逃走中は未来の月世界で開催されているゲーム
賞金獲得を目指す逃走者がハンターから逃げ回るエンターテイメントショーだ
無事20周年を迎えた逃走中。とはいえ、実は意外と「逃走中って見たことない」「名前は知ってるけれど詳しいことは…」「見たことはあるけれど深いルールまでは…」という方もちらほらと。
そこでここでは逃走中の基本的なルールや用語についてをしっかりまとめてみました。
初めての方はこれを見ておけばすぐに逃走中を楽しめ、知っている方はもっと深く楽しめるはず。
まあ、このサイトにたどり着いている時点でマニアの可能性が高いのですが…
逃走者
逃走中に挑むプレイヤーの皆さんのこと。
参加人数は放送時間や規模によって異なり、初期の1時間枠前後のゲームでは10人前後、2時間枠では16人前後、3時間枠では20人前後。規模の大きい回ではもっと人数も多く、現時点での最大人数は「FNS逃走中2023」での33人。
主に
お笑い芸人・
タレント・
俳優や女優・
アイドル・
モデル・
スポーツ選手(大体引退後の方が多いが、現役の人も来る)がメイン。誰もが知っている人気の方からネクストブレイクに期待のかかる人、そして時には「こんな過酷なゲームに出てくれるの!?」と驚くような大御所まで来ることもある。
オフシーズン(放送と放送の合間の期間)や収録情報が出ると「次回逃走中参戦者予想」も活発になるが、大概参戦情報や目撃情報があった人以外は当たらない。それぐらい難しい。
時代によってジャンルの解禁も多く、2016年からはこれまで参戦していなかった
現役ジャニーズ(現:SMILE UP)所属タレントが、2018年からは
HIKAKINを皮切りに今や1ジャンルとして確立した
YouTuber・インフルエンサーも参戦。さらに2019年にはオーディション・予選会を経て一般の方が逃走中に挑む「一般逃走者」も登場。また、本来はド早朝に収録を行うため「労働基準法年少者保護規定」により午後10時~午前5時の間の仕事に15歳未満は参加できないが、番組の予想以上の子ども人気の高まりに合わせ、2020年からはキッズYouTuberや子役による「キッズ逃走者」も収録時間を遅らせたうえでこちらも解禁されている。
「テレビ番組の中で一番いろんなジャンルの人が出る」という通り、自分の専門外の人が出てくることもしばしば。時には「この人って誰?」「代表作って何があるの?」ということも多いが、そんな時こそ当Wikiの出番!逃走者のプロフィールをなる早で執筆・掲載し逃走者に対する知識を深めることができます。「何も知らないで見る」よりも「少しでも『この人ってこうなんだ』と知ってから見る」とではやっぱり見方も変わる上、放送後も「逃走中で出てたあの人だ!」と応援することも多くなるはず。視聴のお供に是非どうぞ。
装備品
逃走者には基本的に以下の装備品が与えられる。こちらは現在の状況をもとに説明。
逃走者の着る服。主に白・赤・オレンジ・黄色・ピンク・黄緑・青・水色など明るくわかりやすい色が採用されており、逃走者にとっても遠くから誰なのか確認でき、視聴者にとっても色で区別がつきやすい。テレビ番組の衣装なのでちゃんと買うとちゃんとしたお値段になる。
なお、ネタ衣装がある芸人(
鳥居みゆきのマサコ、
サンシャイン池崎など)はネタ衣装でも参加OK。ただ
小島よしおや
たむらけんじなどの裸芸人はさすがに怪我や防寒性、万が一のことも考えて「レギンスの上から着用」「牢獄で確保されてから披露」になる。
逃走者が持つモバイル。かつてはガラケーだったが現在はスマートフォン。主に京セラ「TORQUE」シリーズを使用。頑丈で壊れにくく、走った時に落としても大丈夫。雨の中での開催や万が一の水落の場合でも防水性はバッチリ。
使用できる機能は以下の通り
残り時間&賞金表示
