登録日:2020/02/27 (木曜日) 11:08:30
更新日:2025/05/13 Tue 21:09:20
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大魔王アゴンである! 勇者よ、よくぞここまでたどり着いた!
■概要
本作の舞台である、
ゲームの中の異世界「トリニティア」に君臨する
魔王。同時にトリニティアとそこに住む生命体を産み出した創造主でもある。
魔王だが、これといって悪事は働いておらず、トリニティアの住人はアゴンの存在を知らない者の方が多い。
初めて魔王城に訪れた
ケロロ小隊に対しても親切な態度を取っており、自分に会うためには伝説の3つの装備が必要であることを教え、更にワールドマップを渡すが…?
この先は『ケロロRPG 騎士と武者と伝説の海賊』の重大なネタバレを含みます。ご注意ください。
頭部の形状でバレバレだが正体はケロン人で本名は「ゲムム」。しかもケロロ小隊が来るよりも先に、ケロン軍から派遣された侵略者であった。
ケロロ小隊の誰にも敬語を使わなかったので、階級は曹長以上だと思われる。
ケロロが
地球に来て
ガンプラ依存性になったように、地球に来て重度のゲーム依存性となったゲムムは、やがて「プレイヤー=勇者を冒険させて3つの伝説の装備を集めさせ、自らを
ラスボスとする
ゲームを作りたい」と望むようになり、その結果仕事をほっぽりだしてトリニティアを創造。そこに移住してしまう。
自分の仕事を放棄して「ぼくがかんがえたさいこうのげーむ」という名の二次元世界に移住した究極の
ニート&引きこもりだが、腐っても創造主であるため世界への影響力は絶大であり、トリニティアは彼がいなければ存続できない。
おまけに自身を
ラスボスとしたためなのか、プレイヤーに倒され、滅ぼされない限り
不老不死となっている。
要するに、彼は
ゲームの力で神にも等しい存在となったのだ。
こいつが知ったら嫉妬に狂いそう。
そして「ぼくがかんがえたさいこうのげーむ」を、誰かが遊んでくれる日を待ち続けていたのである。
■活躍
上記の通りプレイヤーを待ち続けたゲムムだったが、誰も遊んでくれないまま地球の時間で10年以上が経過してしまった。
しびれを切らしたゲムムはプレイヤーを待つことを諦め、自身の
封印を解くために、三人の妹たちに伝説の3つの装備を持ってくるよう指示する。
が、その後にプレイヤーである
ケロロ小隊がやってきたために上記の通り彼らにも伝説の3つの装備のことを教え、更にワールドマップを渡した。
こうして伝説の3つの装備を揃えたケロロ小隊と対面し、魔王らしく「我の仲間になれば世界の半分をやろう」という台詞を繰り出すが、ケロロはこれを
ウザイと判断して、クルルの提案によりゲムムに不意打ちをかます。
おかげでゲムムは、置鮎なのに
「ぶるあああああ!」と叫んでしまった。
その後、
ケロロ小隊と交戦し、敗北。その正体が
ケロロ小隊に知られるが、同時に「トリニティアのモンスターが地球で実体化している」こと、「ゲムムがプレイヤーをトリニティアに呼び寄せるために作った装置の故障もしくは
バグによって、地球とトリニティアが干渉している」ことを知る。
するとゲムムは、地球とトリニティアを融合させ、新世界を創造することを宣言。そんなことをすればトリニティアは消滅してしまう。妹たちにやめるよう懇願されるが、ゲムムは聞く耳を持たない。
結果、妹たちに反逆され、再び封印されてしまうのだった。
これでトリニティアは一応救われたが、地球では未だにモンスターが暴れている。
地球とトリニティア、両方を救うために
ケロロ小隊は再び冒険を開始。6つに増えた伝説の装備を集め、三姉妹と和解。そしてゲムムとの最終決戦に挑む。
またもや
ケロロ小隊に敗れたゲムムだったが、本来の目的である「魔王として勇者と拳を交える」ことが達成されたためか、恨みごとは一切言わず、彼らに自分にとどめを刺すよう促す。
しかし、そこへまたも三姉妹が乱入。今度はゲムムを見捨てることができないためであった。
更に
ケロロ小隊は、トリニティアの住人と仲良くなっていたこともあって、「地球のモンスターがいなくなればそれでいい」と語る。
地球とトリニティア、両方を救うためには、ゲムムがトリニティアにいる状態で、両方の世界で同時に転送装置のスイッチを押し、地球とトリニティアが二度と干渉できないようにする必要がある。
だがそれは、ゲムムが二度と地球側に戻れなくなることを意味していた。
三姉妹は「やっぱり兄は帰った方がいいのではないか」と訪ねるが、ゲムムは生涯をトリニティアで過ごすことを宣言する。
我にはおまえたちというかわいい妹がいる。それで十分だ。
この世界という名のゲームを、とことん遊びつくしてやる! は〜はっはっは!
