは海賊船から逃げ出したメカニックで宝島の重要な秘密を知っていた！はたしてのび太たちは海賊からしずかを助けることができるのか！？そして宝島に眠る財宝に隠された秘密とは一体！？*1

キャラクター

いつものメンバー

ご存知我らが22世紀のタヌキネコ型ロボット。
今作では歴代映画と比べて頭が回る指揮官として描かれているが、慌てるポンコツなのはいつもと変らず。何故かポケットからタコとイカ(何故か一瞬だけだが出前の寿司や凧まで)しか出てこないといういつものアレっぷりを発揮する。
しかしクライマックスでは、とある大ピンチを食い止める為体を張った大活躍をする。


心優しきヘタレ眼鏡。「落ちこぼれた君」*2。
今回は「もし宝島が見つからなかったら鼻でカルボナーラを食べる」という過去最大級の大口*3を叩くも宝探し地図で宝島を見つけるというミラクルを発揮し無事回避。
しかし出発する前に、些細なことからパパと喧嘩してしまい、実質家出同然で旅立つことになるが、この喧嘩が後半で重要な要素となる*4。
クライマックスでの全力疾走は必見。

皆のアイドル。「静かなあの子」。
今回は攫われ姫役なため年相応に弱い所を見せるシーンが多め。風呂シーンもあるよ！

歌好きガキ大将。「彼の歌も誰かを救う」。
太平洋上に新しく発見された島へ手作りのイカダで一番乗りしょうという無茶苦茶な計画を立てる。今回は『男らしさ』にやたら拘っており終盤の男を見せるシーンはまさに劇場版ジャイアン。前作でのヘタレぶりを見事に払拭してみせた。
フロックとは当初こそスネ夫共々衝突が絶えなかったが、次第に友情を深めていった。

スネちゃま。「拗ねた君」。
「男らしさってなんなのさ…」とジャイアンに振り回されるも今回は驚くことにヘタれる場面が殆ど無い。戦闘シーンでは時限バカ弾＆透明マントでのNINJAムーブを見せるなど活躍度は過去最大級。

優等生にしてのび太の恋敵。「出来すぎあの子」。
タイトル表示前の冒頭シーンにのみ登場。
『宝島』を現代風にリメイクするという構想を披露し、のび太に冒険のきっかけを与える。
映画出演は実に『STAND BY ME ドラえもん』以来4年ぶりであり、本作から『のび太の地球交響楽』まで、6作連続で出演していた。


ゲストキャラクター

  • フロック(CV.山下大輝)
海賊船から脱出して来たメカニックの少年。ひみつ道具を改造して性能を底上げしたりとその腕前は天才的。シルバーが進めている計画を許すことが出来ず、しずかちゃんの救出に手を貸すついでにセーラも海賊船から脱出させようと目論んでいる。
過去の出来事から性格は荒んでおり、当初はジャイスネに手荒な扱われ方をされたこともあってのび太たちを信用していなかったが、次第に友情を深め心を許すようになっていく。

オウム型の子守ロボット。伝えたいことをクイズ形式で出題するため、意思疎通するためにはそれを解く必要がある。22世紀出身のドラえもんから見てもかなり高度なテクノロジーで構成されており、フロックのプログラミング用の端末としての機能も持つ。

フロックの妹。髪色以外はしずかちゃんそっくりな顔をしている。海賊船の食堂でパン職人として働いており、彼女のフレンチトーストは店の看板メニューになっている。しずかが連れてこられたのは自分の容姿のせいだということに即座に気づき隠れる居場所を用意するなど責任感が強いが、それ故に父と父に反発する兄との間で板挟みになっている。

シルバーの部下。ツートンカラーのヘアスタイルが特徴。海賊らしく豪快な性格*6でしずかをセーラと勘違いして海賊船に連れ帰ってしまう。歴代映画でも屈指の剣士で、その腕前は至近距離から空気砲の空気弾を四つに切り捨てるほど。セーラの作るパンが好物で、本人曰く「ムシャクシャした時はこれに限る」とのこと。
当然ながら海賊経験のある同名の王女とは関係ない。
…だが、後にとある大海賊の子供を早見女史が演じる事になるのは内緒である。

