バービー(映画)

登録日:2023/11/05 Sun 15:35:43
更新日:2025/06/04 Wed 21:21:17
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バービーの世界、初の実写化!


ようこそ、<夢>のようなバービーランドへ!



完璧なバービーランドから、人間の世界(リアルワールド)

2人が知った驚きの秘密とは?



『バービー(Barbie)』とは、2023年に公開された米映画である。
監督は『レディ・バード』や『ストーリー・オブ・マイ・ライフ わたしの若草物語』でメガホンを取った女優のグレタ・ガーウィグで、『マリッジ・ストーリー』のノア・バームバックと共に脚本も手掛けた。
主演は『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』や『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』などのDCエクステンデッド・ユニバース/DCフィルムズ・ユニバースでハーレイ・クイン役を務めたマーゴット・ロビーと、
『ドライブ』や『ラ・ラ・ランド』『ブレードランナー2049』のライアン・ゴズリング。
また、『ハリー・ポッター』や『ファンタスティック・ビースト』などの魔法ワールドシリーズや『パディントン』シリーズのデヴィッド・ハイマンがプロデューサーとして参加している。

概要


その名の通り、アメリカの玩具メーカー・マテル社より発売されている着せ替え人形シリーズ「バービー」の実写映画化作品。

さて、「着せ替え人形の実写映画化作品」と言うと、あなたはどのような作品を思い浮かべるだろうか。
やはり、かつて日本で作られた『リカちゃん*1のアニメ映画版のような、「人間として生活している人形のキャラクターが活躍するファンタジー作品」を連想するだろう。

しかし、今作はそれまでのバービーアニメや玩具を原作とした作品群とはかなり異質な作品となった。
物語の舞台は職業や時に肌の色すら異なるマテル社がその時代ごとの流行りやポリコレ、本作含めたメディアミックス等に合わせて同一存在とは思えない程バリエーションを増やしまくった様々なバービーやケンが暮らす夢のような世界「バービーランド」。
そこはバービー達は何でもなりたいものに成ることができ、毎日が楽しく暮らせる理想郷だ。
だが、その中で暮らす一人の定番バービーが陥るはずのないネガティブな思考に陥ってしまう。
世界の均衡を保つために、バービーは人形としての自分の持ち主に会いに人間界へ向かうが、それはとんでもない騒動のきっかけとなってしまう。

今作では「女の子にとっての理想の存在」であるバービーの在り方を徹底的に追求し、さらには「ボーイフレンド人形」のケンに対しても、その存在を深掘りしていく。
「理想の女性像」であるバービーの功罪、「有害な男性らしさ」の具現化、男女のパワーバランスが反転した事による性格差の風刺、「女性」であるが故に求められる理不尽等々……
このように現代社会を痛烈に風刺したブラックテイストの強いコメディ作品となっている。

ぶっちゃけ、バービーの過去の商品ラインナップのネタがかなり多いので、日本人にはピンと来ないネタも多い。
しかし社会の風刺だけでなく、「人間として生きること」の素晴らしさも説いた感動も待ち構えている。

なお、バービー役は全てクレジットが「バービー」、ケン役は全て「ケン」とされており、区別されていない。
ただし、英語版Wikipediaや日本版では職業名で区別されている。

日本では8月11日に公開され、イベントにはバービー役の吹替えを担当した高畑充希とプロデューサーのデヴィッド・ハイマンが登壇した。
当初は主演のマーゴット・ロビー及びグロリア役のアメリカ・フェレーラの来日も予定されていたが、7月から実施されていたハリウッド俳優組合(SAG-AFTRA)ストライキの影響で中止となっている。

興行収入は全世界で13億8000万ドル(約2020億円)、アメリカ以外でもイギリス・スペインで1位を獲得。単独の女性監督で興収10億ドル越えは史上初の快挙となった。

