スガイユン(
檀語:
sghaiun)とは
ニーネン=シャプチにおける政府直轄の職業組合(ギルド、ツンフト)のことである。
スガイユンは古くはダン=ラ=ハン帝国時代から存在していた。当時のスガイユンは現在では
ガールン=スガイユン(帝国職業組合)と呼ばれ、現在のスガイユンとは区別される。ガールン=スガイユンは商人組合・職人組合であり、一種の身分を示す意味合いもあった。
概要
スガイユンは
ニーネン=シャプチの経済活動のほぼ全てを占める政府直轄の職業組合として設置される。それぞれの管轄の割合は執政院スガイユンが58%、招民院スガイユンが18%、国教院スガイユンが6%、正教院スガイユンに5%、元老院スガイユンに3%、その他スガイユンが10%ほどとなっている。
スガイユンの責任者として経営を行う長を
経営官(ナープランガン、Naapraqgan)という。公社の場合は従来
評定官(カーヒシェ、Kaalhshie)という役職を置いていたが、1747年からは公社の長としてファイグトータ公社、天命安息地公社、リクー公社に
行政代理官(プナンガシドーガン、Pnaqgashdoughan)という役職を設置した。
ラゴン戦争以降は行政代理官の権限を評定官と同様のものとして全ての公社の責任者の名称を行政代理官とした。
スガイユンは他国の市場経済諸制度と比べて比較的専門性が高いが、
管理主義学者独裁体制ほどの専門性はない。製品の質と量に関しては生産力を重視する傾向があるため、その分の信頼性が犠牲になっている。
種類
スガイユン公社
単に「
公社」とも呼ばれる。1000人かそれ以上の従業員と規模で成り立っており、経営財団の性格を帯び、非採算事業の実施のために設立される大規模なスガイユンのことをいう。経営費用は直轄政府組織からの資本援助によって負担されるが、経営によって生じた利益は公社側が自由に使うことができる。
ラゴン戦争以前は、公社はスガイユン制度の例外として規定規模の拡大が行える上、小規模スガイユンを統合して巨大企業化することが可能であった。このため、公社は度々権益を独占し、問題視された。
通常スガイユン
一般的なスガイユン。10~100人程度の従業員と規模で成り立っている。さらなる事業拡大のためにはスガイユン公社化する必要がある。採算・非採算事業の両方の実施のために設立され、直轄政府組織からの補助金のみで経営される。補助金や保険、専門教育制度などが充実しており、収入は一定額で得られる他、経営の利潤からも一部ボーナスとして受け取ることができ、ニーネン=シャプチ国民にとって安定した生活を送ることができる。
民生スガイユンまたは民間スガイユン
最も小規模なスガイユン。多くの場合は個人や家族経営によって成り立っており、ある種の社会的連帯のために設立される。
民生スガイユンは一つ一つが零細企業かそれ以下の経済規模を持たないが、全スガイユンのおよそ65%以上を占め、ニーネン=シャプチの重要な経済活動の基盤として認知されている。
通常、採算が取れなくなって閉鎖されることはなく、補助金によって経営を補填し、一定額のベーシックインカムが存在する。事業の拡大が制限されており、利益は一定額を超えると民生スガイユン税として超過利益に応じて一定割合が徴収される。
小さな商店や個人農業従事者などはこれに該当する。事業要請登録を行えば法の許す限り自由度の高い事業を行うことができるが、一定数以上の事業を掛け持つことはできない。
事業拡大のため、通常スガイユン化するための申請が認可されれば、通常スガイユンとして規模を拡大することができる。
外国企業の参入は、政策による保護を行わなければ地元の民生スガイユンが閉鎖されるケースが多いため、ニーネン=シャプチ政府は通常外国企業の参入を嫌うことが多い。
歴史
ガールン=スガイユンはダン=ラ=ハン帝国第一王朝時代に出現した。最初期は軽工業の職人組合のようなものであり、鍛冶など製鉄や織機での織物生産を行っていた。ガールン=スガイユンはダン=ラ=ハン帝国の著しい産業発展を支えた要因の一つともされ、身分は高くはなかったものの政府によって様々な補助や保護政策が行われていた。このような中でガールン=スガイユンの組織数は次第に大きくなり、手工業から重工業まで様々な業種のスガイユンが現れた。ガールン=スガイユンは独自の組織システムを持ち、スガイユン長の選挙を行うなどニーネン=シャプチにおける初期の民主主義システムを持っていた。ガールン=スガイユンは独自の内部構造を有していたことなどが理由となり、権力者に影響されない数少ない身分であった。
シャプチ革命後もスガイユンは存続した。ニーネン=シャプチ建国後のスガイユンのあり方を決めたのは初代星衛主席
マグラン=ガランであった。当時、