ビビの夫。スネ夫の口車にノセられたりとうっかり屋な性格で、ヘマする度にビビにシバかれている恐妻家。自由自在に伸びる義手の両腕による二丁拳銃の使い手で、僅かな気配で透明化しているスネ夫に銃を突き付けたりと戦闘センスは抜群。
声を演じる大友氏は他局の人気海賊アニメにおいてもとある大物海賊を演じていた。さらにこの人物も左手が義手で、乗っ取ろうとした国の王女の名はなんと妻と同名のビビ。おまけに部下にはセーラと同じ声のエージェントもいた。
全く無関係な世界なのに･･･何とも奇妙な一致である。
とはいえドラえもんのレギュラーキャストにもママ声の海賊女王に先生声の海賊、スネ夫声の殺し屋にドラえもん声の女剣士とかいるし、後にジャイアンの声の人も船大工の後任としてそっちに参加するのは別の話。

  • トマト(CV.サバンナ高橋)
ビビとガガの手下。ロシア系の大柄な海賊で、セーラとして連れて来られたしずかちゃんのことを「イメチェン」で済ますなど大らかな性格。上記の通り芸能人ゲスト枠でそこそこ台詞もあるのだが初見ではまず気づかないレベル。

  • マリア(CV.亀井芳子)*7
海賊船内で食堂『マリア亭』を営む元女海賊。店は海賊たちの憩いの場になっているため半ば治外法権となっており、セーラの助手として雇う形でしずかを匿う。

  • フィオナ(CV.長澤まさみ)
フロックとセーラの母。高名な科学者で海賊船の元になった船の設計者。地球の新エネルギー*8の研究をしていたが、5年前に地球に与えるリスクを解決できないまま志半ばで亡くなる。

本作の黒幕。過去現在未来を自由に行き来し、ありとあらゆる財宝を海底からかき集めている時空海賊の船長。ビビ曰く「いつ見ても背筋が凍るような眼」。
ネタバレ注意

登場するひみつ道具

  • 組み立て帆船（ノビタオーラ号）
宝探し用の帆船。プラモデルの要領で組み上げてビッグライトで大きくすることにより本物の船として使用できる。見た目に反して気象レーダーや自動航行機能付きとハイテク。
ただ、製作途中でメインマストがポッキリ折れてしまったため、そこを絆創膏で補修してある。そのせいでその部分が脆い。

  • なりきりキャプテンハット
船から見える景色を大航海時代のカリブ海風に変換する帽子。自動翻訳機能や船長して目が合ったものを強制的に命令させることができる。

  • 蛍光方向クラゲの種
海に撒くことで目的地までの矢印の形に隊列を組んで光るクラゲ。一匹だけ水恐怖症の『クラゲちゃん』がおり、しずかちゃんがポケットに保護していたことで…

映画ドラえもんでは実に二十数年ぶりの出番。ノビタオーラ号の水兵として航海の補佐を担当。終盤での活躍は非常にカッコよく、まさに本作のMVP。因みに映画公開の数ヶ月前にはアニメで「ミニドラどーこだ」という画面に隠れたミニドラを探すミニゲームがあった。










進路南南東！追い風良好！新ページへ向けて追記！修正！



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最終更新：2025年04月30日 10:18

*1 映画公式サイトより引用

*2 あからさまにのび太を差した箇所であるにもかかわらず、星野源は「この歌のび太だけ出てこないですね」と言われたという。

*3 「のび太の恐竜」でも同じようなことを言っている。が、今回はしずかとの世間話でそれを聞かされたセーラはドン引きした

*4 一応ドラえもんはのび太の両親には「しずかちゃんと海へキャンプに行く」と説明している。

*5 テレビシリーズではSP「ドラえもんの青い涙」に登場するベルを担当していた。

*6 セーラ曰く「雑」

*7 テレビシリーズではのび太の息子・ノビスケの声を担当している。

*8 シルバー曰く『地球の生体エネルギー』

*9 タイムマシンの表記は『AD.2250→AD.2295』