E・HERO マッドボールマン(遊戯王OCG)

登録日:2020/07/11 Sat 20:04:05
更新日:2025/04/13 Sun 02:20:15
所要時間:約 5 分で読めます





【テキスト】

融合・効果モンスター
星6/地属性/戦士族/攻1900/守3000
E・HERO バブルマン」+「E・HERO クレイマン」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。


【概要】

遊戯王GX及び遊戯王OCGに登場したモンスター。
遊戯王GXの主人公、遊城十代が使用するE・HEROの1体。
直訳すると「泥団子男」。カッチョ悪い

見た目は、《E・HERO クレイマン》の顔を《E・HERO バブルマン》の顔に付け替えたといった感じであるが、全く同じというわけでもなく、手足や肩の部分が丸っこくなっているなどの相違点もある。
が、なんにせよ独特な姿をしているそんなわけで一部では「融合失敗」と揶揄されることもある



「遊戯王デュエルモンスターズGX めざせデュエルキング!」攻略本の付属カードで登場。
何と言っても、特筆すべきはE・HERO史上最高の守備力3000
攻めが主体のE・HEROにとっては貴重な壁モンスターになれる。
また、攻撃表示で装備魔法の《最強の盾》を装備すれば、攻撃力4900という破格の数値を叩き出せる。
また、融合素材の《E・HERO バブルマン》と《E・HERO クレイマン》は共にレベル4の戦士族なので、非常に使いやすい。


【アニメでの活躍】

初登場は十代VSカイザー亮戦(1戦目)。

サイバー・ドラゴン》や《サイバー・ツイン・ドラゴン》の攻撃力を上回る守備力3000を活かして攻撃を耐えようとしたが、攻撃力4000の《サイバー・エンド・ドラゴン》を出され貫通効果と《パワー・ボンド》による強化で敗北してしまった。


と、初登場時の活躍から何となく察した人も居るだろうが、このカードは敵の強さを見せつけるために戦闘や効果であっさり破壊されてしまうことが多かった。
アニメ・OCG共々3000というステータスは最上級クラスを表す指標として度々扱われており、
守備的なモンスターであるこのカードは物語の都合上どうしてもやられ側に回ってしまうことが多かったのである。

しかし、根っからの不遇モンスターという訳でもなく、「十代VSサイコ・ショッカー」戦ではフィニッシャーになるなど、壁モンスターにしてはかなり珍しい活躍をしている。
アニメでこのカードは計5回のデュエルで使用されたがその勝敗は3勝2敗と一応は勝ち越しており、カードとしての活躍はともかく決して負け要因というわけでもない。

ちなみに、召喚された時にすんごい呻き声を上げた。


追記・修正は《E・HERO マッドボールマン》を融合召喚してからお願いします。




























さて…アニメは不遇だけど、OCGなら活躍できるかも?と思った人も居るだろう。

だが、現実は甘くなかった。

●目次

【OCGでも不遇なカード】



E・HERO ガイア
融合・効果モンスター
星6/地属性/戦士族/攻2200/守2600
「E・HERO」モンスター+地属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが融合召喚に成功した場合、 相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動する。
ターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力を半分にし、 このカードの攻撃力はその数値分アップする。

属性融合HEROの1体。
当然《E・HERO バブルマン》と《E・HERO クレイマン》でも出せるし、融合素材は《E・HERO マッドボールマン》より遥かに緩い。
攻守のバランスも良く、《最強の盾》を装備すれば《E・HERO マッドボールマン》と大差無い攻撃力4800になる。
更に今ではレベル5以上のE・HERO専用装備魔法として《最強の盾》と似た効果を持つ《フェイバリット・ヒーロー》が存在し、
フィールド魔法を場に出せるオマケ効果で《摩天楼─スカイスクレイパー─》を引っ張って来れるため、僅差とは言え攻撃力が低くなるこちらの方が有利になる場合すらある。
そして、《フォース》を内蔵しており、攻撃力が1600より高い相手モンスターを対象に取れば、攻撃力3000以上になる。
これなら、《E・HERO マッドボールマン》の守備力3000を越えるモンスターでも殴り倒せるので、アタッカーとして申し分無い。
というより守備3000の壁なんてまずいらん
極めつけに、レベルと属性は《E・HERO マッドボールマン》と同じ。あらゆる方面で泥団子を殺しにかかっている。

