八ツ目無名異

登録日:2021/06/11 Fri 03:13:55
更新日:2024/01/21 Sun 22:13:53
所要時間:約 5 分で読めます







俺は化物じゃなく人間を超えた者なのだ!!

八ツ目(やつめ) 無名異(むみょうい)とは漫画るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物。

目次

プロフィール

演:成田瑛基
身長:210cm
体重:85kg
生年月日:弘化4年*13月
年齢:31歳(人誅編時点)
血液型:A型
星座:魚座
出身地:新潟県
特技:土掘り
落ち着く場所:天井裏

【概要】

雪代縁によって招集された集団六人の同志の一人であり、「人体精製」の異名を持つ男。
闇乃武の一員であり、越後で金脈を掘り当てていた一族の出身。

他の面々よりも早く金脈を掘り当てる事を目的とした人体精製術により手足が常人の倍くらいはある長さとなっている奇形の怪人。
中でも目を引くのは、手足の中でも特に異常に長く伸びた左腕。
また、手足以外にも
  • バンダナ越しの鋭い白目や大きく裂かれた口
  • 骨灰で固めて鋭利にした歯
  • 異様に長い舌(これは人体精製術関係なく自前)
など、本当に人間なのかと疑わせる身体となっており、斎藤一からも「バケモノ」呼ばわりされた。少なくとも穴掘りのためにその牙はどう考えてもいらない

モデルは言うまでもなくヴェノム*2
実際、八ツ目の衣装が作画の都合上ヴェノムを意識したような黒ずくめであった。ただし、完全版のカラー表紙では衣装の色が赤となっており、赤みのある褐色肌も相まってヴェノムの宿敵カーネイジを彷彿させる。

【人物】

自分の容姿に絶対の誇りと自信を持っているような口ぶりが目立つが 実際は強いコンプレックスを持っており、 斎藤に「バケモノ」呼ばわりされた際は激昂のあまり長年待ちわびていた剣心との決闘を差し置いて斎藤を先に殺しにかかるほど
己の力を見せつけて「俺は化け物じゃなく人間を越えた者なのだ」と露骨に化け物評価を払拭しようとしたり斎藤があからさまに言い放った「身の程知らず」「阿呆」の罵声は完全スルーしたのにそれとなく言い混ぜた「化け物風情とはいえ…」のフレーズには「貴様まだ化け物と口にするか!」と即ブチ切れるやらを繰り返す。
その結果、斎藤からは「実は化け物扱いされるのを気にしてるんじゃないのか」と図星を突かれてしまった。

一方、登場してまもない頃は割とフランクな一面も見せており、同志達が揃ってグループ名の話題になった時には
「天井裏から愛をこめて」という名前を提案していた。詩人ですネェ。

【戦闘能力】

戦闘では長い手足を活かし左手に装備した爪で攻撃する他、地面を抉る事で発生させる防御法「土砂の防壁」で相手の攻撃を阻む。
左手に至っては機械よりも精密に動かせると豪語する通り、斎藤の牙突さえ難なく受け止めたほど。

人体精製

他の金掘り衆より、早く金を探すために編み出された秘伝。
生後間もない赤ん坊の手足に鉄輪をはめ、被験者の成長に合わせて鉄輪を増量し、手足を伸長させるというもの。
首長族や清国の高貴な女性に行う纏足と同じ要領らしい。
人体精製技術は口外禁止の代物で、万が一それを見られたら「見た者を殺す」と言うのが一族の掟。*3
ちなみに、首長族は首が伸びているのではなく嵌めた金輪による圧力で首から下が沈んでいるだけです。

  • 土砂の防壁
土砂を掬い上げて即席の障壁を造り出す技。
地面を抉り撒き散らした土砂で相手の視界と動きを鈍らせる。

武器

  • 万弾地雷砲(ばんだんじらいほう)
緑から渡された大陸製の地雷
陶製の瓶の中に炸薬と火薬を詰めた明代より伝わる地中爆弾。
埋めた個所を踏むか、八ツ目の手中の操作線によって起爆する。
まともに喰らえば両足が吹き飛ぶほどの威力。

【作中の活躍】

過去

金を採掘する金掘り衆の一族の出身。
金鉱脈の枯渇により、生活に困窮するようになった一族の生存の術を特異な肉体を活かした傭兵業に求めて闇乃武に加わる。
闇乃武の面々とは気が合ったようで「見張りくらい立てとけよ」とツッコんだり、同僚の角田と的確な連携を見せたりしている。
…というより、さすがに自身の姿を一切知らせずに角田と連携するのは無理がある気がするので闇乃武の面々には素性を明かしていた可能性もある。
結界の森で雪代巴奪還に訪れた剣心に角田と共に戦いを挑む。
角田が飛ばした樹木に隠れて接近し、長い手足を使って一方的に攻撃を加えるという戦法で剣心を追い詰めるも、右手に脇差を突き立てられて動きを封じられ、剣心に姿を見られてしまう。
姿を見られたことで、一族の秘伝を守る為に人斬り抜刀斎の抹殺を誓うと右手を無理やり引き裂いて拘束から脱出し、その場から逃走した。

人誅編

「一族の秘伝を見た者は消す」という掟に従いその機会を得るために縁の仲間に加わった。
かつての上司の弟子のアレっぷりとかつての同僚の親友のアレっぷりを八ツ目がどう思ったかは永遠の謎
縁も元々の知り合いという事もあってか、外印以外の同志の中ではある程度丁重に扱っており「姿を見せてくれるのなら自分の目的を話してもいい」とすら言っている。間違いなく挑発なのでマジで姿見せたら縁も困ったと思うが

