サウザン星人 ギネーカ

登録日:2021/07/26 Mon 14:12:00
更新日:2025/06/14 Sat 22:10:36
所要時間:約 5 分で読めます





ん…? おっと、次のゲームのキックオフのようだ。

諸君、お楽しみの時間だよ……


サウザン星人ギネーカとは、『特捜戦隊デカレンジャー』に登場した敵キャラクター。



【データ】

身長:220cm
体重:92kg
出身地:サウザン星
罪状:ゲームと称して多くのエイリアンを殺害した罪
ジャッジメント:✕(デリート許可)
登場エピソード:Episode.34「セレブ・ゲーム」


【概要】

住人はみなゲーム好きとされるサウザン星出身のアリエナイザー
星間評議会の議長を父に持ち、「特権階級」を自称する典型的なセレブ。

サウザン星は文明がとても進んでいる星で、地球では考えられない高さの超々高層ビル群が雲を突き抜けて無数に立ち並び、宇宙の様々な重要施設が多い事でも知られている。
その関係でサウザン星には宇宙中のエイリアンが出入りし、サウザン星人は彼らと広く交流している為、顔が広いサウザン星人には名刺を渡すという習慣はアリエナイ。


【人物像】

見た目こそ王冠を被り、白いスーツを纏った王子様のような身なりのいいものだが、その性格はアリエナイザー達の中でも上位に入る、特キョウ指定にも引けを取らない程の外道
不遜な態度で他者を見下し、下記の取り巻きと共に数多くの狼藉を働いてきたドラ息子。

「自分達が町に放り込んだ水晶に似たターゲットボール*1を拾った何の罪もないエイリアンを標的に、怪重機でハンティングする」という、後の宇宙の無法者達を思わせる最低最悪のゲームで多くのエイリアンを殺害してきた*2
しかも質の悪いことに、父親の権力でこれらの罪は全て揉み消されていた模様。

権力を傘に着た横暴な振る舞いが多く、劇中では地球を「何もないど田舎の惑星」と見下し*3センちゃん(江成仙一)ウメコ(胡堂小梅)「どうせ安月給」「Poorな香りがする」と侮辱している。
エージェント・アブレラの顧客でもあり、アブレラは表向きはへりくだっているが、内心では「バカ息子が…」と吐き捨てている。
商売優先で顧客の犯罪には滅多に口を出さないアブレラでも彼なりに最低限のラインはあるのか、はたまた単に度を超えて横柄な態度が気に食わなかったのかは不明だが、裏で露骨に嫌悪感を抱かれ、存在を唾棄されたある意味稀有なアリエナイザーである。

戦闘はほぼ……というか完全に怪重機や狩りに使う武器、ドロイド頼みなので純粋な戦闘力は皆無に近い。
いざ自分に脅威の矛先が向くと偉そうな態度はどこへやら、怯えながら父親の名を出して脅すなど、言ってしまえばただ偉そうなだけの小物
上述の通り二言目にはパパ、パパ、パパな態度が示すように権力も父親のものであり、自分の力と呼べるものは何一つ持っていない為、ぶっちゃけ劇中に登場したアリエナイザーでは最弱候補と言っても過言ではない。
父親の権力がなければとっくにデリートされていただろうが、護衛として複数体のイーガロイドを引き連れているなど、金持ち故に高級なメカを多数用意できる経済力は厄介である。
また、デリート判決を受けた際の態度から「父親の名を振りかざされて手を出せなくなり、抵抗できずに殺害されたスペシャルポリスも少なからず存在したのではないか」という推測も。


【ミリオンミサイル】


全長:48.5m
全幅:27.5m
重量:5000t

ギネーカが操縦する、最新鋭の怪重機。
金色をベースに青色のアクセントが入ったボディや、頭部にある真っ赤なモノアイなど、全体的に古代遺跡の遺物めいた見た目が特徴。
最大の武器はその名の通り、体中から放つ無数のミサイル
その威力は全弾命中すればスーパーデカレンジャーロボすら中破させ、デカグリーンからも「次狙われたら、持たないぞ…!」と評される程の高火力。
また、UFOと飛行機が合わさったかのような飛行形態に瞬時に変形し、マッハ3の速度で飛行しながら空中から敵を攻撃する事も可能。
もちろん、飛行形態でもミサイルは問題なく使用できる。
また、その動力には「アンチグラビトンエネルギー」という非合法の高エネルギーが使用されており、爆発すれば日本列島を一瞬で吹き飛ばす程の破壊力を有する。
その高性能ぶりから、ギネーカ自身も「なかなか優秀じゃないか」と気に入っている模様。


