雑記:文或と近代もろもろ、175


12月13日めも。


文アルのキャラ言及2019年版、【アーサー・コナン・ドイル】さん、わりとこう突然来たみたいな印象だったんですけどね、ドイルさんからで良かったっけ、キャロルさんのほうが先だっけ、まあセットのイベントだったんだけどね。
あ、ゲームの話です、滅多に出て来ないからなこの雑記…。
リアルタイムは2020年10月31日、日付け越えくらいです。
ただ正直、欧州では別に「文豪の転生」などしていない、むしろどうも浸蝕者に利用されようとしている経過の中で転がり出て来た。
ちょくちょく「味方」とは言いにくいポジションってのは悪くなかったんじゃないのかなぁ、ラインナップが世界的にも有名な範囲だからまあまあ辻褄も合ってるし、日本の知名度で考えるとオンリーワンみたいな趣きすらあるけど…。
(各国の作家の知名度を知ってるわけでもないけど、日本以外の国で同じ展開にするのならば別の人が選ばれることもあるのかもなー、とも思う、ドイルさんに関してはさすがになんとなく知名度わかるけどね。)

えーと、ビクトリア朝後期の国民的人気作家、てかぶっちゃけ、人気が高すぎていまいち当時の作家の扱いや生まれたばかりなんだろうミステリの扱いとかよくわからないんだよね、もともとはしがないお医者さん、過去の知り合い伝手のネタで小説を書いてたらアメリカに無断で持ち出され、あちらでどかーんと人気が上がって逆輸入されたんだってー。
いつの時代だよ、最近でもあんまり違和感ないわ! なさすぎて平均わからん!!
社会的人気キャラを持つと大変だよね、ちょっと荒れたよー、て展開も地味に上手かったな納得させられたもん。


12月14日めも。


文アルのキャラ言及2019年版、【ルイス・キャロル】さん、ところで昔はこの方はもにゃもにゃもにゃの少女趣味があったという表現がされていたように思うんですが、そんなことはないんだよ、てのが今は主流なのかしら。
とりあえず最低でも「イエスロリコンノータッチ」以上のことはなさそうだよね、結構わらわらと少女が慕ってたし、周囲も特に警戒してなかったし。
というか、作品があれだからなー、こう、教訓が全くない児童向けの物語り、ナンセンスとも言い切れない、諧謔的とも違う感じ。
あれが少女らしいって言われたら、私もそう思うんだよね。
友人の子牛@ついったは晩年の芥川がこれを翻訳していたのを聞いて、えー、幻覚見てるのに大丈夫かなぁって心配してたんですが、そっちも近いのかしら…(わからん)。
まあそれが悪いとか言えない状態だけど、混乱の極みなのであの晩年。
菊池さんが依頼したらしいので、なにか感じるところがあったのかしら、秩序に逆らえっていうシーンがなんか好きです、そこに留まりたければ全力で進むがいい。

ご当人がアリス寄りで来るってどうなの別にいいけど! 今までにも女性が混ざってるのかなって人も何人かいたけど!(主に近親者だけど)
作家さんならともかく数学者さんに関してのエピソードなどはあまり聞いたことがないので実際にどんな性格だったのかわからないってのが正直なところなんですが、少女の中に混ざってて違和感ないようなタイプならあれでもいいのかな…。
頑なにドイルさんが「ドジスンくん」と呼ぶのもなんかしらのこう、なんだ、可愛い寄り過ぎないかっていう抵抗かもしらん言いがかりだけど。


12月15日めも。


文アルキャラ言及2019年【広津和郎】くん、まあまあ詳しいですよ、文士村の二大クズとか、大衆文学叩きではたまに出てくるとか出版事業においては含み笑いで流されるとかそういう感じのしかよく知らないけど。
二大クズは正直甲乙つけがたかったですね、どっちもどっち…迷うな。
田端文士村最後の文士と言われてる方の文士村シリーズの本で読めるので、それなりに見てる人なんかもいるんじゃないかな。田端以外は大変に疲れました。
文学少女への評価が底辺這ってるのもそのせいだなぁ、馬込は主に男があれだったし、菊富士ホテルは女のほうがちょっと…。
いつもの脱線ではなく、同時代しょうもない集団の典型例みたいなのが広津くんなんだよね、褒めるところが…戦後の裁判との関わりかな、あれは別段文句はないです、あと珍しく愛国主義者なのでちょっと目立つ辺りかな(インテリにはいないんだよこれ、大衆作家とかにだとたくさんいるよ)(左右の右のこと、社会主義活動家が左)。
あ、いや褒められていた案件あった、父親の広津柳浪さんのことを全集に入れたことは誰にとっても悪くなかったみたいなんですよね。
ちょっといまいちニュアンスわからなかったけど。