一方、日本ではお盆の時期にもかかわらず6位スタートとかなり低調になってしまった。
不振の理由は次述の騒動の影響という見方もあるが、同時期に『キングダム 運命の炎』や『ミッション:インポッシブル デッドレコニング』『君たちはどう生きるか』といった強力な話題作が軒並み公開されていたこと、
日本では「バービー」と言えばザキヤマによく似た顔の女芸人を思い浮かべる人が多く、「人形遊び=リカちゃん」が圧倒している文化圏の違いが大きいだろう。

バーベンハイマー騒動


本作を語る上で避けては通れないのがこの一件である。
アメリカではユニバーサル・ピクチャーズ制作・配給、クリストファー・ノーラン監督の映画『オッペンハイマー』と同日公開となった。
オッペンハイマーとは、世界初の原子爆弾を開発した「原爆の父」として知られる理論物理学者で、映画は氏の伝記作品である。
ネット上では両者を組み合わせた「バーベンハイマー」なる造語が生まれ、それに関連したコラ画像*2が多数出回ることとなった。

ところが、米ワーナー公式がこのコラ画像に
「It's going to be a summer to remember (思い出に残る夏になる)」
「This Ken is a stylist (ケンは素晴らしいスタイリスト)」
と好意的な反応を示したことで大炎上、さらには日本側も9.11同時多発テロ事件の合成画像を出すという応酬合戦と化してしまう。
結果、この件で日本の配給元であるワーナー ブラザース ジャパンが謝罪する事態になった他、主演俳優やプロデューサー、日本語吹き替えの高畑充希氏も本件に言及し、違う意味での話題作となってしまった。

元々関係の無い両作が結び付けられる形で盛り上がったのは、コロナ禍等でアメリカ映画界がシリーズものやリブート、過去作の続編祭りになっていたところ、久々にヒットした完全新作2本の期待・祝勝によるもの。
そこまではよかったのだが、原爆被害の実情など教育の不足や白人社会にとって「原爆=米国が最も豊かで強かった時代の象徴」「原爆投下は戦争の終結を早めた英断、正義だった」というイメージが少なからず残っているせいか、世界で唯一の被爆国からすると不謹慎なムーブメントになってしまった模様。

余談だが『オッペンハイマー』は、11月に海外で映像ソフトが発売された後も日本で映画として鑑賞できる機会があるかは不明だった*3が、後に2024年3月29日に公開が決定。
日本での配給先はユニバーサル作品の日本配給を担っている東宝東和やパルコ*4ではなくビターズ・エンドが担当するという、2016年日本公開の映画『不屈の男 アンブロークン』と似たような形となった*5

ストーリー


かつて少女が遊んでいた人形のほとんどは、育児の疑似体験をさせる「赤ちゃん人形」だった。
だが、ある一つの人形が全てを変えた。
その人形の名は「バービー」。
「何でもなれる、どんな女の子にも当てはまる」をコンセプトにしたバービーは瞬く間に少女の間で流行し、バービーは「理想の存在」となった。

そして現在、バービー達は想像上の世界「バービーランド」で楽しく暮らしている。
バービーはどんな職業にでもなれる。バービーは悩まない。毎日のように笑って、時にボーイフレンドのケンとお喋りし、夜はダンスにパジャマパーティー。
そんな暮らしがいつまでも続くと彼女らは思っていた。
ある日、定番のバービーが「死ぬってどういうこと?」と自問するまでは。

そしてバービーの頭からは「死」が離れられなくなり、ヒールを履く足が平たくなってしまう。
異変を治すため、バービーは街外れの変てこバービーの下へ向かい、助言を乞う。
変てこバービーは、全ての元凶は持ち主の女の子にあるのだと言う。持ち主と会って悩みを解決するしかないと。

こうして人間界へと向かうことにしたバービーと、勝手についてきたケン。
そこで2人を待ち受けていたのは、理想とはかけ離れた社会が築き上げられた人間界だった。
数々の困難に直面し、現実と理想のギャップに苦しみながらも、ようやく自分の持ち主に出会えたバービー。
だが、その一方でケンは現実の男性主義社会の虜になり、思わぬ事態を引き起こす。

果たして、バービーランドの混乱の行く末は? バービーが選ぶ自分だけの未来とは?

