ハイネス(星のカービィ)

登録日:2018/03/27 Mon 23:26:19
更新日:2025/03/10 Mon 15:44:26
所要時間:約 13 分で読めます




注意!
この項目はゲーム『星のカービィ スターアライズ』の重大なネタバレしかありません
未クリアの方はただちにブラウザバックを強く推奨します!


































ハイネスとはゲーム星のカービィ スターアライズ』に登場する敵キャラクターである。
CVはアドリブ王こと千葉繁氏。


◆私の概要なのでぇ〜す……




星のカービィスターアライズにて初登場。そして本作における事件の元凶でもある。
全身白装束を着用し、顔や口元もフードで隠し、影となった顔からは黄色い眼光を覗かせる不気味な男。異名は「魔神官」。
部下として三魔官シスターズことフラン・キッス、フラン・ルージュ、ザン・パルルティザーヌを従えている。過去彼女らを拾ったことで特にパルルからは絶対の忠誠を誓われているが、実際の彼女達への扱いは……。(後述)
「でしょ〜か」や「でしてぇ〜」と言った間延びした話し方が特徴的……かと思えば一度スイッチが入れば歯止めがきかないなどかなり不安定かつ狂気的な面を覗かせている。
本作冒頭にて自身が崇める破壊の神を復活させようと儀式を行ったが、封印を解く術を完全に会得していなかったために儀式は失敗。ニルの器から大量の良い心「フレンズハート」と悪い心「ジャマハート」が銀河中に飛び散ってしまい、良い心はカービィにフレンドハートの能力を与えたりフレンドフロアに変化し、悪い心は触れたデデデ大王らを狂わせたというのが事件の真相。
自身は「大魔星マジュハルガロア」の奥に作られた「神降衛星エンデ」にてずっと儀式を行い、その間自身の部下である三魔官シスターズに飛び散った黒いハートこと「ジャマハート」の回収を命じていた。
しかしポップスターとお昼寝タイムは守る!と心に決めたかもしれないカービィとフレンズご一行様の快進撃は止められず、神降衛星エンデにまで到達されてしまう。
自身を守るザン・パルルティザーヌも敗れたことでようやくカービィらの侵入に気づき、ゆっくりと彼らの前に近づいていく。
そこで倒れたパルルにも気づくのだが……、





えっとぉ〜アナタ、ジャマですぅ。





\ベシッ/





何とパルルを邪魔扱いしたどころか彼女を殴り飛ばすという暴挙に出る。まあカービィシリーズには主君使えぬ愚か者と言われ城の外まで吹き飛ばされた者もいるのでまだマシか。しかしこれはまだ序の口に過ぎない。
改めてカービィとフレンズご一行様の侵入に気づいたハイネスはゆっくりと、儀式の完成に必要なエネルギーがまだ足りないと告げる。
このまま滅ぶのを待つしかないのか……と言ったと思いきや、



いなっ



いなぁっ!



いなっ いなっ いなっ







いなイナいなイナいなイナいなイナいなイナいなイナいなイナいな………







ゼッタァ〜イ、い〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜なぁっ!!!!





突如発狂し己の思いの丈をぶつけ始める……









銀河の果てに追いやられた魔力を司る我ら一族の悲願!

お前なぞにこの積年の思いの尊さがわかるのか?

いやわかるはずがない断じてないないないない!

かつて友であった奴らは我ら一族の力に恐れたのか、一族を皆ことごとく封印し銀河の果てヘと追いやった!

それでも飽きたらずかこの歴史からその存在さえ一片も残らず消し去ろうとしたぁ!

我らの魔力があってこそ、奴らの科学と融和することで成し得た偉大な繁栄!

銀河の危機とも呼べるあのおぞましい悪夢を退けた我々に対しあまりの仕打ち!

これは誤解などでは決してないない!

我を狂っているなどと言った奴らよ聞こえているか!

銀河の最果てヘと我らを置き去りにして旅立ち今も恐らくどこかでのんきに暮らしておるお前らに最早未来などない

闇の物質を祀る我が一族の復権は近い

皆が偽りと決めつけおった伝説の書の通りについに我らは神の居られる器を手に入れたのだ

目覚めさせしものに染まり慈悲を下さるというその神の器は今満たされつつある

遂に偉大なる神が誕生する時が来たのだあ

誕生するぞう誕生するぞう誕生するぞお〜

はっぴぃーばーすで〜い!新たなる歴史よぉ時代よぉ〜!

はっぴぃーばーすで〜い




偉大なる、神よおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!








