その正体は、様々な事象をひき起こしたハルヒを監視するため、 物語中の時代より遠い未来からやってきた未来人。
脳内に無形で存在するTPDD(タイム・プレーン・デストロイド・デバイス、要はタイムマシン)を利用することで
タイムトラベルが可能である。 キョンなどの他者と共に移動することも可能。
また、応用すれば同一時間の別の場所、つまり テレポーテーションもおそらく可能である。
かなり万能な能力であるように見えるが、実はみくるは未来では研修生以下の見習い的立場であるため
この能力を使うためには上の許可が必要であり、まったく自由自在には扱えない。
また、権限が無いためか未来から来たにもかかわらず現在の状況をほとんど知らない事も多く、
もともとの性格もあり、肉体的にも普通の人間であるため、事件が起きると良くパニックに陥ってしまう。
この辺りの事は当人にも自覚があり、以前から自身の非力さを申し訳なく思っていたが、
原作6巻『動揺』の「朝比奈みくるの憂鬱」にて特に深く落ち込んでしまう。
しかし、 キョンに今を含めた ありのまま?の自分を肯定してもらったことにより、それ以降立ち直っている。
キョンも他の男子同様、みくるのファンであり、
ハルヒに振り回されたことによる疲れを彼女に癒してもらっているところがある。
つまり、彼女は非日常より日常で活躍する人であって、
みくるは キョンを支える事で結果的(=未来人の視点的)に貢献しているとも言える。
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「みくるビーム」 |
なお、カラーコンタクトを装備した状態でウインクすると 眼から破壊光線(通称みくるビーム)が撃てる。
本来の時間移動能力が自由に使えない&表現しづらいこともあり
MUGEN等のゲームで彼女がやる必殺技は大抵これだが、
これは ハルヒが作成した劇中劇の設定をハルヒが現実世界に反映したため具現化した能力であり
本来のみくるの能力ではない。むしろ本人も制御できず嫌がっていた。
なお 長門の応急処置と キョンによる ハルヒへの暗示によりこの能力はもちろん無くなっている。
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未来の事を聞かれた際に返答として答える際に「禁則事項です」と言うが、
これは未来でのみくるの上司にあたる人に、
未来のことを言わないように、過去に行く際にマインドコントロールされているからである。
それゆえに、彼女自身から未来や彼女についての詳細を聞き出すことはできない。
…が原作ではその禁則も解けつつあり、未来の事を話せるようになってきている。
長門の分析曰く、みくるは未来を固定するための調整役を担わされているらしい。
キョン達より一学年先輩に属しているが、実年齢も不明(これにも「禁則事項です」と微笑みながら答えている)である。
( キョンや ハルヒはみくるを「見た目は中学生のようだ」と称しているが、実際に中学生の年齢である可能性もある。
後述する朝比奈さん(大)との身長の伸び幅を考慮すればその可能性はかなり高い(女性の身長は遅くても一般的に15~16歳で成長が止まる)。
お前のような巨乳中学生がいるか!