登場人物


主要人物

  • バービー(定番)
演:マーゴット・ロビー/吹き替え:高畑充希

世界で最初に発売されたタイプの、金髪が特徴の「定番」バービー。
バービーの中でも「定番」タイプらしく、日々楽しく仲間のバービーやいつも一緒にいる(しかし恋人ではない)ケンと遊びながら暮らしている。
バービーランドを完璧な世界と信じていたが、ある日自身の中に浮かんだ「死」のイメージにより調子が狂い始め、「定番」ではなくなっていき、元の状態に治すために人間界へ行く決意をする。
だが、人間界で待ち受けていたのは女性が性的に消費され、疎んじられ、なおかつ自分が「ルッキズムにより女性の扱いを衰退させた張本人」として見られる現実だった。
おまけに生みの親であるマテル社に不当な扱いを受けそうになるが、本当の持ち主との再会や人間界の本当の美しさを知り、自分の在り方に疑問を抱いていく。
そして、ケンとの関係を見つめ直した彼女はある決断をする。
ちなみに公式設定では「バービー」は愛称で、本名は「バーバラ・ミリセント・ロバーツ」。また本作後「映画準拠のバービー(とケン)」人形が発売されている。
+ ちょっとした余談
実は史実でのバービーとケンの名前の由来は、バービーの生みの親でマテルを立ち上げたエリオット・ハンドラーの妻であり、創業時の社長でもあるルース・ハンドラーの子供ケネス・ロバート(1994年没)とバーバラから来ている。
バービー世界でのバービーとケン自体は他人なものの、もしかしたら2人がいちゃラブ関係に至らないのはそれが影響しているのかも知れない。

  • ケン(ビーチ)
演:ライアン・ゴズリング/吹き替え:武内駿輔

定番バービーと「いい関係」のケン。
「ビーチに立っている」ケンではあるが、ライフセーバーではないため泳げない。
バービーとは友達以上の関係になれず、アプローチも躱される日々が続いており、奥手な自分に内心嫌気が差していた。
そんな中、人間界へ行くバービーの助けになるために勝手について行く。
だが、そこで男性が敬われ、男性を中心に回る社会を目の当たりにした彼はすっかり「男性主義社会*6」に魅入られ、承認欲求が徐々に肥大化。
そしてバービーに無断でバービーランドに帰還し、ケンの間で「男性主義」を蔓延させ、バービーランドをケン主体のものに改革・支配してしまう。
帰ってきたバービーをも突き放し、精神的優位に立つが……?
身近に「他のケンとバービー」が存在しない世界だったらそこまで拗らせなかったかも知れない。


バービー達

  • 変てこバービー
演:ケイト・マッキノン/吹き替え:朴璐美
かつては美しいバービーだったが、持ち主の少女に弄ばれ、180度開脚し、奇抜な化粧を施され、「変わり者」扱いされてしまったバービー。
街外れの屋敷に廃盤商品達と一緒に暮らし、他のバービーから疎外されている。
しかし、世界の真実にいち早く気付いており、知恵も回る学者的気質である。
異変が起こった定番バービーに「元の持ち主に会え」と助言し、また、ケンの支配にも染まらずレジスタンスの中心的役割も担う。