【仲間】

  • ハンドレ星人 デーチョ
CV:高瀬右光
身長:203cm
体重:85kg
出身地:ハンドレ星

  • テンテ星人 シロガー
CV:北島淳司
身長:223cm
体重:89kg
出身地:テンテ星

ギネーカの遊び仲間兼取り巻き達。罪状はギネーカと同様。
デーチョは大型犬を1匹連れており、彼の家系は代々ブリーダーとして成功を収めてきたが、デーチョはその裏で法律違反ギリギリのデタラメな血統書を偽造する悪徳ブリーダーだった。
シロガーは少しナヨッとした性格かつ白い肌の手入れを欠かさないナルシストで、勇ましい角を気にしていたらしい。

彼らも親が大金持ちのドラ息子達だが権力には雲泥の差があったのか、遊び仲間というよりはギネーカの太鼓持ちと書く方が正しい。
しかし「類は友を呼ぶ」と言うのか、彼らもギネーカの「ゲーム」に嬉々として参加していた悪質なアリエナイザー達で、当然の如くギネーカ共々デリート許可の判決が下された。
また、彼らがデリートされた際は動揺するなど、ギネーカにもそれなりに大事な仲間だと思われていた模様。
ギネーカの発言から、彼らも2人合わせて16人のエイリアンを殺害していると思われる。

所有怪重機はデーチョがアルティメットイビル、シロガーがエンバーンズ。
ちなみにシロガーは本当はメガロリアを欲しがっていたが、売り切れていたためにやむなくエンバーンズを購入した模様。


【劇中での動向】

ある夜、地球で件の「ゲーム」を開催し、罪なきエイリアンを1人殺害するが、ターゲットボールを回収する前にスーパーデカレンジャーロボに妨害される。
この時はミリオンミサイルの攻撃でスーパーデカレンジャーロボを半壊させて撤退した。

翌日、自身の別荘の近くで怪重機が目撃された事でセンちゃんとウメコが聞き込み調査に来るが、3人揃ってシラを切ったのみならず、繰り返されるセンちゃんの質問に辟易して札束を渡して帰ってもらおうとした挙句、
「宇宙警察動かして、君達をクビにする事ぐらい簡単なんだよ?」と権力をちらつかせて脅しをかけるなどの不遜な態度を取り続けて2人を憤慨*4させた。ウメコは調査前に「玉の輿」を狙っていたのは内緒。

その後、ターゲットボールを拾ったチャンベーナ星人の少年・ギン(CV:鉄炮塚葉子)*5を新たなターゲットに定めて再び「ゲーム」を開始。
ギンと、偶然彼と一緒にいたセンちゃんを怪重機で追い回すが、地下に逃げられた事で銃を片手に直接殺害しようと2人の後を追う。
そして、隙を突いてギンを狙撃し……


ギン!! ……しっかりしろ、ギン!!

お、やったぁ! 僕の勝ちだね。これで457勝16敗だな。

お前達…自分達が何をしたのか、分かってるのか…!?

「ゲーム」だろ?

ああ。いつもやってる事だよぉ~、ハハハハハハハハ……

堅いこと言うなよぉ、たかが「遊び」じゃないか?


センちゃんはそんな身勝手極まりない3人を「貴様らは……金持ちの皮を被った、悪魔だ!!」と一刀両断し、デカグリーンに変身。
そしてジャッジメントにより3人にはデリート許可の判決が下る。



宇宙最高裁判所だって、僕達には手が出せないさ♪

デリート許可!

ありえない判決だなぁ! パパに取り消してもらおっ。アッハハハハハ……


自分達に下った判決を目の当たりにしても、例によって父親の権力をちらつかせ、(自分達に重なった✕マークを片手で物理的に振り払いながら)余裕の態度を崩さないギネーカだったが、
その振る舞いを見て怒りが頂点に達したセンちゃんの猛攻の前に一転して「や、やめろ! パパに言いつけるぞ…!」と怯える醜態を晒した。この時ちゃっかりデーチョとシロガーを盾にした。
直後にイーガロイド3体とバーツロイド4体が助太刀に来ると、その場から逃走して再びミリオンミサイルに搭乗。
そして新たに登場した5機のパトウイングに遭遇。


なんだありゃ!?

奴ら、飛行メカを持っていたのか!?

よし! 今度はあいつらをターゲットにしよう。
お宝の代わりに、100年物のロマネ・コンティを賭けようぜぇ?


しかしギネーカはまるで動じず、性懲りもなく新たなゲームをデーチョとシロガーに持ち掛け、デカウイングロボと交戦。
しかし、実力の差は歴然でデーチョとシロガーはデカウイングロボによって怪重機ごとあっさりデリートされてしまう。


デーチョ、シロガー! “遊び”なのに、なんてひどい事するんだ!


