雑記:文或と近代もろもろ、168


10月4日めも。


リアルタイム2020年10月22日です、あともう10日分書いたら丸1年違いになるかな、とりあえず寝る前にこれだけ仕上げていきたい、でもあれ、別に特にネタとかがあるというわけでもないんだけど。
えーと、最近呟いていたこと、あー。
なんか前、久米さんと松岡さんの三角関係みたいなことは触れてたけど、細かいことは知らんので「婚約未満解消をしたこと」は別にいいと思うんですよね、あくまで未満だしさー、それで小説書くのがいいのか悪いのかってのも、人によるんじゃねーのって感じ、二人きりで会うことを認められる前なら論外。
そこまで許されてるならそのあとは別に…。
口約束の段階でならともかく、それが認められてたら確定前って思うのはストーカー扱いされる筋合いはないだろうとしか。
(ここがそもそも婚約未満ですらなく、完全なストーカー扱いの場合もあるみたいね、多分文化サロンがあるみたいなイメージなんだろうな、てかそのパターンの場合、堀くんのエピソードと似てんな、相手方が有名な文化サロンの女主の娘さん。)

だが別に婚約未満解消はいい、小説に書くなってのもいい、ていうか菊池さんの話だと久米さんが漱石未亡人(鏡子さん)のところに怪文書が来た時点で、松岡さんが出したんじゃないかってのたまってたらしいので…。
おい、一発アウトだろそれ…、小説で一方的に怒られるのは正当とは言い切れないものの(不当とも言い切れない)、こっちの案件を持ち出さないだけで温情だろうし。
まあ小説の話ですけど、菊池さんが久米さん不利な話してたら信憑性は高めかな。


10月5日めも。


書き始めた時点では続けられるかどうかわからなかったものの、曖昧な部分を曖昧って扱うスタイルならなんとかなりそうかもな。
で、そもそも初期の関係解消、のちにその婚約未満相手の親友との婚約ってわりには、そうさして責められてる様子もなかったんですよね、どっちかというと漱石さんの弟子が煩かったみたいな話はしてたけど。
多分ねー、未亡人と付き合えた弟子って限られてるんですよね。
で、後期弟子だと久米さんが圧倒的なので、漱石さんとこの書斎(文化サロンになっていたのは離れのほう、だいたい半分くらいのとこで別れてる、書斎は母屋にあってなんというか離れは書庫も兼ねてたぽいね、間違えや勘違いもあるかも、あ、参考にしたのは記念館の模型)のほうの掃除を新思潮(4次)面子でやりましてね、その上、漱石さんの息子に一筆書いて貰って同人誌にどーん、みたいな。
ぎゃーぎゃー騒いでたんだけども未亡人がね、同意してて、ていうか多分鏡子さんのほうが頼んだ節があってね、そこで後期弟子たちが越権行為って怒ることが妥当かどうかっていうと、まあ違うやん。
初期弟子は普通に母屋に行けたと思うけど、彼らはもう忙しい社会人だしなぁ。
漱石さんの死後も何度か来てるような様子はあるものの、岩波書店で作ってた全集のせいでしょうね、この全集なんか変でさぁ、編集面子が初期弟子しかいないのよ。

繰り返しますが初期弟子たちは社会的に認められててまだ偉いほどでもない、忙しいのよ、後期弟子参加させればいいんだよ、いないんだよね。
未亡人の鏡子さんと後期弟子の関係は推して知るべしかなー。


10月6日めも。


鏡子さんと弟子らの関係のほうはあんまりちゃんと読んでないので割愛(間接的にはよく出てくるけどねー、漱石さんの弟子は諸事情にてよく探してた、あれ、漱石山房のことが知りたかったのよね、簡単に言うと芥川のデビュー前の話を探してた、ろくに見付からなかったけどそれ以外なら結構集まったよ…)。
弟子のことはあんまり信用してないけど、特に後期弟子、なんで信用していないかというと一高が、一高が、とてもバンカラな時代だからです、挙げ句の果てに漱石さんが先生になった直後に生徒が死にやがって自殺恰好いいよねブームが社会的に起こりやがって、要するに漱石さんの担当クラスは何人も鬱ごっこ耐久レースに勤しんでました。
信用してないってのは、無意味に無根拠に言ってるわけではないんだ。
だが直接の資料があるわけでもないんだけど、漱石さんが開いてた朝日新聞の文芸欄(その他、呼び方いろいろ)でカテゴライズやめろって言ってんのに党派抗争を繰り返すわ、相手が頭の軽い自然主義集団なので誰も止めようがないわ、止めろって言ってんじゃねぇかインテリのやることじゃねぇだろ?!
みたいな感じで朝日新聞メインの漱石さんの本で読んでいたので信用がないです。
個人資料はあんまり集められてないけど、社会的資料はたんまりあるんだ…。

