登録日:2020/02/11 Tue 13:00:49
更新日:2025/04/24 Thu 07:09:06
所要時間:約 5 分で読めるって感じ
概要
本作の主人公。
舞台である「すこやか市」に引っ越してきた中学2年生。
赤みがかった濃い茶髪のボブカットで、右側に黄色い
ヘアピンを二つ付けている。(そのうちの1本にはピンク色の花飾りが付いている。)
第1話にて、すこやか市を散策していたところで、
ビョーゲンズの幹部・
ダルイゼンが作り出したメガビョーゲンの暴走騒動に巻き込まれ、そこでヒーリングアニマル達と偶然遭遇。
その一匹であるラビリンと相棒となり、キュアグレースへ変身し、事態を収拾。
以後、プリキュアとして人知れずビョーゲンズと戦うこととなる。
人物像
と、心優しい人物ではあるが、よくよく見てみると
どこか優しさが行き過ぎていると言わざるを得ないような面も見受けられる。
実際、第1話の騒動の際には、始めはメガビョーゲンから逃げていたものの、見知らぬ子どもが母親に「わんちゃん(ラテ)がまだいた」と言って助けに行こうとせがんでいる姿を見て、ラテ達を助けるために一切の躊躇なくメガビョーゲンが暴れている方向へと走っている。
結果的にプリキュアの力で事なきを得たとはいえ、当然このような事態は一切想定しておらず、メガビョーゲンという存在の異常さや、安全の保障が一切無いことは分かり切っていた筈である。
更に第2話では、パートナー解消を言い渡されてラビリンと離れ離れになり、プリキュアに変身できないにもかかわらず、学校に有った部活用品を搔き集めて即席の武器にして校庭で暴れるメガビョーゲンに対抗するとという無謀とも言えるような行動に走っている。
それを考えると、一種の「危うさ」を抱えているともいえる。
そんな性格が形成されたのは彼女の過去に起因する。
嘗ては非常に病弱でそれ故に長い間入院し、ろくに動けず、何も出来ない我が身を非常にもどかしく思っており10話にて「ふわあ~! 改札で引っかかったらどうしよう!」とサラッと重い発言をしており、改札に引っかかることすら楽しみにしていたことからもその深刻さがうかがえる。
入院生活の中で家族や医師に看護師と言った多くの人物に支えられて漸く全快できた為、そのことに対する周囲への恩返しを望んでいたのだった。
そんな過去故に自由に動ける今を非常にうれしく思っている一方、命を軽視し、弄ぶことを決して許さず、そんな者には激しい怒りを露わにする。
但し、まだ退院して日が浅いせいか、体は丈夫とは言えず、体力もあまり無い為、第1話では町を多少散策して疲れてしまい、走ってきたひなたと激突してのどかだけ転倒してしまった。
当然自分の体をコントロールする技術も
変身してしょっぱなから踵落としを決めたとはいえ未熟であるため運動神経は壊滅的であり、第2話では入学早々に様々な部活から勧誘を受けて体験するも、どれも散々な結果に終わってしまっている。
この日を境に体力づくりのために毎朝ランニングに励むようになり、第34話時点でバテバテになりつつもちゆを追いかけ続けるまでに体力が向上した。
一方で、上記のように一時期生死のフチを彷徨ってから生還した反動もあってか世の中の色々なことを知りたいと思う好奇心が芽生えており、それに従って勉強することにも割と積極的でちゆほどではないが学業もできる部類に入る。
勉強が苦手な傾向が強いプリキュアシリーズの主人公としては珍しいが、第37話でひなたをスケッチする時や第39話でキングビョーゲンの姿を想像で描いた時は
独特な絵心が垣間見えていた。
家族構成は父親と母親の両親を含めた3人家族だが、第2話ではラテを「はぐれた飼い主を見つけるまで」という名目で飼育することとなる。
また、ラビリンとも両親に内緒で隠れて暮らすことになる。
その後、第21話でラテの飼い主という名目で
風鈴アスミが同居する事になった。この際アスミの経歴に関して(致し方ないとはいえ)
両親に大ウソをでっち上げた。
すこやか中学校での席順は黒板から見て右角の窓側で、前に
ひなた、隣に
ちゆが座っている。
他二人と異なり制服はそのままの形で着用している。
名前の由来は穏やかを意味する「長閑」と思われる。
家族構成
両親の名前を漢字表記にすると健と康子となり由来は「健康」と思われる。
建築デザイナー。
一家の新居も彼がデザインした。
大学時代は気球サークルに所属しており、後輩達と現在も交流している模様。
前作、前々作の主人公の父親はいろいろキャラが濃かったため割と久しぶりな普通の父親キャラでもある。
運送ドライバー。
娘の入院中はその看護に専念していたが、第6話にて職場復帰した。
のどかが学校にいる間はラテのことを大層かわいがっていた為、ラテからも懐かれている。
映画2作ともいいポジションを担っており、ラストの〆ものどかとの会話である
ラビリン
のどか…本当に、あいつに立ち向かう勇気はあるラビ?
