ゾンビ/グール(ロメロのデッドシリーズ)

登録日:2020/01/30 Thu 01:02:00
更新日:2023/12/29 Fri 03:57:26
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ゾンビ/グール(Zombie/Ghoul)とは、本来はブゥードゥー教における仮死状態で操られた奴隷や民族伝承における怪物のことである。
しかし本項目では映画監督ジョージ・A・ロメロが創造した同名の架空の怪物について解説する。
ホラー映画界隈では通称ロメロゾンビとも呼ばれる。

概要

謎の力の影響により脳死したはずのが再活性化し、動き回るヒトの屍の総称。
ヒトを補食する生態を持つため、シリーズを通して人類の敵として登場する。

創作のドラキュラ伯爵等ではなく、民族伝承におけるバンパイアやデイウォーカー、グール等のアンデッドを原型に
「食人」や「低い知能」、「緩慢な動き」といった独自の要素や小説『アイ・アム・レジェンド』に登場する吸血鬼のように
「噛んだ相手を同族へと変貌させる」といった特徴を加え入れたロメロのオリジナルのモンスター

ブードゥー教のゾンビや『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』が公開される以前の映画に登場したゾンビとは
雰囲気が多少似てる」位しか共通点は無く、この怪物の正式名も当初は「グール(食屍鬼)」だった。
しかし、各メディアが「ゾンビ」と呼んだためロメロも便乗してゾンビと呼ぶようになり、第二作『ゾンビ』にて公式に「ゾンビ」が正式名になった。

本記事では主にロメロが監督・脚本を担当した世界観を共有した六つのゾンビ映画
…に登場するゾンビについて解説する。

現在では一般的になった設定のゾンビが広く知名度を獲得したのはこの映画群によるところが大きい。
ここに挙げるゾンビ達が、現代創作における「ゾンビ」の原点とも呼べるだろう。

呼び名一覧

  • グール(食屍鬼)
  • フレッシュボディ(新鮮な死体)
  • フレッシュイーター(肉食う奴)
  • デッド(死者)
  • クリーチャー(化け物)
  • ゾンビ
  • デッドヘッド(脳無し)

実はシリーズ作中では単に「デッド」と呼ばれることが一番多い。
メタ的には『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のタイトルから「リビングデッド(生ける死者)」と呼ばれることもある。

起源

不明
ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』冒頭で米国ペンシルベニア州ピッツバーグの共同墓地の遺体がゾンビ化。
それを皮切りに世界中の遺体・死体が動き出した。もちろんこれらの死体に因果関係があるのかさえ不明。
更には死んだ人間は脳さえ無事なら例外無くゾンビ化してしまう原因不明の自然災害「ゾンビアポカリプス」が世界規模で発生。
死霊のえじき』以降、「死者は皆ゾンビになる」というのが世界の常識となっていく。
その結果、死者へ敬意を示したり葬式をする文化などは殆ど廃れ、これが人間達の文明崩壊に拍車をかけることとなる。
原因について作中の登場人物達は「ウイルスや細菌のせい」「放射線や化学物質のせい」「神罰」など、様々な憶測を述べているが、結局最後まで真相は不明。
ただ、ロメロは「地獄が満員になると死者が動き出す」と語ったことがあるため、これが現状で最有力な説となっている。

ゾンビ化の仕組み

一切不明
唯一判明しているのは、遺体の脳が未知の原因で再活性化することで人間はゾンビと化すこと。*1
死亡~ゾンビ化まではタイムラグがある*2ため、遺体の脳を破壊すればゾンビ化を未然に防げる。
また、ゾンビに噛まれた場合も何らかの感染が起きるのか確実にゾンビ化している。
ただし噛まれた患部を迅速に切断するなど物理的に遮断できれば助かる。

動力源

これも不明。生物のように栄養を口径摂取せずとも何日どころか何年でも動き続ける。
特に細胞の活動に必須の水分を率先して摂る様子もなく、なぜ乾いて完全にミイラ化しないのかはかなり謎。
だが脳を破壊すると停止する。原理ももちろん不明。

特徴

青白い/真っ白な肌

生者との外見的な最も大きな差違。ただし、黒人は個体差があり肌が変色しない場合もある。
血が通っていないせいと思いがちだが、どのゾンビも負傷すると鮮血を流すことから血液循環はされているようで、肌が変色する理由は不明
また、ゾンビ化してから時間を経た者は水分不足により肌がミイラのように乾燥しているが活動は可能。
因みに、血液循環はしているようだが呼吸は不要で、長時間無酸素状態でも平気である。眠ったりもしない。

食人欲

常に人肉を求めており生者に襲い掛かるが、長期間飲まず喰わずでも餓死したりはしない。
栄養も血液も臓器も不要と作中で明言されているため、やっぱりその理由は不明
単純な「食欲」とは異質な欲求らしく、基本的に人肉以外には無関心だが、稀に虫を食べたりもする。
また、ゾンビ同士で殺し合い(共食い)はしないが、ゾンビになる前の遺体は喰う。
消化器官がまともに機能しているかは定かではないが、排泄行為をしたり内臓破裂が起きたり腹部が膨れ上がった状態のゾンビはまず出てこない。

人肉を十分に摂取し欲求が満たされたり時間経過により「進化」したゾンビは、『理性』や『知性』を得て『自我』に目覚める個体もいる。
こうなると無闇に生者を喰い殺そうとはしなくなるばかりか、場合によっては非常に友好的な態度を見せる。
「本能的な欲求でありながら生存自体には必要無い」という点では、ヒトにとっての性欲に似ている。

これらの習性から、理論上はゾンビ化しなかった犠牲者の遺体や倒したゾンビの遺体を餌としてばらまけば、多くのゾンビに理性を取り戻させ、共存も可能であった。
しかしヒトの遺体を餌にするということで人間の倫理観が邪魔をした結果、対応が遅れた人類は滅亡寸前にまで追い詰められることとなる。

低い知能

一度脳死したことで脳細胞が壊死しており、知能は下等な野性動物程度にまで劣化している。
ただし、梯子や脚立を登ったり、ドアを開閉するぐらいは出来る。
イレギュラーな存在として『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』ではかなり人間に近い、酔っ払いぐらいの判断力を見せる個体も存在していた。
尚、落ちているものを拾って振り回すことはあるものの、この様な行為はカニなど一部の甲殻類にも見られることである。
なのでこれが出来るからといってそのゾンビが他のゾンビより知能が高いわけでは無いらしい。
また、人間だった頃の記憶や習慣自体は残っているため、意味もなく生前に愛用していた道具を握りしめていたり、自分に馴染みのある場所を徘徊していたりする。
『死霊のえじき』では人肉を餌として与え前述の《食人欲》を満たしてやることによって、主従関係が築けることが判明。
人間を無差別に食い殺そうとはしない程度の理性や、餌をくれる人間を慕う感情といった人間性(品性)、即ち自我が芽生えることが明かされる。
更に『ランド・オブ・ザ・デッド』では時間経過により自然に自我に目覚め組織的な集団行動が可能になるなど「進化」することが明かになる。
これらの「進化」は、後述の原理不明の再生能力によって脳細胞が再生したことが原因と思われる。

