日本フットボールリーグ(JFL)

登録日:2019/08/22 Thu 01:30:20
更新日:2019/08/28 Wed 17:45:31
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日本フットボールリーグとは、日本に存在するサッカーリーグのひとつである。略称はJFL。

●日本フットボールリーグについて

■リーグの概要

地区リーグ、都道府県リーグ、地域リーグの上位に位置する全国リーグで、アマチュアサッカーにとっての最高峰のカテゴリーであり、Jリーグへの昇格を目指すチームにとっては必ず通過すべき関門でもある。*1

全国の地域リーグで上位の成績を収めたチームで構成された「全国地域チャンピオンズリーグ」を勝ち抜き、JFA公認のA級指導者ライセンス以上を持つ監督が率いるチームへと参加資格が与えられる。また、1999年のJFL創設時や1992年開催の旧・ジャパンフットボールリーグ、さらに遡ればJリーグの前身である日本サッカーリーグ時代から参戦しているチームも存在する。

2019年現在の参加チーム数は16チーム。上位4チームのうち、Jリーグ百年構想に加入してJ3ライセンスが交付され、入会審査に合格した上位2チームがJ3リーグへの参加資格を得られる。また、下位2チームは自動的に地域リーグへと降格する。

なお、J3リーグへ昇格するチームや、何らかの事情でJFLから脱退するチームが出た場合は自動降格・昇格枠の数が調整され、場合によっては降格チームが出ないシーズンもある。

■試合方式

2019年度はホーム&アウェイ方式の1シーズン全30節。試合は前後半計90分・延長戦なしで行われ、勝利で勝ち点3、同点引き分けは勝ち点1が加算され、敗戦時は勝ち点が加算されない。

2014年から2018年は前期・後期の2ステージ制で、それぞれの優勝チームにより年間チャンピオンを決定していたが、2017年と2018年にHonda FCが前後期ともに優勝した後、1シーズン制へと回帰している。

■特徴

参加チームは「クラブチーム」「企業チーム」「大学チーム」と多岐にわたる。Jリーグと同じく全国を舞台にしたリーグだが、純粋なアマチュアチームとJリーグを目指すチームが混合して1年間を戦い抜くリーグであり、地域リーグまでは近隣地域への遠征だったのが一気に全国へと活動地域が広がるため、チーム編成としても運営母体としても相応の体力が求められる。

チーム存在する自治体によっては、テレビやラジオで中継されることもある。また、JFL公式によって特定の試合がYoutube Liveで放送されている。かつて、FC琉球がJFLに在籍していた際にはニコニコ生放送で中継されたこともあった。全国的に露出する機会は少ないが、アマチュアリーグの最高峰だけあってレベルは総じて高いと言える。

近年ではサッカー天皇杯でも「門番」と呼ばれるHonda FCソニー仙台FCを始めとしてJリーグ勢ともしのぎを削り、2019年のヴィアティン三重に2013年のAC長野パルセイロ、2012年の横河武蔵野FC(現・東京武蔵野シティFC)や2004年にザスパ草津(現・ザスパクサツ群馬)がJ1勢を撃破したりと、決して侮ることは出来ない存在となっている。

一方で、前述のとおりチーム自体に相応の体力が求められ、強化費や遠征などを考慮すると数千万円クラス規模の運営費が継続して必要となることから、Jリーグ入りを目指すチームは短期決戦で昇格枠を目指すことが多い。逆に言うと、体力をつけられず相応の補強やチーム編成に失敗すると低迷するだけでなく、地域リーグへと降格してしまう危険性を孕んでいる。

一度JFLから降格してしまえば、地域リーグで優勝する他、全国社会人サッカー選手権大会で上位成績を収めたうえで予選は3日間で3試合、決勝でも5日間で3試合を戦い抜く「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ」に参加し2位以内へ食い込む必要があるため、再昇格は全くもって容易ではない(1999~2018年の20年間で、2006年降格・2009年再昇格を果たしたホンダロックSCのみ)。

2012年と2013年の2年間については、Jリーグ・ディビジョン2の参加チームが22チームと膨大になったこともあり、JFL4位以内でJ2参加要件を満たした2チームのうち、上位チームはJ2へ自動昇格、下位チームはJ2の21位チームとの入れ替え戦が発生した(J2の22位チームは自動降格)が、2012年は昇格要件を満たしたのがV・ファーレン長崎のみで、2013年はJ2から入れ替え戦へとまわったガイナーレ鳥取が勝利したため、実際にJ2→JFLの降格が適用されたのは2012年にJ2最下位となったFC町田ゼルビアの1例のみとなっている。(町田は2014年にJ3リーグへ参加、2016年にJ2リーグ再昇格を果たす)

