ウルトラマンオーブダーク


「最近のウルトラマンはベラベラしゃべりすぎだ。

 神秘性がなくなる。だいたいデザインが気に入らん。」

特撮『ウルトラマンR/B』に登場する悪のウルトラ戦士。
本人は「ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツを名乗るが、長すぎて大抵省略される。黒がいっぱーい!!!
愛染マコト/チェレーザがオーブオリジンのルーブクリスタルをルーブジャイロの複製品「AZジャイロ」で読み出して出現させた、
「オーブリングNEO」を使い変身する。
その外見はカラーリングを除きウルトラマンオーブ オーブオリジンに酷似している。

公式では歴代偽ウルトラ戦士や悪のウルトラ戦士と同じく怪獣・宇宙人扱いで紹介されているが、
ルーブクリスタルやジャイロは複製物もあるとはいえ紛れもなく本物のウルトラマンの力に由来するものであり、
この少々複雑な出自の経緯もあってか、ファンの間では偽ウルトラマンか、ウルトラマンの模造品(テラノイド系)かで解釈が分かれている。

+ 変身者「チェレーザ」詳細
ガス状の体を持つO-50バース出身の憑依生命体。
本作前半の黒幕にして、「ウルトラマンの力を得てヒーローになる」ことを目論んでいた。
普段は地球人である愛染マコトに憑依しており、「愛と善意の伝道師」を名乗っている。

幼少期にどこかの惑星でオーブが怪獣を倒す所に遭遇したことで、
その姿に憧れて自分もウルトラマンになる事を強烈に渇望するようになり、
本編開始より15年前に『R/B』バースの地球に来訪し、愛染マコトの肉体の主導権を奪って活動。
驚異的な商才で、愛染の元々の町工場を大企業へと発展させ、同時に綾香市の発展に力を注ぎながらも、
裏では宇宙考古学者だった湊ミオの協力を経てウルトラマンの力を我が物にしようとルーブクリスタルを捜索していたが、
ミオにルーブジャイロを奪われて失踪されたため一時的に大きな支障をきたしたものの
(当初はミオが愛染の正体を看破したためと思われていたが、実際には別の事情があった)、
オーブオリジンのクリスタル入手とジャイロの複製品AZジャイロの開発に成功したため、
念願のオーブダークへの変身能力を手に入れて表立った活動を開始。
同時に、偶然力を手に入れたにも拘らずヒーローとして世間から称賛されるに至った湊兄弟を、
「落第点」「相応しくない」として排除を目論んだ。

ウルトラマンの力を我欲で得ようとする敵は歴代作品でも登場しているが、
その中でも突出して俗っぽい動機で行動を起こした存在である。
己の正義感に基づいて活動した結果周囲から称賛される歴代ウルトラ作品の主人公とは対照的に、
表面上のかっこよさを擦っているだけで自己顕示欲を満たすためだけに活動し、正義感や使命感は無縁。
そのうえ冒頭の台詞からも分かるように、ウルトラマンに自身の価値観を押し付けるような部分が目立ち、
それこそ彼が敬愛するオーブにすら当てはまる文句を言いまくっている*1*2
自分でセスナ機を墜落寸前の状態にして自分で救助したり、自分が召喚した怪獣を自分で倒したりと、
自分が称賛されるためには人々を危険に晒すマッチポンプすら辞さない、過程と結果を逆転させている、悪意は無いが迷惑極まりない存在である。
無駄に壮大な「ごっこ遊び」をしているようなもので、湊兄弟もチェレーザを「天才」とは認めたものの、
そのやり方は受け付けず対立し、そして皮肉にも手に入れた力を我欲のままに振るうチェレーザの姿勢は、
一般人であった兄弟が意図せず手に入れたウルトラマンの力の使い方と向き合うのにこの上なく有用な反面教師として機能することになった。

このように湊兄弟とは終始敵対関係に徹していたものの、
傍迷惑だが変身前の闇討ちなどは好まず、「自分がウルトラマンをやるからこの町から出て行け(意訳)」と就職先を斡旋しようとしたり、
湊家が営むセレクトショップに(誘い出す口実も兼ねて)大量の注文をし*3しっかり全額払って購入するという大事な顧客でもある等と、
一貫して無駄に律儀な一面も見せており、敵ながらどこか憎めない。
上記のマッチポンプなどの所業もチェレーザ本人の気質はもちろんあるのだろうが、
正義の心振りかざして牙を剥く星間連盟が幅を利かせ、弱肉強食が蔓延し、
正直者や善人・弱者が馬鹿を見る世紀末なO-50バース出身のせいで良心的な感性が育つ機会に恵まれなかったためとも考えられる。
必然的にあの輪っかがウルトラマンの力に興味の無い者ばかり資格者にしているのも頷ける

なお、フルネームの後半部はそれぞれ黒を意味する仏語、英語、独語が並んでいるだけであり、
イサミからは「同じ事繰り返してるだけなんだよ!何なの!?アホなの!?」と突っ込まれており、
長いからオーブダークと略した際には「勝手に省略する事は許さん!」と激怒している。
おみせのひとには「オーブダークください!」でつうじるよ!