仲間意識

「何故人肉を喰らうのにゾンビ同士で共食いしないのか」という視聴者のツッコミを適当にはぐらかす他の大多数のゾンビ映画と違い
「ゾンビという種族」であるが故に「人間」と「仲間(ゾンビ)」を区別しており仲間意識があることが明確に描写されている。
どれだけ飢えていても人間とは違い同族で殺しあったりはしない(=共食いしない)。
ロメロ監督のゾンビは一貫して「悪意を持たない存在」であり、尚且つ生存のため必要不可欠なもの(ヒトにとっての水や食料)も無いため、それを巡って争うということは起こりようが無く、むしろ当然といえる。
そしてこの特性は「進化」し自我を身につけ、共通の目的を得た際に真価を発揮することになる。
また、自分に親切な人間に対しては忠誠心に近い仲間意識を抱く場合もある。

噛み付き

ゾンビの最も一般的な攻撃手段。
人体を容易に噛みちぎる顎の力も脅威だが、更に噛まれた人間は数十分~数時間以内に確実に衰弱死する。
上述でも触れたが、このことから作中の登場人物達はゾンビに噛まれることを「感染」と表現している。
それが本当なら致死率100%の感染症を引き起こす未知の細菌またはウイルスが体液に含まれていることになるが、明言はされていない。
また、逆に生者がゾンビに噛みついた場合も、一般的な感染症と同様にこの凶悪な感染症に罹患してしまう。
混同してしまいがちだが、「噛まれて死ぬ」ことと「死者がゾンビ化する」ことは全く別の現象である。
後に影響された作品の多くが噛まれないとゾンビにならないのは、ここの誤解から。
この攻撃を食らった人間は必ず死に至る*3ため時間差の必殺技といえる。
そして死体が動き出す世界では死=ゾンビ化であるため、結果としてゾンビに噛まれる=ゾンビ化という図式が成り立つ。
頭部を破壊しない限り死なない人間大の猛毒を持った猛獣が世界中を跋扈している……と考えれば、いかに絶望的な状況かが分かるだろう。
動きは鈍いとはいえ相手は不眠不休で動き続けるため、これでは安心して眠ることさえできない。

怪力

人体を容易く素手で引き裂くほどの力を有するが、その理由は不明
ゾンビの大群に追い詰められた場合、大抵は喰い殺されるより先に八つ裂きにされる。
一部のファンは火事場のバカ力のように脳のリミッターが外れているからではないかと考察している。
しかし、作中の描写では大型肉食獣並の怪力を発揮する場面もあるため、人間の肉体強度から考えても多分違う。
そもそもこれだけの力だと指が折れ筋肉が断裂するはずなので、肉体の強度自体も向上しているようだ。
しかしその割りにドアや壁を容易に破壊できなかったりと、力の使い方自体は理解していない様子が見て取れる。
また殴られただけで部位が千切れたりするケースもある。脆いのが頑丈なのかはっきりしろ

鈍足

夢遊病患者、もしくは目眩を起こしたかの様な奇妙な足取りで歩行し、絶対に走らない。
ロメロ曰く「ゾンビが走ったら足が折れちゃうじゃん」とのこと。じゃあ何で怪力で腕や指が折れないんだよっていう
しかし作中では腐敗のスピードが非常に遅いことが判明しているほか、ゾンビ化してから長い年月を経たゾンビも登場するため「腐敗」や「死後硬直」が理由ではない。
結局理由は不明
また、人間を襲う時の動作は個体差があるもののかなり機敏であるため、頑なに走らない理由が益々謎。
一度死んでる影響で、身体のあちこちが機能不全を起こしているのが原因かもしれない。脳の電気信号の遅延もあり得る。
このおかげで人間様は余裕ぶっこいてゾンビに舐めプをするようになり、フラグを立てまくるようになる。
ただし、手持ちの武器では絶対に倒しきれないほどのゾンビの大群が逃げ場の無い自分の元へじわじわと着実に迫ってくる光景が生者(と視聴者)に与える心理的圧迫感は凄まじい。
なお、稀に酔っぱらい並には走れる個体もいる他、子供ゾンビは走ることができる。

自然治癒

動くといっても屍であるため身体は腐敗していくのだが、作中では未知の原理によって絶えず細胞が再生しているため腐敗の速度が非常に遅いことが判明している。
ゾンビ発生から長い年月を経た『死霊のえじき』の時点でさえ、ゾンビに腐敗の影響が現れるのは12年以上後になると推測されていた。
というか、前述の通り脳細胞が壊死したはずのゾンビが「進化」することを考慮すると腐敗速度よりも再生速度が上、即ち無限に腐らない可能性が高い。
そのため他のゾンビ映画のゾンビと違い瞳も白濁しておらず、遠くにいる人間を目視で察知できるなど視界も良好である。
しかし、一部のゾンビは腐敗したかのように脆くなっていたりボロボロな見た目だったりするため、個体差があるのかもしれない。

前述の『怪力』の通りの力を有しており、尚且つ問題なくその怪力を発揮できていることからもわかる通り、身体の強度は基本的には頑丈だし腐っていない。

高い生命力

基本的に脳(厳密には脳幹)を破壊されなければ死なず、生首状態でも生きている。
生者なら致命傷となる、胴体への銃撃を食らっても怯みさえしない。

「進化」

人肉を用いた餌付けによる調教や時間経過により、やがては自我に目覚める。
理由は前述の通り、再生能力により脳細胞が再生したためと思われる。

『死霊のえじき』作中では、ゾンビを研究する科学者の口から「再生するため腐敗は遅くなる」と語られた。
逆に言えば「かなり先にはなるが、ゾンビは皆腐って滅びる」ことが示唆されていたとも言える。
そして実際、シリーズ四作目のストーリー原案では「ゾンビが腐敗により滅びた世界」が舞台となる予定であった。
しかし、ロメロ監督に心境の変化があったのか、それとも本人による解釈違いが生じたのか
『死霊のえじき』から20年後に実際に公開された『ランド・オブ・ザ・デッド』では
ゾンビが滅びの兆候を見せるどころか、人間に代わる新種の知的生物として進化していく様子が描かれた。