そして
ケロロ小隊を見送り、予定通りスイッチを押して、テレビ画面越しに彼らに別れを告げたのであった。
■三人の妹たち
ゲムムが創造したトリニティアの住人であり、ケロン人ではなく地球人に似た姿をしている。
三人とも同じ腕輪と、ナムコのレトロゲームを意識した何かを身に付けているのが特徴。
個々の力はまちまちだが、三人揃えばゲムムを封印する程の力を発揮する。
『
スクライド』の常夏三姉妹に近い存在だが、結局は
来夏月の自己満足でしかなかった彼女たちとは異なり、こちらの三姉妹の想いは紛れもない彼女たち自身のものである。
ゲムムも当初は彼女たちを半ば道具扱いしていたが、最終的に彼女たちが本当に自分を兄として慕っていることを知り、その想いを受け入れた。
○アレア
CV:
阿澄佳奈
長女。21歳。武者エリアで初登場。
おっとりとした性格の持ち主で、運を操る力を持つ。
一人称は「わたし」。ゲムムへの呼び方は「お兄さま」で、妹二人にはちゃん付けをする。
モチーフは『
源平討魔伝』で、源頼朝のお面を頭につけている。
「最初はふわふわしているのに途中からしゃっきりする」「和服を着ているにもかかわらずハッキリと凹凸がわかる程のナイスバディ」という点から
グー姉さんがモデルではないか、という説も。
○イリンクス
CV:
豊崎愛生
次女。17歳。
海賊エリアで初登場。カナヅチだけど。
仮面に黒のハイレグ+ボンデージ、更に武器は
鞭と、誰がどう見ても女王様。口調もドロンジョ様みたいな感じ。本当は家族思いのいい子らしいが…。
一人称は「アタシ」。ゲムムへの呼び方は「兄(あに)さま」。
モチーフは『ゼビウス』で、ベルトのバックルがアンドアジェネシスになっている。
○ミミクリ
CV:
戸松遥
三女。12歳。
騎士エリアで初登場。
最後に造り出されたためか、単純なパワーなら三姉妹最強。そのため登場当初は姉二人を見下していた。
年相応に背は低く、当人はその事を気にしている。
一人称は「ボク」。ゲムムへの呼び方は「お兄ちゃん」。「バイビ〜」が口癖。
モチーフは『ワルキューレシリーズ』で、NAMCO版ワルキューレほぼそのまんまな配色の姿をしている他、
サンドラ族そっくりのぬいぐるみを持っている。
■余談
○声優について
○本作のラスボスとして
『
ケロロ軍曹』らしい「どこか憎めない悪役」であるゲムムだが、同時に本作が発売されるまでに登場した『
テイルズオブシリーズ』の歴代
ラスボスたちの要素を多く含んでいる。
さすがに全員はカバーできていないものの、
- 正体は宇宙人。予想外の行動に対して「何!? それは…!」と発言。技に自分の名前をつける→ダオス
- 声優が置鮎龍太郎で、これといって信念や悲しい過去が無い→ミクトラン
- 悪事を起こすために必要なものが使えなくなっただけで、当人は五体満足。他者への干渉だけならいつでもできる→ネレイド
- 自分が創造した存在から手痛い反撃を食らう→フォルトゥナ
- 目的を達成する過程で擬似的な不老不死になる→ミトス・ユグドラシル
- 勝利することで作中における問題の数々がほぼ全て解決する便利キャラ→ユリス
- 仮面が壊れることで、主人公たちにとって意外な正体が発覚する→シュヴァルツ
- 今ある世界を滅ぼして新世界を創造しようとした→ヴァン・グランツ
- 他の世界に影響を及ぼすほどの技術を持ち、それを自分の欲望を満たすために使う→ウォールス・ガーナー
- 主人公と似たような境遇であり、何かが違えば主人公もこうなっていた可能性がある→マティウス
- 主人公と和解して生存する→デューク・バンタレイ
○年代に関する考察
上記の妹たちの服装の元ネタから、ゲムムが地球に派遣されたのは1980年代だと思われる。
この頃、
ケロロ小隊のメンバーは何をしていたのかというと、
- ケロロ、ギロロ、ドロロ…幼年訓練生、いわゆるチビケロ時代。
- クルル…当時からテラ子安なマッドサイエンティストだが、おしゃぶりを咥えている。
- タママ…まだ産まれてない。
つまりケロン軍からしてみれば、ゲムムは3000~6000年前に地球で行方不明になった過去の人であり、とっくに捜索を打ち切られている可能性が高い。そのため後任であるケロロ小隊に存在が知らされていなかったものと思われる。
ちなみに、ケロン星と地球で時間の流れ、もしくは暦の数え方が違うと察せられる描写はちょくちょくある。例えば
ケロロ小隊が地球に来てから
新ケロロが地球に来るまでの間に、ケロン星では300年が経過していたりする。
○名前の由来
アゴンと三姉妹の名前は、社会学者ロジェ・カイヨワの提唱した遊びの4分類から来ている。
- アゴン=競争を意味しており、オセロやボクシングなどの競い合うものを指す
- アレア=偶然、ラテン語でサイコロ遊びを意味しており、くじやルーレットなど、力量に拘らないギャンブルを指す
- イリンクス=めまいを意味しており、お化け屋敷やジェットコースターなど感情を揺さぶる状態を伴うを指す
- ミミクリ=模倣、真似事(mimic)を意味しており、お芝居やごっこ遊びを指す
- 難易度「むずかしい」でも何度も何度も死んだ。マニアやアンノウンで倒せる人は凄いと思う -- 名無しさん (2020-02-27 12:06:00)
- デスティニー2・リバース「」 -- 名無しさん (2020-02-27 12:09:26)
- 侵略すべきペコポンを愛してしまったのだっていう、ケロロ小隊の行く末がまさにこれに近い感じになりそうなんだよね -- 名無しさん (2020-02-28 00:38:21)
最終更新:2025年05月13日 21:09