ブルーディスティニー2号機

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ブルーディスティニー2号機 - (2013/02/16 (土) 21:22:33) の編集履歴(バックアップ)



「罪深きもの達よ…我が断罪を受けよ!!」


セガサターンの3Dシューティングゲーム『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』に登場する、
地球連邦軍の試作型モビルスーツ「ブルーディスティニー」の2号機。上掲の画像で言うと左から2枚目。


   ブルーディスティニーとは、一年戦争中に地球連邦軍が製造した「EXAMシステム」
   (ぐざむ- そんでアクセントは「ぐ」の所で!)を搭載した
   モビルスーツのシリーズであり、1~3号機が製造されている。
   1号機(上の画像左端)は当初陸戦型ジムをベースにしたが、機体がEXAMシステムに
   ついていけず、システムが搭載された頭部を陸戦型ガンダムに移す処置が取られた。
   つまり、体は陸戦型ガンダムだが、頭部だけジムになっている。つまりは蒼いジムヘッド。
   2号機(画像左から2枚目)と3号機(画像左から3枚目)は当初から陸戦型ガンダムを
   ベースにしているが、宇宙でも使えるように改装されたことを除けば
   基本的な性能や武装は1号機と大差は無い。
   1号機と2号機は独特の蒼い機体色であり、これはEXAMシステムの開発者である
   クルスト・モーゼス博士の趣味によるものである。このような「」の機体色は、
   一説ではクルスト博士が「ニュータイプには宇宙が蒼く見える」といった情報を知り、
   ニュータイプのパイロットに対する保護色として塗装したとの説もあるが、真相は不明。

なお、3号機は陸戦型ガンダムと同系のホワイト、ダークブルーの機体色であるが、
これは元々パーツ取り用の予備機だった3号機が、下記のとおり強奪された2号機の追撃任務を受けて
急遽実戦投入されたため機体の再塗装が間に合わなかったのが理由とされている。

主なパイロットはジオン公国軍大尉、ニムバス・シュターゼン。担当声優は
自分を「ジオンの騎士」と名乗る男でパイロットとしての腕は一級品。
しかし性格面で難があり、非常に好戦的で冷酷、かつプライドが高く他人を見下すことも多い。
撤退命令を出した上官を殺害したため、降格・左遷された経歴もある。
しかし、後述の通り、その傲慢さこそがEXAMシステムを制御できる理由ともなっている。

原作ではジオン軍に残されていた唯一のEXAMシステム搭載機イフリート改*1(ページトップの画像一番右)に乗り、
ゲームの主人公ユウ・カジマ(プレイヤーの分身としての主人公なので声なし)の搭乗する1号機と激しく衝突した。
その結果、両者は自分の乗機を失ってしまうが、ニムバスは2号機の奪取に成功し、自分の新しい乗機とする。
元々2号機は全身が蒼い塗装だったが、強奪後はニムバスのパーソナルカラーとして両肩が赤く塗装された。
+ 外部出演におけるブルーディスティニーシリーズ
+ SDガンダムGジェネレーションシリーズ
イフリート改はイフリートを、ブルーディスティニーは陸戦型ガンダムをレベルアップさせることで入手可能。
いずれも1年戦争系MS相応の武装性能だが、これらが際立っているのはEXAMシステムである。
これはパイロットのステータスを強化させる他にも武装として採用されており、あらゆる防御アビリティ(バリアみたいなモノ)を無視してステータス通りのダメージを与え、また格闘属性なのでMP(スパロボで言う気力)が上がると与えるダメージも比例的に上がる。
ただし、この攻撃を行うとこの武装自体にMP消費のデメリットがあり、EXAMシステム自体にもそのデメリットがある為にMP管理が難しい機体となっている。
+ 戦場の絆において
イフリート改、ブルーディスティニー1~3号機(2号機はニムバス・シュターゼン仕様も)の4機がロールアウトされている。
機動強化や装甲強化に必要なポイントは安価で、追加武装受領の為に必要なポイントは高価(ステータス強化の4倍以上)と言う割と特殊な機体。
EXAMシステムは搭載されているが、機動力強化されるだけで原作におけるような鬼神の様な攻撃力は再現されていない。
また発動すると画面全体が赤く染まり、見難くなると言うデメリットが存在する。
さらに発動の為には耐久力がかなり減らない(それこそ撃墜寸前)とダメなため、相手からしてみればカモ同然である。