マッドボールマン「だが、ガイアはスキルドレインとか効果無効に弱いからまだ何とか……。」



E・HERO アブソルートZero(ゼロ)
融合・効果モンスター
星8/水属性/戦士族/攻2500/守2000
「HERO」と名のついたモンスター+水属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、フィールド上に表側表示で存在する 「E・HERO アブソルートZero」以外の 水属性モンスターの数×500ポイントアップする。
このカードがフィールド上から離れた時、 相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。


こちらも《E・HERO バブルマン》と《E・HERO クレイマン》で出せる属性融合。
こちらは、フィールドから離れた時に問答無用で《サンダー・ボルト》をぶっぱなす強力なカード。
スキドレを始めとする効果無効の類は場以外の効果には干渉しない、もしくは場から離れた時点で関係が切れる事がほとんどなので問題になることはまずない。
むしろ相手だけ損をすることになるのでシナジーすらある。




マッドボールマン「まだだ!プリズマーという最後の希望が……!」


プリズマー「頼むぜ、エリクシーラー」


E・HERO エリクシーラー
融合・効果モンスター
星10/光属性/戦士族/攻2900/守2600
E・HERO フェザーマン」+「E・HERO バーストレディ」+「E・HERO クレイマン」+「E・HERO バブルマン」
(ry

《E・HERO プリズマー》のチラ見せ要員として最適なE・HERO
《E・HERO クレイマン》を本命にしても、同じバニラで同時採用の機会が多い《E・HERO フェザーマン》と《E・HERO バーストレディ》がオマケで含まれているのは大きい。

なお、「このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。」の一文は、効果外テキストであるため、効果ではない。

マッドボールマン「お、それなら効果を持たないモンスターサポートが……!?」

しかし、分類は「効果モンスター」であるため、効果を持たないモンスターとしては扱わない
ルール上、効果として扱わない効果外テキストしか持ってないのに。何?効果を持たないなら効果を持たないモンスターではないのか!?

マッドボールマン「……。」

というわけで効果を持たないモンスターをサポートするカード(《ダイガスタ・エメラル》等)の効果の対象にできない。
効果持ってないのに!

そしてこの手の産廃融合最後の希望簡易融合》ですらたったレベル1の差によって非対応「簡素融合」も(一応)効果モンスターなので非対応

E・HERO及びN限定だが効果モンスターも出せる《インスタント・コンタクト》の登場で出す事自体は容易になった。
しかし、場か墓地に《E・HERO ネオス》が居ないと攻撃できず、《E・HERO マッドボールマン》には関係ないけど効果も無効化され、エンドフェイズに帰ってしまうため、折角の無駄に高い守備力を生かす事が出来ない。
ネオスと組む事を考えると《E・HERO シャイニング・ネオス・ウィングマン》の融合素材にもなれる《E・HERO フレイム・ウィングマン》が最も使いやすく、
ネオスとの融合を考慮しなくても《E・HERO マッドボールマン》より頑丈な壁になれる戦闘破壊耐性持ちの《E・HERO フェニックスガイ》が立ちはだかる。
また、範囲がレベル7まで拡大しているため《ミラクル・フュージョン》をサーチ出来る《E・HERO サンライザー》なら更に融合HEROを並べて攻め立てる事も可能。
…と、《E・HERO マッドボールマン》を出すぐらいなら他のHEROを出す方が良い状況が多い。

これらの理由に加えて、現在はEXデッキは15枚という枚数制限があるので、大した効果も戦闘力も持たない《E・HERO マッドボールマン》を入れる余裕はない。
つまり全くと言って良いほど採用されない使うには愛が必要となる



単体性能だけなら泥団子とどっこいどっこいの《E・HERO スチーム・ヒーラー》ですら、《簡易融合》に対応しているが故に《E・HERO プリズマー》のチラ見せ要員としても《E・HERO セイラーマン》と差別化して採用できる余地があるのに……。


一応、変なデメリットがあるモンスターに比べると扱いやすいが、「効果を持たない効果モンスター」である点が物凄く足を引っ張っている。
そもそも当時の基準からいっても3枚ものディスアドを支払った結果が、下級モンスタークラスの攻撃力を得た《千年の盾》では割に合わない*1

