ジ・O

登録日:2010/05/14(金) 15:17:58
更新日:2020/04/03 Fri 22:38:17
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勝てると思うなっ! 小僧っ!!!

ジ・O(ジ・オ)とは「機動戦士Ζガンダム」に登場するMSである。

THE-O
型式番号:PMX-003
所属:ティターンズ
全高:28.4m
頭頂高:24.8m
本体重量:57.3t
全備重量:86.3t
出力:1,840kW
推力:135,400kg

武装



□概要

木星帰りのニュータイプ、パプテマス・シロッコがエゥーゴ及びアクシズとの最終決戦に臨むべく、巨大輸送船ジュピトリス内にて開発を行ったPMXシリーズMSの4番目の機体。
かなりのサイズと重装甲を持ったヘビー級のMSとなっている。

クワトロ大尉曰く「ジュピトリスの達磨」

シロッコが自分専用に設計・開発したため、自らの高いニュータイプとしての能力を生かすために独自に造ったサイコミュデバイスを搭載している。
「バイオセンサー」とされる場合もあるが木星時代からの独自研究で開発されておりアナハイム製のバイオセンサーとは全くの別物。
これはファンネルやビットといった遠隔誘導兵器の操作ではなく、機体の操作性や追従性に特化した物である。

またシロッコ専用機のため、全てが彼に合わせた調整が行われており彼以外の操縦は不可能に近い。
シャア専用ザクのように、バリエーションとしての専用機はよくある事だが、ジ・Oは本当の意味で専用機といえるだろう。

大型艦に匹敵する大型熱核融合炉を搭載しており、高出力状態を維持したままの安定稼動が可能。
機体背部には推力38,200kgの大型バーニア1基と推力16,200kgの小型バーニアを搭載。これによりMAに匹敵する推力を得ている。
また機体各部に無数の小型バーニアを装備し、ミニマムな姿勢制御を可能とした。

特徴的なあまりにも太く巨大な脚や厚い装甲は、一般的なモビルスーツとは構造が大きく異なる。
姿勢制御スタビライザー・高自由度のベクタードノズルとしての機能を統合した複合的な機動ユニットとして設計されているため、脚はあまり「歩行」することには向かない。
また装甲内に大量のプロペラント(推進剤)を溜め込んでいて、長時間の活動が出来る。

Ζガンダムメタスといった可変機のように「多数の推力のベクトルを一方向にして強力な推力を生み出す」のではなく、本機は「一方向の凄まじく強大な推力を、多数の推力とバランサーで制御する」という方法により、優れた三次元的な機動を可能とした。

シロッコの優れた空間認識能力と凄まじい推力、優れた機体制御システムが合わさった結果、本機はその巨体に似合わない俊敏性と機動性を持った機体となっている。
その姿はさながら、立ち会いから凄まじい速さでぶち当たり機敏さで相手を終始圧倒する、スピード型の横綱そのものである。
一方で武装はかなり少なく、腰に収納された4本のビームソードとビームライフルの二種類しかない。
この武装をより有効に活用すべく、通常の腕以外に独立したサブ・マニピュレーター(隠し腕)を腰スカートに内蔵している。

このあまりに極端な武装は、数多くの機体設計や幾度の戦いの中でシロッコがたどり着いた
「MSに必要なのは『変形機構』でも『圧倒的な火力』でも『広い視野』でもなく、パイロットの腕を最大限引き出せる『インターフェースと機体本体』」という考えに基づいたもの。
ある意味、自分の才能に絶対的な自信を持つシロッコの自惚れをストレートに形にしたMSといえる。
シロッコの存命中には流行らなかったが、U.C.0093年にアムロジ・Oと同じ発想の専用機でシャアとの最終決戦に挑んでおり、
さらにU.C.120年台には複雑な可変機構・内蔵型大火力兵器を排除し、高い性能と操縦性、及び手持ち火器による戦闘に主軸を置いたシンプルなMSが発展することを考えると、彼の考えは正しかったのかもしれない。
また、黒歴史内の別の時代に用いられた競技用ガンダム群「モビルファイター」と発想は似通っている。

ただ欠点も割とあり、同時代のMSよりも一回り上回るなんてレベルではない巨体っぷりという無視できない点と、
武装がビーム兵器のみなので、仮に相手がIフィールド持ちだったらそれだけでかなり分が悪くなってしまう。
分捕って使うという手もなくもないがシールドすら持っていないことも確かな短所と言えるだろう。
何だかんだでシールドはエースパイロットでも有効活用することが多い。
また、恐らく地上での運用は全く考慮していない作りだとか、他MSと部品流用できるのか不明など、汎用性も怪しい。
(自分専用&地球に降りる気はなさそうなので予備パーツさえ十分にあれば良いのだろうけど)


□武装

  • ビーム・ソード
腰部サイドアーマーに2基ずつ計4基を装備。
一定方向にバイアスがかかったビーム刃を形成するため「サーベル」ではなく「ソード」と呼称される。
特に変わった性能や特性はないが、シロッコによる独自部材の改良が施されており信頼性に優れる。

