ニーネンラフェウ(
檀語:
Ni^nenlafeu)は主にエシュト(チャグン文明人)が装着する哺乳類の耳を模した有機的な擬耳である。
一般的には訳語である「ケモ耳」、または「獣耳」と呼ばれる。
概要
ニーネンラフェウとは「
獣人の耳」を意味するダン=ラ=ハン語で、「動物の耳」としないのは、ニーネンラフェウに聴力がないためである。
また、ニーネンラフェウにはマルチデバイスを埋め込むことができ、兵士や特殊な作業員など、特殊な条件下で活動する人に対しては政府の認可があれば特殊な機器を埋め込むこともできる。
ニーネン=シャプチ国籍を保持する利用者には
国民認証チップがニーネンラフェウに埋め込まれる。国民認証チップは行政手続きや戸籍管理に使われる。許可なく国民認証チップを取り外すと
エフューラフト秩序維持法違反となり、罰せられる。
定義
広義のニーネンラフェウは「頭部に装着する有機的な身体部位」を指す。
狭義にはニーネンラフェウは「ニーネン=シャプチ政府によって手術され、その時に装着された擬耳」のことを指す。
また、ニーネンラフェウ以外にもニーネンギョーチと呼ばれる擬角やニーネンパヒュトゥーと呼ばれる哺乳類の尻尾を模したものがある。ニーネンラフェウほどメジャーではないものの利用されている。非常に珍しいが、ニーネンラフェウとニーネンギョーチを両方装着するナグシャもいる。
また、1730年代後半からはアンドロイド向けのニーネンラフェウが登場し、機械的な見た目のパーツであるシェムーディエラフェウと有機的な見た目のパーツであるナグシャガンラフェウのどちらかを選ぶことができる。国内のナグシャのアイローム・アンドロイドの多くはシェムーディエラフェウを装着する。1750年代からはわずかにアンドロイドの製造が行われているが、これは全てニーネンラフェウを装着したスンシャ型アンドロイドである。
装着
通常、ニーネンラフェウはエシュト(ヒューマノイド)の耳とは別に頭部に装着する。利用者の要望やニーネンラフェウのモデル動物や形状によって装着位置が異なるが、概ね頭頂部に近い位置と側頭部に近い位置の2パターンが存在する。また、これらの位置とは別に、ニーネンギョーチは専用の位置がある。ニーネンパヒュトゥーは尾骨を若干削り、神経等を繋ぎ合わせることで装着している。
手術は
ニーネン=シャプチの各惑星で行うことができ、政府が手術代を全額負担しているため利用者は無料で手術を受けることができる。手術は3~6時間ほどかかり、全身麻酔を使う。術後すぐは触覚があるものの、痛覚が鈍く、ほとんど動かすことができないため取り扱いには注意が必要である。
ニーネンラフェウの基部には誘導幹細胞が多く含まれており、身体とニーネンラフェウの神経や筋肉を繋ぎ、術後2~3日には身体の一部として動かすことができるように設計されている。政府は術後のケアも全額負担している。
種類
イプカ耳
たれイプカ耳
著名人:
チェディシ、
ファムイ
イプカ(鹿)のたれ耳バージョン。大人っぽさや寛容さ、賢さをイメージさせる。
ヤーム耳
著名人:
ニャンクタルヒュ、
アルチェ
ヤーム(猫)の耳。ヤームはニーネン=シャプチでは知的な動物とされることから、知恵、知性をイメージさせる。
ナプラ耳
著名人:
デーチェー
ナプラ(犬)の耳。忠誠心や勇敢さをイメージさせる。
ヴァンジェ耳
著名人:
ツァニェー
ヴァンジェ(狐)の耳。勇敢さ、情熱をイメージさせる。
黒ヤーム耳
著名人:
トレーミャナルチ
ヤーム(猫)の耳の黒毛バージョン。しぶとさや忍耐力をイメージさせる。
たれナグリ耳
著名人:
スニャールフィエ
ナグリ(兎)のたれ耳バージョン。美しさをイメージさせる。
ヴァフリ耳
著名人:
レレ
ヴァフリ(牛)。元々のたれ耳である。淑やかさや母性をイメージさせる。
マグリ角
著名人:
ダガイユル
マグリ(山羊)の角。情熱と信念をイメージさせる。
ラフィンガン
ラフィンガン(
檀語:
Lafinggan)とは、ニーネンラフェウに似せた装飾品や物品のことである。ラフィンガンの代表例として以下のようなものがある。
主に側頭部の外向きにハネた髪の毛のことで、ケーシャ女性のファッションの一つ。
ドゥスナウとはカチューシャに似たニーネン=シャプチの髪飾りの一つ。ドゥスナウにニーネンラフェウに似た耳のような突起がある。
ナグランガンとは布製のスカーフ状の飾りのついたナグリ(ウサギ)のような耳を模したドゥスナウのことである。
ニーネンラフェウにまつわるファッション
ニーネンラフェウには独自のファッションがある。
帽子の多くは穴が開いており、その穴からニーネンラフェウを出すことができるようにデザインされている。モチーフに応じて穴の形が異なり、イプカ耳にはイプカ耳用の帽子が用意されている。マイナーモチーフのニーネンラフェウの場合、なかなか穴に合うものが見つからない場合があり、オーダーメイド等も行われる。
また、フードには穴が開いたものもあるが、ニーネンラフェウをすっぽりと覆うケモ耳フードもある。
ヘルメットなど頭部を同時に保護する用途に使われるものには、穴の開いたものはなく、すっぽりと覆うタイプしか存在しない。
ピアスやイヤリング等のように、ニーネンラフェウに穴を開ける行為は禁忌とされている。
尻尾のある人々のためのスカート・ズボン等は下着や素肌が見えないように、尻尾に短い袖がついているものが多い。
外交問題
ニーネンラフェウは神聖なものと見なされているので通常輸出されない。これは、医療製品として輸出されたニーネンラフェウが食用とされたり、悪用されるなどの問題を避けるためである。
関連項目
最終更新:2020年11月02日 09:16