アンタ何サラッととんでもないこと言ってんだ。
因みにこの間約6秒*1。しかもゲーム中は上記の台詞をノンストップの上に凄まじい速度、改行もなく全てひらがな表記なので録画機能を利用して一時停止でも使わない限り初見での解読はまず不可能である。
ハイネスも息切れを起こしたかと思えば急に冷静さを取り戻し、カービィとフレンズご一行様を不敵に睨み付ける。






ふっかつのぎしきをジャマしただ〜れかさんには〜……






みこころのま〜まにぃ……





◆しんで、もらいますです!!(※戦闘突入)



ひらがな表記とはいえ、「」という言葉を命令形で使うのはゲームのカービィシリーズでは初。(「死」というワード自体はSDXの「メタナイトの逆襲」にてメタナイトの「に損ない共め。勝手にするがよい。」*2と言う台詞で出てきている。)そのセリフを吐き捨て、戦闘に突入する。BGMは「傀儡奉納」。静かで怪しい曲調であり、不気味さを醸し出している。
自身は常に宙に浮遊している。

  • ジャマ/ウンジャマ
球体状の黒い小エネルギー弾ジャマを放ち、続けて少し大きなウンジャマを放つ。ジャマは吸い込める。
「ウン」は、ここでは「とても」という意味。

  • メラガバリカ・マッデム
地面から溶岩を噴き上げる。そのあと両手を天に向け、落雷を落とす。
「腹が立つ」を意味する「ジャマッデム」に由来。

  • ジャママジャーマ
ジャマハルダマークを出現させ光の針を大量に降らせる。マークの真下が安全。

  • ブリザ・ハローア
ジャマハルダマークを複数出現させ吹雪を発生させる。地味に当たり判定が大きい。
「こんにちは」を意味する「ジャマハローア」に由来。火属性攻撃で未然に阻止可能。


炎や氷、雷と言った攻撃や三魔官シスターズを拾ったという経緯から彼女達に魔力を与えたのは彼かもしれない。
しかし戦闘自体はあまり得意ではないのか攻撃はそこまで激しくはない。体力も低く、攻撃をしっかり当て続けていればあっという間に倒れる。そういや闇をベースに炎・雷・氷の3属性を使うボスには先輩がいたような…
だがいざトドメを……と思いきや、体力が尽きる寸前で踏みとどまり、ローブから自身の顔を覆っていたフードが剥がれ落ち……。





ヴ………






ヴ………








ヴッ!









◆「ヴンギャマエヴィティリゴッポコポオォォ―――ッ!!」



まさに声にもならない叫びと共に素顔を晒した。
フードの下に覆い隠されていた素顔、それは口をも覆い隠すほどの大きく垂れ下がった鼻、不気味な紫色の肌、角にも耳にも見える二本の突起物、カメレオンのようにギョロリと飛び出した焦点の合わない目。
見ようによっては滑稽とも、不気味ともとれるまさに「普通ではない」顔だった。すっげぇキモイデザインだな!!
どうやらこの顔がコンプレックスであったらしく、素顔を晒してからは発狂したかのように挙動がおかしくなり、声も狂気的な叫びとなる。
更には倒れていたパルルを含め、意識のない三魔官シスターズを召喚し何と彼女達からエネルギーを吸い上げて体力を回復させたのである。そう、予想通りここから第2ラウンドの始まりである。
エネルギーを吸い尽くされた彼女達は血の気を失ったかのように真っ黒に染まり、逆にエネルギーが漲ったハイネスはカービィとフレンズ様ご一行を今度こそ消そうと最後の戦いに臨む。
晒された素顔の異常さ、狂乱の踊りとも称される不安定な動き(しかも首が1回転する)、千葉繁氏の怪演による凄まじい叫び、第一形態とは打って変わってのアップテンポかつ複雑な音が絡み合う作曲の石川淳氏らしさ溢れるBGM「La Follia d'amore(ラ フォッリア ダモーレ)」、そして部下である三魔官シスターズをまさに道具として扱う演出。これによりハイネスの狂気をこれでもかとプレイヤーに見せつけ、カービィシリーズの中でもトップクラスの狂気的なキャラクターとしての地位を手に入れた。

第二形態における戦闘の主な攻撃手段は前述したように三魔官シスターズそのもの。彼女達を操っての魔術攻撃ならばまだ可愛い方だったのだが……
ちなみに、ハイネス自身が前半戦同様にメラガバリカ・マッデムやジャママジャーマを使うことがある。

  • デクふらし
彼女達自身を弾にして投げつけ攻撃する。
あからさまに痛そうである…。ちなみに謎のエフェクトが残留する(吸い込める)。

なおカービィと一部のフレンズはブンナケフレンズという名でハイネスより酷い投げ方をしている

  • デクバット
バットのように振り回す。文字通り道具扱いという酷い「使い方」である。
振り回すモーションは芸が細かいことに、三魔官が武器を連続で振る際のモーションによく似ている。

  • デクころがり
体力を半分まで減らすと今度はフレンズアクションの「フレンズころがり」そのものを使いだす…が、ネーミングがヒドい。四体中三体も気絶中とはいえ。
狂乱の叫びと共に壁も天井も関係なく画面中を転がり周り、最後には三魔官を投げつけてくるという大技。しかしこの攻撃の後に大きく疲弊し、目を回してしまうので攻撃のチャンス。遠慮なく攻撃をしこたまぶち込んでやろう。

その後も、
  • いけにえのかご
彼女達を盾にして自身は隠れながら攻撃など卑劣な攻撃を繰り出すもそんな友情の欠片もない力がカービィとフレンズご一行様に敵うはずもなく敗北するのだった。が……
(いけにえのかご中はジャマを投げつけてくるが、顔を出した時に攻撃を直撃させればハイネスをダウンさせることができる。やはり攻撃のチャンスであると同時に哺乳瓶で回復できる。)