「進化」したゾンビは人間時代の記憶を保持しているものの
「《食人欲》以外の一切の欲が無い」
「非常に強固な仲間意識」
「生存に必要なものが何も無い」
「悪意を抱かない」
…といったゾンビ特有の要素と、《食人欲》という唯一の欲望も
理性によって自制できるようになることから、人間時代とは大きく異なる人格となる。
具体的には「非常に義理堅く、大切な仲間(他のゾンビや慕っている人間)のために自身を省みずに行動できる性格」になる傾向がある。

また、『サバイバル・オブ・ザ・デッド』に登場するプラム島のゾンビ達はマルドゥーン家の実験の末
人間達と共存を果たすため人肉以外の肉(馬肉等)を食うことで衝動を満たせるようになるという別系統の「進化」を遂げた
‥‥‥のだが、肝心の島の住人達は下らない意地の張り合いから壮絶に殺し合い、既に全滅していた

その他の特徴

  • 痛覚が無い。(でも怯む場合はある)
  • 群れを為す。
  • を忌避する。
  • 大きな流水(川等)を忌避する(ただし、慣れると川底を歩いて渡ったりを泳げるようになる)。
  • 大きな物音やに集まる。
  • 昼間より夜の方が活発。
  • うめき声や咆哮をよく発する。

やはり吸血鬼の特徴が散見される。

作中での扱い

第二作『ゾンビ』までは悪意や敵意を持たない自然災害、もしくはモンスター以下のやられ役として描写されていた。
これはロメロ自身が「本当に怖いのは人間である」というテーマを持っているからであり、ゾンビはあくまでも一時災害に過ぎないからだった*4
しかし『死霊のえじき』終盤からは自我に目覚めたゾンビ「バブ」が復讐心による明確な殺意を抱いてヴィランであるローズ大尉と対峙するなど
今度はゾンビ側から見た人間模様の描写が増え、実質的な完結編である『ランド・オブ・ザ・デッド』に至ってはゾンビのリーダー「ビッグ・ダディ」が映画冒頭から登場。
人間であるライリーやチョロと並ぶ主役の一人*5として描写されるなど、徐々に視聴者が感情移入し得る、人間に代わる新たな知的生物として成熟していく様子が描かれる。
どの作品でも一貫しているのは、ゾンビはヴィランではないということ。本当の悪=悪意は人間にある。

因みに、各作品のヴィランにあてはまるのは下記の面々。


かなり個性的過ぎる奴らで皆魅力溢れる悪役ぶりであり、『デッドライジング』にボスとして登場しても違和感無さそうである。
いずれも単に因果応報というよりも皮肉な末路を迎えることになる。

一方の主役側も決して善人ではなく、ヴィラン達との意見の違いから無意味な意地の張り合いをした結果、殺し合う羽目になったベンパトリック・オフリン、余りある物資があるのに極一部を奪われるのが我慢出来ず暴走族に攻撃を仕掛けてしまったスティーブン・アンデリューズ、事態を打開するためとはいえ仲間の遺体をゾンビの餌や人体実験の材料にしたマシュー・ローガン博士、横暴な特権階級に対し無関係者を巻き込んで謀反を起こしたチョロ・デモーラ、生き残るためとはいえ略奪行為を繰り返したニコチン・クロケットなど、悪人とは呼べないながらも「人間の業」を背負った人物ばかりである。


ゾンビ図鑑

登場作は公開順ではなく時系列順。

セメタリーゾンビ(グール)

演者:ビル・ハインツマン
登場作:『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』
呼び名通りピッツバーグの共同墓地に現れた白人男性ゾンビ。髪は茶色で短髪。前述の通り、この時点では「グール」が正式名称だった。
喪服を着ているシリーズで最初に登場した初ゾンビでもある。
母親の墓参りに来ていた兄妹に襲い掛かり、兄ジョニーを取っ組み合いの末に墓石に頭を打ち付け結果的に殺害した。
更に車に逃げ込んだ妹バーバラに襲い掛かり、拾った石での窓を割るなど、映画序盤から大暴れする。
このように何故かは不明だが他のゾンビより異常に機敏で力強く知恵も回る、かなり特殊な個体である。
車のドアハンドルを引いて開けようとしたり*6、すでに殺した兄の死体を喰わず逃げた妹を追いかけたりする。
その後もバーバラ達が逃げ込んだ民家の周辺を徘徊したりと執念深さを見せ、映画終盤では遂に屋内に侵入してくる。
最後は民兵団に射殺され、他のゾンビ共々燃やされた。
上述のゾンビらしからぬ特徴の数々は「この頃は設定が固まっていなかったせい」とメタ的に思ってしまいがちだが、作中の他のゾンビは比較的設定に忠実なゾンビである。
そのため、やっぱりこいつだけ明らかにイレギュラーな存在として描写されている。
ロメロが関与しておらず、悪評名高い『最終版』では、幼女強姦殺人の罪で電気椅子の刑に処されたあと、墓地で埋葬直前に突然ゾンビ化したクソ野郎であるという設定。
ただし、これはあくまで非公式な設定であるため注意。

◆ヌードゾンビ

演者:キャロル・ウェイン
登場作:『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』
呼び名の通り全裸の白人女性ゾンビ。モデル体型。演者は本物のヌードモデル。

ジョニー

演者:ラッセル・ストライナー
登場作:『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』
ヒロインである何もしない女バーバラの兄。白人。序盤で上記のセメタリーゾンビに襲われ死亡した後、後半でゾンビ化して再登場する。
バリケードが破壊された際に家に侵入し、バーバラを捕まえて食らいつきながらゾンビの群衆の中に引きずりこんだ。
ゾンビとしての活躍はものの3分程度と短いが、物語冒頭でかなりセリフがあり人となりが分かっている者がゾンビと化すことで豹変ぶりを見せつけた。
リメイク版では妹がリプリー並の戦う女性になったためか結末が変更され、再登場した時既に民兵団に始末されていた。

カレン・クーパー

演者:カイラ・ショーン
登場作:『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』
クーパー夫妻の娘。白人。
初登場時点で既にゾンビに噛まれ地下室で寝込んでいたが、衰弱していき終盤で息を引き取り、その後ゾンビ化。
ベンに射殺された父ハリーの遺体を貪っていたところを母ヘレンに発見され、母に襲い掛かる。
壁に掛かっていたこてで母の身体を執拗に刺して殺害したあと、ベンとゾンビが戦っている物音に気付き一階に行きベンに襲い掛かるも突き飛ばされる。
その後もベンが籠った地下室のドアを執拗に叩いていたが、やがてどこかへ去って行った。
ちなみに父ハリーと母ヘレンもベンが逃げ込んだ頃にはゾンビ化しており、二人ともゾンビ化直後にベンにライフルで止めを刺された。