2014年からはJ2との昇降格先がJ3リーグとなったこともあってJリーグ→JFLの降格制度は停止されたが、将来的なJ3リーグの参加チーム数増加に備えてJリーグ理事会内で「J3下位チームとJFL上位チーム」の入れ替えについて議論が始められている。また、経営が破綻しJリーグのクラブライセンスが停止された場合にはJリーグ退会、JFL降格の可能性がJ3リーグ創設時の資料において示唆されている。

■参加チーム(2019年度)

チーム名 ホームタウン 本拠地
Honda FC 静岡県浜松市 ホンダ都田サッカー場
FC大阪 大阪府東大阪市 豊中市服部緑地陸上競技場 他
ソニー仙台FC 宮城県多賀城市 みやぎ生協めぐみ野サッカー場 他
FC今治 *★ 愛媛県今治市 ありがとうサービス、夢スタジアム
東京武蔵野シティFC * 東京都武蔵野市 武蔵野市立武蔵野陸上競技場
MIOびわこ滋賀 滋賀県草津市、東近江市 東近江市布引運動公園陸上競技場 他
奈良クラブ *★ 奈良県奈良市中心全県 ならでんフィールド 他
ヴェルスパ大分 大分県由布市、大分市 昭和電工サッカー・ラグビー場Aコート 他
ラインメール青森 * 青森県青森市 青森県総合運動公園陸上競技場 他
ヴィアティン三重 三重県桑名市・四日市市中心全県 東員町スポーツ公園陸上競技場 他
テゲパジャーロ宮崎 * 宮崎県宮崎市、児湯郡新富町 宮崎市生目の杜運動公園 他
FCマルヤス岡崎 愛知県岡崎市 名古屋市港サッカー場
ホンダロックSC 宮崎県宮崎市 宮崎市生目の杜運動公園 他
流経大ドラゴンズ龍ケ崎 茨城県龍ケ崎市 龍ケ崎市陸上競技場
松江シティFC 島根県松江市 松江市営陸上競技場 他
鈴鹿アンリミテッド 三重県鈴鹿市 三重県営鈴鹿スポーツガーデン 他
※「*」はJリーグ百年構想加盟チーム、「★」は2019年度シーズン分のJ3ライセンス交付チーム
※本拠地は近年の開催実績が多いスタジアムを主に記載している

■過去の参加チーム

チーム名 退会年 退会事由
水戸ホーリーホック 1999 J2参入のため
横浜FC 2000 J2参入のため
静岡産業大学 2002 下位降格のため
アルエット熊本 2002 下位降格のため(2004年活動終了)
プロフェソール宮崎 2002 下位降格のため(2010年解散)
FC京都1993 2003 下位降格のため(2009年にアミティエSCと統合。現・おこしやす京都AC)
ジヤトコ 2003 チーム解散のため
大塚製薬サッカー部 2004 J2参入のため(J2参入時に「徳島ヴォルティス」へ改称)
ザスパ草津 2004 J2参入のため(2019年現在は「ザスパクサツ群馬」へ改称)
国士舘大学 2004 一時活動停止のため
愛媛FC 2005 J2参入のため
ホンダロックSC 2006 下位降格のため 2009年に再度JFL昇格
佐川急便東京SC 2006 佐川急便大阪SCと統合 → 佐川急便SCへ
佐川急便大阪SC 2006 佐川急便東京SCと統合 → 佐川急便SCへ
ロッソ熊本 2007 J2参入のため(J2参入時に「ロアッソ熊本」へ改称)
FC岐阜 2007 J2参入のため
アローズ北陸 2007 YKK APと統合のため → カターレ富山へ
YKK AP 2007 アローズ北陸と統合のため → カターレ富山へ
栃木SC 2008 J2参入のため
カターレ富山 2008 J2参入のため
ファジアーノ岡山 2008 J2参入のため
ニューウェーブ北九州 2009 J2参入のため(J2参入時に「ギラヴァンツ北九州」へ改称)
FC刈谷 2009 下位降格のため
三菱水島FC 2009 継続参戦が困難のため退会(岡山県リーグへ降格)
ガイナーレ鳥取 2010 J2参入のため
流通経済大学FC 2010 下位降格のため(流経大ドラゴンズ龍ケ崎とは別のチーム)
松本山雅FC 2011 J2参入のため
FC町田ゼルビア(1回目) 2011 J2参入のため
ジェフリザーブズ 2011 継続困難のため活動停止
アルテ高崎 2011 継続困難により解散
V・ファーレン長崎 2012 J2参入のため
SAGAWA SHIGA FC 2012 一定の成果を果たしたとし活動停止(旧・佐川急便SC)
カマタマーレ讃岐 2013 J2参入のため
AC長野パルセイロ 2013 J3リーグ参入のため
SC相模原 2013 J3リーグ参入のため
FC町田ゼルビア(2回目) 2013 J3リーグ参入のため
ツエーゲン金沢 2013 J3リーグ参入のため
ブラウブリッツ秋田 2013 J3リーグ参入のため
FC琉球 2013 J3リーグ参入のため
Y.S.C.C. 2013 J3リーグ参入のため
藤枝MYFC 2013 J3リーグ参入のため
福島ユナイテッドFC 2013 J3リーグ参入のため
レノファ山口FC 2014 J3リーグ参入のため
鹿児島ユナイテッドFC 2015 J3リーグ参入のため
SP京都FC 2015 諸般の事情により活動停止
アスルクラロ沼津 2016 J3リーグ参入のため
ヴァンラーレ八戸 2018 J3リーグ参入のため
ファジアーノ岡山ネクスト 2016 活動終了のため
ブリカベッカ浦安 2017 下位降格のため
栃木ウーヴァFC 2017 下位降格のため(現・栃木シティFC)
コバルトーレ女川 2018 下位降格のため

