霊王の波動(遊戯王OCG)

登録日:2024/08/03 Sat 07:28:18
更新日:2025/05/26 Mon 19:56:11
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その波動はどのような影響をもたらすのか。

現れた竜はその力を受け、水膜の翼を広げる。



霊王の波動(ドミナス・インパルス)》とは、『遊戯王OCG』に存在するカードの1枚である。
「RAGE OF THE ABYSS」にて登場した。

【効果】



通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
相手フィールドにカードが存在する場合、このカードの発動は手札からもできる。
(1):モンスターを特殊召喚する効果を含む、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動できる。
その効果を無効にする。
自分の墓地に罠カードが存在する場合、さらにその無効にしたカードを破壊する。
このカードを手札から発動した場合、発動後、
このデュエル中に自分は光・地・風属性モンスターの効果を発動できない。


【概要】

効果自体は特殊召喚する効果を防ぐ通常罠である。
現代遊戯王は特殊召喚の応酬とも言える環境のため、一度だけでもそれを防げるのは非常に大きい。
更に、「特殊召喚を防ぐ」という単純な効果を持つ通常罠カードは実は初めての登場である。
カウンター罠では《神の宣告》《昇天の角笛ライト・バニッシュ等いくつか存在するが、通常罠カードは《奈落の落とし穴》《激流葬》という風に、出てきたモンスターを除去するカードがほとんど。
そのカードが耐性を持ってたりするともう防ぐことが出来ないという弱点を持っていたが、出てくること自体を防ぐ手段が増えたのである。

更にこのカード、相手フィールドにカードがある場合手札から発動できるという破格の効果を持つ。
先攻制圧が当たり前となった現代遊戯王において、後攻からそれを防げるカードというのは非常に重宝される。
それどころか手札から発動するタイプで特殊召喚全てをカバー出来るカードは《霊王の波動》以外に存在せず、新たな汎用カードになりえるだろう。
最後の効果がなければ…。


このカードを手札から発動した場合、発動後、このデュエル中に自分は光・地・風属性モンスターの効果を発動できない

前パック「INFINITE FORBIDDEN」《聖王の粉砕》も手札から発動した場合は
属性のモンスター効果が使えなくなったが、今回はその逆。
属性のモンスターが使えなくなるのだ。
要するに罠カード主体かつ地属性の多い【蟲惑魔】や、光属性の多い【エルドリッチ】は機能不全に陥る。
逆に【ラビュリンス】や【M∀RICE】では大活躍できるだろう。
とはいえ今ならどのデッキにも入りやすい《増殖するG》《エフェクト・ヴェーラー》《原始生命態ニビル》などが使えなくなるのは留意点と言えるだろう。
なお「発動」だけができなくなるので、永続効果は普通に有効になる。
要するに《天岩戸》は(1)の効果封じは機能するが、(2)の手札に戻す効果は発動しなくなるのである。どんなインチキだ。
勿論《聖王の粉砕》とこのカードを同時に発動した場合、そのプレイヤーは神属性のモンスター効果しか発動できなくなる。
いっその事両方使って逆に相手を混乱させるのもありかもしれない。
結界像や《フォッシル・ダイナ パキケファロ》を主体とした相手の動きを封じるメタビートであれば検討できる。

またこのデメリットが課せられるのは手札から発動した場合のみ。
普通に伏せて発動するのなら、光、地、風属性が主体のデッキでも問題はない。
また炎属性の《灰流うらら》は使える他、汎用的に使えるエクストラモンスターは闇属性が多いので、増G以外デメリットに抵触しないデッキは比較的作りやすい。
その増Gも水属性の《マルチャミー・プルリア》で若干ながらカバー可能。
特に相性がいいのは、手札誘発すら切る《名推理》型の【インフェルノイド】だろうか。
対になる《聖王の粉砕》同様、強力だが選択肢が多くプレイヤーの頭を悩ませるカードと言えるだろう。