◆ファーストゾンビ

演者:アレクサンドリア・デファビ
登場作:『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』
ゾンビアポカリプスで最初にゾンビ化した白人女性。赤いシャツが目印。
ブリーに噛みつき殺害した直後、警官に撃ち殺された。
本作の看板キャラクターで結構人気がある。

◆ゾンビトルーパー

演者:マット・バーマン 
登場作:『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』
ペンシルベニア州警察隊員の成れの果て。白人男性。
交通事故により全身に致命的な火傷を負って死亡・ゾンビ化した模様。ジェイソン達を大いにビビらせた。
演者は前作でカウフマンのボディーガード役とスタントマンを兼任していた。本作でもスタントマンを兼任。

◆ゾンビサージン

演者:グレッグ・ニコテロ
登場作:『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』
外科医の成れの果て。白人男性。病院でゴード・ソーセンに射殺された。
演者は『死霊のえじき』、『ランド~』でそれぞれジョンソン二等兵、ブリッジキーパーゾンビを演じ、特殊メイクを兼任。
本作でも特殊メイクを担当している。因みに皮肉にも元々医者を目指していた。

◆ゾンビナース

演者:ドナ・グロース
登場作:『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』
看護婦の成れの果て。デブラにAEDで感電させられ目玉が破裂し、更にゴードに射殺された。
演者は本作の脚本監修。

◆I.V.ゾンビ

演者:ニック・アラチョティス
登場作:『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』
点滴に繋がった白人ハゲゾンビ。患者の成れの果て。白人男性。
ゴードを地獄に送り、エリオットに点滴で頭を貫かれた。
演者は前作でアリーナファイトゾンビを演じた。

◆ゴード・ソーセン

演者:クリス・ヴァイオレット
登場作:『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』
ピッツバーグ大学の映画学科の学生。白人男性。
上述のI.V.ゾンビに背後から噛まれたことで感染症に罹患し、翌朝に衰弱死。
ゾンビ化直後に恋人のトレイシー・サーマンに射殺された。

◆バップキス・ザ・クラウン

演者:カイル・グレンクロス
登場作:『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』
バップキスは芸名。ピエロの扮装をしたままゾンビ化していた。

◆ビリー・モイナハン

演者:ジャク・バーマン 
登場作:『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』
デブラ・モイナハンの弟。白人。ゾンビ化した母に殺されゾンビ化した模様。
『ゾンビ』のゾンビガール&ボーイと同じく動きが機敏。
デブラに抱きつくがアンドリューにアーチェリーで射抜かれた。

◆デッド・ミセス・モイナハン

演者:トリッシュ・アダムス
登場作:『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』
デブラの母。白人。ビリーと共にウェストバージニア州から帰る途中でゾンビに噛まれた様で、帰宅後にゾンビ化。
デブラに発見された際は夫の遺体を喰らっていた。

◆リドリー・ウィルモット

演者:フィリップ・リッチオ
登場作:『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』
ピッツバーグ大学の映画学科の学生。白人男性。自主制作映画のミイラ男役。
ゾンビ化した使用人や両親との戦いで噛まれ、映画終盤に自宅の豪邸内でミイラ男の格好のまま衰弱死・ゾンビ化した。
その後は邸内を徘徊して入浴直後のエリオットを殺害し、トレイシーにも襲い掛かるが殴り倒される。
最後はシェルターに籠るのを拒絶したジェイソン・クリードに噛みつき感染させた直後、背後からアンドリュー・マクスウェルに剣で頭を裂かれ倒された。

◆エリオット・ストーン

演者:ジョー・ディニコル
登場作:『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』
ピッツバーグ大学の映画学科の学生。白人男性。
映画終盤にウィルモット邸で入浴直後にゾンビ化したリドリーに襲われ取っ組み合いの末にバスタブ内で溺死した。
後にゾンビ化して邸内を徘徊する。

◆ミゲール・ザ・ゾンビ

演者:トミー・ラフィット
登場作:『ゾンビ』
ゾンビ化したプエルトリコ系アメリカ人男性。モジャモジャ頭と白いシャツが特徴。黒人ゾンビだが肌は変色している。
キチガイSWAT隊員ウーリーがこじ開けたアパートの一室の奥から出現し、ゾンビと格闘中のロジャー・デマルコ、ジェフ、クリスらを無視して妻のいる部屋へ向かう。
その後、自身の姿を見て隊員達の制止を振り切って抱き付いて来た妻に無情に噛みついた。
更に取り押さえようとした隊員数名を突き飛ばす怪力を発揮するが、隊員達に射殺された。

ヘリコプターゾンビ

演者:ジム・クルット
登場作:『ゾンビ』
迷彩服を着た白人男性のゾンビ。を生やしている。
給油場でロジャー・デマルコに襲い掛かる。
しかし木箱に乗った瞬間、ヘリコプターのプロペラで頭を切り落とされてしまった。

◆ゾンビガール&ゾンビボーイ

演者:ドナ・サビーニ&マイク・サビーニ
登場作:『ゾンビ』
給油所の事務所に潜んでいたラテン系アメリカ人の子供ゾンビ達。例外的に走ることができる。
素早くピーターに掴み掛かるが振りほどかれ射殺された。
演者はトム・サビーニの親戚。

プライドシャツゾンビ

演者:ジョン・ポール
登場作:『ゾンビ』
呼び名の通り赤いプライド柄のシャツを着た白人男性ゾンビ。
スキンヘッドで顔の右半分が崩れた恐ろしい見た目が特徴。ポスターアートにもなった、本作の広告塔的存在。
給油場でピーター・ワシントンに襲い掛かり、背後からフライボーイに撃たれ、更にロジャーにヘッドショットされた。
結構人気なのかスティーブンとセットでフィギュア化されている。
因みに、ゲームバイオハザードRE:2』にも酷似した外見のゾンビが登場する。

セキュリティガードゾンビ

演者:ワーナー・ショック
登場作:『ゾンビ』
モンローヴィルモールの地下ボイラー室にいた作業員姿のゾンビ。
地下ボイラー室でフライボーイを追い詰めるが、最期は拳銃でヘッドショットされた。

スクリュードライバーゾンビ

演者:ジョン・ハリソン
登場作:『ゾンビ』
モンローヴィルモールの服売り場にいた作業員姿のゾンビ。
物陰に隠れており、3人が通過する中ロジャー・デマルコだけを掴み倒し、取っ組み合いの末、ツールバッグにあったドライバーで突き立てられてしまった。*7
演者は次作『死霊のえじき』の音楽を担当することになる。