つまり、もしかしたら先輩ではなく同級生か後輩あるいは 謎の転校生として登場する可能性だってあったのだ)
実際のところ、素性のほとんどを偽っている可能性があり、「朝比奈みくる」という名前も本名でない可能性が高い。
現にとある事情でキョンに別人としてでっち上げられた際に「その名前
も
いいですね」と答えている。
余程技術の進んだ未来から来たのか、船が浮力で浮いている事(原作3巻『退屈』にて)等、
今の時代では当たり前のことも知らないでいる事が多い。
ちなみに原作ではやたらと懐かれている事以外に特にそれらしい描写はないが、アニメ版では何故か キョンの妹と似た行動を取ることがあり、それにまつわる仮説も多い。
(未来の妹説や キョンの子孫説などなど)
尚、数年後には現在152cmと小柄な身長やその元から良いスタイルが更に成長する事が約束されている。
その根拠は彼女が現在いる姿より成長した姿で劇中に度々現れているからである。
( キョンは便宜的に朝比奈さん(大)(小)と呼び分けている)
キョン曰く「見る者全てを恋に落とす美貌を持つ」とされる。
現在の姿よりかなり昇進したらしく、(小)には禁則事項で答えられなかった事にも大分許可が降りている様である。
元々彼女は自分の胸の谷間にあるホクロを知らなかったのだが、(大)が キョンに教えてそれが(小)に伝えられる形で知る事になる。
(この為(大)が「キョン君が教えてくれたのに」と呟くちょっとしたタイムパラドックスもどきが起こっている)。
しかし、(大)のほうはより大きな任務を与えられているためか、状況次第では過去の自分自身を囮に使ったり、 キョンを利用することもある。
出世したという立場上の都合からか、よく言えば職務に忠実、悪く言えば冷淡な行動を取るため、
キョンも(大)のほうは完全に信頼しているとは言えないようである。
もっともこれはみくる自身が指命と個人感情の板挟みになるのを防ぐためであり、
またわざと冷淡な行動を取ることでキョンに感情移入させすぎないようにして、
いずれ来る別れの時に辛い思いをさせないようにという彼女なりの思いやりなのだが。
この辺りが曲解されて「腹黒」と呼ばれることもあるのは不幸な話である。
3ヒロインの1人であり、その中で物語内ではもっとも周囲に好かれている彼女だが、
事件が起きたときは足手纏い感が否めず、活躍の場が余り無い事から、読者ファンの数はハルヒ・長門より若干少ない。
また、あまりに 萌え?要素が多く、言動が“良い子”であるために「狙いすぎ」として彼女を嫌う読者も存在し、
差し引いた結果、 男キャラクターに男性読者の人気を抜かれたり、 親友や 敵役、 脇役、と競い合う所にまで来ているとも言われてしまう。
…とは言ってもそういった要因には主人公との色恋沙汰には他の2ヒロインと比べ一歩引いた位置であることも関係しているし
何事も一生懸命でいざという時に何も出来ない自分の無力さを悔い何とかしようとする姿勢や誰にでも優しい性格は
ハルヒや 長門などと比べ女性読者にウケはいいようだ。(超月刊みくるより)
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「黒みくる」 |
そのためではないだろうが、二次創作作品では、
キャラ立ての意味もあってか、「普段の言動は全て演技である」として、
本当は腹黒い性格をした人物(通称「黒みくる」)としてみくるを扱う事がほとんど。
もともと「涼宮ハルヒの憂鬱」には腹黒キャラや不良生徒が存在しないため、
ニコニコ等の二次創作でみくるが ヤンデレやDQNとして書かれることが多々あり、声優ネタとよくコメントされる。
(ただし、アニメ化されてないところまで話が進むと腹黒不良生徒会長や胡散臭い未来人は出てくる。どっちも男だけど。)
これの詳細は後述のゴットゥーザ様、つまりアニメでの彼女の声優の項に詳しい。
ちなみに公式二次創作「にょろーん ちゅるやさん」のアニメ版では中の人自ら「黒みくる」を演じるという事態になった。
…ってか、これもうみくるじゃなくて中の人じゃんというのが大方(ファンだけではなく、スタッフからも)の意見。
いくら公式とはいえ(又は二次創作だからって)これはやりすぎだと原作(特にみくるの)ファンからの批判は少なくない。
ただ、「 ちゅるやさん」版のみくるは原作とのキャラがかなり異なる(他のメンバーもそうだが、みくるは特にキャラの変化が激しい)ので、仕方がない。