◆ま、まさかこのハイネス様がぁ〜…敗れるとはぁ〜…



カービィらの力に驚愕しつつもしぶとくハイネスは祭壇へと昇る。
神さえ復活すれば、そのためのエネルギーこと生贄さえあればと未だに取りつかれたかのように呟く。
そこで振り返った先にいるのは意識のない三魔官。
プレイヤーの嫌な予感は見事に当たり、全く躊躇うことなく三魔官を生贄としてジャマハートへと送り込んだ。
それでも僅かに足りず、ならば自身もとジャマハートの中へ文字通り身投げしたのだった。
こうして自身が崇めること破神エンデ・ニルが復活してしまうのだった……。



◆その後


その後カービィとフレンズご一行様は伝説の秘宝こと「ティンクルスターアライズ」を顕現させ、エンデ・ニルとの最終決戦に臨む。
第一形態で弱点を全て破壊し終えるとエンデ・ニルの内部に吸い込まれ、そこでニルの本体である核と戦うことになるのだが、そこでは三魔官とハイネスは触手に巻き付かれて吊るされていた。
ニル本体に攻撃を加えていくと三魔官及びハイネスは解放されていく。この時それぞれ食べ物を落としてくれるのだが、ハイネスが落とすのは何故か哺乳瓶。意味深である。
ニル本体の皮を剥くと外へとハイネスら共々吐き出される。この時僅かに声を上げていることからまだ死んではいないと分かるのだがここで彼らの出番は終了となる。
この後の動向も描かれていないため行方不明という位置づけだが、果たしてどうなったのか…。




◆ハイネスの謎



本作のラスボスこと彼が神として崇める「破神エンデ・ニル」はカービィシリーズでも特に謎の多い存在であるのだが、ハイネス自身や彼の一族も謎が多い。
自身の一族が追放され、歴史から抹消されたという経緯をまるで鮮明に語っていることから恐らく当事者だと思われるのだがだとしたらやたらと長寿である。
そもそも闇の物質や銀河の危機とも言えるおぞましい悪夢、科学の一族と今までのカービィシリーズをプレイしていれば思い当たる節々。
ハイネス自身が狂気に染まった経緯は語られたが、彼の一族が本当は何をしたのか、科学の一族とやらの思惑とは、そもそもどうしてエンデ・ニルや闇の物質と関係を持つことになったのか。
彼の謎は深まるばかりだったが…。


◆余談



上記の通り、戦闘中は狂気そのものと呼べるハイネス。
三魔官シスターズの扱いも酷いものだが、彼女達からは忠誠を誓われている。
特にパルルにおいては彼のカリスマ性に心酔している。
また本作における「真・格闘王への道」こと「Theアルティメットチョイス」でのハイネス第二形態の説明文ではいつも名前を憶えていないパルルに対してなんと謝罪しているのだ。
これを見ればほっこりする反面、作中での扱いというギャップが生まれるのだが真相は不明。

OPでの落ち着いた印象と真逆な狂気的な本性それと素顔の残念さからあの残念王を思い出すプレイヤーもいたようだ。

特徴的な声は千葉繁のアドリブによるもの。
脚本に目を通した際に鼻が大きいからンガンガと籠もった風にした方がいいと実演して見せて一任されている。



◆そして…





スーパーカービィハンターズでは三魔官シスターズと一緒にオンライン用のスタンプがあったりストーリーを進めると城下町の空をたまに飛来するようになる。





さぁ〜て、ここまでの記事を読んでいただいただ〜れかさんには……




みこころのま〜まにぃ……






追記・修正、してもらいますです!!






画像出典:『星のカービィ スターアライズ』 2018年3月16日発売
制作・著作 株式会社ハル研究所/任天堂株式会社
©2018 HAL Laboratoly,inc./Nintendo

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 星のカービィ
  • 星のカービィ スターアライズ
  • ハイネス
  • 魔神官
  • スターアライズ
  • ネタバレ項目
  • 千葉繁
  • 声優の本気
  • 狂気
  • 早口
  • マシンガントーク
  • すっキモ
  • 人間凶器
  • もしかして:スリーパー
  • もしかして:ポリゴンZ
  • 星のカービィキャラクター項目
  • 旅人
  • フード
  • 哺乳瓶
  • 三属性
  • 千葉繁の本気
  • 演者の怪演
  • ダークサイドハイネス
  • La Follia d'amore
  • 傀儡奉納
  • 拝白の神司
  • 拝伏の神司
  • 堕神官
  • コメント欄ログ化項目
最終更新:2025年03月10日 15:44

*1 文字数の都合上などで、英語版では約15秒、フランス語版では約14秒、ドイツ語版・イタリア語版では約13秒。非常に短いのは日本語版も含めた漢字文化圏のそれであり、韓国語版が約7秒、簡体字版が約5秒、そして繁体字版にいたっては日本語版と同じく後半の句読点がなくなっている上にたったの4秒。

*2 ただこちらは後のメタナイトの台詞からわかるように本気で言ったわけではない。