ハーレークリシュナゾンビ

演者:マイク・クリストファー
登場作:『ゾンビ』
呼び名通りクリシュナ教徒の格好をした白人男性ゾンビ。モンローヴィルモール内を徘徊していた。
ちょんまげに似た独特な髪型でオレンジ色のローブと丸眼鏡を着用し、腰にはタンバリンを提げ、足は裸足と極めて印象的な姿をしている。
ピーター達の陽動に何故か引っ掛からず、フライボーイが出てきた守衛室へ通じるドアを通って待機していたフランシーン・パーカーに襲い掛かる。
フライボーイが銃を全て持ち出してしまったせいで、この時のフランは丸腰であった。
しかし火が苦手な弱点を突かれ発煙筒や段ボールで抵抗され、ピーターやスティーブンと共に戻ってきたロジャーに撲殺された。*8
その独特の出で立ちと存在感からファンも多く、フィギュア化もされ販売されている。

◆リードゾンビ

演者:パム・チャットフィールド他
登場作:『ゾンビ』
モンローヴィルモール内を徘徊していた、いつも群の先頭にいる奴ら。非エキストラ。大人の事情でやたら出番が多い。
中盤でピーター達によってモールから閉め出されるが、強盗団の襲撃により入り口が破壊されたことで再びモール内に侵入を果たす。
最後はゾンビ化したフライボーイに引き連れられる形でピーターとフランを追い詰める。
前作のセメタリーゾンビと役割が似てるが、最後まで倒されずエンドクレジットの背景にまで登場する。
  • リードゾンビナース
演者:シャロン・ヒル
黒髪の白人女性ゾンビ。ナース服・ナースキャップを着用している。作中で一番出番が多く、エンドクレジットでも登場している。
終盤にはゾンビ化したフライボーイと共に守衛室に侵入した。
  • セーターゾンビ
演者:クレイトン・ヒル
禿げ頭で小太りの中年白人男性ゾンビ。白いセーターを着ている。演者はナース役と夫婦。
常にナースのそばにいるため、必然的に出番も多い。
終盤ではゾンビ化したフライボーイと共に守衛室に侵入し、更にフランを追って脚立と梯子を登って屋上にまでやってくる執念深さを見せる。
  • ライフルゾンビ
演者:ジェイ・ストーバー
青い服を着た白人青年のゾンビ。中盤でロジャーから自動小銃を奪ったあと、ずっと握りしめている。
終盤ではゾンビ化したフライボーイや上記ゾンビ達と共に守衛室に侵入し、フランを追って屋上に登る。
その後、自殺を断念し屋上にやって来たピーターからライフルを奪い、代わりにロジャーの自動小銃を捨てた。
人肉以外のものに執着する、シリーズ中でも珍しいゾンビ。

◆ロジャー・デマルコ

演者:スコット・H・レイニンガー
登場作:『ゾンビ』
主役四人組の一人である本フィラデルフィア市警察SWAT隊員。白人男性。
ゾンビをショッピングモール内から閉め出す作戦中に噛まれてしまい、急激に衰弱していく。
最期はピーターに「ゾンビにならないよう頑張る」と言い遺すも、無情にもゾンビ化。
ピーターに射殺された。

◆マチェーテゾンビ

演者:レナード・ライズ
登場作:『ゾンビ』
ブレイズにラリアットを仕掛けたことで彼の逆鱗に触れ、マチェーテを脳天に叩き込まれ倒された黒髪の白人青年ゾンビ。

スティーブン・アンドリューズ(フライボーイゾンビ)

演者:デビッド・エンゲ
登場作:『ゾンビ』
一応主人公であるWGON-TV所属の天気リポーター。白人男性。ヘリを操縦できることからフライボーイ(ヘリボーイ)と呼ばれていた。
映画終盤に強盗団がモール内に侵入してきた際、「静観してゾンビと共倒れするか撤退するのを待とう」というピーターの指示を無視。
物資が奪われ蹂躙されるのを我慢できず、人間の愚かさを体現するかの如く攻撃を仕掛けた。
その結果、返り討ちに遭って負傷し、弱っているところをゾンビに襲われたことで失血死し、エレベーター内でゾンビ化。
最期まで握っていた拳銃を意味もなく指先に引っかけ、死後硬直による影響でぎこちない動きをしながら活動を始める。
ゾンビの群れ(前述のリードゾンビを含む)を引き連れながら人間だった頃の記憶から壁に偽装されていたベニヤ板を押し倒して守衛室へ通じる階段へ侵入。
まもなく守衛室のドアを開け待ち構えていたピーターとフランの前に姿を現すが、ピーターにヘッドショットされた。
古今東西屈指のゾンビ役者」と言わしめたエンゲのゾンビ演技が神演技すぎてエキストラゾンビの演技との落差が酷く、逆に浮いてる。
今のゾンビ定義の生みの親がロメロなら、ゾンビ像の生みの親はエンゲだろう。
様々な玩具メーカーから何度もフィギュア化・販売された人気者。


◆ジェーン・マルドゥーン

演者:キャスリーン・モンロー
登場作:『サバイバル・オブ・ザ・デッド』
デラウェア州沖プラム島の住人であったアイルランド系アメリカ人女性。
ゾンビアポカリプス後に死亡、ゾンビ化した。
後述のバブやビッグ・ダディ同様、本作の看板キャラクター。生前の記憶を強く残し、技術や経験を要する乗馬が可能。
ゾンビとの共存を望むプラム島の支配者シェイマス・マルドゥーンの命令でチャックとレム・マルドゥーンによって捕獲された。
そしてマルドゥーン家、オフリン家、ブルーベイカー達が見守る中で「ゾンビにを喰わせる実験」の実験台とされる。
生前の記憶からか双子の片割れジャネットに執着する素振りを見せ、淡い期待を抱いて手を伸ばしたジャネットに噛みついた。
その後、チャックがゾンビ達を解放したことでオフリン家、マルドゥーン家、ブルーベイカー達そしてゾンビ達が混戦状態となる。
ブルーベイカー、トムボーイ、少年、パトリック、ジャネットを除く人間達が全滅した頃、ようやくシェイマスの実験が功を成し愛馬に噛みついた。
これが『バイオハザード』等のゾンビなら単に雑食になっただけだが、ロメロゾンビが人肉を喰らうのは前述の通り食欲ではなく本能である。
生存自体には必要ない衝動であるため、人間と共存するために人肉以外の肉で衝動を満たせるよう「進化」したと見なすことができる。
彼女に次いで、他のゾンビ達も馬肉を貪り始めた。