+ 「EXAMシステム」とは
「EXAMシステム」とは、ニュータイプの抹殺を意図して開発されたシステムである。
製作者のクルスト・モーゼス博士は、ニュータイプがいずれ現人類(オールドタイプ)に取って代わる存在になると恐怖しており、
ニュータイプを発見次第、自動的に殺害するシステムを作ろうとした。それが「EXAM(裁く者)」である。
EXAMシステムの名は博士の著書「人類は“EXAM”になれるのか」から旧人類を裁く(EXAM)ニュータイプを、
逆に裁く(EXAM)システムとして名付けられたもの。
しかし、以後の宇宙世紀の歴史上でニュータイプがどんな扱いを受けていったかを考えると、
このシステムの存在意義は微妙なものだったのは皮肉としか言えない。

ただし後年、終戦から16年後の世界を描いた福井晴敏氏(『∀ガンダム』の小説版も執筆)の小説、
及びそれを原作とするOVA『機動戦士ガンダムUC』で「NT-Dシステム」と呼ばれるシステムが登場。
「ニュータイプ・ドライブ」の略称とされているが、真の意味は「ニュータイプ・デストロイヤー」、
すなわちニュータイプ抹殺システムである。
コンセプトはほぼ同じなのだが、EXAMと違って当初から強化人間用に最適化されている事に加え、
サイコフレームの導入によって、ニュータイプさえも凌駕する驚異的な性能を発揮した。

EXAMシステムはある事故の結果、ニュータイプの少女マリオン・ウェルチの戦闘データを
コピーすることで完成した偶然の産物である。
システムの発動によって、オールドタイプのパイロットにもニュータイプ並の戦闘能力を発揮させる事を可能にし、
その効果は戦闘中、常人のはずのパイロットがコクピット内で硝煙の臭いを感じたりするほど。
しかし、戦場でニュータイプと思われる存在を感知すると、機体の限界やパイロットの安全性を無視し、
手段を選ぶことなく、ただひたすらニュータイプの排除を試みるようにプログラムが施されている。
見た目は暴走じみているが、意図的な仕様である。
だが、近くにニュータイプらしき反応がいないにも関わらず、大勢の人が死んだり、
別のEXAM搭載機が傍にいる場合も暴走し、敵味方の区別なくマシンがオーバーヒートするまで襲いかかるという
とんでもない性質も備えている。
こちらは博士の意図した機能ではなく、正真正銘の暴走である。
特に「大勢の人が死ぬ」という事象は戦場ではほぼ確実に起こるため、大規模な戦闘になることが
確実な作戦に投入するのは無理であり、有効な運用法といえば敵陣に単機で突入しての殲滅戦くらい……
博士、何考えてるんだアンタ

戦いに出るたびに暴走されていたのでは使い物にならないと判断されたため、1号機と3号機は後にリミッターがつけられた。
2号機は1号機、3号機とは違ってEXAMシステムにはリミッターが設定されておらず*2
パイロットへの負担、暴走の危険性が非常に高い。

戦略シミュレーションゲーム『ギレンの野望』シリーズでのEXAMシステム搭載機は基本性能が高く、
パイロットを乗せていると50%の確率でシステムが発動し、攻撃力が大幅に上がるが、
その代わりパイロットの疲労度も尋常じゃない速度で上がるため扱い辛いのが特徴*3
ちなみに『ジオンの系譜』ではこの疲労度蓄積に関するバグがあり、
通常は100が最大の筈の疲労度がEXAMシステムを使用すると200を軽く突破するという訳のわからない事態に。
ちなみに「疲労度」は蓄積するとパイロットの能力に下方修正がかかるのだがぶっちゃけこのゲーム、
パイロット能力より機体性能の方が重要である為、元々基本性能が優秀なEXAM搭載機では
さほど気にする必要が無かったりする。
また、このゲームのEXAMシステムの効果は「攻撃回数の増加」であるため、他のユニットとスタックを組ませて戦闘させると
「他のユニットがあらかた弾を撃ち終わってもひたすらEXAM搭載機のみマシンガンやミサイルを乱射する」という
空気の読めない素敵な光景が拝める。

