雑記:文或と近代もろもろ、167


9月24日めも。


雑記の166がぐたぐた極まってたわりに概ねまとまっててめちゃくちゃ嬉しいものの、意外とどこを端折ればいいのかさっぱりわからないので困っていたりします。
いやいらんところはさすがにわかるんだけど、要素的にはどうもどれも多少ずつはいるんじゃなかろうかという気がしてならず。
とりあえず10月21日です、このWikiにはそもそも年度の表記が年度変わりのところにしかないんだけども、架空の日付けは2019年であり、実際に打ち込んでいるのは2020年です。
あと4枚(1枚が10日分想定)くらい書けば1年差にはなるな、みたいな感じでとりあえずその時点を目標にしてはいます。
そろそろ力尽きそうです。
ていうか普通に眠い。
それと喉が痛い、よく考えたら生姜湯とかゆず湯とかそういう感じのシリーズをぽんぽんと買っていたのであとでお湯を沸かした時点でそれを飲みたいと思いますが、前日沸かした水がね、まだ残っていてね。
電子レンジで温めてもなんかこう微妙に、微妙に、違うというか。

だがしかし、この10日分を先に仕上げてしまいたい的な。
リハビリです、あくまでもリハビリです。
で、最近呟いていたことー、みたいな感じに思い返していて、あれだ、菊池さんがどうも小説において人物の合体をしてるんじゃないかっていう仮説の話を。
いやこれ、誰が語ってたわけでもなく仮説なんですが、自己研究でもないのよ別に。


9月25日めも。


菊池さんの「私小説っぽいやつ」の話、まああれです、他の随筆とかで出てくるんですよ菊池さんの小説、小説の中の台詞に近いフレーズが、別人絡みで。これ、別の人物を合体させてるのかな、あれま、みたいな経緯があり。
それを踏まえてみると、要するに隠してない。
時系列を大幅に前後させてるのはまあ時々伝記にもあるし、人物を合体させてるのもそんなにおかしなことでもないんじゃないかなー、というのが語ってる理由、まず「無名作家の日記」あるじゃないですが。
ライバルの天才小説家いるじゃないですか。
あの見るたびに偉そうに語るライバル、菊池さんと寮で同室なんですよ、芥川は別、ところでマント事件の佐野さん(ざっくり本名、今回伏せるとややこしいので)、菊池さんと同室でもって周囲に知られたやっばい感じの性格だったらしく、外面最高、多分あれ、サイコパスの類なんでしょうね…。
短編を読んでいると「佐野さんぽい」とか、盗癖に対しての強い興味とかが散見され、あー、これはこう…あれだ、みたいなすっごい複雑な気持ちになるんですが。
(芥川が書いた親友の井川さん(養子に入ってのちに恒藤さん)への手紙にも彼が盗難を働いて大学を追いやられたことへの喜びの内容とかがある。)

この二人の合体かなってのはそんなに突飛に聞こえないんじゃないかな、てか多分、元同級生たちはあいつかー、て全員わかってたような気もするんだよね…。
ただ、あの小説、かなりよく出来ていて案件が全て実在の出来事なんですよ、順番が違うので因果関係が全く違い、そして人物の合体とかさせてたら、ねぇ、なんだ…。


9月26日めも。


あと松岡さんと久米さんの話でも多分松岡さんと久米さんが入れ替わってるんじゃないかなと思う点がちょっと、大したことではないんですけども「無名~」の中で菊池さんて孤立してるんじゃないですが。
三角関係作品(>友と友との間、だっけ)、なんでか「無名」と人間関係の設定が近く、実際のところ漱石さんの臨終の頃に松岡さんを呼びだしていてあとでめっちゃ怒られているらしいので…自分のやらかしを伏せてるとも見えるけど、孤立設定の継続じゃないかなー、と私は見てます。
てか、久米さんと芥川はかなり漱石さんに入れ込んでいたらしいものの、あとの面子がそんなにって感じっぽいからなぁ(なんでかはわからんのですが、漱石さん、松岡さんの名前覚えてなかったりしたのでそんなにおかしくもないのかな)。
その辺も三角関係作品では伏せてありますね。
漱石さんと会った時点の話も、そもそも劇はわからないのでってお断りされてるのに、かなり辛辣な意見を言ったみたいな感じになっている改変が。
あれは誰かしらから実際に言われてたんじゃないかなー。
いやー、アドバイスのせいでしっちゃかめっちゃかになってて、どうなのよこれ、と思うんですけどね…。
神仏の裁きを受ける因果応報の構造の作品にディテールを書き込めって本当に助言してたんだとしたら、私なら漱石さんに職を辞すようにお勧めします、ねぇよ。
あまりのアンバランスさにアンバランスさが特徴みたいになってたけど、アドバイス誰だよど素人かよって正直…(確か閻魔堂って作品)。