  • 大統領バービー
演:イッサ・レイ/吹き替え:斎賀みつき
  • 作家バービー
演:アレクサンドラ・シップ/吹き替え:沢城みゆき
  • ノーベル物理学賞受賞のバービー
演:エマ・マッキー/吹き替え:坂本真綾
  • 弁護士バービー
演:シャロン・ルーニー/吹き替え:高橋里枝
  • 医者バービー
演:ハリ・ネフ/吹き替え:きそひろこ
  • 最高裁判事バービー
演:アナ・クルーズ・ケイン/吹き替え:恒松あゆみ
  • 人魚バービー
演:デュア・リパ/吹き替え:LiLiCo
  • 外交官バービー
演:ニコラ・コクラン
  • 記者バービー
演:リトゥ・アルヤ
  • 王女バービー
演:マリサ・アベーラ
様々な人種・体型・職業を有しているバービー。
みなバービーランドの生活に疑問を持たずに満喫している。
しかし、ケンの改革後はケンに尽くす事だけに快楽を感じるようになってしまう。

ケン達

  • 別のケン
演:シム・リウ/吹き替え:小野大輔
定番バービーにアプローチをかけているアジア系のケン。10個のリングは操っていない。
ビーチのケンを敵視し、彼を牽制している。

  • その他のケン
演:スコット・エバンス/吹き替え:置鮎龍太郎
演:キングズリー・ベン=アディル/吹き替え:諏訪部順一
演:ンクーティ・ガトワ/吹き替え:KENN
演:ジョン・シナ
バービーとは深い関係になれず、「大きな役割」を担うことのないケン達。
人間界から持ち帰られた「男性主義社会」によって立場が逆転し、バービー達をこき使う。
その中にワイスピのハゲの弟や、平和の為なら女子供も容赦なく殺すヴィラン黄色いトランスフォーマーを追っかけ回していた人に似ているのもいるけど、全く関係ない。


その他のバービーランドの住人

  • アラン
演:マイケル・セラ/吹き替え:下野紘
かつてマテル社から発売されていた、ケンの友達人形。
自己主張が弱く、バービーからもケンほど相手にされていない。
しかしながら「やる時はやる」タイプであり、異様に強い。
ケンによる社会改革後も、元来の「男性らしさ」の乏しさ故に洗脳されず、バービーの味方についた。

  • ミッジ
演:エメラルド・フェネル
2015年までマテル社から発売されていた、バービーの友達人形。
妊婦がモチーフであり、そこまで売れなかった。
なお、史実では発売末期の2013年に所帯持ち設定がオミットされたそうなので、バービーランドのどこかには妊婦ではないミッジもいるかも知れない。

  • スキッパー
演:エリカ・フォード
同じく、かつてマテル社から発売されていた、バービーの友達人形(マテル社の現行設定ではバービーの妹)。
昔、人間界に来て人間の子守をしようとして騒動を起こしたらしい。

  • グローイングアップ・スキッパー
  • バービービデオガール
  • ティーントークバービー
  • シュガーダディケン
  • イヤリングマジックケン
変てこバービーの家で暮らしている、マテル社の廃盤人形達。
サーシャ曰く「誰得」な機能付きの人形ばかりである。
過去の商品を自虐するとはよく許したなマテル……
なお、史実でのイヤリングマジックケンは新時代のケンとしてファンを開拓したものの、「デザインがステレオタイプなゲイのカリカチュアである」と各所から批判を受けて廃盤となった過去を持つ。
商業における多様性とはこのようにデリケートなのである。


人間界

  • グロリア
演:アメリカ・フェレーラ/吹き替え:本田貴子
マテル社に務めているデザイナー。
新しいバービーのいいアイデアが思い浮かばず、娘との仲も上手くいかず、鬱屈した日々を過ごしていた。
そして、娘のサーシャが手放した定番バービーの「真の持ち主」。バービーとの再会で彼女と意気投合し、親子揃ってバービーランドに招待される。
更に、バービーランドの危機に思わぬ福音をもたらすことになる……?

