2022年12月24日に「週刊フジテレビ批評」で放送された逃走中特集。
地域によっては見ることが出来ず、TVer・FODでの配信も無く「見たかった!」という声も多いことから、このページではその特集のログを記載します。
語り手
逃走中第1回・渋谷編からプロデューサーを務め、現在はチーフプロデューサー。ノベルス版監修や逃走中Battle Royalの制作統括プロデューサーなど逃走中サーガの全てを知る。
「お台場大決戦」にも参戦。何故か2022年に入ってから3戦も参加するハゲダルマ。
聞き手
- 渡辺和洋アナ(以下「渡辺」)
- 新美有加アナ(以下「新美」)
大晦日・お台場大決戦について
史上最長6時間45分放送・過去最多31人の逃走者による180分ゲーム(本戦)。さらにフジテレビ社屋を使った生逃走中も実施。
クロちゃんは本戦に参戦。
クロ「やっぱ入った事がない場所に行っちゃうから『こんなところも入っていいの?』ってドキドキワクワクする感じ。もしも女優さんがたまたま夜仕事をしていたら、その時間にいたら声かけてみようかなとか。新たな出会いがあるんじゃないかなってちょっと楽しみにしていました。」
渡辺「流石アンテナはどんな時でも張ってるわけですね。」
クロ「張っとかないともったいない。得して帰ろうと思ってました。」
ということは生放送パートにクロちゃんは…
笹谷「そうですね。あの~予定しておりません。」
クロ「直談判的な感じだったのに…」
お台場大決戦での収録で大変だったことは?
笹谷「逃走者の人数もかなり多くてエリアの広さも大きい。そうなると各商業施設とか道路の使用許可に時間と労力がかかり大変でした。」
新美「走る側としても台場っていうのは走りやすい所なんですか?」
クロ「自分なりにしっかり考えて人よりも分かっていると思ったからそこに隠れました。」
新美「隠れる所がある方が逃げやすいですか?」
クロ「しっかり隠れるのか?周りがよく見える所に行くのか?この2つ結構迷います。あともう1つ大事にしているのがみんなで固まっていると足が遅い人とかがいるとこにいれば見つかってもその人が捕まるから、だからなるべく足が遅そうな人の近くにいるようにしている。」
新美「やだ~(ドン引き)」
渡辺「悪いクロちゃんが出てきましたね」
クロ「悪くないです。最後まで残ってヒーローにならないともったいないですから。」
逃走中の始まり
笹谷「斬新で面白い番組を企画したい。人生で一番ワクワクドキドキしたのはいつだろう?と思い返した時に鬼ごっこだったんですね。そこをモチーフにして大人が鬼ごっこをやったらどんな番組になるんだろう?どんなゲームになるんだろう?というのを試したいなと思って始めたのかこの番組ですね。」
2004年、逃走中は渋谷から始まった。当然道路の封鎖など大変だったはずでは…
笹谷「誰しもが知る街。しかも沢山の人が行き交う街ではあるので、じゃあここでやるためには、しかも安全に撮影するためにはどうしたらいいんだろうというのをいろいろ考えまして、一番人が少ない時間というのを調べたところ、始発の直前が一番人が少ない。一番これが安全に撮影できるんじゃないかということで、このタイミングを狙って撮影を開始しました。」
笹谷が選ぶ伝説のシーン。
「第1回渋谷にて
保阪尚希が残り16分で『休憩』と称し木の上に登って隠れそのまま逃走成功」
スタッフの想定をも超えた行動で逃走成功したシーンはやはりスタッフの中でも伝説となった。
大雨や参戦者の病欠などのトラブルは…?