で、鏡子さんに関しては久米さんの婚約未満もその解消もまあまあ問題なし、そう特に被害者面してたわけでもないし、菊池さんの話によると娘の意見は聞いてるし。
まあそうだよなー、同世代の中では久米さんは成功してるし、鏡子さんとの関係も良好だけど、家の後ろ盾があるわけでなし、あくまで娘さん次第が妥当だよね。
娘さんはなんで被害者面全開で久米さんを利用しただけって連呼したわけ…??


10月7日めも。


私の読んだ一番関係の深い本はなんだっけ、文芸家協会の理事かなんかの同時代の噂に関しての本なんだけども、にゃ、読んだ時点では身元知らなかったんだけどね(噂本なのにも関わらず参照されてたのよ、珍しい)、菊池さんの逸話本にも同じ彼が出てきてたのであー、そういう身分で話聞いてるのか、と納得。
ソースが全くない、なんというか邪推に満ちた本でした。
話半分くらいで読んでたんだけどね、ただ、その時期にあった噂ってのはどうも信用していいみたいです。
おかげで同時代にどんな噂があったのかは概ねわかる。
別に娘さんの筆子さんが責められてる様子はないです、そりゃまあ、婚約だのなんだのって親が決めるもんだしなぁ、あくまで婚約未満だし。
一方的に筆子さんや鏡子さんが責められるようなことは特にないのよね。
そりゃまあ、結婚相手が久米さんの親友だとかなり外聞は悪いけど。
その辺はあくまでも婚約解消後に進展したらしいしね。

ええとね、菊池さんの作品だと松岡さんが居候として一緒に暮らすようになって、そのあとでヒステリー状態になったってあったんだけど。
そもそも松岡さんが暮らしてたの成瀬さん家だよなぁ(菊池さんがお家を出る時の条件だったのよ)。
なんでそんな展開の根幹になる部分をフェイク設定にするの?! 筆子さんの不自然さを埋めるため? ヒステリーは本当なの若干の嫌がらせなの、みたいな感じに気になるのですがまあ真実はわからんのでそこはまあいい。


10月8日めも。


まあでも、自分こそが被害者なのだって本当に連呼してたんですね…、それっぽい言い方されてることは聞いたことはあったんだけどあくまでも「久米さんの被害妄想」みたいな感じに受け取ってたので。
加害者ってほどではないよね。
久米さんがいなきゃ家に来ることが特にない人と結婚した辺りが特に(いろいろ見てるけどそもそもあんまり入れ込んでる様子はないというか、松岡さんって久米さんと基本べったりなんだよね、一高の一対一の親友ってやつみたい、セット扱い)。
いや、松岡さん、確かに未亡人母子にサービスしてたりしたけど、そりゃ、親友の将来のためじゃないの…。
というか、久米さんのことしか調べられないんだよね、鏡子さん絡みだと、多分そのうちの何割かは松岡さんがいるんじゃないかと思います。
菊池さんの作品でも「久米さんと婚約すれば松岡さんが来るかもしれないし、駄目なら久米さんをキープ」みたいな感じで書いてあったし。
書いてはあったけどさー、これは別に信じる必要ないじゃん全然。
振られた男の友人サイドが書いた小説なんだもん、この程度の邪推は挨拶だろ。
この作品は毎日新聞の夕刊に載ってたらしく、私小説もどきの第2弾。多分。
いや、他に小品とかミニコミとかに書いてたら自信は全くないけど、友人事情の切り売りを無関係なミニコミで掲載することもないか…。