えー、その改変性格わるー! と思ってたんですけど、これも人物合体だと思えばまあ。


9月27日めも。


そうそうまた「無名」ですけども、芥川ぽい感じの設定の彼、通ぶってていろいろ言ってるじゃないですか。
でも、久米さんだけが経験者だから(第3次新思潮で編集担当)、彼に頼りっきりになっちゃうよねー、みたいなこと抜かしてんだよね、あるじゃん芥川の作品で。
マント事件の佐野さんも第3次新思潮に掲載してるけどなんかの論文みたいな内容だったし、さて、経験者ぶって語るのは誰でしょう、となると久米さんだよね多分。
久米さん、実際ちょっとつけつけ言ってたみたいだしねー。
ただ、久米さんの場合、菊池さんの孤独時代(多分第3次新思潮から第4次新思潮の間、菊池さんは例の事件で卒業出来ず聴講生だったところから第3次新潮の終わる辺りで一高の卒業試験を受けて本科生になってる、聴講生は扱いが学生と違うので交流しようとして失敗っていう可能性はちょっと低め)にも「あの芝居良かったー、今度東京落ちして大阪行くってー」なやり取りをしており、菊池さんがめっちゃほくほくして受け取ってた感じだったので、偉そうなこと言うけど、世話焼いてるって感じで、別にそれほど高慢でもなかったんじゃないかと…。
盛り上がりのために悪感情が必要だったので、あっちこっちから切り貼りして3人分のあれをどーん、みたいな。

ことを思ってるんですよ。
人物合成まではまあ問題なかんべ、と思ってるけど、3人合成は仮説ですとちゃんと添えておく所存でござる。
菊池である主人公の滑稽なまでの意識過剰が! って分析の人を見たことがあるので…。


9月28日めも。


あ、言い忘れてるけど漱石さん絡みに関してはさらに根拠が薄く妄想です、ただ、あそこの弟子は全く信じてないというか、漱石さんが菊池さんのことを悪く言った話が一回顔を合わせた切りにしては8種類(私が見たものだけで)あって信用が出来ず。
菊池さんの見た目に言及した逸話が、久米さん相手の軽口と同じフレーズだったのを見て「ああん?!」みたいになってた感じです、久米さんは奥さんが仲いいし、多少のこと言ってても特に問題がないと思う(下っ端扱い気味で、何度か呼ばれてた、ただなー、久米さん、漱石さんの奥さんのタイプ多分本当に好き気がしてて…)。
てか、漱石さんの性格がどんなに悪くてもさすがにこの数はないだろうね、となるので、せいぜい悪口は一つか二つじゃないかなぁ…。
松岡さんの名前覚えてないのに菊池さんに関してはちゃっかり言及してたりした発言を見て、だよねー、菊池さんが嫌いなわけないよな、漱石さん! となってた。
漱石さんの弟子に潰れた顔くらいそれなりにいたしなぁ…。
初期からずっといる弟子は整ってたけどねー、迫害したみたいな話も聞かないというか、そこそこ可愛がってる辺りにはまあまああんまり、岩波書店社長とか。
面食いだし見た目気にしぃだけど、当人のコンプレックスなのにそうそう他人を罵倒したりするような人でもないでしょ、てのは菊池さんの小説とは関係ないです。

いや、菊池さんが漱石さんのことをかなり懐疑の目で見てたのはわりと周囲の証言として残ってるので、小説もさすがに悪意がなきゃ書かないと思うしね。
が、数年経つと好意的な見解になった文章が残ってるんだよね。
余計なこと抜かした弟子がいたってほうが辻褄合うかなって、やつらは信じてねぇ。