  • サーシャ
演:アリアナ・グリーンブラット/吹き替え:早見沙織
グロリアの娘。
シニカルで毒舌なリアリストであり、母親との関係も最近は悪化していた。
かつてはバービーで遊んでいたが、擦れた今となっては「女性像を衰退させたファシスト」と見做して彼女を疎んじている。
だが、目の前に現れたのが本物のバービーと知り、成り行きでバービーランドへ行くことになり、だんだん母とバービーを見直すようになる。
一部では、バービー人形のライバルであるMGA社の女子向け人形のブランド「Bratz(ブラッツ)」のキャラの一人「sasha」が由来とも噂されている。
この「ブラッツ」とバービーは因縁が深く、一時期ブラッツ人形の売り上げがバービー人形を上回る事態もあったりしたが、バービー人形を販売するマテル社がMGA社に対して著作権侵害を訴えた結果、MGA社側が敗訴し一時販売・製造停止という自体に発展した。
なお、ブラッツ人形のデザインを行っていたのは、マテル社員でバービー人形のデザイナーでもあったカーター・ブライアントという人物が手がけていたものであり、マテルとは別のライバルの玩具会社にデザインのアイデアを渡したという事が裁判でも論点となり、この辺はある意味バービー人形……いや、アメリカ玩具界の黒歴史だったりする。

  • マテル社CEO
演:ウィル・フェレル/吹き替え:内田直哉
バービーを作ったマテル社のCEO。
典型的な男性ビジネスマンであり、口では「女性を大切にしている」と称し、少女の夢を守るフェミニストを気取っているが、その実男性権威に凝り固まっている。
バービーが人間界に来たと知るや、彼女を送り返すべく捕獲を部下に命じる。
もちろん、本作はフィクションなので実際のマテルCEO(2023年時点)であるイノン・クライツ氏とは無関係です。
なお、聞いてもいないのに「私の親しい友人にはユダヤ人がいる」と言うのだが、実際のマテル社の創業者であるハロルド・“マット”・マットソンとエリオット・ハンドラー、先述した現CEOのクライツ氏がユダヤ系の人間であるという事に因んだネタである。

  • マテル社CFO
演:ジェイミー・デメトリウ

  • アーロン
演:コナー・スウィンデルズ
マテル社の社員。
警察からの情報を受け取り、CEOに危機を知らせ、成り行きからバービー捕獲作戦に付き合わされる。

  • ルース
演:リア・パールマン/吹き替え:木村有里
バービーがマテル社で出会った謎の老女。
バービーを最初から知っていたかのように振る舞うが……?
もちろん、正体はマテル創業時の社長でもルース・ハンドラーその人。
だが、彼女は史実では不正な財務報告の作成と欺瞞行為と証券取引委員会への虚偽報告で夫のエリオット共々訴追されており、その結果罰金刑のみで済んだが、マテル社を退社させられている。

  • ナレーター
CV:ヘレン・ミレン/吹き替え:榊原良子
本作の「天の声」。
バービーの解説や劇中の登場人物にキレのあるツッコミを加える。
決して「こういう馬鹿な男もいる…世の中捨てたものではないぞ」とは言わない。

用語集


  • バービーランド
バービーが暮らす想像上の世界。ピンクを基調としており、黒は存在しない*7
バービーの持ち主の想像力が源となっており、あらゆる事象が想像力で賄われ、例えば階数移動も「持ち上げられて」の移動となる。
人間界の法則とは異なり、火や水は存在しない。
バービー達は様々な職業に就いており、「何でもなれる」。
一方で、ケンは「ボーイフレンド」ではあるが、「恋人」ではなく、また重要な役割を担っているわけではない。
余談だが、バービーの歴史の中ではケンがバービーと別れていた時期が7年間もあるが、その世界線がバービーランドの世界にあったかは定かではない。
また、本作記念に現実ではグロリア人形も発売されたため、恐らく本編後には街のどこかに……

  • 人間界
我々が住む現実の世界。バービーランドからは特定の手段を経て行くことが出来る。
女性の社会進出が進んではいるものの、やはり男性権威は根強く、女性だけでなく男性もまた苦しんでいる。