笹谷「今まで18年間やっていると何回かいろんなトラブルが起きる。冬の撮影で雪が当日前夜から降りまして、朝、現場にスタッフや出演者全員集まってこれからスタートするぞ!という時にもうこれ以上進められないという判断をして本番直前に中止という事を何度か、苦渋の決断をした回がある。」
逃走中の思い出
クロちゃんの初参戦は2007年・クロノスnightmare。
クロ「アミューズメントパークなのですげぇ楽しいイメージだったんですけど、やっぱハンターが怖すぎますね。本当にターミネーターみたいな機械な感じで全然意思の疎通ができない顔してんすよね。めちゃくちゃ怖かったのと、今でこそ時間は3時間とか長くなってますけどその頃は60分だったんですよね。60分だから『逃げれるだろうな』って思ってたんですよ。富士急ハイランド広いし。無理なんですよ。なんとかさけられるためによけられるためにと思ってブラジルの格闘技・カポエラとか習ったりしてたんですけど全然役に立たなかった。」
渡辺「それはやっぱり使えないもんですか?」
クロ「よけて蹴るとかありませんでした。よけようとしてもあっちの方が速いから体勢崩したところでダメでしたね。」
逃走中に向けてトレーニングなどは…?
クロ「しますよ。走れなかったら『ただ出ただけで見かけ倒しじゃないか。』『出てくんなよ!』っていう感じになる可能性があるから、やっぱりしっかり出て賞金を獲ってというカッコイイところを見せたい。僕はこの『逃走中』は出ることで自分のステータスが上がるというのと、もう一つは出てしっかり活躍することで子どもたちのヒーローになれる。そこは考えながらやっていた。」
新美「そうなるとミッションにも積極的に参加しようという気持ちになる?」
クロ「…お金が先ですね。お金がね…お金は強いですね。」
新美「『Run For Money』ですからね。」
クロ「せこい事しようとしちゃうんですよね。何とか生き残ろうと。その葛藤も『逃走中』は面白い。」
笹谷「クロちゃんがとてもいいのは感情をむき出しにしてくれる。ここがスゴく素晴らしくて。どうしても逃走中で出演する方は放送後にネット炎上してしまう方がいる。そんな中クロちゃんは自分の感情をストレートに出してくれる。我々としては貴重な存在。」
クロ「『炎上しても大丈夫ですもんね』と前言われた。『もう炎上してますから炎上しても大丈夫ですね』って言われたのビックリしました。そのつもりはないんですけど。」
クロちゃんの印象深いシーンは?
クロ「『ハンターと偽ハンター』編にて、ハンター閉じ込めミッションにて参加せず隠れていた所、大先輩の
林家三平からミッションに誘われやむなく参加している最中に三平が確保され『この人なんなの!?』と思いましたもん。『クロちゃんありがとう』と言われたけど何の『ありがとう』かよく分からないし。」
とはいえゲートを1つ封鎖しミッションに貢献。
クロ「思っていたよりもカッコイイところを見せられたからオンエア終わった後にめちゃくちゃヒーローになれると思っていたら
野田クリスタルが最後逃げている最中にゲートを封鎖したため『お前のせいで野田クリスタルが捕まった』と炎上した。俺は皆を助けたはずなのにそんな炎上の仕方するかなって。『これ大丈夫かな?』と思っても炎上したりとか、思っていないところで評価を受けたりもするから不思議。」
ゲームの最中にお手洗いに行きたくなったら…?
クロ「途中で行きたくなったら行っている人いるのかもしれないですけど、トイレしてる時も時間は止まっていないので、捕まっちゃうので。僕はトイレに行ったら逃げ道ないと思っているから結構ギリギリまで我慢している。」
新美「そのために自首しようかなと悩んだりしないですか?」
クロ「ありました。ありましたしハンターに確保された瞬間にちょっと出そうになった時あります。限界まで我慢していますからね。だから始まる前に水分はあんまり取らないようにしてますね。」
ハンターとスタッフの秘密
ハンターの基準とは?
笹谷「ハンターはアンドロイドですので日々製造されております。その中でも走行テストを何度も行いできるだけ速いハンターを厳選して起用している。」
逃走者とスタッフの連携は?