  • 大型ビーム・ライフル
ジ・Oが携行する射撃兵装。
出力は小さいが集束率、命中精度が高くこちらもビーム・ソード同様信頼性に優れる。
シロッコが独自開発した物であり他機での運用は不可能。
エネルギーパックも独自規格のものを採用しており、他機種との互換性もない文字通りのジ・O専用兵装。
また一説にはメガランチャー級の高出力ビームを発射可能であり、その上で連射が可能であるともいわれる。

  • 隠し腕
ジ・Oの腰部フロントスカートの裏側に格納された2本のサブ・マニピュレーター。
通常のマニピュレーターと同じ性能を持ち、武装の携行及びビームソードの使用が可能である。
独立して動かすことが可能で、主に近接戦闘時の奇襲攻撃において非常に有効に機能したという。



□劇中の活躍

物語後半に登場。
ハマーンの操るキュベレイと、他の誰も立ち入れないプレッシャーを放ちながらNT同士による凄まじい戦闘を繰り広げた。

その後、グリプス内部に侵入しコロニーレーザー発射を阻止しようとするも間に合わずティターンズ艦隊は壊滅。
退却しようとするもカミーユが執念で食い下がりΖガンダムと戦闘に。隠し腕でライフルを破壊する。
しかしΖガンダムが限界以上の死者の魂を取り込み、超自然的な力を発揮。

機体が何らかの理由で動かなくなり、ウェイブライダー形態となったΖガンダムの突撃によりコクピットを押し潰され、シロッコは圧死。
機体もシロッコの死体もろとも爆散した。

一説には、強大なNT能力を発揮した状態のΖと対峙した為、偶発的にジ・Oのサイコミュがジャックされてコントロール不能になったと言われている。

富野由悠季による小説版では、カミーユのΖガンダムの『身体を通して出る力』の影響を受けて機能停止。
そのままコロニーレーザーの射線上に流れていき、発射されたレーザーにシロッコ諸とも蒸発させられた。



□余談

本機のデザインを担当した小林誠は本機をかなり気に入っており、後年に小林誠がデザインを担当したSAMURAI7などにも同系統のメカを出したり、更には自分の息子の名前に「児央」と名付けているほどである。

小林誠「働け、児央! なぜ働かん!」

また、小説版では全身にメガ粒子砲を内蔵しているという違いがある。



□その他作品での活躍


武装はビームソードとビームライフルのみ。
シロッコのMSに対する持論もこのゲームにおいては特長がないのが特徴でしかない。
見ての通り平凡な武装で飛行能力もシールドもなく移動力も低いため、全体から見ても扱いづらい部類。
基本性能は後から強化できる分、同時代や前時代の量産機の方が普通に活躍するということも珍しくない。
メガ粒子砲を装備しているという小説版の設定が採用されていればまだマシだったかもしれない。
シロッコは泣いても良い。

Gジェネレーションオリジナル機体として後継機の「PMX-004 タイタニア」が存在する。
SDガンダム Gジェネレーションシリーズのオリジナル機体(据え置き系)も参照。
特別な思い入れがない限り、ジ・Oを開発する目的は図鑑埋めとタイタニア開発の為と言って良い。
『ワールド』ではジ・Oのビームライフルが多段武器扱いという点で差別化できたが、『オーバーワールド』では多段武器自体が廃止された。
やはりこのシリーズにおけるジ・Oはどこまでも不遇な扱いのようである…。

しかし、『ジェネシス』ではHPなどの機体性能がタイタニアと同一となり、超強気状態でしか使えないが高火力の特殊格闘「サイコ・プレッシャー」が追加。
基本射程は1だが覚醒値持ちなら射程4まで伸ばすことができ、特性「ファイター」持ちならさらに射程が1伸びる。
総合的な使い勝手はファンネル持ちのタイタニアに劣るものの、接近戦ではこちらの方が強いという個性を獲得した。

  • VSシリーズ
エゥーゴvsティターンズ
ティターンズ最高コストの機体。
格闘戦特化機体でサブ射撃はガードと能力はシンプルだが、強力な特格などハイスペック。


  • ガンダムVS.ガンダム NEXT PLUS
コスト2000。
他の機体には無い覚醒ゲージを持ち、使えば攻撃力か機動力が上がり、使わず落ちれば意地の復帰。更にアシストは敵のブーストゲージを確認できるボリノーク・サマーンと、他のPSP参戦機に埋もれず高性能で纏まりながらも、面白さを持った機体になっている。