チャグマ=ダプラのサグナシャーグを中心に徒党が形成されつつあり、これを企業として独立させるべきか否かでタイユ=ウェグナで内部分裂が起こり、ニーネヌート派とエフューラフト派に分裂した。 マグラン=ガランは「
各スガイユンがエフューラフトの団結を無視して利益を追求するようになれば、まだハニの芽のように柔らかいこの素晴らしきエフューラフトは崩壊し、再び権力者の下で旧帝国が再建されるであろう」とし、エフューラフト派を擁護した。その後、マグラン=ガランは執政院によるスガイユンの統合を始め、スガイユン管理局を設立。スガイユン管理局は各スガイユンを行政機関の末端組織として位置づけることで、国益に見合うよう指導を行いスガイユンによる分業体制を確立した。スガイユンとしての認可を得たものだけを国営のスガイユンとすることで利潤追求のための独立した組織(法人)を作らせないようにした。こうして、現在のスガイユンの土台が出来上がっていった。
最初に認可されたスガイユンは現在では造船で有名な「
ギーラン=スガイユン」であった。
スガイユンの一覧
プダージ造船所(プダージ=クロークチェプナーマ)
事業内容:宇宙戦闘艦または民間宇宙船の設計・建造
認可及び設立:建国時
行政代理官:トレプガン家(ギール系大貴族)
ニーネン=シャプチ最大規模の造船スガイユン(職業組合)。工廠と本部は衛星
プダージに置かれており、管轄は招民院に属する。ほとんどの宇宙戦闘艦がここで設計・建造される。特に主力戦艦(シチャンクロークチ)はここでのみ設計・建造が行われている。その他多くの民間宇宙船も手がけている。
ギーラン=スガイユン
事業内容:宇宙戦闘艦または民間宇宙船の設計・建造
認可及び設立:建国時
シ=ギーラムの中規模造船スガイユン。管轄は招民院。シ=ギーラム地下の巨大工廠で主に狙撃砲艦や民間旅客船を建造している。設計は民間船のみに限定されている。また、ニーネン=シャプチが拉致行為を行うことで有名な誘拐列車はここで開発・製造されている。 スガイユン管理局に最初に認可されたスガイユンで老舗として有名。確かな品質と実績がある。
サナトガン設計局(サナトガン=ナスマーツァイ)
事業内容:宇宙戦闘艦または民間宇宙船の設計・建造
認可及び設立:16世紀頃?
サナシュの中規模造船スガイユン。管轄は国教院。民間宇宙船の設計と建造を行っている。また、カスタム船(オリジナル設計の宇宙船)、政府専用船、国賓用専用船なども手がけている。また、国外輸出向けの機体の建造も行う。
サプスコンガン公社
事業内容:セローダ星系の恒星エインルイの発電プラント産業
行政代理官:スライエナヴァール家
ヤプメスウィジャイ公社
事業内容:精密機械、精密部品、マルチデバイス(本体、周辺機器、アプリ)
認可及び設立:17世紀頃?
行政代理官:ニュ=ラ=ヤプメスウィジャイ家
国教院属国営銀河交易公社
事業内容:国家間貿易・宇宙貨物船運輸
認可及び設立:1780年
1779年に発生したダーケフオス危機から
ジエール帝国連邦を救済すべく1780年の
ガニュー経済体制協力機構の一環として可決された星系間貿易基本法で設立された大規模スガイユン。当初はジエールに食料を輸出するためのみの貨物運輸事業を手がけていたが、その後は事業を拡大し、現在ではニーネン=シャプチの国家間交易の窓口として多くの国との貿易を担当している。
招民院中央造兵廠
事業内容:小銃、小火器、軍需物資の製造及び開発
マイフシャン造兵廠
事業内容:小銃、小火器、軍需物資の製造及び開発
招民院属国有銀河鉄道「星系脈鉄道交通局」
事業内容:国内宇宙銀河鉄道軍事併用貨物運輸、国際宇宙旅客運輸、宇宙港シャトル事業
銀河交通公社
事業内容:国内宇宙銀河鉄道旅客(一部貨物)
セース高速鉄道公社
事業内容:国内地上旅客運輸
行政代理官:ドフィエ=シャ=ラニル家
サッツェタータ公社
事業内容:国内航空船産業
行政代理官:サッツェタータ家(プドゥーチ系)
ライエン=スガイユン
事業内容:製菓、食品製造(元シャグマ=ラゴン入植事業)
ファイグトータ公社
事業内容:シャグマ=ラゴン入植事業
行政代理官:ファイグトータ家
天命安息地公社
事業内容:シャグマ=ラゴン入植事業
行政代理官:スナイダントヴァール家
リクー公社
事業内容:シャグマ=ラゴン入植事業
行政代理官:タシ家(ギール系大貴族)
ナグナシャンス公社
事業内容:各種農林部門の技術開発、農林業機械、農林業土木
行政代理官:ウルシャンヴァン公社
ユラ公社
事業内容:反重力自動車(サライフ)の製造、開発、販売
行政代理官:ユラ家
デナン=ネジュース=スガイユン
事業内容:職業体験型テーマパーク
行政代理官:
関連項目
最終更新:2023年05月10日 19:33