【関連カード】

列王詩篇
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
自分の墓地にモンスターが存在しない場合、このカードの発動は手札からもできる。
(1):相手がフィールドのモンスターの効果を発動した時に発動できる。
その効果を無効にする。
自分の墓地に罠カードが存在する場合、さらにデッキから「ドミナス」カード1枚を手札に加える事ができる。
このカードを手札から発動した場合、発動後、次のターンの終了時まで自分は手札・墓地・除外状態のモンスターの効果を発動できない。

自分の墓地にモンスターが存在しない場合、手札から発動出来る罠カード。
効果としては対象を取らない無限泡影のような効果を行ったあと、墓地に罠カードがあればデッキから「ドミナス」カードをサーチするというもの。

デッキからドミナスのルビが振られている「霊王の波動」や「聖王の粉砕」を手札に加えることによって手札からさらに相手の妨害をすることができる。

デメリットとして、手札から使うと次の相手ターン終了時までフィールド以外のモンスターの効果の発動が出来なくなる。
そのため、手札や墓地のモンスターの効果を発動して展開を行うデッキとの相性は悪い。
ただし増殖するG白銀の城の火吹炉などのフリーチェーンで発動出来るカードは、列王詩篇にチェーンする形であれば発動が出来る。
また、「デッキからカードを手札に加える効果」を含むため「灰流うらら」や、このカード自体がフィールド上に存在することで手札から発動可能となる「聖王の粉砕」で妨害される点には注意が必要。

【このカードと相性の良いデッキ】

…と言いたいところだが、光・地・風属性が絡まないデッキであれば大体入る。
むしろそれらが絡むデッキであっても特殊召喚封じというのはかなり強力な為、セットして発動させる為に入りかねない。
それほどにまで現代遊戯王は特殊召喚にウェイトが置かれているのである。

列王詩篇を採用することまで含めて考えると、
  • 手札から効果を発動せずに展開でき、テーマのモンスターカードが闇・炎に固まっていて、なおかつ墓地効果がないので展開に大きな影響を受けない【スプライト
  • モンスターの効果は闇属性である「瞳の魔女モルガナ」の効果さえ発動出来れば良い【三色モルガナイト
  • 列王詩篇の発動後、「インフェルノイド・イヴィル」の墓地効果を妨げることにはなるが、上記の通り「名推理」や「モンスターゲート」の墓地肥やしを邪魔しない点で相性が良く、効果の発動を行わずに手札・墓地から特殊召喚して展開を伸ばす【インフェルノイド】
  • 上記の【メタビート】

辺りが相性の良いデッキとして挙げられるだろうか。

【余談】

《聖王の粉砕》と同じく、今回も美少女と大型生物のコンビがカードイラストとなっている。
この少女モンスターが青肌の半魚人っぽい為に人外娘好きに刺さり、情報公開直後からファンアートが登場している。
イラストの構図から発表当初は「ドラゴンが女の子に変身した(させられた)」等とも言われていたが、設定画によれば少女とドラゴンは「霊姫」と「召喚獣」の関係にあるようだ。

相手の特殊召喚を《墓穴の指名者》で邪魔されずに手札から奇襲的に防げる点は登場当初からそこそこ評価されていたが、やはり罠カードかつデメリットが重めということで「そこそこ」レベルであった。
だがデッキビルドパック「クロスオーバー・ブレイカーズ」で登場した【M∀LICE】は全員が闇属性かつ罠カードがデッキに入っても邪魔にならないうえに全員がハイレグ着用ということでこのカードと相性が良く、更に評価を上げている

ちなみにこのカードは海外でイラストが修正されているカードの1枚である。
霊姫の胸辺りから垂れている暖簾のようなものが長くなり、いわゆる股下の絶対空域が隠されるようになっている。
青肌の人外娘といえど、人間と同じ際どい部分は許されなかったようだ。









追記、修正は神属性カード以外のモンスター効果を発動できなくした上でフィールド以外のモンスター効果を発動できなくしてからお願いします。

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最終更新:2025年05月26日 19:56