ホーム画面に設定されており、ゲーム終了までの残り時間と現在の賞金額が表示される。この生々しく上がっていく賞金額に興奮するのが恒例。
電話
もちろん電話も可能。逃走者全員分の電話番号が入っている。「ミッションをクリアするためには人見知りなんかしていられない」と積極的に電話をかけて連携を取らなければならない回も度々ある。もちろん、他愛もない会話もOK(相手がどう思うかは別)。せっかくの機会にあこがれの人にかけてみるのもいいかも。ただし、電話に夢中で警戒を忘れては本末転倒。
メール
本部から送られてくるメール。確保・自首情報やミッションに関するメールが送られてくる。あの特徴的な着信音はどんな逃走者でも慣れないらしい。
カメラ(写真撮影・動画撮影・QRコード読み取り)
ミッションでは複数逃走者との撮影が必要な場合や、QRコードを読み取る必要があり、そのために使用。中には見通しの悪い曲がり角でハンターがいないか確認すべくモバイルだけを出して撮影→確認してハンターがいないかチェックというやり方をした人もいる。
チャット
「時空を超える決戦」より解禁。全体の逃走者に向けてチャットを送ることができる。使い方次第でミッションはもっとクリアできるはずなのだが使用頻度はかなり低め。結局「チャット打つ時間と手間」より「直で電話したほうが早いし個人交渉するなら電話一択」っぽい。
逃走エリアの地図。進入可能な場所や建物の内部構造、自首用電話の電話番号が掲載されている。また、エリアの変動があった場合は都度変更されたり、ミッションによってアイテムの位置が記されたものに変わることもある。また、モバイルがスマートフォンになる前は地図の裏が「賞金対照表」となっており、別途腕時計の残り時間と現在の賞金を照らし合わせる形で確認していた。
地の利を生かすのは逃走成功に向けての第一歩。逆に地図が読めないとナレーションで「
地図が読めない女」呼ばわりされる。
ケガ防止のために装着するプロテクター。「パイロット版渋谷」から両肘、「お台場」からは両ひざが追加されたが、この回では雨天で転倒続出。それに伴い次回「渋谷3」からはヘッドギアも追加され現在に至る。それでも回避できないケガは多々発生しているので逃走者の皆さんはくれぐれも気を付けて…
無論全部揃えるとやっぱりそれなりの金額になる。
各逃走者にディレクター1人・カメラマン1人がつきサポート。撮影や本部への連絡はもちろん、ミッションでアイテムが必要となった時のアイテムの受け渡しやゲーム中でのやり取りや問いかけも行う。たまに芸人に対しては当たりの強いスタッフもいるがご愛敬。言い換えれば「どんな若手であっても1人につき1台専属カメラマンがついてくれる」という大チャンスのため、出じろやアピールのチャンスがほしい人にとってはまたとない機会でもある。
だがスタッフもスタッフでとっても大変。何しろあのでかいカメラを担いだまま走らなければならないうえ、時に逃走者は世界レベルのアスリート。「逃走していく中で逃走者とはぐれる」や「いきなり走ったことでカメラマンの足が攣る」といったアクシデントもよくあること。
私物の持ち込みはゲームの支障とならない程度ならOK。芸人であればネタ用の小道具でネタを見せることもできる。
野々村真は老眼鏡を使用。
ベリッシモ・フランチェスコは女性逃走者に配る用の名刺を持ち込んだ。
飲み物も原則自由。基本はスタッフに要求すれば水をくれるが、公園などにある水飲み場で飲むことも、水を補給することも、あるいは自動販売機で買うのもあり。地元の方のご厚意で用意してくれたこともある。
また、軽食の持ち込みもOK。鳥居みゆきは塩豆大福を、
板東英二は大好きなゆで玉子をゲーム中に食した。中国版「全員加速中」ではスニッカーズがスポンサーの関係上スニッカーズ食べ放題。ノベルス版でも栄養補給アイテムとしてチョコレートなどのお菓子が支給されており、割と公式システムとして採用されてもいいのでは。