システムの元となったマリオンは事故により意識不明となったが、EXAMシステム搭載機が全て破壊された後、
意識を取り戻したとされている。
担当声優は雪野五月氏だと設定されながら、作中に台詞のある形では登場せず、
EXAMのシステムボイスのみとなっている。
なお、他ゲーム作品では林原めぐみ氏が声優を務めていた。
また、Gジェネの一部作ではユウがBD1号機もしくは3号機でEXAMシステムを使うと彼女のカットインが登場する。
天使の羽根が生えたようなイメージだが、素っ裸だったりする
Gジェネでパイロット本人以外のキャラがカットインで登場するのは当然ユウくらいのものである。
(勿論ユウ自身もカットインがある)
まぁ、彼にはGジェネなど他ゲーム作品でも近年まで声が無かったから印象付けるには良かったのかもしれない。
声がない事自体が特徴になったが

というのも、当時のガンダムゲームの主人公は「ユウ(YOU)・カジマ」や「マスター・P・レイヤー(プレイヤー)」など、
プレイヤー自身であることを示すためにキャラ付けをしていないものが多かった為である。
尤も漫画版や小説版では普通に喋っており、本来のところは無口という設定があるわけではないと思われる。
現在は氏が声を当てている。

なお、皆川ゆか氏が執筆した小説版『機動戦士ガンダム外伝 BLUE DESTINY』では
EXAMシステムの暴走、及びマリオンが意識不明になった理由が直接的ではないが語られている。
EXAMシステムを起動した際、ユウは「乱暴な人は嫌い」、「私の身体に触れる人は嫌い」などの
嫌悪、苦痛の感情を覚えていた。
また、ニムバスのパーソナルカラーの赤は、血の赤、しかも破瓜の血であることが示唆されており、
ニムバスはマリオンに自分の力を誇示し、暴力で支配したと描写されている。つまり……*4

EXAMシステム、スタンバイ!


(以上、ゲーム説明書等から改変)



MUGENにおけるブルーディスティニー2号機

『SDガンダム Gジェネレーションシリーズ』の画像を使用したSDサイズのブルーディスティニー2号機が存在。
製作者はKERO(mugenda)氏。
使用可能な武器はビームサーベル、バルカン砲、胸部ミサイル、ビームライフル改。
モーションが少ないので動きは多少ぎこちない。

iswebライト終了によりサイトが消失し、現在は入手不可。

出場大会

  • 「[大会] [ブルーディスティニー2号機]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
名称からも分かる通り、ベースとなった機体は「MS-08TX イフリート」。
初出はSFCのゲーム『機動戦士ガンダム CROSS DIMENSION 0079』で、
グフとドムの中間に位置するとされる陸戦用の試作機である。
侍をモチーフとしたシルエットと腰に差した日本刀風のヒートソードが特徴的な機体で、
8機が試作されたものの量産はされなかった。
地上での機動力はゲルググに迫るとまで言われた高性能機ではあるが、戦場が宇宙に移りつつある中で
既に陸戦機は必要とされなかったのだろう。
うち一機はアジア戦線のウルフ・ガー隊に配備され連邦のガンダムタイプ「ピクシー」と交戦。
(『機動戦士ガンダム CROSS DIMENSION 0079』)
またある一機はオデッサのマ・クベ大佐のもとに届けられるも連邦のオデッサ奪還の際に接収される……が、
一年戦争終結後に稼動実験をしていたところをジオン残党によって奪還されるという数奇な運命を辿っている。
(PS3『機動戦士ガンダム戦記 U.C.0081』)