なんっとも思ってなかった、被害者だった!!!
みたいな連呼し始めたぽいんですよね、私、これ以降にしかドン引きしてない。


10月9日めも。


要するに筆子さんの容疑って狭いんですよ、「久米さんのことをキープしてたのか」「松岡さんに近づくために踏み台にしたのか」だけだったんだよね。
ぶっちゃけ私は、キープしてたんじゃねぇのって思ってるけども。
だって将来有望なんだもん久米さん、見た目いまいちなことも最高学府出身の夫としては好条件だろうしさぁむしろ。
まあその辺に関しては「見た目に反してかなりお盛ん」みたいな怪文書が来て、えーー、みたいなことになりましたし、美男如才ない男がモテてもそんなに気にならないけど、不器用前面に押し出したまめ男見目はいまいち、がやたらと女性関係が派手だと…正直点数ががた減りしてたと思うんだよね。
ていうか、そういう文脈じゃないとあの怪文書って意味わかんなくない?
あとあれ、すんごいぶっちゃけると、久米さんの「ために」筆子さんと結婚するの止めたい気もするんだよね。
だって、やばいじゃん…なんか…。
こっちも久米さんが実は女関係派手と同じで、気の強いはっきり言う女が踏み台にしたくらいならそこまであとあと面倒だとは思わない。
お返事まともに出来ないくらい小心で踏み台大前提。
証拠はないんですけども、キープしてても違和感ないんだよね、まあ保険?

つか、他人の家のことだし石は投げませんけども、筆子さんにだけは人が投げてる石を止めるつもりは別にないなぁ、多分、口閉じれば石止むのに…。
菊池さんにしろ久米さんにしろ、あっちがなに言っても邪推だったのにな。


10月10日めも。


まあもちろん、これも後世の人間の邪推ですけどねー、ただ、松岡さんが普通に生活していて筆子さんがいないところで社交的にがんがん振舞ってたのはちょくちょく見てるので筆子さん絡みでだけ「自分も被害にあってるからね」みたいなこと言ってるんだってほうが間接的にしか見てなくて。
筆子さん、かなり酷い目に遭ってたみたいね、知らんけど。
さらに娘さん、えーと、漱石さんの孫娘さんの本でも母親に関してはえっらい低体温で触れられてたのがなんとなく印象的でした、鏡子さんには無神経であってもそれこそが漱石さんの救いだったんじゃないかなって言ってたのに。
てか全体的に、筆子さんただ一人が俗物、みたいな扱いなので。
松岡さん、多分、多分わかってたよね、なんで止めようとしなかったの、となります、いやだって菊池さんがわかってるようなことは松岡さんもわかるよね…(菊池さんの小説、久米さんに害のない範囲で筆子さんのことを庇ってたからな…)。
ある意味で菊池、久米の仕掛けた罠に、がっつり引っ掛かった筆子さんみたいな感じの構図に見えなくもないんだけども。
あの二人は別にそんなこと考えてないだろうけどね…。
ぶっちゃけ、二人きりで会うにしても家族が隣にいる状態であくまで短時間でした、起ったことは作り話です、みたいな方向にフォローするべきでは。

でも、インテリとか肝っ玉が太くないとわからんものなのかもしれない、他にある情報と組み合わせてどう見られるかの意識がない。
筆子さんの半端な反論、久米サイドの言い分の途中までの裏付けみたいに見えるんだよな…。


10月11日めも。


ただまあ、海千山千の「世間から見られる印象のコントロール」みたいなことをぽんぽん平然とやってた新思潮相手にして、冷静でいなきゃならないかと改めて考えてみると別にそうでもないかな? となり。
松岡さんが書いてた菊池さんの随筆とか見るとほぼ概ね、事情がわかる感じになっていたりするのでかなり意識していたぽく(フェイク部分が補足してあったり、怪文書に関しても詳しく書いてあったり)、えーと「漱石の印税帖」だったかな、文藝春秋で権利引き取ってるので多分今も出てる。
松岡さん、ひょっとして筆子さんの「ほうに」怒ってない? とふと。
ぶっちゃけ悪女よろしく誘惑したとかそういう感じには全く思えないんですけども(疑いはキープ君止まりなので)、久米さんのほうが松岡さんに対して疑いを持っていたらしいのでそれを解消するためになんかしらしたくらいは普通に可能性もあるんじゃないかなー、と思っちゃうんだよね。
将来の婚約の可能性を約束して、久米さんをキープしてただけのほうが印象が悪くない。
でも、久米さんと松岡さんが思った以上に仲が良くて将来を見越して松岡さんまで家に出入りするようになったため、久米さんに媚びてそれを助長したかもしれないのよね…。
私ならそれが可能性だけにしろ気味悪い。