ハンター
そんな逃走者たちの夢を容赦なく、無慈悲に奪っていくクロノス社が作り出したアンドロイドたち。やつらに触れられた時点で「確保」、失格となりゲームから退場。エリア内に設けられた「牢獄」に収監される。
容姿
ハンターの一番の特徴でもある黒スーツ。これまでの「鬼ごっこ」系の企画では兵士のような迷彩服、あるいは刑事のような服装というのが恒例だったが、さながらマトリックスの「エージェント」を彷彿とさせる無機質感は従来のイメージを一気に覆すこととなり、もはや今では「鬼ごっこの鬼=黒スーツ」という印象すらある。
初期の逃走中ではスーツの用意も突貫ということで背丈だけで選んでおりスーツもちょっとダボっとしていたが、今ではピシッとジャストサイズであり、そのシルエットのスマートさもまたハンターの怖さを引き立てる。
そしてもう1つの特徴でもある黒サングラス。このサングラスこそハンター起動のキーでもある。サングラスの中には逃走者の情報が入っており、逃走者の目視や通報情報などにより逃走者を見失うまで追走する。また、時折「ダミーハンター」が登場することもあり、こちらはサングラスのふちが赤や青など黒一色ではないのが特徴。もちろん逃走者を見つけても追走しないが、中には「ランダムダッシュ機能」として勝手に走り勝手に止まるといういやらしい仕様のもいる。
たまに「ハンターは逃走者を直接目視しなくてもカメラマンを発見すれば追跡できるのでは?」という風情のない意見もあるが、実際にはエリア内には逃走者つきカメラマン・ハンターつきカメラマンに加えエリア内の交差点などで撮影するフリーカメラマン(「道の一方で逃走者がいるところにもう一方の道からハンターが接近…」みたいな画を撮るカメラマン)も多数いるため「カメラマンがいる=逃走者がいる」とは絶対ならない。無論それは逆側も同じ。
2020年の新型コロナ流行に伴いハンターに追加された装備。逆止弁付きの黒マスク。「アンドロイドなのに新型コロナ警戒する必要あるの?」とは言わないで…
が、この装備のおかげで全体の肌色率が減った結果よりハンターの怖さを増すことに成功。新型コロナの5類移行後の「ハンターと強欲の王」では外されたが、以降の回では再び装備されている。さらにアニメ「逃走中グレートミッション」でもこれまでのハンターに「ライバル企業・カイロス社がハンターをハッキングした」という形で追加。これまでの逃走者たちではほぼ太刀打ちできないぐらいのパワーアップを見せている。
こちらも新型コロナ流行に伴い追加された手袋。こちらは「FNS逃走中2023」以降は外されているが、現在も販売中。裏起毛なので普通に暖かく普段使いも○。
「ハンターと進撃の恐竜」より追加。スーツの襟部分につけられたクロノス社ロゴのピンバッジ。こういうグッズが一番買いやすく、そして付けやすい。仲間内のオフ会での装着率はすさまじく高い。
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裏話 |
2024年に逃走中創始者・高瀬敦也氏による インタビューでは黒スーツ・黒サングラスというデザインにしたのは「誰が見ても異質なものだとわかる」「クールに見える」という点ももちろんだが 初回(パイロット版渋谷)の予算がなかったから。
予算があれば「忍のようなゴテゴテした感じ」「細かいアクセサリーにもこだわっていた」といった案もあったようだが、結果的に「汎用性が高く視聴者もマネしやすい」「オリジナルグッズ展開は販売にはつながるが広がりが弱くなる」という意味では結果オーライという形に。
その点、現在の「ハンターマスク」や「ハンターピンズ」はある意味高瀬氏が望んでいた理想に少し近づいた形かも。
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能力