のどかのパートナーである
ウサギ型のヒーリングアニマル。
ピンクの体を持ち、それよりも濃いピンクの前髪を持つ。
一人称は「ラビリン」または「私」で、語尾に「ラビ」と付く。三匹の中では最も従来型の妖精に近い口調かもしれない。
ヒーリングアニマルの中でも最も使命感が強い生真面目な性格で、どこか緊張感のないペギタンとニャトランをたしなめることもある他、その小さな体を振るってメガビョーゲンに果敢に立ち向かうような勇敢さも持つ。
一方で、
「使命を果たせればそれ以外はどうでも良い」という考え方は持っておらず、当初は本人が協力を進んで申し出たり、「心の肉球」が反応したとは言え、一般人であるのどかを戦いに巻き込むことを良しとせず、彼女の覚悟と思いを再確認してようやくて力を貸していることから、自分達の役割の真の意味を理解しており、責任感が強くてのどか同様心優しい一面があることが分かる。
第2話では、のどかのあまりの運動神経の無さに幻滅し、感情的になるあまり「情けない」とまで言って一方的にパートナー解消を言い渡してしまうが、内心では「自分達の力になろうとしてくれたのどかを未熟な自分では守り切れないかもしれない」とのどかを思っての行為であった。
その後、生身でメガビョーゲンに果敢に立ち向かうのどかの姿と、彼女の秘めたる思いを知ると、自分の言動を謝罪し、改めて彼女とパートナーになった。
尚、残念(当然?)ながら彼女自身の戦闘能力は皆無に等しく、メガビョーゲンに勇ましく立ち向かったはいいが、直後にあっさり返り討ちに遭って窮地に陥っている。
話が進むにつれて食いしん坊な事が判明したり万人受けしづらいデザインのぬいぐるみを気に入るなど着実に個性を増やしている。
キュアグレース
花寺のどかが、ラビリンが合体したヒーリングステッキと花のエレメントボトルを使って変身した姿。
元号が令和になり、2020年代での記念すべき最初の桃キュアでもある。
髪は腰ぐらいにまで伸びたロングヘアになってそれを盛り髪にしている。
頭には黄色い花やその葉を模した髪飾りと、中央に
ハートをあしらったティアラを付けている。
服装は濃さの違うピンクで彩られ、全体的に花びらをイメージしたかのようなパフスリーブのワンピースとなっており、胸元にバラの花のコサージュがついている。
白い手袋を着用し、緑の
リボンが付いたショートブーツを履いている。
プリキュアになってる間は体力面での心配がなくなるため、戦闘スタイルは主人公らしい華麗且つパワフルな格闘戦。大ジャンプからの踵落としや、相手を掴んで投げ飛ばす等のアグレッシブな技で応戦する。
グレース(Grace)とは英語で「上品・優雅・優美」といった意味。また神学用語では「恩寵(神の恵み・慈しみ)」という意味を持つ。
医師をモチーフとする点やのどかの人物像などからしてここでは後者の意味と思われる。
装備
本作のプリキュアの変身アイテム兼メイン武装。
ヒーリングアニマルが、自ら見染めた相手と心が通じ合い、「心の肉球」が反応することで現れる伝説のアイテム。
中央部分にヒーリングアニマルが合体し、その下部にエレメントボトルをセット。
肉球に1回触れることでプリキュアへの変身が完了する。
また、肉球に1回触れることによって「キュアスキャン」を発動。
メガビョーゲンに取り込まれたエレメントさんを探し当てることが出来る。
他にもステッキに収まったアニマルの掛け声によって展開される肉球状の
バリア「ぷにシールド」を展開する。
エレメントさんの力が宿ったアイテム。
キュアグレースはテアティーヌからラビリンに託された「花のエレメントボトル」を変身に使用する。
戦闘時には第6話から手に入れた「実りのエレメントボトル」や第16話から手に入れた「はっぱのエレメントボトル」を使用することもある。
使用技
ステッキでハートを描いた後に肉球を3回タッチすることで発動。
ステッキからピンクの光線を放ち、エレメントさんを摘出して相手を浄化する。
三人の
合体技だが、便宜上ここに記す。
グレースがステッキに「ミラクルヒーリングボトル」をセットし、三人が肉球に一回タッチすることで発動する。