柳浪さんが代表格だった悲惨小説のほうも、なんかひどい状態になってたからなぁ、いや、作品は知らんです、ただただ議論が褒め方が…血飛沫の量が多いほど芸術的とかそんな感じの、なに褒めてんだこれとしか…。
ゾラが意識されていたんなら社会問題とも連動していたんじゃないかと思うんだけど血飛沫、やる気なくして拗ねてもちょっと責める気は…。


12月16日めも。


文アルのキャラ言及の2019年【高浜虚子】さん、ていうか私、「双璧」って呼び方とか知らなかったんですけどね、兄弟弟子の碧梧桐さんの存在がどうも消されてるのではないかな的な物言いを何度か聞いたんですが。
でも子規さんの弟子の中にサッチーいたって知らなかったし(「野菊の墓」は知ってた)、そもそも子規さんの関係者として漱石さんがいるってのもそんなに知名度が高いわけでもないじゃないですか、私は知ってたけど、両者ともの知名度を考えるといまいち浸透してはいない。
全く逆に、虚子さんだけが有名って捉えたほうがいいんじゃないかと。
てか、ホトトギスもよくわからんのですが(なにがわからんって同人誌のはずなのに中央公論に比してる辺りだ、出版社の本にも出てくる、文芸誌他にいないところにホトトギスだけだよなにあれ!)、『国民新聞』でも虚子さんが辞めたあとで廃れたって認識されていたのかと…どんだけだよ。
ホトトギスが単独1万部越え寸前だったんだから多分本当なんだろうな…。
文芸雑誌が好調っても、3千部越えで浮かれきって中央公論恐れるに足らずとか言ってるような時期だよ、それが出版社の編集者の頃にこう、9千部の同人誌、と。
同人誌かどうか常に曖昧ですが、えーと合資会社の俳句雑誌…、曖昧だ。
分類的には商業誌でいいんだろうな出版社じゃなさげなだけで。

毎回ホトトギスのみに拘ってすみません、あと、表記や分類の変遷があるのも無視ってすみません、第三者が見てわかるほどに隆盛を誇る虚子さんの手腕が本当に純粋に気になるだけなんです、誰か売れることを肯定的に捉えてて欲しいな…。


12月17日めも。


文アルのキャラ言及2019年版、またこれやるかどうかはわからないけど、やるとしたらちゃんと一門でまとめよう、うん、すまなかった、な【河東碧梧桐】さん。
なんとなくは知ってるんですよなんとなくは。
虚子さんとセットでなんかいたような気もするみたいな、今から考えると半ば義務的に挙げられていたような気もしないでもなく、だって具体性本当に皆無で虚子さんの性格悪い伝説を彩る素材として出てきてただけだったんだもん。
セットで挙げただけの人のがなんぼかマシじゃん。
こないだご本を単独で拝見したんですが、ぶっちゃけ虚子さんと平行して描かれている経歴に関しては悪くなかったんですが、そこを過ぎるとなにを、言っているのか、物理で語ってくれてなかったので…。
なんか放浪に近いようなふらふらした生活してるのもあるんだろうけど。
各作家さんに関して興味が薄くても目に着いたところで1冊は読んでおこうという誓いが、いまだ未達成扱いになっております。
せめて作品に関しては読めるなって期待してたら、こんなこともわからんなんて出来損ないが! みたいなシャウトだけ読まされました、解説がなかったです、たまにこのような本を読むことがあるんですが、解説があるとないとでは正直かなり感じ方変わる。

すごく簡単に言うと、同情だけで扱うのもなんか違うような気がするんだよね。
なんかちょっとへきさん、江戸くらいの庶民の、草の根的な楽しみとしての俳句に戻っちゃってるような気もしないでもない、子規さんは表に出てったけど、彼に背を向けた全時代の人たちが間違ってたとも思わないし、伝えられ方も惨状だしな…。


