バドー(ロボット刑事)

登録日:2021/07/10 Sat 02:53:31
更新日:2025/02/17 Mon 07:44:30
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バドーとは、特撮ドラマ『ロボット刑事』に登場する悪の組織。


【概要】

犯罪者に様々な特殊能力を持ったロボットをレンタルし、その犯罪で得た利益の半分を受け取る事で利益を得る事を目的に活動する犯罪組織。

作中では単に「バドー」と呼ばれる事が多いが、契約書に「バドー犯罪シンジケート」と書かれているのでこれが正式な組織名の模様。
作中では「バドー犯罪組織」、次回予告のナレーションでは「バドーの殺人レンタル組織」と呼ばれる事もある。
日本だけではなく、外国の組織とも繋がりを持つ国際的な組織である。

バドーが他の特撮ヒーロー番組におけるいわゆる「悪の組織」と大きく違う点として、その活動目的が「ビジネス」によって「利益」を得るためという事があげられる。
世界征服等の題目を掲げて破壊やテロ活動を行うのではなく、あくまでも目的は金儲けなのである。
依頼人となる犯罪者とはきちんと契約書を作って契約し、派遣されたロボットが犯罪を「仕事」として遂行するのだ。
そのため、従来の怪人枠であるロボットが「人間の依頼人に契約書を盾に無理を迫られて困り果てる」といった珍しい場面も登場した事がある。

バドーへの報酬としては、バドーが関わった犯罪で依頼人が得た利益の半分を支払わなければならない。
ここでまたバドーが他の番組の悪の組織と違うのは、きちんと契約通りに報酬を支払う依頼人には非常に紳士的という事がある。
例えば、他の番組では組織に関わった人間は用済みや口封じとしてあっさり殺されてしまう事があるが、
バドーはビジネスが目的であるため信頼できる依頼人には手を出したりはしない。
それどころか、依頼人が警察に捕まった時には無償で助けに来たり、逮捕されたために無一文になった依頼人に自分達の取り分から活動資金をプレゼントするなど、
悪ではあるが信頼できる関係を作ろうとしている。

反面、契約を裏切り、金を持ち逃げしようとしたりする者には一切容赦しない。
犯罪で得た利益を全て没収した上、どこまでも追跡して抹殺する。
たとえ、警察に保護を求めて留置場の中に入ったとしても絶対に逃れる事はできない。

バドーと接触する方法はバドーからの売り込みを受ける場合と、「バドーマーク」と呼ばれるドクロ型のマークを使用する方法がある。
このバドーマークをどこでもいいので描くと、マークが光って殺人セールスマンを呼び寄せる事ができる。
但し、バドーと契約をする意思が無い者が描いた場合は、子供のいたずらであっても秘密を守るために抹殺される。

実は、このビジネスの真の目的はバドーが直接世界征服を行うための資金集めだった事が明かされ視聴者はみんなそうだろうと思ってたが
ストーリー終盤では警視庁特別科学捜査室に挑戦状を送り付け、直接対決に乗り出した。

犯罪行為に介入して利益を得るという事で、現実に存在する裏業者などに通じるものがあり、中々にリアルな組織である。

なお余談であるが、石ノ森章太郎御大による萬画版においては「ロボットレンタル株式会社(RRKK)バドー」と呼称されており、バドーではなくRRKKと呼ばれる方が多い。


【構成員】


◆バドー首領


TV版(バドー首領)


ロボット刑事K…!いつか必ず、母マザーと共に消す……!


出典:(1)ロボット刑事/東映/第25話「兇悪ガトリングマンのバドービールス作戦!!」/1973年9月20日放送
出典:(1)ロボット刑事/東映/第26話「バドー火星に死す!!」/1973年9月27日放送


声:川久保潔
演:富川澈夫


バドーを支配する謎の人物で、普段は赤と青の渦巻きの光という姿で登場する。
バドーにはいわゆる大幹部が存在しないためか、依頼人との交渉の場にも頻繁に顔を出してロボットに指示を行う。

その正体は、Kを開発した霧島サオリ博士の弟である霧島ジョージ
以前は優しい性格の人物だったが、世界有数の科学者であった父の霧島博士が悪人に殺された事をきっかけに精神に異常をきたし、
人間への憎悪と復讐のみに生きるようになってしまい、霧島博士の残した発明を悪用してバドーを造り上げた。

最後は地球を捨てて火星に向かったが、Kに敗れたハグルマンに道連れにされて死亡。
姉のサオリ博士は、最後まで元の優しい人間に戻る事を願っていたが、かなう事はなかった。
なお、Kとは最後まで直接相対する事はなかった。

萬画版(バドー首領)