◆DJ

演者:ジョシュア・ピース 
登場作:『サバイバル・オブ・ザ・デッド』
ペンシルベニア州の州兵である白人男性。
本作のファーストゾンビ。 
ゾンビ化直後にブルーベイカーに射殺された。

◆ソルジャーゾンビ

演者:ドル・バージバー
登場作:『サバイバル・オブ・ザ・デッド』
ゾンビ化したペンシルベニア州兵。白人男性。
DJの上官だったヴォーン中尉に背後から噛みつき、ケニーに自動小銃をこめかみに接射され頭が粉々になった。

◆ハーバーゾンビ

演者:ダン・ベリー
登場作:『サバイバル・オブ・ザ・デッド』
船着き場でパトリックの仲間フィッシャーマンに釣られたゾンビ。
すぐに撃たれた。

◆トードリーバイター

演者:アンジェラ・ブラウン
登場作:『サバイバル・オブ・ザ・デッド』
トードリーに噛みついたデブ女ゾンビ。パトリックに倒された。

◆ダイナマイトゾンビ

演者:マルクス・ボベシッチ
登場作:『サバイバル・オブ・ザ・デッド』
パトリックから点火したダイナマイトを渡され、首を傾げながら爆散した髭面白人ゾンビ。

◆ファイヤーエクスティングイシャーゾンビ

演者:ジェリー・シェーファー
登場作:『サバイバル・オブ・ザ・デッド』
客船にいたゾンビ。フランシスコに消火器の消火剤を口に放出され頭が破裂したゾンビ。

◆ホットドッグゾンビ

演者:ジェームズ・ダン
登場作:『サバイバル・オブ・ザ・デッド』
パトリックにウインナーが刺さったフォークで脳天を突き刺されて倒されたゾンビ。

◆フレーミングゾンビ

演者:チャド・カミレリ
登場作:『サバイバル・オブ・ザ・デッド』
ブルーベイカーに照明弾を撃ち込まれ頭部が炎上したゾンビ。

◆プラム島のゾンビ達

登場作:『サバイバル・オブ・ザ・デッド』
ゾンビ化したプラム島の住人達。
・ドローリングゾンビ
演者:ミッチ・リスマン
よだれを垂らした白人デブゾンビ。プラム島の住人だった。
パトリックに射殺された。
・ゾンビガール&ゾンビボーイ
演者:クリスティーナ・ミラー&ジョン・フレミング
マシュー&ベス・マルドゥーン夫妻の幼い姉弟。交通事故で死亡、ゾンビ化した。
両親によって屋根裏部屋に隠された。
・ティモシー・スキャンロン(スキャンロンボーイ)
演者:カーティス・パーカー
マルドゥーンの牧場で飼育されていた少年ゾンビ。アイルランド系アメリカ人。
豚を食べなかったためシェイマスに射殺された。
・ピッチフォークゾンビ
演者:ゼリコ・ケコイエビッチ
マルドゥーンの牧場で飼育されていた農夫の格好をしたゾンビ。
チャックにピッチフォークで足を刺され地面に縫い止められるも足首を自力で引きちぎって襲いかかったが倒された。
・ハットゾンビ
演者:ケビン・ラシュトン
マルドゥーンの牧場で飼育されていた男性ゾンビ。シェイマスの帽子を奪って噛んだため激昂したシェイマスに倒された。
・サリー・マルドゥーン
演者:ヘザー・アリン
ゾンビ化したシェイマスの妻。アイルランド系アメリカ人。
・ホースイーティングゾンビ
演者:リック・パーカー
チェック柄のシャツを着た白人デブゾンビ。
ジェーンに倣って馬肉を貪った。
・パトリック・オフリン
演者:ケネス・ウェルシュ
登場作:『サバイバル・オブ・ザ・デッド』
プラム島の元支配者であるアイルランド系アメリカ人の老年男性。
因縁の相手、シェイマスに撃たれた傷が致命傷となり、映画ラストで死亡、ゾンビ化。
本来ゾンビは共食いしないのだが、よほどシェイマスが憎かったのか、ゾンビ化後も空の拳銃を手にゾンビ化したシェイマスと争っていた。 
・シェイマス・マルドゥーン
演者:リチャード・フィッツパトリック
登場作:『サバイバル・オブ・ザ・デッド』
プラム島の現支配者であるアイルランド系アメリカ人の老年男性。パトリックよりも大柄。
因縁の相手パトリックに撃たれ死亡、ゾンビ化し、空の拳銃を手に同じくゾンビ化したパトリックと争い続ける。



バブ・ザ・ゾンビ

演者:ハワード・シャーマン
登場作:『死霊のえじき』
本名不明。
研究材料としてのセミノル地下倉庫に捕らえられた白人男性ゾンビ。髪は黒で瞳は青。頭頂部が禿げていることから、ゾンビ化したのは中年期と推測できる。
チェック柄の赤いシャツの上にボロボロの黒いジャケットを羽織り、黒いズボンを履いている。
ゾンビの研究をしている「フランケンシュタイン」ことマシュー・ローガン博士により、彼の父の愛称である「バブ」の名を与えられた。
ローガンから犠牲となった兵士の肉片を「ごほうび」として与えられ食人欲を満たされているので襲ってはこない。
その訓練の結果、理性を取り戻し生者を「餌」とは認識しなくなった上、教育を受けたことで自我が芽生えた
教わっていないのに銃の扱い方を知っていたり、基地の司令官ヘンリー・ローズ大尉に敬礼して見せたりと、人間時は軍人であったことが示唆されている。
精神年齢は幼児並で非常に純真。性格は好奇心旺盛で非常に義理堅い。ローガンを父の様に慕い、至近距離でも彼に噛みつかないばかりか命令に忠実に従う。
ただし、ローガンに対し高圧的な態度をとるローズら軍人達は敵視しており、空の拳銃を渡された際はローズに銃口を向けて引き金を引いた。
終盤の展開はもはや主人公。
詳細は当該記事を参照。
因みに、バブのように人間と絆を結んだゾンビは他の映画だと本作のリメイク『デイ・オブ・ザ・デッド』のバド・クレインや
ゾンビーノ』のファイド、『ウォーム・ボディーズ』のR等がいる。

ドクター・タン

演者:なし(複数人による操演)
登場作:『死霊のえじき』
冒頭に登場した下顎が欠損した白人男性のゾンビ。『バック・トゥー・ザ・フューチャー』のドクに似た髪型。
ゾンビ化以前は医者であった。
出番は短いがインパクト大の見た目から人気があり、フィギュア化した。