無論一番の特徴はその身体能力。初回「渋谷」から「スプリンターの瞬発力とマラソンランナーの持久力を持つ」と称されている。
その通りにハンターの加速力とトップスピードは恐るべきものであり、非公式ながらフジ「私のバカせまい史 逃走中スペシャル」では「ハンターと強欲の王」での
佐藤大樹への直線追走時間と距離を計測し「28.5mを3.18秒で走破」=「秒速8.96m」。
50m換算だと5.58秒、時速換算だと約32km/h。これは原付バイク以上の速さ。確保された逃走者が「
原付」「
白バイ」とこぼすのも納得の速さ。
そして時には1分近くの全力疾走の逃走、全体で見ても2時間近く逃げ続け普通ならへとへととなる中で顔色一つ変えず常に安定した速さで追いかけてくる。これを「脅威」と言わずして何と呼ぶか。無論直線のサシでハンターに勝利した逃走者はほぼいない。
ただし、ハンターは逃走者が視界から消える(逃走者が曲がった道に追いついた段階で逃走者の姿が見えない)と追跡をやめる。このシステムがあるため「素早く2回曲がる」「早く気づいて動いて物陰に隠れる」といったやり方で体力的に不安な女性でも凌ぐことは可能。単純体力だけでなく、とっさの判断も生き残りを大きく左右する。
コードネーム
一部のハンターにはコードネームがつけられており「01KR」や「02NN」や「06TT」などがある。一部のハンターファン界隈ではそれ以外のハンターも含め現在に至るまでコードネームで呼ぶことが多いが、これらはファンメイドによって制定されたものであり、公式の設定ではないことに注意。
しかし、逃走者の活躍も楽しいが男から見ても「カッコイイ」と思える「推しハンター」を見つけるのもまた逃走中の楽しみ方の一つ。アニメにも「ハンター応援うちわにハッピという『ハンターマニア』」アマネ・マリーゴールドが参戦するなど、ハンター推し勢の存在も公式認知済み。
髪型
服装が固定されている分、髪型のバリエーションはかなり豊富。基本はツーブロックなどの短髪が多いが、パーマをかけているハンターや今や「ロン毛」として毎回ネタにされ、そしてネタにされる以上の強さを誇る「ロン毛ハンター」、「ロン毛サイド刈り」こと「マンバンハンター」が常連。また、「大江戸シンデレラ」では上記の「01KR」が「丸刈りオンリーポニーテール」と言う奇抜な髪型で登場した。
弱点
性能は高いが、アンドロイドなので「融通が利かない」。もちろん逃走者の説得も命乞いも買収も一切受け付けないが、先の通り「視界から外れると追走をやめる」「付近の捜索をしらみつぶしにするようなことはしない」ため、それを生かしたバグ的戦略で勝った人もいる。
また、ゲーム中で手に入る網鉄砲を喰らった場合はそれをほどくために追走をやめてしまう。また、マイナス239度以下の冷気を受けると停止する。これを生かし冷凍銃といったアイテムを使いハンターを止めることもできる。
エリア
逃走者が逃げ回るフィールド。
基本的にエリアは進入可能な道・建物内(ショッピングモールの場合は店舗)のみが使用可能。逃走者が立ち入れる場所はハンターも当然入れるため、絶対に安全な場所はどこにも存在しない。
エリアごとに「見通しのいい・悪い」「ハンターをorハンターが見つけやすい・見つけにくい」「ハンターを撒きやすい・撒きにくい」と長所・短所の組み合わせも豊富であり、逃走成功者をよく出すいいエリアもあれば富士急ハイランド・
エリア01など全滅率の高い「難関エリア」もある。
エリアの特性をうまく生かした逃走術も逃走成功へ大きく近づけることになるだろう。
私有地は原則として駐車場レベルでも立ち入り不可。エリア外への飛びだしたり進入不可とされる場所に入った場合は強制失格となる…が、基本的にスタッフが注意したり、逃げてる間にエリア外を飛び出してしまったという例もあるためそのあたりは現場判断。
