カオス・アンヘル-混沌の双翼-(遊戯王OCG)

登録日:2024/11/13 Wed 23:00:17
更新日:2025/04/11 Fri 20:58:29
所要時間:約 3 分で読めます




《カオス・アンヘル-混沌の双翼-》とは、遊戯王OCGに存在するカードの1つ。
2023年1月14日発売の第11期最後のパック「CYBERSTORM ACCESS」に収録。

カードテキスト

《カオス・アンヘル-混沌の双翼-》
シンクロ・効果モンスター
星10/闇属性/悪魔族/攻3500/守2800
チューナー+チューナー以外の光・闇属性モンスター1体以上
このカードをS召喚する場合、自分フィールドの・闇属性モンスター1体をチューナーとして扱う事ができる。
(1):このカードが特殊召喚した場合、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを除外する。
(2):このカードは、このカードのS素材としたモンスターの元々の属性によって以下の効果を得る。
●光:自分フィールドのSモンスターは相手が発動したモンスターの効果を受けない。
●闇:自分のモンスターは戦闘では破壊されない。

概要

直前のパック「PHOTON HYPERNOVA」でカテゴリ化したカオスシンクロの追加カード。
「混沌の双翼」の名を示すように、天使と悪魔の翼を持つシンクロモンスター。
各所が《カオス・デーモン-混沌の魔神-》に近く、その上位版のようにも見える。
左右の掌には白と黒のエネルギーを握りしめており、カオスの力を操る存在であることをありありと示している。

性能

召喚条件

まずは効果の前に、その特異な召喚条件から触れる。
非チューナー側は光or闇属性の指定があり、これはさほど珍しい条件ではない。
一方でチューナー側には指定がないどころか、チューナーではない光or闇属性モンスターをチューナーの代わりとして使用できるという極めて特異な効果外テキストを持つ。
11期時点でも汎用性の高い光・闇属性のチューナーは多くS召喚のハードルは下降傾向にあるが、このカードの場合はそうしたチューナーすらも不要になる。
これすなわち、普段S召喚しない光・闇デッキでもチューナーを採用せずに(デッキ構成を大きく弄ることなく)このカードをS召喚できることを意味する。

とはいえS召喚である以上、チューナー不要でもレベルを合計丁度10にする必要はあるため、L召喚ほど汎用的ではない。
該当属性を擁するデッキでも召喚制限を持つテーマ低レベル主体のテーマで出すのは当然、難しいだろう。

一方で影響が大きいのが、時代が近くレベル6・闇属性が中心で、光・闇属性デッキで汎用性抜群なビーステッドの存在である。
要はビーステッド+適当なレベル4ということだが、レベル4はテーマ内の下級モンスター枠で自然に用意できるデッキが多く、ビーステッドを無理なく採用できるならこちらも採用が見込めるということである。

無論ビーステッドに限らず「容易に自己特殊召喚できる光・闇上級モンスター」を擁するデッキであれば、取り回しは容易になる。
当てはまるデッキであればリンク2モンスター並の感覚で出せるレベル10シンクロモンスターとなる。
そして、このモンスターはちゃんとレベル10シンクロモンスター相応のパワーを備えているのだ。

ちなみに「チューナーとして扱う」なので当然S素材扱いになるため、《ガガガマジシャン》等の「S素材にできない」カードを用いることはできない点は注意。

効果

(1)は特殊召喚時にカードを除外する効果。
対象はとるもののカードの種類、向きを問わずどれでも1枚除外できる。
S召喚に限らず蘇生や帰還、召喚条件を無視した特殊召喚でも発動できるため、《ホップ・イヤー飛行隊》などで相手ターン中に出せれば意表を突けるかもしれない。
特にこの効果は回数制限が無いため2回以上のS召喚や、他には一度効果を使った後に《魔界特派員デスキャスター》のL素材にし、あちらの効果で蘇生させる事で2枚除外できる。
???「今こそ私が動くとき!」
ただしS召喚ではない場合は(2)の効果を使用できない事は忘れずに。

この手の除去効果は先攻1ターン目では使用機会が無く持て余す事もあるが、このカードの場合は(2)効果もあるので、先攻1ターン目で出してもそれなりに機能する。


(2)は素材に応じた耐性付与効果。

光属性を素材にした場合、自分のSモンスターは相手が発動したモンスター効果を受けなくなる。
昨今では除去をモンスター効果に頼るデッキが大多数のため、この耐性が働く場面は多い。
ただし前述の「普段S召喚しないデッキでも使える」点を鑑みると、専ら自分専用の耐性として用いる事例も多い。
いずれにせよ攻撃力が高く、比較的簡単に出せるモンスターにしてはかなり強度の高い耐性である。

闇属性を素材にした場合、自分のモンスターは戦闘破壊されない。
これはSモンスターに限定せず、自分の場の全てのモンスターに適用される。
自身のステータスの高さもあって光属性の耐性と比較すると一見地味だが、結界像などの影響力が高く攻守値が低いモンスターを保護できる点は大きな長所である。