神谷道場での決戦では道場の天井裏に潜んでおり、神谷薫を襲撃。
介入した剣心と闘おうとしたが、突如現れた斎藤一から「化け物」と言われたことで激怒し、標的を彼に変更。
「土砂の防壁」という土砂を掬い上げて即席の障壁を造り出す技で斎藤の牙突を封じ互角に戦うも、牙突・零式を生命線である左腕に叩き込まれた。
ちなみに斎藤曰く零式は手加減したもので、左腕をふきとばす事もできたらしい。宇水の上半身ふっ飛ばした前科からしておそらく真実

利き腕を破壊され最早勝負あったと思われたが、八ツ目は剣心への復讐という執念から尚も戦闘を続行。
左腕に刺さった刀を更に深く刺して芯棒の代わりにし、緑から渡された大陸製の地雷「万弾地雷砲」を仕込む事で斎藤の身動きを封じ、意識を地中に向かせ、爆発と同時に上空から奇襲をかける。
そして先に上空を飛んでいた斎藤に背後から頭を掴まれてそのまま地面に墜落した
当然のことながら斎藤からは「見え見えなんだよ、阿呆が」とド正論で突っ込まれさらに左手にブッ刺してた刀を抜き取られるスプラッターを飾った。

そのまま斎藤にトドメを刺されそうになったが、剣心の制止により事なきを得る。
そして剣心から「決闘にはいつでも応じる」と言われた上で北海道で鉱脈を探しているとされる一族のためにその力を活かすよう諭される。
八ツ目も困窮しながらもなんとか一縷の望みを繋ごうとしている一族を見捨てて復讐に生きている事には負い目があったのか、その言葉に項垂れ戦意を喪失した。
以降の消息は不明だが、他の同志と共に警官隊に捕縛された模様。

【再筆】

再筆版では設定が大きく変わり、外印により大陸の辺境から連れて来られた「回転に神を見出す部族」の出身である戦士「ム・ミョーイ」となっている。武器は大型ドリル
最初の予定では擬人化したゲッター2という話はもはや有名である

実写映画版

実写映画『最終章 The Final』『最終章 The Beginning』両作品に登場。
『The Final』では多くの前例に漏れずビジュアルが大きく変更され、四肢の長さは普通だが口元を広く覆った仮面を付けていて発する声はくぐもっている。少なくともどう見てもヴェノムではないが、一応仮面のデザインは原作の無名異の顔に似ている。
武器は両腕の鉤爪の他に金属製の熊手箒のような得物を使っている。
戦いの中で顔面に攻撃を受けた際に仮面を外して素顔を露呈していたが、仮面の下は口に裂き傷があるなど少々ホラーじみた演出がされている。その姿を見て、人によってはターミネーターやプレデターガラドールを思い出したとか。
こちらにおいては、民家の中で一家を襲っていた所に蒼紫が駆け付けたことにより彼と一戦を交えることになる。
外印が同志の一人として登場しないこともあって、原作で蒼紫が口にしていた「外法の悪党は外法の力を以て更なる闇へと葬り去る…それが隠密御庭番衆の最後を締め括る御頭としての務めだ!」という台詞は彼に向けられた物となった。
蒼紫との戦闘の中で劣勢に陥るものの、ダイナマイトで民間人をも巻き込むような爆撃を仕掛けることで蒼紫がそちらを庇って負傷するように仕向けつつ逃亡を果たす。
だが、その卑劣なやり方でを本気で怒らせてしまい、後半では縁のアジトにて、蒼紫の後を引き継いだ操と対峙。
皮肉にも彼女の中の「隠密御庭番衆御頭」としての潜在能力を引き出してしまう事になってしまい、蒼紫が乗り移ったかのような『回天剣舞六連』の前に敗れ去った。

『The Beginning』では流石に媒体の違いもあり、漫画やアニメとは異なり姿が明らかとなっている。
原作同様に角田との連携で抜刀斎(剣心)を追い詰める。その際に刀を角田諸共抜刀斎に突き刺す戦法を行った。
その後、抜刀斎の反撃で口元を刀で裂かれている。敗北後は原作同様に縁の元へ下った様子。

なお、彼が人誅に加わった理由と過去に関する話は特に語られなかった。

【余談】

斎藤との戦闘はるろ剣でもトップクラスにグロい…というより斎藤のやってる事がいちいちエグ過ぎるのでグロ耐性が無い方は一応注意。*4
将来人誅編がアニメ化する機会があったとしても、OVAでない限り改変や不自然なまでのマイルド化が余儀なくされるだろうレベル。まぁ、斎藤に関しては宇水の上半身だけを吹き飛ばしたシーンが改変された前例もあるし
一応、OVA版「追憶編」にも登場しているが、カギ爪の付いた腕や後ろ姿のみで声は一切無しとかなり地味なもの。
まぁ、写実的な作風をウリにしているOVA版に大きく出たら出たでかなり浮きまくっていたと思われるので英断かもしれない


追記・修正は天井裏より愛を込めてお願いします。

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最終更新:2024年01月21日 22:13

*1 西暦1847年

*2 単行本のコラムによると、最初のシルエット姿で周りからスパイダーマンだの何だの言われた和月が「じゃあいっそのことヴェノムも混ぜてやるぜ!」と思い立って自爆したとのこと

*3 闇乃武や六人の同志と活動しているときも常に物陰に潜み、会話に参加こそするが姿は見せていない。

*4 斎藤の容赦のなさに薫と恵が目を背けて左之助がちょっと引くレベル。