てか漱石の印税帖ね、芥川に関しても菊池さんに関しても、久米さんとの戦いを勝ったって時点で成瀬さんの祝福とかも出てくるし、怪文書も出てくるんですよ。
まあ漱石さんとの関係彼らと被ってるもんな、久米さんとはもっと長いけど。
久米さん、ほぼ出て来ないし、人のネタぱちくる話とか載ってるし。


10月12日めも。


恨みに思ってるかというと、久米さん「に」恨む筋合いはぶっちゃけどのターンにしてもないんじゃないかと、久米さんの筆子さんモデルと思わしき作品に関しても、いやぁ、お手て重ねたことがあったかどうかって正直どうでもいいし…(前に見たあれはまあ作りかなー、て流すだけ程度が妥当かな)。
まあなんというか全体的にいろいろ見て。
そして松岡さんが菊池さんの死後直後にがしっと久米さんのこと捕まえてお仕事一緒にしてる辺りのことを考えてみるだに。
なんか戦いの方程式みたいなものが女取り合ってない気がするんですよね。
新思潮プロデュースの一環を外側からほぼ唯一完全にわかる面子だったんじゃ、ないかと松岡さん。新思潮のイメージプロデュースは邪推だけど(推測でも妄想でもなくて)、でもまあ、可哀想戦略にて久米さんは「売れてる作家データ取り」みたいに無造作に抽出されてるし、女性が所有してる本の冊数2位だし(1位菊池さん、3位芥川、ここまで僅差、次がとんちゃん)。

菊池さんのことをましてや恨んでる様子はかけらほどもないものの、久米さんを取り戻すには菊池さんが邪魔かなみたいな発想は、あったような。時期が、おかしい。
松岡さんのモデル小説に関しても疑いの眼で見てますがまだ読んでない。
だって久米さんの悪行が書いてあるのに自分が一番久米さんのことを把握してる系の、菊池さん多分本性知らんだろと読めるんだもんあれ…。
しかもなんで大騒動になることがわかりきってる婦人倶楽部とかで書くんだよ、講談社だよ売り上げ桁違いだよトップだよ、そら劇薬だろうがっていう。


10月13日めも。


すんごくぶっちゃけると「松岡さんと筆子さんが結婚しないと」久米さんは悲劇の頂点には立てなかったよね、みたいな。
ことは、今これを打ち始めたら急に下りてきただけだけど。
まあ久米さんの落ち込みもそこまででもなかったとは思うけど。
なんというか、筆子さんが被害者主張してても、そこまでなら別に違和感はないかな、あくまで仮約束の段階でやっちゃあかんとかそういうのは満場一致じゃないけど無下にされることもない(親しい友人が逆の意見でも両者とも問題はない)、松岡さんとの結婚に至り、ただの踏み台宣言と被害者主張が重なるとどこかはわからんけどこいつどこかは確実に邪悪だよな? となるけど。

久米さん、いつまでも落ち込んでたのかなー、てのも。
商業誌に婚約話書いたあとで破綻とかはまあ痛手やん、致命的でもないけど(仮婚約とストーカー一緒くたにすんじゃねぇよ、親が怒ってもいいけど致命的ではないよ)。
ところで久米さんは婦人雑誌のヒーローだったぽいです、菊池さんも久米さんも呼べないなんて時代遅れ! が雑誌の評価として存在してたし、代名詞か、菊池のほうが久米よりも女のことがわかっているのでは、言い過ぎだろうか比べる範囲が狭い、てか、久米さんの高い評価は引き合いに出される域かみたいなの。
これだけ無尽蔵に潤ってても女性からの好感度が圧倒的に高い辺り、筆子さんに「そこを」恨みに思われてもそこはそれでそんなに違和感はなかった。
そんな一方的でもなくない?! なら、正直わかるかな…。
そして松岡さんが一番よくわからない、久米さんへの未練しか伝わって来ない。

(文或と近代もろもろ、168)
最終更新:2020年11月03日 13:02