雑記:文或と近代もろもろ、157


6月17日めも。


文アルのキャラ言及、2019年度分、30人めです、いや、2020年だけど、しかも2月だけど、気にしない気にしない、2019年度分は65人でえーと、あと、36人かな、で【北原白秋】さん。
そういや知ってる人なのでついうっかり追加情報を一切入れ損ねたのでこれを打ち始めてから急遽考え込んでいるのですが、そういや、去年は北原さんのところ3人は芥川との関係だけで書いてたんだなー。
弟さんがやってた出版社と菊池さんとこの全集企画が激突して、なんかまあ芥川が板挟みになったみたいなお話だけかなり繰り返し聞くんですが(実際のところ業界全体の話だと詩人さんの出番あんまりないんだよね)、こないだ菊池さんの『文学全集』を読んでたらそもそもそこの社長とごはん食べに行ってました、いやなんか、「急遽呼びだして都合付く相手」的な扱いだったので…なんだろうあれマジで。
(アルスの前身は菊池さんの戯曲集のうち1冊を出してたので、芥川経由でそもそも付き合いがあった可能性もあるよなー。)
なにぶん、この弟さんの追跡調査は難しいみたいですが、どうなったんだ一体。

朔ちゃんと犀星のことは白秋さん主催の『朱欒(ザンボア)』という詩の雑誌の投稿者として出会ってその雑誌が途中頓挫したために面倒を見ていたというのが弟子に近い立場として括られることになった理由なのかな。
ものの本だともう一人いたりもするよね、二回しか見てないけど。
詩人全体がいまいちわからんけど、さすがに代表格っぽいので名前はぽちぽちと見ることもあるような、その知名度で文士村界隈にいる辺り…多分稼ぎはあんまりないよね。


6月18日めも。


文アルのキャラ言及2019年度分、初っ端から詩人知識の薄さを自覚していたわけなのですが、出版社関係で出て来たのも第一書房くらいかなー、と思い出しつつ【若山牧水】さん、そういやここで言うべきでもないけども啄木さんだとそこそこ見る気もする、あれですね、朝日新聞社にいたりしたせいだな。
で、牧水さんでなにかあるかなと思い出そうとしてみたんですが。
そういや文アルのイベント絡みで片思いの相手との謎い展開を遂げる詩集を出してた話聞いたな、的な感じの記憶と、いや、そもそもゲームのために書いているのでそれでまずいはずもないのですが。
あとあれ、お酒好きが過ぎたのか遺体が腐らなかったらしいことが…。
だいぶ前に聞いたんだけど、ご飯食べてたか単純に心配だな(事実上の栄養失調による死去が少なくなくてね、詩人も純文学界隈も)。
あらやだ、イベント2019年10月かー!
一応仮に当ててる日付けよりもあとのことになっちゃったので、まああの時に覚えてることだけ、多分「彼女」は人のものになり、だが、そのあとで成就したことになっている、なっているが実際にどうなったのかはよくわからないみたいな。
実にいいね!!!
フィクションにおけるモデルの在り方として私の好み的には完璧なアンサーです、その結末が妄想だったかもしれないという深みを与える現実の存在、めっちゃいい。

小説にも心境小説という勘違いを軸にしたジャンルがあるみたいですが、それよりいいなー、いつか読んでみたい、いや解説本で読みたい(そういう趣味ですとも)。


6月19日めも。


えーと、32人目ですかね、2019年度版文アルキャラ言及【石川啄木】さん、そういやこの人、自然主義への攻撃者としても登場するんだね、攻撃者のほうが重んじられてるケースはあんまりないんだけども、なんというか相手が長谷川天渓という同時代を代表する評論家にして「錯乱」とまで言われる方なので…。
ただその天渓氏はその後、異常精神の研究とか先導してなんかいい感じになってたから! 調べられないけどね、ていうか白鳥さんと並んで研究してたみたいで気になってるぅぅ。
あとあれ、天渓さんのあとを継いで自然主義の庇護者になった島村抱月さんは不倫以外はそんな悪いことしてないので一緒にしないであげて下さいなんの話、だって、今の日本に相応しいレベルの作品だよねっていきり立つ若者たちを宥めて建設的な話をさせたんだよ、まあ若者が恐ろしい勢いで冷めて逃げてったけどな!!!
だからなんの話だよ。