ともあれ、本作の他の敵役である美剣サキやルーゴサイトはもちろんのこと、
他の新世代作品の敵と比較してもなお突出したやたら濃すぎる存在感のせいで、いろんな意味で印象に残る敵キャラとなった。
なお、チェレーザのせいで湊兄弟は本物のオーブもあんな感じという先入観を持っていたのか、
『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』で本人と面識を持った際はあまりのギャップに困惑していた。

フュージョンアップこそ使用できないが、その戦闘能力はオーブとほぼ同等。
オーブカリバーに相当する「オーブダークカリバー」を使用可能で、
威力はオリジナルよりやや劣るものの各種エレメント技も再現されている他、
形態変化せずともフュージョンアップ形態の必殺技を使用できる。
しかし、変身者のチェレーザがスペックを活かし切れておらず、ガイの戦い方と比較すれば形だけの模倣で拙さは一目瞭然。
実際に初戦以外は押され気味な戦闘が目立ち、弱いわけではないがオーブ程の強者感は無い。

初戦ではロッソ・ブル兄弟を実力差で完全に敗北させたものの、再戦では特訓で新技を習得した二人と対峙。
ロッソにダークストビュームダイナマイトを無力化され、ブルのブリンガースラッシュを受けて敗北した。
その後も何度か変身したが、召喚した怪獣ホロボロスを自作自演で撃退したり、
ロッソ・ブルと子供のケンカのような取っ組み合いを繰り広げるなど、マトモな戦闘には発展しなかった。
最後は新たな敵・美剣サキに制御を奪われたホロボロスの攻撃で大ダメージを受けて変身解除。
その際にオーブリングNEOを失ってしまう。
後にチェレーザもサキの手で愛染から切り離された上で消滅したため、二度と登場する事は無かった。

+ その他の作品でのウルトラマンオーブダーク
ソーシャルゲーム『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』でも実装されていた。
属性は「技」でステータスは運以外は平均的に高い。継承スキルやリーダースキルは回避率を上げるものが多い。
必殺技の「ダークオリジウム光線」は使用すると相手の回避率を超ダウンし、スキル発動を封印する効果を持つ。
固有スキルの「ヒーローの美学」は2ターン目まで防御と回避が超アップし、3ターン目に超ダウンするというもの。
スキル覚醒すると3ターン目にSPが最大になり必殺技攻撃力が超アップ、攻撃時に相手の反撃スキルを封印する効果が追加される。
更にスキル解放すると、回避成功時に防御と回避が中アップ、攻撃対象を自分に向ける効果が追加される。
固有スキルは短期戦向きだが多機能な上、継承スキルで長所を伸ばしやすいので人気の高いキャラクターだった。
あと「愛と善意の伝道師」を名乗っているためかバレンタインイベントのメインキャラだった。
ゲスラは未実装だし、女性キャラと言えるような怪獣が殆どいないので仕方ないと言えば仕方ないが……


MUGENにおけるウルトラマンオーブダーク

ガ・タキリ・バ氏によるMUGEN1.0以降専用のキャラが公開中。
スプライトは邓v东西氏が製作したものを用いて作られている。
通常技は素手だけでなくオーブダークカリバーを用いたリーチの長い攻撃もあり、近接戦に強い。
設定だけの存在で原作では未使用だった「オーブダーク光輪」も搭載されている他、
急降下する飛び蹴り「ライダーキック」が使用できるなどの遊び心要素もある。
超必殺技は1ゲージ技が「ダークオリジウム光線」、2ゲージ技が「オーブダークロックカリバー」、
ライフ半分以下の時のみ使用できる3ゲージ技「ダークストビュームダイナマイト」がある。
AIは未搭載。

また、勝利演出に登場する愛染マコトの秘書AIである「D.R.L.N.」も同氏によって単体キャラとして公開されている。
ネタキャラとのことで技は少ないが、劇中のセリフで攻撃するというインパクトのある技を使用する。
こちらもAIは未搭載。

出場大会

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*1
上記台詞も含めて、チェレーザが湊兄弟に付けている難癖は、
一見すると全てではないが作風が大きく変遷した新世代以降の作品に該当する要素が多い……のだが、
ぶっちゃけた話、昭和のウルトラマンすらも否定しているかのような内容もかなり多く、
視聴者からは「にわかの懐古厨」という一番ダメで面倒くさいオタク扱いを受けている。
そもそもチェレーザ自体、変身中にペラペラ喋る上、
戦闘中に池で手を洗うといった神秘性の欠片も無い行動を取っているため、完全なブーメランである。
その手洗いもゼアスが先にやってたよな

*2
特にメカゴモラに兄弟の恩人が取り込まれ、助けるか見殺しにするか悩んだ末に重傷を負わせてしまった一件に対しては、
「二週間もグズグズ悩みやがって!まあ~繊細でいらっしゃること!」という暴言を吐いている。
詳細は省くが、オーブは似たような理由で108年もの間、過去の出来事を引きずり悩み続けている
(また、この「二週間」というのは「6話から7話にかけて悩んでいた」というメタ発言である可能性も高い。だとしてもオーブは三週間悩んでいたのだが)。
これだけならチェレーザが無知なだけと言えたのだが、後の『ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル』にて、
これに関連した話の際に愛染がゲスト出演し、話数の都合でオーブがその悩みを吹っ切り力を取り戻す過程を解説した。
そのためオーブが悩んでいたという事実を知りながら、上記の二週間も(ryという暴言を吐いたという更に残念な事実が発覚してしまった。
あと当然だが、メカゴモラを出現させたり兄弟の恩人を人質にしたのもチェレーザ自身である

*3
この時愛染は湊兄弟の父ウシオがデザインした汗染み柄のTシャツを大量に購入している。
ウシオのTシャツは大半の地球人にとっては正直クソダサい変なTシャツなのだが、宇宙人達にとっては魅力的らしく、
過去にはバド星で1枚のTシャツを巡って星を二分する戦争が起こっていた事が劇中で語られており、
時空が違うはずの『ウルトラマンタイガ』劇中における地球でも、
E.G.I.Sメンバーである宗谷ホマレがフリーマーケット会場の警護任務中にウシオの代表作「うちゅ~んTシャツ」を発見し即購入、
最先端のファッションと絶賛し、よほど嬉しかったのか 業務日誌にも記入していた


最終更新:2023年10月01日 09:15