9月29日めも。


えーとなんだっけ、あー、そうそう、多分仮説よりもマシ扱いしてる人物合体がもう一つ、やっぱり「無名」の中に教授いるじゃないですか、菊池さんが世に出して欲しいと願っていたのに丸っと無視してくれさった教授。
尊敬してるんだか使い倒したいんだかよくわかんない感じに入れ混ざってるやつ。
あの人、まあ上田敏ではないかって言われてるじゃないですか。
上田敏さんの葬式前後の作品が他にもあるしね。
が、菊池さんが尊敬する教授が出てくる作品が数年後にも存在し、その作品には春陽堂の番頭はいるし、こないだその教授に前書き書いて貰ったとか言ってるし、待って、待ってどう考えても上田さんかなり前に死んでるよね?! となってたんですが(菊池さんの就職活動中に葬式)。
多分ですけどもその作品の教授は厨川白村さんではないかと。
アイルランド文学とか教えてた上田さん以外の京大のもう一人の人物で、他にも恋愛論のベストセラー書いてたりもするし、文学論の簡素なものも書いてたぽいです(漱石さんの前後の文学論に触れてるところで出てきてた)。

そもそもそれがなんでわかったかというと伝記の一つの中で、菊池さんが厨川さんと上田さんの授業にしか出てないとあり、さらに厨川さんのことしか尊敬してないんだよねとも言われており、元資料はわからんけど。
上に挙げた数々の食い違いを見て、「ああそっか!」となった所存です。
これはなにか葬式前後にサボったことの言い訳に実際そう勘違いさせるように仕向けてた気がして…、厨川さんのことは数年後も好きなご様子で…、菊池さん…。


9月30日めも。


ところですごくどうでもいいんですけども、厨川さんにベストセラー作家の印象が強かったのかこれ厨川さんかしら、と作品の見当を付けてた時に、「さーすが三下作家ね、安っぽい人間がお好きなことでwww」的なことを言われたことがありまして、中国の主要文学論書いてるよと呟いていたらいつものように黙ってくれました。
んにゃ、その方が菊池さんがとある作家Aさんを崇拝奉っていたってご説だったのに、Aさんの直後に連載してるのに完全に忘れてるってさすがにどうなのよ、などと私が言っていたので、まあ、歯向かってきた来たことに対しての素直なお怒りだったんでしょうね。
いやあれ実際、Aさんて友人たちが年上のアマチュア仲間として挙げてるし(第4次新思潮の松岡さんと芥川が挙げてたぽい、展示で見たので松岡さんのネタ元は不明、芥川は随筆)、好意なくても覚えてるほうが自然では…。
どんだけ興味薄いんだよ、てか相手、スマッシュヒットで前後の文学史で触れてることもあるよ、多分通俗小説分類だけど…(夕刊なので)。
これ菊池さんに呆れてたので、特に他意はなかったです。
気遣いがあったかというとなかったけど。

てか、菊池さんって通俗小説嫌いな人だったので、私もアマチュア仲間だったその作家さんが連載してたから(この辺は編集長の泣菫さんて人の書簡で確認取れる、ネットで出てくるし)、それで夕刊枠でも引き受ける気になったのかもなー、と実はわりとご説のほうを信用してたんですよね、同意しちゃったこともあったのよ。
その彼に続けて載せてたのに時期を丸っと1年別の時期の作品と続けてとか語っており、菊池さんの所属会社のスマッシュヒットの直後をど忘れ!! みたいな。呟くわ。


10月1日めも。


人物合成とは微妙に関係のないこともたらたら書いてたんですけども、あとなんか近いこと近いこと…、あー、厨川さんに関して多分直接触れてるとは思うんですけどもこれは正直隠してた可能性もあるので探せるかどうかはあんまり自信はないなぁ、菊池さんてどの時期になにを語ってるかの見当が付かないんだよねいまいち。
つか、上田敏さんに関しては何度か触れてるけど評価が低いわけではないと思います、厨川さんより低いだけ、尊敬してはなくてもそもそも菊池さんて人のことをそうそう尊敬することがないからなぁ…。
逆にあんまり悪くも言わないんですけどね、多分興味が薄いんじゃないかと。
そういう人格において駄目出しで触れてるってことは、評価高めなんじゃないかと思うんだよね、仮名で触れてればまだマシで、不愉快だと存在してなかった感じに再編してくるからな…、なんだよその能力の高さ、作品の完成度に使えよ多分やってるけど(通俗小説で、私小説っぽいやつの完成度も高めだけど、なんか現実に働き掛けるための目的がいろいろある疑いが捨てられず作品としてはそこじゃない感…、能力は高いよな!!)。