啄木さんはなんだろう、他人に良く思われたいという気持ちがものすごく強いというだけで、努力が出来ないわけでもないし、コツコツやるのが完全に苦手というわけでもないんだよな多分…。
ただ、朝日新聞での真面目さで北海道の新聞社で働いてたらそもそもドロップアウトすらしなかったんじゃないかという感じだし、ここさえなければ、という雰囲気でもないんだよな、なんか全ての要素が破滅に向かう、いやなんか違うな。
ぶっちゃけ、批判を行った側が学者の類にまで評価されてることがあまりに少なくて、あと菊池さんくらいしか見たことがないのでどうにも評価がブレてて…。
次見掛けたらちゃんと内容覚えておくね、ただ相手があんまりでさぁ…。


6月20日めも。


2019年度版でっち上げ、文アルキャラ言及ですが【高村光太郎】さん、かなりでっかい人だったらしいのにどう見ても華奢、小柄に改変されているのが気になって仕方ないんだけども、白秋さんなんかと違って文士村近辺では見ないな、そういや露伴先生の家の近くに住んでいたことがあるとは聞いたことがあるから、やっぱりそこそこの生活水準は保っていたんじゃないのかな…、なにで稼いでいるかよくわからないけど(詩人の収入源は謎なんだよね真面目に)。
詩人なの? 彫刻家なのでは、みたいなのは確か去年も触れましたが、『スバル』だ『明星』だなんだと主要メンバーとしてカウントされてるので詩人で全く問題ないんじゃないかと、そういや戦時組織にもいたんだよねー。
白秋さんがかなり戦争賛成だったらしいので(世代とか学習環境によっては仕方ない)、彼でも良さそうなものなのになんでかリベラルばっかりいるんだよな、あの組織…。

そういや去年は鴎外さんとあまり芳しからぬ関係だったらしいって話には触れたっけか、あれ、どうも東京美術学校からお父さんの高村光雲さんが追い出されたらしいので、その絡みじゃないかしら? と思ってるんだけどどうなんだろう。
さすがに鴎外さんが詩人たちを集めてるのでなんとなく目に付くんだけど、別段それらしい話はない的にも聞いたことがあるからねー。
てか、岡倉天心を追い出す時に光雲さんが連座してるので、政治絡みの案件で鴎外さんがそっち寄りみたいなもうちょっとあれな可能性もあるかしら。
芸術家にも勢力家争いがあるからそれ絡みかもしれんけど、岡倉天心を追い出すことによっての西洋化もあったらしいし鴎外さんは西洋の美術理論教えてた、よね…(曖昧)。


6月21日めも。


文アルのキャラ言及2019年度版、【三木露風】さん、書き出してから気付いたけどもともと聞いた名前ではあるんですよあるんだけど、白秋さんとか光太郎さんみたいに当人がどうとかじゃなくてなんかの作品名で聞いていたような気がする。
えーと「赤とんぼ」と、こないだ本を読んだ『赤い鳥』の童謡運動に参加していた人か、いや待って、なんとなく覚えてるような気もしないでもないんだけども、あの本はあまりにも「童謡じゃない、これも童謡じゃない、これも童謡じゃない!!」みたいな感じの連呼でどういう人が活躍していたのかの記憶が残りにくくて…。
すんごい大雑把に言うと日本の学校、というか文部省が勧めていた「唱歌」という西洋由来の曲調があるらしく、これは日本の伝統ではないよね、みたいな感じで赤い鳥主体が運動を開始したらしいんだけども肝心のその紹介される曲が唱歌調という。
本の最初から最後までヒステリー起こしてたけどさすがに同情するような本だったので誰がなにをしたのかの記憶がどうにもないんですが、ないんだよ。
赤い鳥から始まって他の児童向け雑誌にも影響を与えたらしく、その影響を受けた先ではこの人ちゃんと童謡になってるじゃんとかこう、駄目だ、突っ込みが激烈過ぎてなんか名前とかそういうのが出てこない…。
あ、白秋さんはいましたね、やっぱり唱歌調だったらしいけど…、なんでだ。

結局単独で思い出せなくてすみません、今Wiki辞書でざっくり経歴読んでたんだけども詩人の世界からはかなり早い段階で離れてるっぽいなぁなんとなく、文化講師をやっていたというのも詩人の中では若干珍しい気もするけど。
ちゃんとカソリックになってる人も珍しい、他の詩人の生活に…合いそうにない…。