石ノ森萬画版では「霧島竜治」という名前になっている。
霧島博士とその妻は元々旧日本軍御用達のロボット学者であったが、戦闘用ロボットを作ることに耐え兼ねたため軍部に殺された。
そのことを悲しんだマザー(原作ではサオリだが、本作では玲子という名前)は恨み言の様に幼い頃からそのことをねちねちと竜治に伝えていた。
幼い頃に玲子は竜治のイタズラが元で顔の右半分が焼けただれていたが、弟を気遣い「これは軍部に拷問されたから」とうそをついたため、
そのことを信じ込んだ竜治は玲子の洗脳教育で積み重ねられていた人間社会への憎悪が遂に決壊してしまい、悪の道へと走った。
つまりはRRKKが出来たのはマザー=玲子が余計な事をしたせいである。

竜治がRRKKの首謀者であることを知った玲子はどうしても電子頭脳が作れなかったため、母親の脳を元にクローン脳髄を作りそれを仕込んだKを建造。
自らが憎悪と怨恨を東京中にばら撒いた罪滅ぼしの為にKにRRKKを討つように命じた。

悪の道に走った竜治であるが18歳違いの娘・香織にだけは惜しみなく愛情を注いでおり、Kからバドーが犯罪組織である事を知らされた香織に殺人組織と手を切る様に諫言された際には激しく動揺している。

片腕のジャッカルを失い、いよいよKや警視庁、姉との最終決戦を決め込んだ竜治は、自らバトルスーツに乗り込み彼らを迎え撃つが…。


◆バドーロボット

バドーと契約を交わした犯罪者にレンタルされるロボット

TV版(バドーロボット)

名前は「◯◯マン」で統一され、様々な特殊能力を使って依頼人に代わって犯罪を行う。ボディは鋼鉄製で銃弾も通用しない。
作中では単に「バドーのロボット」、もしくは「バドーロボット」と呼ばれるほか、エンディングでは「ロボットマン」、ナレーションで「悪ロボット」と呼ばれた事もある。

人間では実行不可能な完全犯罪を行おうとするが、あくまでも「犯罪用ロボット」であるためか戦闘力はそれほど高くない。
装備されている武器も基本的には対人間用なのかKには通用しない事もあり、戦闘になるとKに遅れを取る場合が多い(スパイ暗殺が任務のロボットにその傾向が強い)。
しかし、序盤にもK単独では全く太刀打ちできないほどの強さを持つコワシマンなど強力なロボットも存在しており、特に中盤以降は強力な武器を装備したものが現れている。

覆面などの簡単な変装、もしくは全く変装しないで堂々と街をうろつくという妙に大胆な行動に出る者もいる。

元々の技術が同じ霧島博士の残した発明だとすると、Kとは兄弟機のような関係と言える。

特撮ものの「怪人」にしては珍しく、生物モチーフのロボットがカメレオマンの一体しかいない。



萬画版(バドーロボット)

以下は石ノ森萬画版に登場するバドーロボット。
名称は特に作中で語られていないので、便宜的に仮名で呼ぶ事とする。

TV版のどこかコミカルとも取れるバドーロボットの類は一切登場せず、マジのガチで相手を殺しにかかるようなロボットばかり登場するが、
その分いまいち記憶に残りづらいという点は否めない。

  • 型ロボット
大型犬に擬態した暗殺ロボット。一撃で常人ならば噛み殺せる顎を持ち、口の中には2連装マシンガンを装備。
Kのレーザーで頭部を射抜かれ、自爆した。
後述のジャッカルのプロトタイプもしくは安価な量産型かもしれない。

  • ギャング型ロボット
黒服に身を包みサングラスとマスクを着用した暗殺者ロボット。武器はレイガン。
Kと装甲する列車(上下2線)越しに撃ち合い、Kの左ひじを射抜くも、口を撃ち抜かれて相打ちとなる。直後に自爆。

  • マシンガンロボット
両手にマシンガンを仕込んだ鉄仮面のようなロボット。建設現場に逃げ込んだ殺人犯を追いかけるKを狙い撃ちにする。
ライフル弾程度なら弾き返すKが全弾避けるあたり、かなりの威力がうかがえる(実際、コンクリートを破壊している)。
Kがワイヤーを射抜いたことで落ちてきた鉄骨の下敷きになって爆散した。

別機体が金三角編でも登場。ポセイドン号沈没事件の捜査に訪れた柴達を銃撃した。

  • 偽佐々木敬吾
会社を潰され一家心中に追い込まれた(但し自分だけは生き残ってしまい、そのショックで精神に異常をきたした)元実業家・佐々木敬吾に擬態した暗殺ロボット。
全身をバラバラのパーツに分解して細い隙間から入り込むことが可能で、佐々木そっくりの人造皮膚を被って擬態していた。
内部に催眠ガスを仕込み、通風孔からガスを流し込んで相手を昏倒させてから虐殺を行う。
標的となった豪商・大里家の屋敷に入り込んだが、Kにより正体を暴かれ、のっぺらぼう型に始末される。