12月18日めも。


文アルのキャラ言及2019年【草野心平】ちゃん、けろけーろ、ところで何度も何度も漱石さんとこの人と混同してすみません「煤煙」の…あっちのほうがどうしても頻繁に記述に遭うせいでしばしば書き換えられてしまい…(ちょくちょく大して似てもない二人が混ざるんだよなぁ私…)。
もともと記念館さんがはっちゃけてて面白いことで有名だったんですが、私も正直なところ好感度高かったんですが、来るとは思ってなかったですすみません。
なんかの拍子に会話してたことはあるんだよね、薄っすらしか覚えてないけど。
友人の子牛が見た目と声を気に入ったらしく、ちまちまと調べてるんですけどもなんと申し上げるべきか、「業績が最近寄り!!」らしく。
現在は教科書に入ってるみたいですね、多分私は見てないです、一つだけ可能性あるけど、なにぶんにもかなり昔でめっちゃお歳でブレイクしたんだな…ぎりぎり感があります、お付き合いも十分だし業績もあるし、教科書にも載ってらっしゃるんだけどトータルで時期そこ、そっち、え、彼と?! みたいな。
これ多分文壇とか詩壇とかじゃないし、文士村でもないよな…、いつか詳しい本を読むようになったら気に留めておいて貰おう、あと私も読んでおこう。
やっぱり、記念館さんが面白かったせいだと思います、失礼な気もする。

というか私の考える「本当に芸術的な人」ってこういう人だよなぁ、ふらっと詩人と付き合ってふらっと作家と付き合って、屋台やって、他に誰もいないカエルの詩を読んで、もくもくやってお歳になってわりと売れてぎりぎりセーフで教科書滑り込んで。
徒党組んで売れた人を罵倒してる勢…、止めよう忘れよう。


12月19日めも。


えーと、2019年までの「文豪とアルケミスト」の登場キャラの言及が45人で、ちょっと半端に余ってたので好きなエース編集者の話でもしたいと思うんですが、この単語そのものは文藝春秋社の池島信平さんがちょっとした拍子に呼ばれていたというだけであって、固有名詞みたいにして使ってるのは単純に間違いです。
いや、間違いってほどでもないけど、私の独特なあれ?
これに関しては特に語弊があるとも思ってなくてそんなに言ってないんだけども、なんかいるんですよ、出版社跨いで影響力のある人とか、編集者同士できゃっきゃと遊んでるとかそういう感じの有名人。
なんと呼んでいいのかよくわからんのでエース編集者って呼んでる感じ。
池島さんがなんでエース編集者と呼ばれていたかというとこれは戦時中に横浜事件がありまして、たまたまその時期に出兵してたんですよ彼、いたら危なかったんじゃないかって言われてたんですよね。
まああれ、他が中央公論(最初)、改造、岩波(多分巻き込まれ)って感じだったから、そりゃ文藝春秋だよね、ともなるんだわ。

この池島さんはなんだろう、菊池さんのお気に入り? 入社試験合格の最初の1人で多分かなりの博覧強記、菊池さんの歴史ものの代筆とかしてたらしいですね、あー、なんかちょっと雰囲気違うのあるよね、上手く言えないんだけど。
戦時中に縋りつかれて行かないでぇぇ、みたいな感じのこと言われてました、結構言うんだよな菊池さん、そういうこと…。
まあ次の次の社長になってるので、なんか編集者で括っていいかわからんけど。


12月20日めも。


てか、今改めて日付けを見たら10月31日、明日から11月! みたいな意味でショックを受けておりました、ここで受けてもなんかしょうがないけど、適当に括らずに行きます、てか、改造の人なんだっけ?!
あー、思い出せないので岩波さんのところの娘婿、も思い出せない。
あった、「改造社の時代」の水島治男さん、なんでも戦後はこの人の本と高見順さんの本が正史として扱われていた時期があったそうで、中央公論の木佐木さんの本に載ってた(多分あれは正史にはなれないと思うの、目指せ正史みたいなの)。
ただ、あんまりピックアップされないのだとしても仕方ないような気もしていて、改造の社長をしばいていたり、文化事業に関しての勘所はいいと思うんだよね飽きっぽいけどなどと身も蓋もないことを言っていたり、昭和に入ってからの『改造』はまず横光利一が一番掲載数が多くて次が川端康成、それからあとはプロ文ね。
みたいな感じに一覧を作っていたりとかで、なんというか純文学に対しての崇め奉り姿勢が全くないんですよね、まあ実際に働いてた人だから仕方ないんだけど(この時代は志賀さんの絶対王政みたいな本が複数あるみたいです、人が読んでた)。
いなかったことにされてしまうのも致し方ないかなー、と。