仮に下記の台詞を通常のみくるの演技で言おうものなら違和感バリバリであろう。
また、公式二次創作「涼宮ハルヒちゃんの憂鬱」OPテーマ「今までのあらすじ」では途中の キョンの台詞に
「朝比奈さん!鍋はやめて、空鍋は!」というものがあったりする。元ネタは同じく後藤女史が担当した ヤンデレ代表格アニメ版『SHUFFLE!』の芙蓉楓。
さらに終盤、今までみくるとして歌っていたはずが、明らかに中の人化しているところがある。
まぁ、その部分の歌詞が「中の人の辛さ考えて!」というのもあるが。
なお、この部分は後藤女史曰く、「そういう歌詞なのでアドリブで演技替えたら、 スタッフにもっとやれと言われた」そうである
(なので、この直後の キョンの「す、素に戻ってる!」は杉田智和のアドリブか後から追加された台詞と思われる)。
実はアニメ版「ハルヒちゃん」本編でも 長門のコスプレ趣味を知った際、明らかに他の場面に比べて声が低くなってたりする。
…原作版「ハルヒちゃん」で暴走しまくった朝比奈さん(大)がアニメに出ていたらどうなっていたか、気になるところである。
もちろんこの中の人というのも
後藤女史の趣味や過去から連想される性格の断片を製作者や一部のファンが勝手に誇張し悪乗りしているだけ
であり後藤女史本人がこういう黒い所しかないということは決してないと彼女の名誉のために追記しておく。
確かに原作でも、秘密のプロフィールを持つ以上どこかに演技はあるのだが、
性格から何からなにまでが全て作り物だと感じさせる描写もまたされてはいない。
実際に古泉から「自分と違って性格を偽らずにすむ朝比奈さんが羨ましい」と言われている。
もちろん、二次創作でも原作準拠ないしみくるメインであればまともなお姉さんキャラとして描かれる。
「ググれ」
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ちなみに、未来人が過去に影響を与えるだけで矛盾が発生することになるが、一巻では過去と未来は別の世界と説明されている。
つまり、みくるのいた時代は キョン達にとっての現在と地続きではないということ。 長門曰く「時間と空間は同じ」。
作中でもタイムパラドックスや理解しがたい事柄が度々出てくるが、それを キョンがみくるに尋ねると上記の「禁則事項です」で返されるのがお約束だったのだが、
七巻にて今はそれなりの地位に就き、規制もかなり緩くなっているというみくる(大)にキョンが質問したところ返ってきた答えが「未来は固定されていない」だった。
過去は常に変化し続け自分たちの歴史に必ずしも到達しない。つまりパラレルワールドが存在するということ。
上述の通り過去と未来は別の世界なので本来は問題ないのだが、ここで問題になってくるのがハルヒである。
未来人たちの考えでは世界はもともと宇宙人や超能力者、未来の世界が存在するものであってハルヒによって作られたのではないというもの。
( 古泉の機関では、世界は三年前にハルヒによって一から作られたという説が有力なもののひとつである)
だが、それが絶対だと言い切れない。もし自分たちの歴史が、 ハルヒの「未来人に会いたい」という願いによって作られたものだったとしたら、
全ての時間の中心は ハルヒということになり、自分たちが存在できるのは ハルヒにとっての未来でいられる場合のみということになり、
ハルヒの時間が自分たちの歴史と異なる方向に進んだ場合自分たちの存在が危ういことになる。
別の時間軸によって未来が上書きされ、なかったことにされてしまう。
そのため、神に等しい能力を持つ ハルヒの存在する過去を自分たちの未来と同じ道を歩ませるために、みくるは送られてきたのだという。
それまでみくる(大)に利用されているとわかっていながらも正しい未来のためと協力してきた キョンだったが、
この話を聞いて、つまり未来人たちの都合で自分たちの歴史を操作されているのだと知り、本当にそれでいいのかと疑問を持つことになった。
現在最新刊ではみくるたちとは別の可能性から来た未来人が敵として登場している。
この未来人たちにとっての「既定事項」すなわち歴史的事実がみくるたちにとっては不測の事態であり、防がなければならない歴史だった。
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