特に「赤信号での横断をしてはいけない」など交通法規は厳守。もちろんこれはハンターも適用であり、「信号が赤に変わって命拾い」というケースもある。
普段行っている場所がゲームの舞台となる斬新さはもちろんだが、お出かけの際にも「ここであの激闘が!」と楽しめる。特にゲームを振り返りながら楽しむ「聖地巡礼」は逃走中ファンならマスト。実際にエリアの広さを確認したり、映像ではなかなかわかりづらい高低差などを自分の目と足でしっかりと体感することでより逃走者たちの大変さを実感することができるだろう。一方で施設が建て替わったりアトラクションが閉鎖されたりと「行ったときにはもう風景が変わっている」なんてこともしばしば。鉄は熱いうちに打て。聖地巡礼は行ける時に行け。
ゲーム時間
逃走中を行うゲーム時間。この時間がゼロになった時に生き残っていれば「逃走成功」となる。
当初のコンセプトは「1時間のゲームを1時間で見せる」というものであり、初期の1時間枠時代は60分前後のゲーム時間。その後、規模の拡大やエリア内ドラマの挿入に伴い、2時間枠時代は80分~100分、3時間枠時代は120分~140分が相場。特に大晦日決戦では2022年・お台場大決戦では180分、2023年・お台場リベンジャーズでは160分。そしてNetFlix・BattleRoyalでは4話仕立てでついに200分が登場。これが現在の最長ゲーム時間となる。
逃走者の皆さんも大変だが見てる側も見てる側で3時間興奮しっぱなしであり、見終わったときはぐったりするのが恒例。もちろんそれ以上の時間の時はもっと惨状になる。
管理人「見るレッドブル」
賞金
逃走者が目指すもの。
これまでも、そして現在に至っても多くのゲーム番組における賞金体系は「完全制覇できれば賞金○○万円、途中での脱落はゼロ」という「100かゼロか」のシステム。
しかし、逃走中の賞金は一味違う。ゲームごとに設定された「賞金単価」の金額が1秒ごとに上昇していく。
例えば「1秒100円」だとしても1分で6000円、10分で6万円、60分(=時給)36万円となる。
また、この賞金単価はゲーム途中で上げることのできるミッションもあり、これに成功すると賞金単価がアップ。当然単価が上がれば上がるほど賞金額もどんどん上がり、100万、200万も夢ではない。
そして賞金を手にする手段は2つある。
逃走成功
前述の通り、ゲーム時間がゼロになった際に生き残っていれば「逃走成功」。そこまでに積みあがった賞金を受け取ることができる。
たとえ途中で復活しても最後に立っていたやつが偉い。それが逃走中。
一方、近年では「逃走中での逃走成功」が一バラエティ番組の格を超え「芸能人生で一度は成し遂げたい夢」となり、逃走成功すれば他局でも祝われるほどの栄誉ある称号となっており、逃走成功には「賞金以上の価値」があるのも事実。額面ではなくその夢を追い求め逃走成功を目指す者も多い。
逆に「ゲーム時間がゼロになる前に最後の逃走者が確保された」場合は「ゲームオーバー」となる。ただ、多くの番組と違い「ゲームオーバー=全滅・賞金獲得者なし」と言うわけではなく、後述の自首成立者がいる回もあるため「ゲームオーバーという結果に終わっても賞金獲得者がいる」というケースもある。言葉って難しい。
自首
ゲーム中にエリア内にある公衆電話や番組が設置した「自首用電話」から本部に自首の旨を申告した時点で「自首成立」となり、自首を申告した時点での賞金を受け取ることができる。
「逃走中は逃走者全員で協力し合う」と考える人にとっては自首はまさに「抜け駆け」「裏切り」。特に一時期は「自首した場合はハンター追加」というルールもあり生き残っている逃走者がよりきつくなるというシステムが導入。それだけに「自首はありえない」「かっこ悪い」と忌避・嫌悪する逃走者も多い。