あとあれ、陸軍に気に入られたので芥川賞作品(軍人さんのあれ)が送られて来てたり、その後情報局にスカウトされてたり、そのご身分で横浜事件に巻き込まれてたりしました、おう見境いないな特高?!
利一くんの弟子と秋声の娘との結婚話の仲介してたのもこの人で、多分利一くんの一番のお気に入りじゃないかなー、なんか平たい感じの人です、フラット。


12月21日めも。


私が好きなエース編集者をばらばらっと挙げる感じです(エース記者とはよく言う、ポジション的にはそんな感じの働き方してると思う)、岩波が思い出せないので先に新潮社の和田芳恵さん、編集者です、『日の出』の、大衆雑誌の。
ただ、なんか見たことがあるような気がするんだけど、と思う人のほうが多いんじゃなかろうか、だって一葉さんの記念館に彼の原稿飾ってあるし。
あまりの文字の可愛さと名前から女性を思い浮かべる人も多いのではないかと思うんですがなんか豪胆な感じの編集者さんです、研究者としても有名だけど、一葉さんの遺族も公認の存在らしくて呼びだされて掃除手伝ってるとかの話もしてたよ。
まあただ、出発点は新潮社の経営の雲行きが微妙な感じの日の出っていう雑誌で、なんでか吉川英治さんの作品が載ってましたが、毎回遅れるので特別仕様になっていて印刷所直轄みたいな扱いになっていたらしい。
てか、吉川さんて原稿料が安いとは思えない人なんですが、この人を載せておいて赤字だったと言われてたまに首を傾げている人がいますが。
昔見たことのある雑誌の月の稼ぎは菊池さんの原稿料よりもかなり安かったので、まあまあそういう意味だったんだろうと暫定で思っておきますの納税第3位。

『キング』すげー、と眺めていたりとか、純文学作家さん、ウチに書かない? と精力的だったりとか異色の人で、だが明らか純文学寄りの方ですよね、いや、日本のじゃなくて海外の正統小説というか…。
わりとすっぱんと独立してるんですが、どうもパトロンが付いてるぽいです、そうそう中島敦くんとこの編集さんてのもこの人、あー、やり手そう…。


12月22日めも。


えーと、最後の一人はぎりぎりで書く寸前に思い出せたよ、小林勇さん、岩波書店初代社長の娘婿で労働争議の時は主に彼が槍玉でした(いい笑顔)、ここの労働争議はなんか振るっていてでっち上がりの人間が幅を利かせすぎだ、インテリの優遇をしやがれ的な方向性だったんですが。
三木清の盟友(超絶売れ売れ哲学者さん、哲学業界数万部普通じゃんそこでの突出した売れっ子ってどのくらい?!)、幸田露伴の唯一の弟子(後年唯一の弟子ってほうが多分正確、自称じゃなくて他称、当人にそのつもりはない)、その他諸々の関係を構築する勇氏を「主に」攻撃したってのは、やっかみとか言いがかりって言うんじゃねぇの、てか、でっち上がりだから粗末に扱えってお前らが差別だろとしか…。
てか、責任全部押し付けられたのでしばらく独立してたんですが、人々は勇さんのほうに付いてった感じなので岩波書店が困りました。
岩波さんの娘さんと結婚に至ったのも仕事上とかじゃなく、どっちかというと反対したかったみたいなんですが、嫉妬とかですかね、無理もないよね、正直人望とかないし、そのことをめっちゃがっつり形で見せられてしまってたし。

ところでもともと名前を知ってたんですよ、幸田露伴の弟子ってやつで、押し掛け師匠だったみたいですね、傍目には。
あまりにも可愛いので手元に置きたくてごねてるみたいな感じなので、なんかあると家族が頭下げて呼びに来たり、横浜事件でめっちゃ名文で勇氏の釈明してたので取調官に「貴方は何者でしょうか、この手紙下さい」とか言われてたそうです。
多分誰も何者だかわからなかったと思います、あと取調官、職権乱用では。

(文或と近代もろもろ、175)
最終更新:2020年11月01日 04:05