この期に及んでとんでもないブーメラン発言をかますと、飛行形態になり逃走を図るが、未だにお遊び気分でいる事がまたしてもセンちゃんの逆鱗に触れ、デカウイングロボのかかと落としを喰らい撃墜された。
その後、デカレンジャー達は「アンチグラビトンエネルギーを燃料にしている事から地球での破壊は危険」と判断し、ミリオンミサイルをデカウイングロボで成層圏まで運び出し……


標的になった人の気持ちを……思い知れ!!


最期はデカウイングロボが変形したデカウイングキャノンによる「ファイナルバスター」を受け、ご自慢のパパの権力も守ってくれず、情けなく命乞いする暇すら与えられずにミリオンミサイル共々爆発四散、ついにデリートされた。
これまで好き勝手に「ゲーム」と称して多くの人命を狩った者として、因果応報かつ至極当然の罰を受けたのであった。

なお、ギネーカに狙撃されたギンはちゃっかりくすねて胸に忍ばせていたもんじゃ焼きのヘラで命拾いしており、弾丸の衝撃による気絶で済んだだけで特にケガはなかった。とはいえ、勝手に店の備品を持っていった事はセンちゃんにしっかり怒られたが。


【余談】

  • 出身星と名前の由来は、英語「1000」を意味する「サウザンド」と、「鉄鋼王」の異名を持つアメリカの大富豪アンドリュー・カーネギーから。
    なお、デザイン画の時点では出身星が「レセブ星」になっており、こちらは「セレブ」のアナグラムと思われる。
    また、ハンドレ星人 デーチョはそれぞれ「ハンドレッド(100)」と「田園調布」、テンテ星人 シロガーはそれぞれ「テン(10)」と「白金台」から。
    • それ以外では、ミリオンミサイルもデザイン画の段階では「ディアハンター」という名だった。


  • デリート許可を受けても余裕の態度を崩さず全く動じなかったアリエナイザーは、ギネーカ以外ではスペキオン星人 ジェニオや映画『特捜戦隊デカレンジャー THE MOVIE フルブラスト・アクション』に登場したガスドリンカーズくらいだが、ギネーカが完全に父親の権力頼みだったのに対し、彼らはそれぞれが高い実力を持ち、デリート許可を受けてなおジェニオは自慢の能力でデカレンジャー達を振り切っての逃亡を図り、ガスドリンカーズはデカレンジャーと真っ向勝負を繰り広げた事を考えると、常に自分の力を信じ余裕の態度を崩さない悪としての魅力には雲泥の差がある。
    また、同話に登場したギンとは「別荘持ちのセレブ」と「移住してきた貧困層」という立場のみならず、「親の権力にすがって身勝手に悪事を働く」「病気の親の為に慌ただしく動く」など行動経緯も正反対であり、劇中でセンちゃんが語っていた「金が無くても、心が貧しくなければ恥ずかしい事じゃない」という台詞を体現する形になっている。

  • ギネーカの言っていた「パパ」は本編には結局登場しなかったので、どういう人物だったのかは不明。
    先述の通り息子が最低のクズなのでろくな人物ではない可能性も高いが、デリートされた息子の仇討ちに来ようとはしなかった辺り、既に息子には愛想を尽かして放任していた可能性もある(それもそれで問題ではあるが)。
    いずれにせよ、息子が大量殺人犯として大っぴらに処罰された以上、権力者である「パパ」も無事では済まないと思われる。
    • 同じような父親の権力を持ったバカ息子としては後の『海賊戦隊ゴーカイジャー』に登場した司令官ワルズ・ギルが挙げられるが、向こうは皇帝アクドス・ギルという偉大な父を持つが故のコンプレックスを抱き、それと同時に自分の無力さも痛感していたため、ギネーカとは似て非なるキャラとも言える(明確に父親から愛されており、死後にアクドス自ら仇討ちに来る辺りも真逆と言える)。


それにしても、追記・修正は楽しい。
我々Wiki篭りだけに許されたスポーツだと思わんかね? フッフフハハハ……


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最終更新:2025年06月14日 22:10

*1 拾われてから一定時間経つとブレスレット状になり、持ち主が死なない限りその腕から外れなくなる。

*2 本人の発言から、少なくともこの「ゲーム」で彼自身は456人殺害してきたらしい。

*3 一応「ワインとチーズだけはイケる」とそれなりの評価もあるのだが。

*4 ウメコは怒号を飛ばしたが、センちゃんは持ち前のスルースキルで顔をしかめる程度に収めた。

*5 昨夜、ギネーカ達がエイリアンを殺害した現場付近でターゲットボールを宝玉と勘違いして拾った模様。なお、出身星のチャンベーナはEpisode.1でバン(赤座伴番)ディアマンテ星人 ドン・モヤイダを追いかけていた星でもある。

*6 なお、この間にパーフェク星人 サークルバ→映画『フルブラスト・アクション』でマリー・ゴールドの潜入していた酒場にいた客のエイリアンといった2度の流用を挟んでいる。