「イフリート改」はこのイフリートの一機を改修し初期型のEXAMシステムを搭載した機体であり、
初期型故に冷却システム含めた装置全体が小型化しきれず、頭部が原型機よりも大型化している。
本体にもかなり手が加えられ、推力や冷却性能、武装の火力などが強化されているものの、
いざEXAMが起動すると短時間でオーバーヒートしてしまうため、クルスト・モーゼス博士には不満足な出来だったようである。

余談ながらこのイフリートシリーズ、ゲーム出典ながら大河原邦夫氏による秀逸なデザインから人気が高く、
何度か映像作品への進出も検討されたらしい。
『第08MS小隊』ではイフリート登場の予定があったが結局グフ・カスタムに変更され、
∀ガンダム』ではボルジャーノン領からこのイフリートがざくざく発掘される予定だったが、
その案も流れて旧ザクとザクIIに変更されたという。
ゲームでの出番はそこそこあるのだが、この先イフリートが映像作品で日の目を見る時は来るのだろうか…。
と思っていたらOVA『機動戦士ガンダムUC』にて4機目となる「イフリート・シュナイド」が登場、遂に初映像化が実現した。
なお、SFCではイフリートの装備するヒートソードは一本のみだったのだが、イフリート改が二刀流だった為か、
二刀流の方が見栄えが良い為なのか、後のゲームやカードなどでベース機のイフリートの絵が描かれる際は
二刀流になっていることが多い。

+ ジョインジョインイフリートォ
PSゲーム『SDガンダム G-CENTURY』にブルーディスティニー(連邦仕様の2号機のみ)と共に参戦したが
この作品でのイフリート改は何かがおかしかった。
1年戦争時の機体であるのに関わらずビグ・ザムは勿論クィン・マンサデビルガンダムすらも瞬殺
というよりいかなる機体でもほぼイフリート側が有利という状況(νガンダムより強いブルーディスティニーすらも)
時代が時代ならゲームバランスが調整されていない狂キャラ達の一員になってたかもしれない。
EXAMシステム、恐るべしといった所か…
でも、このバランス無視な性能や酷いゲームシステムのせいで黒歴史になっているけどな!!

*2
2号機の強奪後に調整・投入された3号機にはちゃんとリミッターがあるので、
単にリミッターを付ける機会が来る前にニムバスに奪われただけだと思われる。

*3
しかし、このシリーズでは連邦・ジオン両陣営におけるEXAM搭載機の扱いは大きな差が生じる。
連邦軍の場合、普通にプレイしていれば主要な戦場が宇宙に移っているころに
宇宙に適応した2号機と3号機が生産できるようになっている。
武装が全て実弾系であるうえシステムが発動すれば強いため、ビグ・ザムなどのビームは効かないが
接近戦に弱い機体には相性がよく、運用の仕方さえ間違えなければ、型落ちするまでの間にかなり活躍してくれる。

一方のジオン軍の場合、開発できるEXAM搭載機は全て地上戦を得意としているため、
殆どの重要拠点が地上にある連邦軍相手には使えなくもないが、システムの開発と二者択一の
マリオン・ウェルチのジオン軍加入イベントの方が、扱いやすく強い戦力が手に入るという利点があるため、
ニュータイプ系のパイロットが離脱するイベントがない限り、わざわざ扱いづらいEXAMを作る必要はあまりない。
EXAM発祥の地でありながら、開発するべきかどうか微妙な立場に置かれているとはなんとも悲しい話である。
だから博士は脱走したのか?

*4
一方で、攻略本に掲載された千葉智宏による短編小説では、ニムバスとマリオンは良好な信頼関係を築いている。
この短編小説でのニムバスは他のメディア(漫画版や皆川ゆかによる長編小説版)と異なり、
傲慢さや冷酷さなどは薄く、真っ当な騎士道精神を持ったきれいなニムバスとして描かれている。
しかし、Gジェネなどのゲーム作品においては漫画版や皆川氏の小説版を基にしたストーリーが描かれており、
後に千葉智宏が原作を担当した漫画『GUNDAM LEGACY』で描かれた2号機と3号機の最終決戦は、
皆川版小説を意識して描かれている(台詞は微妙に異なるが)為、きれいなニムバスは黒歴史となってしまった可能性が高い。