  • のっぺらぼう型ロボット
レイガンで偽佐々木を始末した。大里家の屋根でKと交戦し敗北、爆散する。

  • 偽大里参三
大里家の当主・参三に擬態した第2の偽者。右腕が針を仕込んだロケットパンチになっている。
参三の娘・参子を襲う(この時しっかりと参子に「父親の顔で」首を締めている)事により、連続殺人の犯人として参三に罪を着せた。
そして息を吹き返した参子を、警察のスキを突いて完全に始末。役目を終えた直後に逃走、自爆した。
実は偽佐々木も偽大里も本物の佐々木がRRKKから購入したものであり、参三は娘に殺人犯呼ばわりされた挙句に誤解が解けぬまま死別したショックで発狂
結果的に佐々木(本物)の大里家への復讐は完全に成功してしまうという結果になってしまった。
(逮捕された佐々木はすぐさまRRKKに関してベラベラ全部話してしまったが、その後RRKKの刺客が贈られたかどうかは不明)

  • 潜水ロボット
ダイバーのような外見をした身長3~4mほどの大型ロボット
頭部にマシンガン、胸に魚雷を装填し、ポセイドン号を始めとする漁船を次々に沈めていた。

  • 小型の潜水ロボット
RRKKアジト近辺を護衛する、上記潜水ロボットの小型版。射出式の銛や胸のスクリューなど、水中戦に特化した武装を有する。
量産されており、Kと海中戦を展開する。

金三角編でマシンガンロボットが遠隔操作していた小型の機械。ジェットモグラタンクのような形状をしており、砂の中を高速で移動して破壊工作を行う。

RRKKのアジト近辺を飛ぶジェット戦闘機(ドローン)。機銃を装備している。
作中では三機登場し、一機はKのジョーカーに敗れ撃墜したものの、増援の二機によりジョーカーは滅多撃ちにされて破壊された。(K及び強は無事脱出)

  • ジャッカル
RRKKの幹部であり、人間と意思疎通可能なロボット。本作のKは脳ミソだけは生体部品なので、こいつはKより更に高性能である
人型の身体にジャッカル型の頭部という、コボルドや狼男の様な半人半獣の外見をしており、注意深く抜け目がない性格。自在に壁や天井を上ることができる。
政界の大物・結城の命を受け、野党議員の暗殺や恐喝を行っていたが、雇い主である結城邸の庭でKと交戦し斬首され破壊された。
その後、首はKに奪われ、結城邸に忍び込むためにKに仮面のように被られた。
結城の正体は霧島であり、ジャッカルとの台詞をよく読めば「金で雇われている」のではなく、「最初から主従関係がある」ことがわかる。

  • 鮫型ロボット
最終決戦の場となった神野孫島近海に竜治が大量に潜ませておいた水中用ロボット。
口から魚雷を発射するが、「ロボットらしく生きて、自らの正義を貫く」覚悟を決め、封印されていたブローアップの力を解放したKにより全滅。

  • ロボットカー
マシンガンを装備した無人エアカー。
「神野孫島に余計な人間が入って来たら撃て」という命令を仕込んでいたばっかりに、竜治の娘・香織を誤射してしまう。

  • バトルスーツ
本作最強最後のロボット。竜治自ら乗り込む人型巨大ロボット
しかし自らの手で娘を殺め、錯乱してしまったため、作中ではほぼ何もできずにマザーと相打ちになってしまった



◆バドー工作員

バドーのその他の工作員。

TV版(バドー工作員)

いわゆる戦闘員であり、黒い服を着用し帽子とサングラス、白いスカーフで顔を隠した姿で暗躍する。
人間を改造したサイボーグであり、覆面の下の顔が黒いのが特徴。アルファベットと数字を組み合わせた番号で呼ばれる。
主な任務は集金や契約の取り付けだが、諜報部員なども存在している。
秘密保持のために体内に自爆装置が内蔵されており、捕まりそうになった場合は自爆して消滅する。

サイボーグなだけあって人間よりは強い力を持つが、さすがにKには敵わず、また新條のように日頃から鍛えている人間であれば対処はできる。
戦闘時にはロボット破壊銃などの銃を使う事も多い。

中盤までは出番はあまり多くないが、終盤はロボットの専属サポート要員としてコンビで作戦を行うようになり、出番が増えた。




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最終更新:2025年02月17日 07:44