そして、光属性と闇属性のモンスターを両方素材にした場合は、両方の効果が適用される。
非常に強固な耐性を展開することになり、モンスターでの突破はかなり厳しくなる。フルモンは死ぬ。
一方で魔法罠に対する耐性が一切無い点には注意したいところ。
ちなみに(2)の光闇両方が機能している状態は「完全体アンヘル」と呼ばれることが多い。


総じて緩い条件ながら高攻撃力+除去+耐性を兼ね備えた汎用シンクロモンスター。
自己完結性の高さと対モンスター性能の高さに加え召喚条件の緩さから、場面を選びにくいのも使いやすいポイント。
優勢時のダメ押しは元より、召喚難度の低さから消耗した時の挽回・時間稼ぎとしても機能するカードといえるだろう。

採用デッキ候補

召喚条件と効果の都合上、光・闇属性モンスターを主体としたデッキでの採用が基本となり、その上で「合計レベル10となる盤面を無理なく構築できるか」が大きな焦点となる。
チューナー不要とは言え下級モンスターのみでS召喚を狙うと3体以上の素材が必要になり、流石に消費と利益の平衡を保てなくなるので少々厳しい。
なので大雑把に言えば、前述の通り「容易に自己特殊召喚できる光・闇上級モンスター」を擁するデッキなら活躍が期待できる。
テーマ内に該当モンスターが無くともレベル4がいるデッキなら、ビーステッド等の汎用性の高い上級モンスターと共に採用するのも一考の余地がある。
効果自体は汎用性が高いのでとりえあえずで出しても強力だが、テーマ内の他のカードには無い強みをこのカードに見出せるならばより活躍できるだろう。

以下、採用できるデッキ例。
  • 元々星5の光属性モンスターで構成されている【アーティファクト
  • 「星5の《サイバー・ドラゴン》」扱いになったモンスター2体、または《サイバー・ドラゴン・コア》+《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》の組でS召喚できる【サイバー・ドラゴン
  • 星5の「黄金郷」罠モンスターと《誘いのΔ》で生成できるΔトークンを素材に使え、「黄金郷」罠モンスターを能動的に墓地へ送る手段としても活用できる【エルドリッチ
  • ビーステッドも絡めれば複数の組み合わせでS召喚でき、《白銀の迷宮城》で蘇生ができる【ラビュリンス
  • 《VS Dr.マッドラヴ》とビーステッドの組でS召喚でき、《VS 龍帝ヴァリウス》では対処できない高打点・破壊耐性持ちを始末する活躍か見込める【VS
  • 特殊召喚の容易な星6闇属性の《幻惑の見習い魔術師》が軸になり、戦闘破壊耐性で《深淵の結界像》を守れる点も相性が良い【有翼幻獣キマイラ
  • 《混沌なる魅惑の女王》と《魅惑の女王 LV3》の組み合わせで、召喚権を温存したままS召喚が可能な【魅惑の女王

ここまで「普段はS召喚しないデッキ」ばかり取り上げたが、勿論S召喚を行う光・闇デッキでも十分活躍の余地はある。
とはいえ星10のSモンスターは《フルール・ド・バロネス》《相剣大公-承影》《ブラッド・ローズ・ドラゴン》等、強力なモンスターが多数おり、このカードが最優先にはなりにくいだろう。
しかし見方を変えれば、このカードを含めて複数採用できる余裕があるデッキなら、こうしたモンスターと並べて両方の耐性を付与した盤面を作れるメリットもある。

変わったところでは、ランク4のXモンスターを中心とする【エクソシスター】でも採用される。
メインデッキ側がレベル4統一のテーマなので、当然「平時」であれば出番はない。
問題は平時ではない時、つまり事故や妨害に遭い、X召喚の前に止まってしまった場合。
ビーステッドを採用していれば緩い条件でS召喚できるため、「とりあえず急場を凌ぐ」目的で咄嗟にS召喚しやすい。
実際に事故った【エクソシスター】がこのカードをS召喚したところ、相手が耐性+高打点のこのカードに四苦八苦しそのまま勝利したという事例もあるそうな。

余談

初収録と同じパックには、このカードと逆にチューナーだけでS召喚できる《マナドゥム・プライムハート》も収録されている。

上述の通りとても評価の高いカードであるが、それに反して初出時のレアリティはなんとレア、非ホイルカードであった。
入手性の面では当然ありがたいのだが、その一方でカオスシンクロの最上位格かつカテゴリ内でも一際優秀で汎用性も高いカードだったため、スーパーレア以上でないことを惜しむ意見も多数見られた。
そのためか同年末に発売された「QUARTER CENTURY DUELIST BOX」でウルトラレアシークレットレア、更にクォーターセンチュリーシークレットレア仕様にて再録。
複数の高レア仕様の供給に多くの決闘者が喜んだのは言うまでもない。

海外では性能を評価したか、当初から高いレアリティで発売している。
ちなみにこのカードの海外名は《Chaos Angel》と非常にシンプルになっている。
元々海外では宗教上の問題で「Angel」という単語を使えない時期があったとはいえ、よくこの名前が既出にならなかったものである。


追記・修正は光属性と闇属性でシンクロしてからお願いします。

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最終更新:2025年04月11日 20:58