家庭版DLCとしてコスト2500で解禁。
同コスト帯の一般的なBRより弾数威力は控えめだが弾速が早く当て易いBR、誘導が強くスタン判定の突撃アシスト『パラス・アテネ』(通称:レコア)と耐久100の追従防御系アシスト『ボリノーク・サマーン』(通称:サラ)召還というアシスト二機、自機周辺にSA状態でスタン属性の波動を放つプレッシャー、追い能力こそ微妙だが発生・判定に優れた格闘を持つ、近接寄り万能機。
特筆すべきは、ある意味原作通りであるその図体の大きさに似合わない機動性。
同コスト帯トップクラスの機動性を誇り、落下テクや着地保護テクニックもあるため、恐ろしく機敏に動き回る。そのためプレイヤーからは「動けるデブ」などと呼ばれることも。
武装自体はシンプルでありながら、その恵まれた機動性によって、相手の上をとって視界を揺さぶりながら自分の間合いに詰めていき、疑似タイマン状況を作り出す戦略が強力。
FBでは覚醒技が追加。まさかの隠し腕まで使った4本のビームサーベルを巨大化させぶった切るという武装に。
これが高火力、短時間、繋がる状況が多いと極めて優秀な覚醒技であり、更に強化された。

と、上述のとおり強力な機体であり、解禁時からほぼ常時2500コスト帯のトップクラスを張り続けていた機体であるが、毎回のアプデの度に少しづつ(主に武装面で)性能が下げられていき、そして遂にMBにて大黒柱の機動性に修正が入り対戦環境から放逐されるという事態に。
スレなどでは「動けるデブからただのデブになった」等々の大騒ぎがあった。その後再び修正が入り、全盛期とは言えないが機動性も上昇。それなりに落ち着いた立ち位置に収まった*1

後格派生で高火力のサイコヒットが使える。通称幸子アタック。カット耐性皆無な物の、覚醒ゲージが他の攻撃より増えやすい為、狙う価値はある。


  • ガンダムオンライン
2016年夏にジオン連邦両軍に実装。まさに環境を変えた機体。
他の機体にはないシステム「覚醒」を持つ。また専用モジュールでよろけ、転倒しないというチート耐性も持つ。
武装は原作準拠でかなり少なく、実装当初は「格闘しかできないデブなんて50VS50の撃ち合いじゃただの的」と置物扱いされていた。
しかし、覚醒すると機動力上昇、アーマーが3倍になって全回復、さらに格闘も超広範囲かつ超高火力になるため、拠点殴りではトップの火力をたたき出す。特に戦艦型拠点など格闘を連続で当てられる場合はジオ2,3機で戦況を決めてしまうほどであり、壊れ機体であることを知らしめた。
覚醒中はアーマーが徐々に減っていきゼロになると機体が即爆散(回復、復活は無効)というデメリットはあるが、それを補って余りある覚醒時の火力をもつため、「10秒だけ神になれる機体」などとも呼ばれる。
あまりに火力や格闘性能が高いために「ジオの数が多いほうが勝つ」とまで言われ現状ではバランスブレイカー扱いされている。
ただし初心者に扱いやすい機体というわけでもない。よろけ転倒はしないがひるみはするため、覚醒動作中にショットガンされてそのまま連続ひるみハメされて死亡・・ということもありうる。さらに一度死んだら8~10分再出撃できないというデメリットもある。
ジオを相手にした時には逃げるに越したことはないが、相手にするなら妨害武器で足止め(チェーンマイン、ネットガン、火炎放射など)、またはジオは格闘しか持たないことが多いので空中で飛びながら相手するのが有効。

旧シリーズなどではなぜかビームライフルを二つ装備していたりする。
違いは射程とか移動後攻撃の有無とか。威力は同じ。
ラスボスクラスのMSのくせにそれらしい武装を持たない上に武器も少ない本機を救済する苦肉の策…なのだろうか。
やはりと言うべきか、キュベレイなどと比べるといまいち扱いが悪い事が多かった。
特に第3次スーパーロボット大戦でνガンダム相手にかすり傷すら与えられないのが有名。
挙句、旧シリーズでは結構な割合でシロッコはヴァルシオンに乗り換えてしまう。主を真逆のコンセプトの機体に持っていかれたジ・Oは泣いてもいい。
が、『Z』からはどこぞの試作1号機の如き連射攻撃や持ち味である隠し腕をフル活用したことで強さ・戦闘時の演出共にボス機体に相応しいものになった。
作品によってはジェリドが乗ってくることもある。


ガンプラ

なんと放送中には立体化されなかった(同時期に出たキュベレイは1/220だが発売された)。
よくある番組終盤に登場した機体は発売されないジンクスの先駆けである。

それから17年後、HGUCでようやく発売。
隠し腕も差し替え無しで再現されており、ビームサーベルも4本つく太っ腹仕様。
そしてMGが隣にあっても見劣りしないほどデカい。

BB戦士(Gジェネプラモシリーズ)でも発売。隠し腕もばっちり再現(しかもHGUCには出来ない横振りが可能)。

そして2010年、遂にMGで発売。
定価なんと1 2 , 6 0 0円。同型機や系列機がないので金型の流用が効かない上に巨体のせいらしい。
しかしながら、いうなれば「HGをサイズだけMGにした」と揶揄されてしまう出来の悪さから、評価は低い。




やはり私の愛機の項目は、よりよく導かれねばならん。追記・修正するWiki篭もりが必要だ



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