6月22日めも。


文アルのキャラ言及、2019年版、【吉井勇】さん、なんかあれ、微妙に時期が曖昧だけど「遊蕩文学撲滅論争」の時に名前が挙がっていたんだっけ、まあなんとなくわからんでもないんだけども、えーと、大正5年だからー、新思潮たちが世に出るか出ないかくらいの時期で、吉井さんだといくつくらいになるんだろう…『明星』が危ない時期に華族の子息って連れて来られた人らしく(あと作家の息子さんもいた)、こんなところで名前が?! みたいなことになりましたね…。
まああれ、ぶっちゃけ明星の与謝野鉄幹さんの急場凌ぎだったらしいんですが、いやさすがにそんな名目で未成年二人連れて来たらそう呼んでも失礼でもないと思うんだけども、結局吉井さんまで含めて明星を離脱していたという。
多分それで正解だったんだろうなー…、ある意味でキャリアになってる…。
あとあれ、春秋社ってところで井原西鶴の現代語訳出してた時にもちょこんと名前が並んでいたのを記憶しているのですが、どこからどう関わったのかはまだ調べられてないです、てかあのシリーズってなんだか変な人いっぱいいるしなー(多分企画したのは菊池さんかそれに近い人だと思うけど、あ、トリで参加、里見のとんちゃんがトップバッター、いえーい、知名度、間の巻にはほぼ完全に無名と判明した人までいた)(活躍時期が少しあとなのです)。

このページ、詩人は断片的に聞いてるけど、全体的な状況がさっぱりわかってないということを結局繰り返し結果的に語ってるだけのような気もする!!
ところでお家の爵位が曖昧ですみません、だってあれなんか記述ブレや変わったりするし…準男爵くらいのほうがまだちゃんと意味がありそうな気がしてくる。


6月23日めも。


文アルのキャラ言及、2019年度版、てかなんでいちいち断るんだろうねまあいいけど、【室生犀星】さん、なんか去年は呼び捨てではなかった気もするんだけどこの辺には他意はないです、多分一部除いて繰り返してるとそうなる感じ。
ところでこないだ第一書房という、まあまあ評判の良い戦前の出版社の本を読みまして、まあまあというかその評判の良さに惹かれて調べ始めた著者さんが号泣するようなかなりやばめのところだったんですが実際は。
まあまあ評判が良いというか、超絶絶賛かもごもご曖昧かのどっちか…。
こういうのはどうもこの業界では地雷なんですね、なんかわかってきた…。
ところがここが朔ちゃんのメイン出版社だったらしいんですよね、まあ、他にも新潮社さんから「載せないけどお小遣いはあげる」みたいな感じの扱いを受けていたり、中央公論に「女は男の欲望を叶えることで喜びを感じる生き物だと思っていた! でも違った!!」みたいな、まあ自覚しただけマシなのではないか終了みたいな朔ちゃんは次だよ間違えてるよ私!
まあ、やばい出版社だったんですよ、犀星そこと無関係なんだよね、それどころか朔ちゃんの死後、その第一書房で全集を出そうって段階で他所持ってっちゃったんだよね、野生の勘なのか普通に内実を知ってたのか不明だけどねー。
まー、業界に詳しい人だと薄っすら知ってたみたいだけど…。

絵画展の女性の身体を触り始めて周囲が必死で止めた逸話が強烈かなー、まあただ、止めるようになっただけいいじゃん、が本音であんまり他に出てくる言葉が。
ガチで働いてる女性は交渉次第で娼婦扱いだったので、その世代にしてはマシだ彼。


6月24日めも。


文アルのキャラ言及の2019年版の【萩原朔太郎】さん、好きか嫌いかで言うと別段好きではないです、なんで「ちゃん」付けで呼んでるのかは自分でも謎いんだよな、あ、作品はわりと普通に好きです。
あと犀星さんとこでも書いた女への勘違いみたいなあれもぶっちゃけて、似たような勘違いを現代に至るまで連綿と続けられているようなことを考えるとそれで嫌うってのは、なんだろうなという気持ちもあるんだけど、やっぱり引くんだよなううん…。
上手く言えないんだけどそれで許されようとしてる気がしてしまってるんだろうなー、花袋のは私は平気なんですよ、欲情しちゃってましたみたいなの、奥さんに新時代の女を期待して幻滅してしまってましたみたいなの。
でも花袋はそれをフィクションを交えた形で仕立てた。
欲情が本当でも我慢しきってたら、別にいいじゃないですか、男はそこ拘るけど女にとっては我慢したのとしてないのって雲泥の差だしさー、正直。
朔ちゃんの場合の実際に離婚に至るまで奥さんのことを引き摺り回したあとに「告白」するってどういうことだよ、みたいな気持ちになるのかもねー。