三人のステッキからピンク、青、黄色の光線を
ドリルの様に束ね、敵に放つ。
「実りのエレメントボトル」を装填して発動。
ステッキからピンクのエネルギー弾を放つ。
第35話ではグレースとラビリンが「燃えよ、ビーバレ!」の影響を受けていたため光弾をボールにする技を編み出しスパークルを驚愕させていた。
のどかの選択と視聴者の反応
キングビョーゲンに自らの進化の糧となるよう求められ逃げだし、傷付き弱った姿でかつての宿主であるキュアグレースに自分を再び体の中に受け入れて助けるよう求めた
ダルイゼンを、キュアグレースが自分はもう二度と
ビョーゲンズを受け入れ病気になりたくはないという意思の前に拒絶し、見捨てて突き放した第42話の展開は放送当時
賛否両論を呼び大きな話題となった。
今まで病気(ダルイゼン)から酷い扱いをされてきたのどかが、そのダルイゼンをきっぱりと拒絶し浄化しようとしたことを称賛する意見がある一方、批判側からは身勝手ながらも苦しみながら助けを求めている相手(ダルイゼン)を見捨てるのは人間としてどうなのかという意見も出た。
更には、
最終回で「人間の罪」を批判し浄化される事を望んでいるヒーリングアニマルのサルローが現れた事により、キュアグレースがダルイゼンを助けなかったことの意味に更なる一考を投げかけている。
現代では人間が普通に文明社会の恩恵を受けて便利に過ごすだけで、資源を消費し自然を汚す。生きる目的以上に環境破壊を行い動物達の命や住処を奪っている人間も、地球から見れば結局はビョーゲンズとさほど変わらない存在であり、のどかがダルイゼンを見捨てて突き放した様に、人間も地球環境を破壊し他の動植物を必要以上に虐げる生き方を改め無ければ、いずれヒーリングアニマルに見捨てられ浄化されるか破滅への道をたどるしかなくなるのではないのか…。
すべての始まり
かつてヒーリングアニマル達が討ち漏らしたメガビョーゲンがばら撒いた自立歩行できる種が幼い日ののどかに寄生し、のどかは約5年間病に苦しみ、ダルイゼンとの因縁を生むこととなった。
この事実から、自分たちヒーリングアニマルの職務怠慢を棚に上げ「地球環境を蝕む人間だってビョーゲンズのように浄化すべきだ」と主張したサルローや、そもそも女王テアティーヌがラビリン達に共にビョーゲンズと戦うプリキュアになってくれる人間を探してほしいと命じたのがすべての始まりであるのに「いざという時がくれば人間を浄化する覚悟がある」と言い切ったテアティーヌに怒りや反発を覚える視聴者もいる。
余談
- 声優である悠木碧は過去に『映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!』のオリジナル敵キャラクター・クック役でプリキュアシリーズに出演しており、テレビシリーズでの出演はこれが初。因みにインタビューにて「『わたしみたいなのが、本当にプリキュアでいいのだろうか?』という気持ちがありました。プリキュアになるための生き方をしてこなかったので」と自虐発言をしている。
- 放送開始当初は一部視聴者からニチアサにおける類似した性格の先輩のように、「どこかで壮絶な事態に見舞われるかもしれない」と懸念されていた。また、「過去に入院経験があり、多くの人物を救いたいと思うピンクの医者の戦士の変身者」という観点から彼を想起する視聴者も続出した模様。ニチアサ以外では、声と性格繋がりで某装者にも似ているとも。(因みに後者は誰が呼んだか「キュアガングニール」)
- 悠木氏がプリキュアになると報じられた際、言うまでもなく某魔法少女と同じ声繋がりでいじくられまくっている。誰が呼んだか『魔法少女のどか☆マギカ』。
- さらにシリーズのコミカライズを長らく担当している上北ふたごに至ってはキュアグレース&ラビリンとまどか&キュゥべぇの共演イラストを描きTwitterに公開していた。
わけがわからないよ もっとも、東映アニメーションから怒られてしまい現在は削除されてしまっている。