だが、これこそが逃走中の本当の「面白い部分」。
前述の通り1秒100円なら1分後は+6000円、5分後は+3万円。絶え間なく増えていく賞金に「もうちょっと頑張るべきか」「潔く切り上げて自首に向かうべきか」という判断を常に逃走者は迫られる。
もちろんルール上は「ゲーム開始1分で自首」しても、「残り1分で自首」してもかまわない。なぜなら今の1秒後に自分が生きている確証などどこにもないのだから…
「夢を追うべきなのか?」「目の前で今掴める金を確実に握りしめるか?」その葛藤こそが逃走中の真髄である。
ミッション
ゲーム中には随時「ミッション」が発令される。このミッションにクリアすれば賞金アップなどの恩恵を受けるが、失敗した場合はハンター放出などのペナルティが課される。
ミッションの概要は基本的に発令時のメールで告知されるが、近年では詳しい内容については指定された地点(「ミッションポイント」と呼ばれる)に向かわないとわからないことも多い。
単純に「行けばいい」だけのものから、通常以上にさらに体力やプレッシャーに打ち勝つ力が求められるもの、一筋縄ではクリアできず、クリアするためには知力やひらめき力、ゲーム勘が要求されるもの、極限の状況下でさらに集中力を割かなければならないもの、多くの逃走者を必要としチームワークが問われるものなど多様にある。
ミッション参加は各個人の自由意志だが、参加しようがしまいが「賞金アップ」の恩恵も「ハンター放出」のペナルティも残る逃走者全員が平等に受けることになる。
特にミッションに動くだけでもハンターに見つかりやすい上、ミッションポイントへの移動や内容での体力の消耗、内容の向き不向きなどもあるため「とにかくミッションは全部参加する」というスタンスでは空回りすることも多い。何より本来の目的は「賞金を獲得する」こと。「賞金を獲りに来ている」「『逃走中』であって『ミッション中』ではない」というように、ミッションに参加しないという判断も勝つためには重要。
一方で「ミッションに参加してこその逃走中」「せっかく逃走中に参戦するなら全力で楽しまないと」という気持ちの逃走者や、クリアした際にメールで通知される「○○の活躍により…」とメールに名前が載るという勲章を求めて参加する逃走者も多い。
醍醐味ではあるが「動く」か「動かない」かは逃走者の判断。動かない逃走者に対して視聴者が執拗な批判や炎上は絶対に控えなければならない。ただ、ミスター逃走中・
田中卓志も「自分がミッションに動かなかったにも関わらず、ミッション失敗した事に文句を言う」というのは気を付けるべきと指南。「動かないということはデメリットを甘受する」ということを肝に銘じておくべき。
賞金変動系
主にミッションをクリアすると賞金単価が増額する。単純に増えるペースが上がるため最高賞金額が上がるのはもちろん、目標金額を定めて自首を狙う逃走者にとっても目標金額への到達が早くなる。
ただし、ゲーム自体の難易度には影響しないため「賞金額よりも逃走成功の栄誉」と考える人は見送りがち。
特に「賞金単価を上げる代わりにハンターを規定数放出する」というタイプのミッションも多く、その場合は「リスクを冒してでも高額賞金を狙いに行きたい派」VS「賞金もハンターも増やさず危険度を上げたくない派」によるバトルも多い。
ハンター放出系
時間内にクリアできないとハンターが放出される。そのため逃走者はハンター放出阻止のためにミッションに挑むことになる。
難易度に直結するため登場回数も参加する逃走者の数も多い恒例ミッション。
序盤戦では主に1~5体が放出され、失敗すると地味な痛手となる。そしてほとんどの回の最終ミッションでは「
大量ハンターミッション」として失敗すればハンター10体~100体放出という逃走成功は