■「門番」とは

JFLからJ3リーグへ参入するためには、前述のとおり「シーズンで4位以内」「Jリーグ百年構想に加入」「J3ライセンス交付」「入会審査に合格」の条件を満たした「上位2チーム」に食い込む必要がある。「4位以内」という条件は一見すると緩く見えるかもしれないが、昇格するためには「門番」と呼ばれるチームへ必ず挑まなければいけない。

  • 日本サッカーリーグ時代からの名門、本田技研工業フットボールクラブこと「Honda FC」
  • JFL参戦20年、震災の危機から再度立ち上がった強豪「ソニー仙台FC」

Honda FCはJFL発足の1999年から20年で4位以内14回・優勝8回(2016年から2018年にかけて3連覇中)、ソニー仙台FCも4位以内5回・優勝1回と上位へと顔を出すことが多い。所属している選手はほとんどがそれぞれの企業に勤める社員選手で、完全にアマチュアとして結成されているチーム*2でありながらも毎年好成績を収めている。

かつては佐川急便SC(SAGAWA SHIGA FC)YKK APアローズ北陸などの企業チームも門番として立ちはだかっていたが、チーム事情により解散したり、Jリーグ入りを目指すために合併したりと企業チームの門番は減少しているものの、近年ではFC大阪などの「将来Jリーグ入りを目指すチーム」が上位入りし門番化することもあるため、4位以内に食い込むためにはやはり「取りこぼすことなく勝つ」ことが重要となっている。

余談ではあるが、2006年には1位・Honda FC、2位・佐川急便東京SC、3位・佐川急便大阪SC、4位・YKK APと、門番チームが昇格要件枠を全て占め、JFL→J2への昇格が発生しないという珍事が発生。この時の5位はロッソ熊本(現・ロアッソ熊本)で、勝ち点2差で昇格を逃した悔しさをバネに、翌年の2007年には2位となって見事Jリーグ・ディビジョン2へと昇格した。

■過去

日本フットボールリーグは「日本サッカーリーグ」(1965~1992年)と「ジャパンフットボールリーグ」(1992~1998年)を前身としている。前者はアマチュアのサッカーリーグであり、Jリーグが発足されるにあたって上位組織となるプロリーグの「Jリーグ」と下部組織のプロ・アマ混合の「ジャパンフットボールリーグ」へと分割。さらに1999年にはプロリーグの「Jリーグ・ディビジョン2」とアマチュアリーグの「日本フットボールリーグ」へと改組され、現在に至る。

■JFLを舞台にした作品

・「ホペイロの憂鬱 JFL篇」(井上 尚登・作)

2010年に発行された、JFLチームに所属するホペイロ(用具係)を主人公としたライトミステリ。チームの運営や試合の中で降りかかってくる難題や日常的な謎を解いていく。舞台は神奈川県相模原市。*3


追記・修正は門番チームに勝ち越してからお願いします。

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