メイジャー・クーパー

演者:バリー・グレス
登場作:『死霊のえじき』
ゾンビ化したセミノル地下倉庫の司令官。
白人であることと階級が少佐(メイジャー)であること以外は生前の素性は不明。
死亡後、ローガンによって秘密裏に持ち出されたあとゾンビ化した挙げ句、大脳を取り除かれ操り人形の様な状態になってしまった。

◆フューチャードゾンビ

演者:ドン・ブロケット&ウィリアム・キャメロン&デボラ・カーター&ウィニー・フリン&デブラ・ゴードン&ジェフ・ホーガン&バーバラ・ホームズ&デビッド・キンドロン&ブルース・カートパトリック&ワイルド・ビル&スーザン・マルティネリ&キム・マクスウェル&バーバラ・ラッセル&ジーン・A・セラセニ&ジョン・シュワルツ&マーク・ティエルノ&マイク・トルシック&ジョン・ヴリッジ
登場作:『死霊のえじき』
地下洞窟に閉じ込められたゾンビ達。研究用に捕獲されてはローガン博士に解剖されたりと悲惨な目に遭わされている。
ローガン博士を恐れているらしく、映画冒頭の時点でゲートに近づくのを躊躇い始めていた。
映画終盤にジョンが扉を解放したことで雪崩れ込み、ミゲルが雪崩れ込ませた地上のゾンビ達と共にセミノル地下倉庫を侵略し、軍人達を次々と地獄へ送った。

◆ラッキースカーフゾンビ

演者:ジョージ・A・ロメロ
登場作:『死霊のえじき』
映画終盤に画面を横切るスカーフを巻いたゾンビ。前作に登場したWGON-TV所属のTVディレクターがゾンビ化した姿。


ビッグ・ダディ

演者:ユージン・クラーク
登場作:『ランド・オブ・ザデッド』
ゾンビと成り果てたスタンドマン。アフリカ系アメリカ人男性。大柄でスキンヘッド。瞳は黄色。サークル型の黒い口髭を生やしている。
着ている青いツナギに「ビッグ・ダディのガソリンスタンド」のロゴタイプが刺繍されたワッペンが縫い付けられていることが呼び名の由来。
バブと違い自然に自我に目覚めた存在で、ユニオンタウンで形成されていたゾンビのコミュニティのリーダー的存在となっていた*9
言ってみればより高度な知的生命体?でありセカンドステージに進化したゾンビである。
また、バブよりも成熟した自我を有しており、非常に仲間思いかつ勇敢で、好奇心も旺盛。
リーダーとしても優れており、咆哮や唸り声を言語の代わりに用いて他のゾンビに指示を出すなど高い統率能力を有している。
因みに、彼の指示にはカニバリズム中のゾンビさえ即座に食事を中断して従うため、仲間達からは非常に慕われている様子。
物質を調達しに来た傭兵達の手で一方的に同胞達が虐殺される様に怒りを抱き復讐を決意。
ゾンビの大群を率いて人間達が住む街ピッツバーグのダウンタウンを目指す。
ローガン博士と同様に無知なゾンビ達に叡智を授け自我を芽生えさせ、ゾンビが苦手とする流水や火を克服した。
仲間達を勝利へと導くその姿はもはや救世主である。詳細は当該記事を参照。
因みに、仲間想いなリーダー格のゾンビといえば他の映画だと『アイ・アム・レジェンド 別エンディング』の「アルファ・メイル」等が代表的。

ビッグ・ダディの仲間達

登場作:『ランド・オブ・ザ・デッド』
ビッグダディの愉快な仲間達。いずれも最初はただのゾンビで、ビッグダディについていくのも群れを為す習性に従っていただけだった。
しかしビッグダディより叡智を授かり、共に様々な困難を乗り越えていく過程で自我が芽生え始め、統率の取れた集団と化していく*10
詳細はビッグ・ダディ(ランド・オブ・ザ・デッド)を参照。
ナンバー9
演者:ジェニファー・バクスター
背番号9の野球のユニフォームを着た金髪白人女性ゾンビ。武器は野球バット。
常にビッグ・ダディのそばにいる。
中盤でビッグ・ダディから自動小銃を渡され使い方を教わった。
ブッチャー
演者:ボイド・バンクス
肉屋のエプロンを身に付けた茶髪白人男性ゾンビ。
武器は豚切り包丁。 
ナンバー9と同じく常にビッグ・ダディのそばにいる。
ビッグ・ダディの指示で基地の壁のベニヤ板を包丁で破壊したり、手榴弾を投げようとした兵士の手首を切断し、爆発の被害を最小限に抑えたりと活躍した。
タンバリンマン
演者:ジャスミン・ゲリョ
縦縞柄スーツを着た、首が曲がった禿げ頭の白人男性ゾンビ。
呼び名通りタンバリンを持っていたが、終盤にパイプレンチに持ち替えた。もうタンバリンマンじゃないじゃん
デッド・ティーネイジ・ボーイ&デッド・ティーネイジ・ガール
演者:マイケル・ベリサロ&ララ・アマージー
呼び名の通り若い白人男女のゾンビカップル。
常に手を繋いでおり、ビッグ・ダディに同行‥‥‥しながらデートをする。
ブレイズ(マチェーテゾンビ)
演者:トーマス(トム)・サビーニ
黒いジャケットを羽織ったラテン系アメリカ人男性のゾンビ。口髭を蓄えている。髪の色は黒。
『ゾンビ』に登場しピーターに射殺された強盗団のサブリーダー「ブレイズ」の成れの果て。
ビッグダディ率いるゾンビ抵抗軍の一員としてカメオ出演し、怪力とマチェーテを武器にスラムの住人を虐殺した。
ロメロ監督のゾンビ映画では同じ俳優が複数の映画にまたがって出演することがよくある。
しかし、その場合は良く似た顔の別人という設定であり、シリーズでも珍しい再登場キャラクターである。
因みに、他の再登場キャラクターは『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』と『サバイバル・オブ・ザ・デッド』に登場するサージのみ。
・デッドチューバプレイヤー&デッドトロンボーンプレイヤー
演者:ウィルバート・ヘッドリー&ロス・スフェラザ
タンバリンマンのバンド仲間。チューバとトロンボーンの奏者であるゾンビ二人。
・チアリーダーゾンビ
演者:エリカ・オルセン
チアリーダーのコスチュームを着て両手にポンポンを持った若い白人女性のゾンビ。
花火に夢中になっているところをヒャッハーな傭兵に殺られた。
・ゾンビマザー&ゾンビドーター
演者:リーズ・キーリング&ソニア・ベリー
ゾンビの母娘。二人とも花火に夢中になっていたが、ビッグ・ダディによって物陰に突き飛ばされ銃撃から守られた。
・リフリジェレイターゾンビ
演者:チャド・カミレリ
酒屋の冷蔵庫内に潜んでいた、バブに似たゾンビ。
チョロに奇襲を仕掛けるが、スピアーガンで返り討ちにされた。