《最強の盾》や《フェイバリット・ヒーロー》で攻撃力4900になれると書いたが、元々攻撃力が高い戦士族ならばこれと同条件で同等以上の数値に達することはザラ。
というか同じ素材でも出せる上に他にHEROがいれば弱体化効果を使える《V・HERO アドレイション》に並ばれているし、各素材から《マスク・チェンジ》すれば特殊召喚時に羽根帚+おまけの弱体化効果で《最強の盾》込みで5000までなら戦闘で処理できるM・HERO アシッド》やそれらを装備すると攻撃力5800+相手を戦闘破壊した時星4以下のHEROをリクルートする《M・HERO ダイアン》がいる。
《V・HERO アドレイション》と《M・HERO ダイアン》は素の攻撃力は2800、アシッドは2600(+特殊召喚時相手モンスターの攻300ダウン)なので《最強の盾》を引けなくても十分戦える。

どうしても使いたいのなら《反転世界》などと組み合わせよう。
まぁ同じ守備力3000でももっと使いやすいモンスターはゴロゴロいるが。ボールだけに。

マッドボールマン「」
フレイム・ブラスト「元気だせよ泥団子。」

現状、明確に差別化したいのなら《E・HERO バブルマン》を融合素材にする融合モンスターでは唯一レベル6である点が挙げられる
《インスタント・コンタクト》やランク6エクシーズを使う場合などでこの点が活きてくるかもしれない。


【転機】

そしてそんな彼にも遂に転機が訪れる。

《E・HERO フレイム・ウィングマン-フレイム・シュート》
融合・効果モンスター
星8/風属性/戦士族/攻2100/守1200
属性が異なる「E・HERO」モンスター×2
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分のデッキ・墓地から「フェイバリット」カード1枚を選んで手札に加える。
(2):通常モンスターを素材として融合召喚したこのカードをリリースして発動できる。
デッキ・EXデッキからレベル7以下の通常召喚できない「E・HERO」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。

ザ・ヴァリュアブル・ブックEX3で登場した新たな融合E・HERO。
属性の異なるE・HERO2体で融合召喚可能で、
特殊召喚時にフェイバリットカードのサーチ、バニラE・HEROを素材にした自身をリリースする事でレベル7以下の通常召喚出来ないE・HEROを呼ぶ効果を持ち、
本家フレイムウィングマンを呼びつつ《フェイバリット・ヒーロー》を装備させてアニメさながらの再現をしつつ、フェイバリット・コンタクトもサーチに対応させる事でネオスとの連携も意識したと言うデザインのカードだが、ここに来て《E・HERO マッドボールマン》に注目が集まる事となった。

何故なら上述にもあるが《E・HERO マッドボールマン》は対応しているE・HEROの中で攻守の合計値が1番高い。つまり、《フェイバリット・ヒーロー》を装備した時の最高打点を叩き出せるカードなのである。
目の上のたん瘤であったガイアもフレイム・シュートの特殊召喚効果は融合召喚扱いではないため攻撃力吸収効果が使えず、殆どの場面で《E・HERO マッドボールマン》が上回る事になる。
一方で《フェイバリット・ヒーロー》の追加攻撃効果を使用する場合は4900+1900=6800の《E・HERO マッドボールマン》に対して4800+2200=7000で合計火力でガイアが上回る事になる。
それでも相手の場にいるモンスターの攻撃力や数次第でまた変わってくるため、フレイム・シュートで呼ぶ場合に限ってはガイアとの関係はほぼ上位互換ではなく相互互換とも呼べる関係となっている。

無論、素直に直火焼き効果を持つ本家フレイムウィングマンを呼んだり、《E・HERO サンライザー》を呼んでサーチした《ミラクル・フュージョン》で更に融合HEROを並べて一斉攻撃を仕掛けるなりした方が良い場合も多く、そもそも《E・HERO フレア・ネオス》を出して《フェイバリット・ヒーロー》を装備した時点で攻撃力が並ばれる上にバトルフェイズ開始時のフィールド魔法展開で越えられてしまうため、未だに《E・HERO マッドボールマン》を優先して出す理由としては弱いが、ようやく「フレイム・シュート1枚から出せて、自身の効果を無効にされても維持出来る最高打点」と言う物凄くニッチな居場所を手にした事を喜びたい。


