『ドラゴンボール超』において、「サイヤ人が惑星プラントに襲来せず母星の惑星サダラで平和的に暮らしている平行世界」
のサイヤ人が登場したが、その名は
キャベ、カリフラ、ケールと、全員
ブロッコリーに近いアブラナ科の野菜が由来だった。
その内の一人、ケールは大人しい女性サイヤ人だが、悟空やベジータから超サイヤ人へのなり方を教わり、特訓の中で覚醒するも、
他の二人とは違って暴走し、
何故かブロリーと似た白目で筋骨隆々の緑色のオーラを発し、キャベを血祭りにあげる宣言をして岩盤に埋めてしまう、
という
ブロリーMADと見紛う光景を繰り広げた。
『Z』の劇場版とは別の世界観のため悟空達はブロリーの事は知らず、何故この様な特異な現象が起きたのかは解明されていないが、
ベジータは「サイヤ人の本性そのものかも知れん」と警戒し、
漫画版では本編世界における超サイヤ人の伝説とほぼ同じ「伝説のサイヤ人」の伝説が第6宇宙にある事がキャベによって語られた。
ブロリー程の圧倒的な強さはなく、打ち込まれる事も多いが、打たれ強さはブロリーを彷彿とさせる。
暴走していない時はそれほど体格は変わらない緑髪の超サイヤ人となる。
2018年公開の劇場版『ドラゴンボール超 ブロリー』にて、とうとう
本作の世界観におけるブロリー本人が登場。
本作ではベジータと同じ年に生まれており、悟空とは縁がない。
悟空が生まれる前にベジータ王にその力を恐れられ、追放されるまでは旧作と同じだが、
生まれた時から戦闘力10000という異常な数値から恐れられた旧作と違い、920とまともな値に収まっている
(それでも成人した非戦闘員サイヤ人よりは遥かに強いが)。
ベジータ王は「ブロリーの強大な力はいずれ宇宙を滅ぼしかねない」という大局的な判断であるとしているが、
パラガスは「どうせ自慢の息子のベジータ王子の立場がブロリーに脅かされるのが怖いんだろう」と言い返す。
結果として、戦闘力1000以下ではまともに生きるのも困難だという危険な惑星バンパに送られてしまうが、
周囲の制止を振り切ったパラガスが宇宙船で助けに来てくれたのだった。
しかし、危険宙域を無理に突っ切ったせいで宇宙船は修復不可能なまでに故障してしまい、
そこから40年間パラガスと二人で過酷な惑星で暮らす事になってしまう。
パラガスからはコントロール装置ではなく電気ショック装置を取り付けられているため、
自我が抑えられた様子はなく
純真な若者と言った感じ
(実際は40代の中年なのだが)。
パラガスの事は「自分を助けに危険な惑星まで来てくれた唯一の肉親」として純粋に慕っており、
過去に
大猿になった時に手が付けられなくなった事もあって、電気ショック装置の事も受け入れている。
ベジータ王に復讐を誓うパラガスの特訓や、大猿になる度に尻尾を切られた結果、
黒髪に緑のオーラを纏った人の姿のまま大猿の力を使う「怒り」という形態に変身出来るようになっている。
何分力の源が大猿なため、外見的な変化は薄いものの、ほとんど暴走状態にあり、
1作目の「性格の悪いブロリー」をすっ飛ばして2作目以降の「理性のないブロリー」になるといったイメージとなっている。
以上の経緯から、旧作のブロリーの根幹をなしていた「悟空への執着」の要素は皆無。
一応旧作同様、自分達が追放される原因を作ったベジータに関しては恨みがないわけではないのだが、
結果的に惑星ベジータの破壊から逃がされる形になった事を知ってか知らずか
「お父さんが許せない相手だから俺も許せない」程度の漠然とした恨みであり、
殆ど因縁らしい因縁が無い彼がこの二人と戦う事になってしまったのは、悟空とベジータを潰そうと暗躍した
フリーザのせいである。
当初は変身もしていないベジータが余裕の笑みを浮かべながら相手出来る程度だったが、戦いを通して急激に成長。
油断は出来ないと踏んだベジータが超サイヤ人に変身するとまたすぐに突き放されるが、少し拳を交えるとあっという間にこれを追い抜く。
悟空とベジータは神の領域たる超サイヤ人ゴッドになってこれを相手にすると、前述の「怒り」形態に移行し、さらにこれを圧倒する。
その後も急激な戦闘力の向上は留まる所を知らず、
気が付けば
黒髪状態のまま超サイヤ人ブルーとなった悟空と対等に渡り合うという凄まじい光景を見せ付ける。
その想像以上の強さは彼を鍛えていたパラガスでさえ「かつてベジータ王が言っていた事は正しかったのかもしれない」と戦慄するほど。
そしてフリーザはかつて悟空がクリリンの死で覚醒した経験を元に、そのパラガスを殺害。
40年間二人きりで共に暮らした肉親の死という怒りと悲しみから超サイヤ人への覚醒を果たす。
そこからは「もう1対1に拘っている場合じゃない」と判断した悟空とベジータの超サイヤ人ブルー二人がかりでも敵わない圧倒的な力を見せ付け
ついでにフリーザを1時間ボコボコにして
(ちなみにフリーザの策略には(彼に限らず誰も)気付いていない)、
お馴染みの筋肉ムキムキの最終形態「超サイヤ人フルパワー」になった際には、超サイヤ人ブルーとなった
ゴジータにさえ食らい付く。
最終的にはゴジータブルーには一歩力が及ばず、かめはめ波でトドメを刺されそうになるも、
ブロリーと仲良くなったフリーザ軍兵士のチライとレモの機転によって、
「DBの力で地球から惑星バンパに強制送還する」という形で救われ、生存。
その後、瞬間移動で惑星バンパを訪れた悟空からは、
「オラも強さには自信があったのに同じサイヤ人で自分よりずっと強い奴がいたなんて」「多分
ビルス様より強い」と称えられ、
同じサイヤ人としての良きライバルとして認め合い、悟空の笑顔に、彼も僅かではあるものの笑顔で返していた。
作中でも「ひたすら純粋で、本当は戦いが嫌いなのに、父親に無理矢理戦わされているだけ」と、
一般的にイメージするサイヤ人とはかけ離れた穏やかな存在として扱われており、
かつて悪魔と称されたブロリーに慣れ親しんでいた多くのファンは驚きの声を挙げた。
全体的に『超』の世界観におけるサイヤ人は惑星ベジータに関わらなければ穏やかな心を持っている
悟空もブロリーとの戦いを通じ「自身がサイヤ人である事」への心境の変化があったらしく、
ブロリーには戦いの後「孫悟空、それとカカロット」と名乗っている。