・ポリスマンゾンビ
演者:ジノ・クロニャール
酒屋のカウンター裏に潜んでいた警官ゾンビ。マイクに噛みつき、駆けつけたライリーに射殺された。

◆フェンスフライゾンビ

演者:シェーン・カードウェル
登場作:『ランド・オブ・ザ・デッド』
電気柵で感電しているところをロメロの娘さん演じる兵士に蜂の巣にされたビジネススーツを着たゾンビ。

◆チャイルドゾンビ

演者:ジェームズ・カントン
登場作:『ランド・オブ・ザ・デッド』
タキシードを着た男の子ゾンビ。小屋で待機していたマウスに襲いかかりビビらせた。

◆クラウンゾンビ

演者:エルメス・ブララシン
登場作:『ランド・オブ・ザ・デッド』
小屋で待機していたマウスに奇襲を仕掛け地獄へ送ったピエロのゾンビ。

◆テンパレンスストリートゾンビ

演者:スーザン・ブロスチュナ
登場作:『ランド・オブ・ザ・デッド』
モブ中のモブ女ゾンビ。

フォトブースゾンビズ

演者:サイモン・ペッグ&エドガー・ライト
登場作:『ランド・オブ・ザ・デッド』
スラムの盛り場で見せ物として拘束されていた白人男性ゾンビ二人。
演者は『ゾンビ』のパロディ作『ショーン・オブ・ザ・デッド』の主演と監督。

◆アリーナファイトゾンビズ

演者:ケビン・ラッシュトン&ニック・アラチョティス
登場作:『ランド・オブ・ザ・デッド』
スラムの闘技場で賭け事に利用されたゾンビ二人組。
ゾンビは共食いしないため、餌として放り込まれた人間(スラック)をどちらが殺すかを賭ける。
ライリーに射殺された。

ハングドマンゾンビ

演者:ドゥウェイン・マククリーン
登場作:『ランド・オブ・ザ・デッド(ディレクターズカット版)』
ゾンビと成り果てた初老の白人男性。白髪。
富裕層のみが暮らせるタワー「フィドラーズグリーン」で贅沢な暮らしをしていたと思われる。
しかしゾンビと人間の数が逆転した世界が嫌になったのか首吊り自殺により死亡し、いつの間にかゾンビ化。
遺体を降ろそうとした息子の喉を喰いちぎって殺害後、チョロに襲い掛かったが返り討ちにされた。
チョロとカウフマンの会話にでてくる「ユニオンタウン」はこのゾンビの名前ではなくピッツバーグの隣町のこと。

◆ブルーベイカー

演者:アラン・ヴァン・スプラング
登場作:『ランド・オブ・ザ・デッド』
ペンシルベニア州の州兵→強盗団リーダー→ピッツバーグ前哨基地の司令官という経緯を持つ白人男性。
『ダイアリー~』の「大佐(カーネル)」や『サバイバル~』の「軍曹(サージ)」と同一人物。
ビッグ・ダディらゾンビ抵抗軍の襲撃に遭い、交戦した末に戦死、ゾンビ化した。
後にライリー・デンボに発見された際、自分の手を食っていた。
最後はライリーにヘッドショットされた。

◆ヒルサイドゾンビ

演者:ジェイク・マッキノン
登場作:『ランド・オブ・ザ・デッド』
チョロを狙撃しようとしたモニカに不意打ちを仕掛けたゾンビ。
最後はスラックとピルズベリーにモニカ共々ヘッドショットされた。

◆ブリッジキーパーゾンビ

演者:グレッグ・ニコテロ
登場作:『ランド・オブ・ザ・デッド』
跳ね橋の制御室に潜んでいたゾンビ。
ライリーに不意打ちを仕掛け、取っ組み合いの末、降りてきた橋に斬首され、川に落下して消息不明となった。

◆レッグレスゾンビ

演者:デビッド・キャンベル
登場作:『ランド・オブ・ザ・デッド』
デッドレコニング号に足を轢かれながらも根性でしがみついた白人男性ゾンビ。
アンカーに奇襲を仕掛けるもピルズベリーに始末された。

◆ニック

演者:不明
登場作:『ランド・オブ・ザ・デッド』
『ゾンビ』に登場したサンタクロース姿の強盗団の成れの果て。
ブレイズと同じく約28年ぶりにゾンビとして再登場した。

◆チョロ・デモーラ

演者:ジョン・レグイザモ
登場作:『ランド・オブ・ザ・デッド』
実質的な主人公である、傭兵兼暗殺者。
街の支配者カウフマンへの謀反をライリー達に阻止されたあと、相棒フォクシーと共にクリーヴランドを目指す道中でゾンビに噛まれてしまう。
‥‥‥が、「ゾンビになるのも悪くない」と開き直り、カウフマンと自ら決着をつけにいく。
感染症により意識朦朧としながらもスピアーガンでカウフマンを攻撃するも、返り討ちに遭い射殺されてしまう。しかし、これによりゾンビ化
カウフマンに掴みかかり喰い殺そうとしたところを、ビッグ・ダディによりカウフマンもろとも爆殺された。

ジョージ・A・ロメロのデッドシリーズ関連項目



追記、修正はフライボーイのゾンビウォークを真似てからローズ大尉を八つ裂きにし、ビッグ・ダディに次いで川に飛び込んでからどうぞ。

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最終更新:2023年12月29日 03:57

*1 劇中では放射能汚染の影響だとか宇宙から飛来した化学物質が原因だとか色々出てくるが、どれも根拠がなく実際解明できたことはない。

*2 このタイムラグは作品ごと、個体ごとに差がある。唯一明確に判明しているのはランド・オブ・ザ・デッドのライリーの弟が一時間足らずで変化したこと。

*3 ワクチンや血清は最後まで発見されなかった。

*4 二次災害として人災を描く為の布石

*5 エンドクレジットのキャスト欄では上から6番目。演者のユージン・クラークの名はオープニングにも表示されている。

*6 ちなみにこの時、内側からドアを抑えられていたので素早く反対側のドアに回り込み、ドアを引いて開かないと見るやすぐさま石で窓を割るという、かなりとんでもない個体。

*7 ちなみにこの時、大量の血があふれ出る

*8 ちなみにこの発煙筒に怯んだことが、ゾンビが火に弱いという事に気付くきっかけになる

*9 ロメロ曰く、これがバブとの最大の違い

*10 つまり、ビッグダディはいわば「最初に火を使った猿」となったのである。