なおダルイゼンは彼女から産まれた存在であった、という真相を考慮した場合『魔法少女と魔女の関係性』も再現されたことになる。(プリキュアはあくまで女児向けなのもあり『元人間』という鬱要素は無いが『魔法少女から産まれた存在である』ということは変わらない)- 上記の通り、ニチアサ繋がりでピンクのドクターな彼を連想する声も多く、初期から「花寺のどかァ!」的なネタは多かったが事実その通りな展開になっている。(永夢⇔のどか、パラド⇔ダルイゼン)
- おまけに真相発覚のエピソードが描かれるちょっと前にはニチアサでスーパー闇落ちタイムが描かれたばかりであり、結局杞憂に終わ
りまたエグゼイド絡みのネタが加速していったものの、一歩間違えればニチアサ作品闇落ちコンプリートという視聴者のメンタル的に最悪の事態になっていた可能性もあった。
- 前作『スター☆トゥインクルプリキュア』最終回ではシリーズ恒例の先行出演で登場。ラテと一緒に森にいたところをノットレイのマスクを探していた星奈ひかると出会い、少しだけ会話する。その後、ひかるの父がノットレイ化して戦闘中にフワとプルンスがピンチに陥るがキュアグレースが登場して彼らを助け、キュアスター達を援護してひかるの父はノットレイ化から浄化された。戦闘後、ひかるはキュアグレースの正体に気づくが一瞬目を離すと彼女の姿は消えてしまい、そして…。物語終了後もシリーズ恒例の主人公バトンタッチにも登場した。
- 上記の通りシリーズ主人公としては異例の病弱キャラではあるが、その反動なのか以後の作品の主人公たちはギャグ補正込みとはいえ、変身しなくても戦えそうな勢いの身体能力になっている。
映画『プリキュアオールスターズF』でのどかがスカイチームに入れられていないのと関係あるのかは不明
アニメージュ第43回アニメグランプリ
2021年8月号で発表されたアニメージュ第43回アニメグランプリ(投票期間2021年4月9日~5月8日、5月号の綴じ込みハガキの投票を集計)、グランプリ作品部門は『
ヒーリングっど・プリキュア』が1位(得票数455point)となっており、女性キャラクター部門では花寺のどか/キュアグレースが1位(得票数405point)、次回作
トロピカル~ジュ!プリキュア主人公の
夏海まなつ/キュアサマーが2位(得票数106point)とワンツーフィニッシュで入選している。
声優部門でも
悠木碧1位(得票数228point)、
ファイルーズあい2位(得票数150point)と担当声優がツートップとなる記念すべき快挙となった。
男性キャラクター部門でダルイゼンは7位(得票数62point)にランクインしており、山岡直子氏の描き下ろしイラストが掲載され、プリキュアとヒーリングアニマルと共にあろう事かダルイゼンの制服姿が描かれている。
イラスト内でラビリンが「なんでダルイゼンがランク入りしてるラビ!?しかもなんでシレっと制服着てるラビィー!!??」とダルイゼンの頭を叩いているが、ダルイゼンは「知るかよ…」と返答している。
なお、残念ながらラビリンはランク外であった。
また、アニメージュ8月号での43回アニメグランプリ作品部門1位の特別インタビュー内で、池田洋子氏は「ビョーゲンズが消滅したからといって、すべて終わってせいせいしたなんて、のどかは思っていません。キングビョーゲンを滅ぼしたこともダルイゼンを見捨てたことも、自分の責任と受け止めていると思います。ダルイゼンを助けたい気持ちはあった。だから苦しんだんです。最終的に彼を突き放したという事実は、のどかがこの先も抱えていくものだと思います。」と語っている。
結局、のどかはダルイゼンを見捨てた事実を一生背負って生きていかなければならないのかもしれない…。
- 愚痴・中傷などの違反コメントがあり、反対意見も5日間無かった為、コメント欄をリセットしました。 -- 名無しさん (2025-02-22 08:04:33)
- 変身途中でミッドフォーム姿になるのは良いが、首から下が殆ど見えてなかったのが惜しかったな。そしてその後プリキュアシリーズは髪から最初に変身するパターンが5年連続で続いてしまうという… -- 名無しさん (2025-02-22 10:39:36)
最終更新:2025年04月24日 07:09