  • マテル社
バービーを生んだ、アメリカ合衆国カリフォルニア州エル・セグンドに実在する大手玩具会社。ちなみに元々は額縁やドールハウス用の家具を製作し販売していたメーカーだった。
バービー以外にも『UNO』やミニカーの『ホットウィール』あと「光る拳は王者のしるし」と歌われていた周辺機器ハイパーな糞とかでお馴染み。
現実ではライバルのアメリカの玩具メーカーであるハズブロ社と市場の勢力を二分するが、かつてファミリー層向けにサーカス運営会社を買収したが、買収した翌年に2990万ドルの損失を出したためたった3年で手放したり、
1987年に『マスターズ・オブ・ザ・ユニバース』の実写映画を公開したが、その年にシリーズの売上が減少し、1億1500万ドルの損失を生み出したりとやらかしも多かったり。
さらには近年には最大のライバルであるハズブロに買収されそうになったりした事も。まあ、当然白紙に終わったのだが。
本作では重役のほとんどは男性であり、バービーのバービーランドからの脱走を知って奪還に奔走する。
なお、実際のマテル社の方に勤めている重役の方々は男女半々なのでご安心ください。

  • ケンダム
ケンが蔓延させた男性主義により改革されてしまったバービーランドの名称。公式設定では本名「ケネス・シーン・カーソン」なんだから「ケネスダム」でもいいような……
あらゆるケンが尊重され、バービーは彼らに尽くす存在となっている。

余談


実は本作の映画のシリーズ化も構想されており、米タイム誌によると現実世界のマテル社CEOであるクライツが「より多くのバービー映画」の可能性に期待しているとコメントしている。

また、バービー以外のマテル社の玩具の実写映画の企画も45件も構想されており、その中にはバービーと並ぶマテル社の看板商品である男児向けのミニカー『ホットウィール』がJ・J・エイブラムス監督の手によって実写映画化するものも。
他には日本でも知名度が高い『UNO』や、マテルが権利を買収している『きかんしゃトーマス』の実写映画化の案もあるという。

映画という分野においては同規模のライバル玩具メーカーのハズブロ社の実写映画版『トランスフォーマー』シリーズ、実写映画版『G.I.ジョー』シリーズ、『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』(2023)などで押され気味な印象であったが、本作のヒットに乗じて次々とマテル社の玩具の映画が制作・発表されるかもしれない。




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最終更新:2025年06月04日 21:21

*1 リカちゃんの製造元であるタカラ(現・タカラトミー)も、かつてバービーのライセンスを取得してオリジナルバービーを作っていた事があり、ライセンス消滅後はそのデザインを元にした「ジェニー」を発売している。

*2 著名なものでは、砲弾が降り注ぐ街並みをバックにキリアン・マーフィー演じるロバート・オッペンハイマーがはしゃぐバービーを背負う画像がある。

*3 一部を除いたユニバーサル・ピクチャーズ作品の配給権を持っている東宝東和によると、公開国の意向は本国に委ねられているという。

*4 東宝東和に次ぎ『ハロウィン』シリーズや『ベルファスト』などのユニバーサル作品を多数配給している。

*5 アンジェリーナ・ジョリーが監督とプロデューサーを務め、ジョエル&イーサン・コーエン兄弟が脚本に参加した、アメリカ空軍パイロットのルイ・ザンペリーニを題材とした伝記映画。日本兵の捕虜に対する虐待描写(さらにローラ・ヒレンブランドが執筆した原作の時点で「捕虜が日本兵に食べられた」などの誤った内容が事実であるかのように記されていた)が問題視され、「反日映画」のレッテルを貼られて東宝東和が日本公開を見送っていたが、最終的にビターズ・エンド配給で小規模ながらも公開された。

*6 原語では「Patriarchy(家父長制)」と言っていたのだが、解りづらいためか日本語版では「男社会」と訳されている。

*7 CG合成ではなく、実際にピンクの塗料を大量に使っているため、Rosco(娯楽産業向けソリューションを提供する企業)の塗料が全世界的に品薄になったことが2023年6月頃に明かされている。