ほぼ不可能な数が放出されてしまう。この山を越えなければ常人では逃走成功は不可能といってもいい。(ただ
絶対逃走成功不可能というわけではない)。
通報系
アラームやハンターヘリなどの
通報部隊、GPSなどによる位置情報が起動しハンターが逃走者に気づきやすくなる状況となってしまう。
主に「アラームや通報部隊をかいくぐりながら解除するミッション」と「位置情報が発信される前にクリアする」という2タイプが存在。前者の場合はハンターから離れていたり通報部隊に見つかりさえしなければ何とかなるが、後者の場合タイムアップの時点でハンターに詳細な位置情報が伝わってしまい全ハンターが一斉に向かってくるためほぼアウト。
復活ミッション
確保された逃走者を救うことができるミッション。ミッションにクリアし「復活カード」を入手することで逃走者を復活させることができる。
過去には「復活ゲーム」としてゲームを一時中断し、確保者が自力で復活ゲームに挑み復活を目指すパターンや、復活カードを入手しても誰が復活するかはルーレットなどの運任せというパターンがあったが、現在は復活カードを獲得した逃走者自身が復活できる人を指名することができる方式が主流。また、当初は「復活した逃走者は自首不可」「逃走成功した場合は賞金の半額を復活者に渡す」という「賞金のために復活ミッションに挑む」という理由付けのしやすいルールがあったが、そうでなくてもみんな復活ミッションに挑むため早々に消滅している。
復活させる人のパターンもいろいろあり、主に同じグループなど仲の良い人、スポーツ選手など今後の展開を考え頼りになる人、一緒に逃走した際に巻き込んで確保されてしまったり、ミッションに貢献してくれたにも関わず直後に確保されるなど不運な終わり方をした人など様々。
基本的には「逃走者の頭数が多ければ多いほど、ハンターの目が散りやすく精神的にも楽」「ミッションに参加してくれる人が多いほど最終的な逃走成功の可能性も上がる」と参加する人も多い。
ただし、自分で選んで復活させた人がどう思っているかは別。もちろん復活させたからといって手下や駒扱いするのも基本は禁止。
データ放送
「時空を超える決戦」から地上デジタル放送のデータ放送を使ったコンテンツも開始。
予想チャレンジ
「時空を超える決戦」では「指定された時間の時点で生き残っている人数が多いのは江戸エリアor現代エリア」という2択形式。そして「大江戸ヒーローズ」からは本格的に予想チャレンジがスタート。
「ゲーム残り時間○○分まで」「放送時間○○時○○分時点」などの区切りが設けられており、その段階で生き残っている逃走者は誰かを当てる。選べるのは各チャレンジで1人だけ。放送中に5チャレンジほど行われ、正解数に応じたキーワードが発行。それを公式サイトから応募すると番組オリジナルクオカードや特製グッズが当たる。これに関しては本当にどこにも売っていない非売品。正解数=応募口数となるため当たるほど当選確率もアップする。
ゲーム展開をしっかり読み本格的に生き残りそうな人を選ぶか?一途に自分の推しを選ぶか?このあたりも人それぞれのクセと傾向が出るところ。
逃走者ステータス
各逃走者のゲーム前に記入した自己評価や意気込みなどを見ることができる。ここから逃走者の思考・傾向を参考にするのも大きなヒント。なお、確保された逃走者は写真に檻の絵が被さる。
事前に記入した「スピード」「スタミナ」「賢さ」「決断力」「運の良さ」のグラフ。基本は5~0までの6段階評価であり3が「平均値」、5は「自信あり」、1や0は「自信なし」だが、たまに「2.5」など刻む人や「7」などペンタゴングラフをはみ出している人も。特に0評価が複数個あるとペンタゴングラフの体を成していない「線グラフ」になる。
あくまで自己評価のため自信満々に高評価の人もいれば「他の逃走者の人に比べたら…」と低めな評価をする人も。「自信」か「過信」か、「謙虚」か「弱気」かも逃走者の評価を左右する。