あ、人物合成に関してはあれです、仮説です。
ただ時系列とか人間関係を伏せたりする辺りはまあ比べればわかるので、お前そんだけ大事にされててスルーかよみたいなこともわりとやるので、自分の扱いが悪いかのようにしれっと改変した「久米さんと松岡さんの事情を語る作品」なんてのもあります。三角関係のあれ、周囲が漱石さんに夢中で相手にしてくれない的な扱いになってたけど…それぞれと普通に遊んでるよね(全員では集まれなかったぽいから些細な変更ではある、こすい…)。
作品利用しての生活の向上の可能性、うむ、若干の評価低下も仕方ないですね!


10月2日めも。


ところで唐突に白鳥さんの話するんですが、菊池さんのことをある本で褒めてたんですよ、やっぱり人間、いや少なくとも日本人は実際に経験したことでないと上手く書けないね的なことを添えながら。
次の本で菊池さんに対してぎーぎーぎーぎー言ってたんですよね。
推測だけどもさぁ…、なんだ…、時系列と人間関係ぶっぱしてたのは見ればわかるような案件だからね、年表見ただけでうお、派手に逆?! となるからね…(菊池さんの同人誌参加よりずっとあとに芥川が認められてるとか)。
まあただ白鳥さんて作品論はめっぽう上手いけど作家論がいつもなんか経歴単位から違う感じであれ「作品から感じ取っちゃう」んじゃないかなぁ…。
作家論を得意とする人って、「作品を楽しみたいのに勝手に作家のことが流れてくる」感じじゃないかと思うんですよね私もこれなんだけども、作品論を書こうにもどう受けとるのが自然なのかのほうがわからないというか、いやまあ、木村毅さんて春秋社の人がものすごくアカデミックな文学の流れを紹介してた上で漱石さんの分析も素晴らしかったんだけど、作品論がね、比較されてもそう見えない、似てない、違う、ないない、としか。
騙され力の欠如みたいなあれじゃないかなと思っちゃったんですよね。
白鳥さんは騙され力高いというか、なんだ、作品論はいつも楽しみにしています、作家論はあの、なんだ、ちょっと。

ところで菊池さんにぎーぎー言ってた次の本では、かつて「上巻しか読んでない」と明言していた志賀さんの短編を褒めてました、菊池さんの評論を引き合いに出しながら…駆け出しの頃のをどうやって手に入れたの?! そ、染まりやすい…。


10月3日めも。


前日分が流れとはまた別なものの、あれはあれで「私小説改変」と無関係でもないよね、な内容になってしまっていて、あと1日分の内容に悩んでいるのですが、厨川さんなの上田敏さんなの? は葬式ぶっちの言い訳として、同人仲間から孤立してたんですよのほうは意図が見当付くかどうかはちょっと曖昧。
ただ、何度か書いてるけど芥川との距離を特に開いて書いてる感じなんだよね、久米さんなんかは京都の手紙のやり取りって形で少し早めに仲の良好さをバラしてる。

だから文学全集で見てくと芥川と距離があるように見えて、そうでもないんじゃないかなって推測っていうか二次創作に妄想(若干違います)をしていたら、「講演に誘われたけど、どうせ芥川は付いてくるよな」みたいなこと考えてる展開にいきなり登場するんですよね(ちなみに逃げられました、体力ある人怖いのバリエーションかあれ…)、段階がない。
いわゆる不仲営業とその解除ってことになるのかな、意図よくわかんないけど。
まあただ、「無名」の主人公のライバルは当然芥川と認識されることもあったようでその話題性でのし上がったってのもあり得るのかなぁ? どうだろ、いまいちわからんみたいな感じになるんですよね。
中央公論の瀧田さんなんかが芥川に大丈夫? と「無名」を心配してたのは有名だし、まああの話だとかなり険悪な関係だと勘違いされても全く無理はないんだけども(時系列が転倒してるので友人たちは騙されない)、「無名」の掲載って、久米さんと松岡さんの三角関係が話題になったあと、まだ事情が曖昧にしか伝わってない時期だよね…。
(私小説ぽいのは「無名」が先、三角関係作品がその次。)
こう、不仲ネタ被せかなって…、怒られない範囲には届いたかしら…。

(文或と近代もろもろ、167)
最終更新:2020年10月22日 05:34