あとあれ、自殺してこそ本物の詩人、君は本当に死ぬ気がない! みたいな宣言を聞いた時点で「藤村躁絡みの集団ヒステリーじゃん」以外の感想が出てこず、言っちゃ悪いけどお情けで食わせて貰ってるような身分で言うこと? になるんだよなー。
メイン出版社の第一書房も社長が詩人気取りで出版するものに手を入れてたらしくて、だが当人の能力はもごもご、似非インテリを煽って装丁の勉強すらせずに高級だと言い張ってあぶく銭稼いでたらしく、離反者大勢出たのに死ぬまでってなぁ…さすがに。


6月25日めも。


文アルのキャラ言及の2019年版、ところで2月3日になりました、あと二人なので書いてしまいたいんだけどそろそろやばい、の【梶井基次郎】さん、なんでか昔から詩人みたいなイメージあるんですけどもセット扱いの三好くんのせいかしら、でも彼のほうはそんなに知らないんだけどなぁ(いや存在は知ってるけども)。
てか、作品めっちゃくちゃ短いんだねこれ、昔からよく本屋で夏になるとお勧めされていたりしたけども、まあ読んでおけば良かったかな、「檸檬」とか、友人が好きかなと思って読んで貰ったら精神状態が悪化しました、大変にごめんなさい。
というか、精神状態が悪いままにそれを読者に共有させつつ作品として成立させてる人ってのは他に芥川の「歯車」くらいしか見たことがなかったので、稀有っちゃあ稀有だよなぁこれ。
いやまああるのかもしれないんだけど、こう、「ドグラ・マグラ」なんかとはまた全然違うわけじゃないですか、私はあっちからはこらあかんわ、みたいなことを全く感じ取れないんですが(実際には存じません、多分入り込めてもない)、梶井くんの作品なら大抵まあなんとなくそれが伝わってくると思うんですよね。
で、その混乱の精神状態にはわずかに共感して、浮かび上がってくるところだけがっつりと入り込めるという、ぶっちゃけかなりのお得体験としか言い様がなく。

こう言ったらなんですけど、あんまり長生き出来なかったのもわからないでもないような気もしないでもない、もっと狂乱を読み手を叩き込むような作品が書けていたらその作品によって長生きできた可能性もあるよなぁ。
あんまりその手の作品に共感は出来ないんですけど、生きてるほうが大事だし。


6月26日めも。


文アルのキャラ言及の2019年、【三好達治】くん、これが「くん」なのも謎です、多分ざっと読んで女性人気が高いとは到底思えないような数々の言動の持ち主なんですが、まあただ男の知人たちは聖人扱いしてるよな、裏表というか、女性のみへの赤ちゃんプレイ強要というか。
ただまあ文士村を読んでいた時に宇野千代さんへとアタックをしておりまして、文士村のただれた生活自体は全く好きではないんだけど格上作家への純愛とか言われてしまうとさすがに「その根性やよし!!」になって、文士村の底辺イメージのせいがあんまり沈まない感じになってます。
朔ちゃんに孤独でいて欲しいとか言ってたらしいのは有名らしいですが、もともとはどん引きしていたこれも、朔ちゃん評価が底に沈んでいくに従って、あんまりというか、なんだろうな、家庭生活向いてないよの人に掛ける言葉としてせめて芸術に生きてみたいなニュアンスになりそうで、うん、どうなんだろうな一体。
朔ちゃんが引く描写になっている場合には「だよね」で済ませます自業自得じゃ。
赤の他人的にはそれが気遣いの一種だという可能性があっても不思議ではないなという感じの折り合いとなっております、うん、ちゃんと言語化出来た。

あと作品がなんか童話みたいで意味深で面白い、そういや菊池さんが唯一気に入っていた詩人らしいですが、だって私もそうですが頭でっかち種族にとっては意味があるのかないのかわからないものは読めないんですよ仕方ないじゃない(私はそれで否定したりはしないよ、解説本で読むね!)。
檸檬くんとの友情は三好くんなんも悪くないけどキモいから読みたくない(笑顔)。

(文或と近代もろもろ、157)
最終更新:2020年02月03日 00:20