1.スピード
足の速さ。当然ハンターに追われたら一番重要な項目。時にはミッションでの大移動もあるだけに地足の速さはかなり大事。
2.スタミナ
体力。有力者では時に1~2分の全力疾走もあるだけに「走力の短期間的スタミナ」はもちろんのこと、2~3時間近くのゲームを耐え抜く「体力のスタミナ」、それでいてハンターの接近に集中を切らさない「頭のスタミナ」、そしてハンターの恐怖に耐え続ける「心のスタミナ」も重要。
3.賢さ
最近では知力やひらめき力が必要なミッションも登場。ミッションだけではなく、基礎レベルでは「ちゃんと地図が読めるか?」「現在地をちゃんと把握できるか?」と言ったところから「ハンターが近くにいる状況でどう打開するか?」「効率よく、そして見つからないためにはどう動くべきか?」などの立案力・思案力も必要。作戦力次第では体力が無くても逃走中は逃走成功可能。
4.判断力
「この道を左に曲がるか?右に曲がるか?」「このミッションに行くべきか?体力温存して控えるべきか?」「ここで自首すべきか?逃走成功を狙うべきか?」と逃走中は常に判断の連続。一瞬の判断ミスが命取りになる。高い評価の人ほど「即断即決」「自信家」、低い評価の人ほど「悩みがち」「優柔不断」という傾向。
5.運の良さ
どれだけ身体能力が高く、作戦を組み立てても「出会い頭でのハンター」や「挟み撃ち」はどうにもできない。まさにこのような状況に出くわさない「運の良さ」は逃走成功に向けた最後にして最難関のピース。
そもそも厳しい世界を生き抜いてのテレビ出演、さらに「多くの人の憧れ」でありながら年間80~100枠しか出演できない「プラチナチケット化」した逃走中に参戦できるだけでも十分「運が良い」という人も。
主に自信のある項目の理由についての説明。それだけでなく逃走中の意気込み全般が書かれている。「夢だった逃走中に出演できてうれしい」という人や「友人から応援をもらったりアドバイスをもらった」という人もいれば「ハンターが怖い」とゲーム前から心が折れている人も。また、過去の参戦者の場合は「前回は家族や周りの人からも好評だった」と反響を語る人から「低成績で子どもからダメ出しを受けた」という人まで。逃走中の成績は自分、そして周りのお子さんからの支持率にシビアに直結する。
賞金を獲得した場合の使い道。「分かる~」という納得の使い道から「どんな使い道!?」という人までこちらも人それぞれの姿が見える。
牢獄回し
大きくは言及されていないが公式でも度々ネタにされている要素であり、逃走者の隠れたもう一つの役割。
そもそも逃走中はゲームマスターが運営するものの、現場では司会進行を務める人物はいないという特殊なタイプの番組。そのため確保者の1人が代表してモバイルに届いた確保情報・自首情報の読み上げを行う。
一方、序盤で確保されてしまった人は2~3時間はずっと暇、だが復活の可能性や牢獄が協力するミッションも時にあるため原則として途中退出はできないことから飽きないようにトークを振ったり、逆に自由にボケる芸人たちへのツッコミも行う。
特に逃走中にはバラエティに不慣れなアスリートやアーティストも多数参戦することから手腕も問われ、
大悟曰く「牢獄回しできる人が今後のフジテレビを回していく」。
主に
田中卓志、
藤本敏史、
澤部佑、
小籔千豊など実力ある芸人が序盤で確保された場合に担当。
JPは松本人志のモノマネで担当するという変わり種も。最近では「生存者視点では気づきにくいミッションの注意点・懸念点の解説」なども必要なことから逃走中好きの
こがけん、逃走成功経験者の
伊沢拓司も牢獄回しを担当している。
映る時間は短いが、こういったところにも着目するとより逃走中を楽しむことができるだろう。
最終更新:2025年04月14日 01:11