クロ「基本ディレクターとカメラマンがいて一人についていてという形で逃げたりする。1回あったのが僕がこの体形しているから足が遅いと思っているみたいなんですけど、トレーニングしているからバーッと走ったらカメラマンはついてきたけどディレクターがついてこなくていなくなっちゃって『ウソでしょう?』と思って、普通にハンターから逃げて逃走中しているんですけどディレクターを捜索中もしました。だってどこに行ったか分からないんだもん。『ハンター怖いな…けどディレクターどこ行ったんだろう…?』みたいな。」
新美「カメラマンさんはちゃんとついてきてくださるんですか?」
クロ「カメラマンさんは足が速い人がついてますね。」
新美「それもやっぱりそういうお願いをするんですか?」
笹谷「カメラマンはもちろんディレクターもできるだけ足の速い人間を用意はしてるんですが、やはりそれよりも速い方はどうしてもいますので、どうしても距離を離してしまう事もありますので。ただそういう場合は意外とどこかでちゃんと会える。」
クロ「ディレクターさんとかカメラマンさんも日本全国から集められている。広島で一緒に仕事していた人が普通にカメラマンで来ていたりとか、『お久しぶりです』とか声かけられたりするから『日本全国から集めているんだ!』と思って。」
笹谷「足の速い人を見つけるためにはこだわらないといけないので、どこからでも来てほしい。」
広がる逃走中の世界
「大人の鬼ごっこ」から子ども達にも人気が広がった逃走中。グッズ展開では「ハンターサングラス」「ハンターマスク」、ノベルスはシリーズ累計50万部を突破。そして2022年5月から9月までは「逃走中THE STAGE」が全国8都市で上演。11月にはNetflix版「逃走中 Battle Royal」が全世界配信された。
「逃走中BR」での工夫や地上波版との違いは?
笹谷「とにかくスケール感を出すことを一番大事にした。そして20代以上の大人が見られる『逃走中』を心がけて作っている。」
新美「例えばどういう…ちょっと派手な演出にしてみるとかですか?」
笹谷「例えばで言いますと空から舞い降りるハンター。僕も昔からぜひやりたかったんでそれも実現できましたし、あとはK-POPアイドルの方(
ミンホ)とか海外を意識した方もキャスティングに入れて強化もしてみたりとかしてますね。また、『Battle Royal』というサブタイトルがついてるんですけども、言葉通り人間同士の潰し合いみたいな。ちょっと大人が見たくなるような心理戦みたいなものもそこに入れたりしました。」
「逃走中BR」に参戦した側のクロちゃんからの感想。
クロ「今回キャスティングも違ったみたいで、YouTuberの方も結構多かった(
シバター、
なえなの、パパラピーズ〈
じんじん・
タナカガ〉)。芸能人同士だと結構横のつながりが出来てたりするんですけど、配信系やってる人達って『自分が一番』みたいな感じで何とか自分だけで爪痕残そうとする人が多いから意思の疎通が結構難しかった。配信版の方がヒリヒリしていた。」
笹谷「具合的に言うと裏切り者ミッションを導入しまして、裏切り者になった人は他の逃走者の場所を本部に密告するとハンターがその人を捕まえればボーナスが貰えるというシステムを作りました。」
渡辺「クロちゃんはどうしたんですか?」
クロ「僕ミッションが始まった段階でまだ誰も動いてないはずなのに『裏切り者だ!』と言われ始めた。真っ先にですよ。ショックでした本当に。まだ裏切ってないから!」
新美「ここまでのイメージって大事ですね。」
クロ「改めて言わないでくださいよ!」
「逃走中BR」はNetflix内「今日のシリーズTOP10」では「SPY×FAMILY」「ブルーロック」などの人気作がひしめく中で日本3位、香港3位、台湾6位。「週間TOP10」では日本6位、香港6位、台湾7位と海外でも人気を獲得。さらに2023年以降にはメタバースやNFTのゲーム化も予定し、さらに世界に向けて発信される予定となっている。
渡辺「このまま行くとクロちゃん、外国の方から『お!出てたね!』とか言われることもあるかもしれない。」
クロ「あると思いますし、逆に海外で自分が仕事する機会が増えるかもしれないから今後も出してもらわないと困る。」
クロ「改めてなんですけど大晦日生放送、僕は出られますか?」
笹谷「え~出ません。」
クロ「熱い気持ち!」
最後に
笹谷「大晦日の逃走中は過去の懐かしい映像から今まで見た事が無い新企画まで。初物が新年に先駆けて沢山用意しています。早く大掃除を終えて夕方からは是非フジテレビの逃走中をご家族皆でドキドキしながら楽しんでいただければなと思っております。」
最終更新:2024年09月29日 23:35