概要
ユエスレオネ革命を皮切りに言語保障の考え方が広まると、異なる言語を話す国民を結びつけるための
現代標準リパライン語という観念の宣伝に文人たちも影響されるようになり、「
ユエスレオネ文学」の必要性が求められるようになった。
これにより、
リパラオネ的な保守的文学潮流に抗するような文学潮流(詩文自由運動やワシュンデーン・ドゥスニイラクランテェン文学など)が文人たちの間に流行り始め、特に第一次社会主義ユエスレオネ(2003年~2004年)の間に独裁政権を運営していた
ユエスレオネ共産党はこれを革新的な文学であるとして積極的に支援した。レスバスカラスタン運動はこのような運動の後継であり、主に
ユーゴック語や
ユーナリアなどを通した
ユーゲ文化を文学的に受容し、現代文学の変革を起こすことを目的とした。一方で、
ショレゼスコ以降に検閲などの表現の自由に対する制限が解かれたことで、保守的文学潮流を支持していた
サラリス主義的な文人たちも社会的な体面を保ちながら保守的文学を再導入するという立場に立って、文壇に立ち戻るという妥協的判断から、レスバスカラスタン運動に合流したこともあって、特に
ユエスレオネの現代文学史の政治性を中和したという影響を残している。ユーゲ系デュイン人のジルコディスナル・ガイリフィヤが2004年に著した『ハットイ人の逆襲』は話題となり、それ以降「レスバスカラスタヌスト」という言葉はユエスレオネ社会に浸透していくことになった。
このような特徴をもった文学運動は
デュイン戦争を発端とする
カラムディア・ハタ社会主義王国との接触に始まり、
デュイン・アレス独立戦争の前後に特に高揚を見せたが、2020年前後に近づくと
第三政変に影響された
新イェスカ主義的文学批評などが展開されて徐々にその影響力を失っていくことになった。
リパコール内閣の成立と地上奪還による国内の高揚が見られるようになると、
レスバスカラスタン運動はほとんど文学運動としては語られなくなったが、ユエスレオネ人の
ユーゲ文化に対する理解と偏見を文化的に形成してきたという側面では大きな影響を残し続けている。
また、翻訳批評としての
リパラオネ現代翻訳理論の形成にも影響を与えているともされている。
名称
レスバスカラスタンとは「かの最後の地」(lesback-al-a-stan)の意であり、「最後のフロンティア」「最後のブルーオーシャン」といったニュアンスを持っている。
この文学運動は本来革新的な文学の潮流の一部であったことから、元々名称はなく、後にそう呼称されている作品を書いた文学者たちも自らを「レスバスカラスタン運動家」(lesbackalastanuster)とは呼ばなかった。
この言葉の源流はよく分かっておらず、多くの説では2008年に劇作家・文学研究者のレシェール・アルペウツィヤーデャ(lexerl.alpewzijardia)が寄稿した「最近の本」(kalzaneno'd kranteerl)という記事に書かれた「人々は恐らくかの最後の地を欲しがっているだけなのだろう」(jol lartass metista lapon karx lesbackalastan.)という言葉に由来し、それを後述するフィシャ・ユミリアが運動を表す語尾を付して、この潮流を指したことで広まったとされている。しかし、フィシャやレシェール以前にもこの運動を「レスバスカラスタン」と呼ぶ例が2005年あたりから見られることから、学者からは俗説に過ぎないと判断されている。明確な由来は分からないが、ショレゼスコ以降の保守的文学を愛好するグループで集団的に形成されてきた蔑称であるとするのが学者の説ではある。しかし、フィシャ・ユミリア自身もそうであったように2010年以降の語用に侮蔑的な意義は含まれていないことには注意が必要である。
批判
フィシャ・ユミリアによる批判
2010年、
リパラオネ人言語思想家であるフィシャ・ユミリアは「レスバスカラスタン運動批判」を著して、この文学運動を批判した。
フィシャは、この文学運動が現実のユーゲ文化を適切に映し出しているのではなく、架空の理想郷を描き出しているに過ぎないとして、あたかも現実のハタ王国やユーゲ人、ユーゴック語文学、
トイター教的価値観を綿密に表したように受け取るユエスレオネ社会の軽薄さを批判した。このような不完全な運動が広まることで、ユエスレオネの国民にユーゲに対する偏見や誤解が広まるとした彼女の主張は後の
反レスバスカラスタン運動主義(
fentelesbackalastanustera)の発端となった。
大ハットイ理想郷党
レスバスカラスタン運動の風刺としてのアンチテーゼとして、政党の体をとった市民団体。風刺として反リパラオネ・ラネーメ的な芸術のようなものを公表するなどしている。
著名なレスバスカラスタン運動の著作者
- ジルコディスナル・ガイリフィヤ……「ハットイ人の逆襲」は映画化を果たし、ユエスレオネの国民的な作品の一つとなった。
- レシェール・アルペウツィヤーデャ……「レスバスカラスタン」という言葉の由来を書いたとされる、後に運動に合流することになる。
- レクタール・ド・シャーシュ……形式主義を支持し、後に「詩の唯物史観」を提唱する。
関連項目
最終更新:2025年05月04日 23:53