【余談】

実は攻略本が絶版になってから1度も再録されていないので、意外と入手しづらい。
持っている人は、大切にしてあげよう。
またこのカードには効果外テキストしかないため、現在とテキストの体裁が全く変わらない貴重な1枚だったりする。


遊戯王ラッシュデュエル

最強ジャンプ2024年9月号の付属カードとして登場。
OCGに続き、書籍付属カードとしての登場となった。

フュージョン・効果モンスター
星6/地属性/戦士族/攻1900/守3000
「E・HERO バブルマン」+「E・HERO クレイマン」
このカードはフュージョン召喚でしか特殊召喚できない。
【条件】なし
【効果】なし

OCGと変わりない性能で登場。
フュージョン召喚でしか特殊召喚できない制約を持つが、ラッシュデュエルの《ミラクル・フュージョン》はラッシュデュエルにカテゴリがない影響でフュージョン召喚を行える対象が「フュージョン召喚でしか特殊召喚できないモンスター(戦士族)」に変更されており、このお陰で効果を受けられるようになっているためデメリットを持っている意味を持つようになっている。
更に現状のラッシュデュエルにおいてはステータスの上限が抑え気味*2な上に、OCGと比べるとモンスターの効果除去がしにくい調整となっているため、融合素材である《E・HERO クレイマン》すら戦闘突破が難しいと言われる中、守備力3000と言うのはかなり強固な壁となっている。
汎用除去カードも存在しているのだが、このカードに除去を使わせると言う事は「除去を消費させてこちらのエースが狙われる可能性を減らす」と言う壁としての役割を全うしているとも言える。

これでようやく《E・HERO マッドボールマン》にも活躍の機会が…かと思いきや素材である《E・HERO バブルマン》が盛大に足を引っ張ると言うまさかの事態が発生。
《E・HERO バブルマン》は特殊召喚効果を削除される形でラッシュデュエルに参戦したのだが、召喚権無制限のラッシュデュエルにでは有ってもなくても変わらない効果なのでこれはまだ良い。
問題なのはドロー効果の方で、OCGとほぼ同じ*3で実装した結果、酷い産廃効果となってしまったのである。
ラッシュデュエルでは毎ターン開始時に手札が5枚になる様にドローする関係上、《E・HERO バブルマン》のドロー効果の条件である「手札と場のカードが自身(《E・HERO バブルマン》)のみ」と言う条件が満たしにくくなってしまっているのである。
そのため、ラッシュデュエルにおける《E・HERO バブルマン》は事実上効果を持たない効果モンスターになっており、《E・HERO マッドボールマン》を採用しようとするとお荷物でしかない《E・HERO バブルマン》も採用しなければならないと言うジレンマが発生する事態となっている。
ラッシュデュエルで活躍出来ると思いきやOCGでは優秀だった素材に逆に足を引っ張られる羽目になった《E・HERO マッドボールマン》の明日はどっちだ…
効果が実質ないようなものなのに効果モンスターのせいで《R・HERO アルジェント》などのバニラサポートを受けられないため、OCGで《E・HERO マッドボールマン》が背負っていた悲しみを、ラッシュデュエルでは《E・HERO バブルマン》が背負うことになった。


追記・修正は、《E・HERO マッドボールマン》で相手ターンを凌いでからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • E・HERO
  • HERO
  • 融合
  • 融合モンスター
  • 戦士族
  • 地属性
  • 星6
  • バブルマン
  • クレイマン
  • 遊戯王
  • 遊戯王OCG
  • 遊戯王GX
  • 効果を持たない効果モンスター
  • 書籍付録カード
  • 高額カード
  • 遊城十代
  • 遊戯王ラッシュデュエル
  • フュージョンモンスター
最終更新:2025年04月13日 02:20

*1 当時、上級モンスターといえば、特殊召喚の容易な「サイバー・ドラゴン」や強力な効果を持つ「帝」達が登場している時代である。

*2 LEGENDではない最上級モンスターの攻撃力上限は大半が2500で、稀に2600がいる程度

*3 場に出した時にドローするか、場に出したターンのメインフェイズならいつでも発動出来るかの違い