シキ


「おれはッ 空からこの海を統べる男だァ!」

『ONE PIECE』の劇場版『ONE PIECE STRONG WORLD』に登場する大海賊にして、同作のボスキャラ。
とかとか、増して子供時代に彼から「シキ」と呼ばれていた人物では無い。
声は俳優の 竹中直人 氏が担当しているが、これは原作者の指名により実現した。
竹中氏は後の劇場版でもサブキャラを担当していることがある。
『バウンティラッシュ』ボイス

通称「金獅子」「空飛ぶ海賊」
その異名通り、ライオンのタテガミのようなような金髪が特徴。本編時点では流石に加齢により頭頂部はハゲているが
金獅子海賊団の大親分にして、かつて海賊王となるゴールド・ロジャーの全盛期に、
ロジャー、「白ひげ」エドワード・ニューゲート、「ビッグ・マム」シャーロット・リンリンと並んで、現在の四皇に近い扱いを受けていた大海賊である。
海賊の本分は「支配」であると定義して世界支配を目標に掲げており、「海賊王」の称号には全く興味が無く、
ロジャーの死後の大海賊時代の世代の後輩達も「宝目当てのミーハー共」と露骨に見下している。
また、豪快な言動とは裏腹に用意周到で慎重な策略家としての一面もあり、20年もの間表舞台から姿を消しつつ密かに野望を実行する準備を遂行する等、
確実に計画を実現するためには時間と手間を惜しまないタイプである。

ロジャーとは対立しつつも戦友関係に近かった白ひげとは対照的に、
シキはロジャーの実力は認めつつも、「支配」と「自由」という相容れない信念から何かと張り合う好敵手関係にあった
(ロジャーと白ひげの関係をモンキー・D・ルフィトラファルガー・ローのような関係とするなら、
 ロジャーとシキの関係は、さながらルフィとユースタス・キッドのようなものだった)。
本編より27年前、海賊艦隊を率いて一船のみのロジャーに対して傘下に加わるように脅しをかけたこともあったが、
ロジャーは当然屈さず、後に「エッド・ウォーの海戦」と呼ばれる衝突を起こす事態に発展する。
この戦いは突然の嵐によって大混乱の戦場となり、
シキの身に「戦闘の余波で吹っ飛んできた舵輪が頭頂部にブッ刺さる」という不慮の事故が起きて指揮系統が乱れたこともあって、
ロジャー海賊団は金獅子の艦隊の半分を壊滅させた上でその場を切り抜けることに成功し、双方痛み分けで終わっている。

やがてロジャーはグランドラインの航海を制覇して「海賊王」の称号を得るが、
海戦から3年後、ロジャーが海軍に捕まったことが大々的に報道される。
道は違えども自分が認めた男が海軍に捕まったという不甲斐ない事態に激怒したシキは、ロジャーを自分の手で殺すべく激情のままに単身海軍本部に乗り込むが、
迎撃に打って出たセンゴクやガープとマリンフォードを半壊させるほどの激闘の末に敗北し、インペルダウンに投獄された。
しかし投獄から2年後、海楼石の足枷に繋がれていた両足を切り落とすという荒業で脱獄し、
「史上初のインペルダウン脱獄者」という悪名を加えてシャバに復帰。
白ひげとの互いに憎まれ口を叩きながら行った潜伏前の挨拶代わりの飲み会の後、
固有生物が多く存在する偉大なる航路の島「メルヴィユ」に身を潜め、20年かけて生物の凶暴化を画策。
雌伏の末に準備が整ったシキは、「世界の征服」と「大海賊時代の破壊」のために再び海賊として動き出したのであった。

+ 劇中の活躍
かつての部下達や新たに傘下に加えた海賊達を集めて「金獅子大海賊団」を結成し、
全世界支配の足がかりとしてまず東の海を支配下に置くべく向かうが、その道中で麦わらの一味と遭遇。
優秀な航海術を持つナミを気に入って誘拐し、取り戻そうとする麦わらの一味と対立する。
向かってきたルフィ・ゾロウソップサンジチョッパーを圧倒し、仲間や故郷の人々の命を盾にしてナミを傘下に入れようとするが、
再度乗り込んできた麦わらの一味が大暴れした上に、ナミが王宮周辺の動物避け用の植物「ダフトグリーン」を爆破したことで、
用意した生物も制御不能になり自身の海賊団は壊滅状態に陥ってしまい、ルフィとの最終決戦に移る。
フワフワの能力で浮かせた海水にルフィを閉じ込めるという能力者に致命的な技を用いて優位に戦うが、
ナミの策で浮かせていたメルヴィユを嵐の進行方向のど真ん中に移動させてしまい、苦手な強風の中での戦闘を余儀なくされて能力を封じられてしまう。
その最中に、ルフィが雷に撃たれたことで己の勝利を確信するが、
ルフィがゴム人間(絶縁体)で雷が効かないことに気付かなったという致命的な判断ミスにより、
反応が遅れた所で雷を纏うルフィの「ゴムゴムの巨人の雷斧」を受け、
またしても自らが嘲笑った「最弱の海」出身の海賊に勝てなかったことに愕然としながら撃沈した。

センゴクに自身との勝負を「ロジャーの勝ち逃げ」と称された際に激高したり、
後述の最後の台詞の「また」という言葉などからも分かる通り、シキはロジャーを好敵手と認めていたが故に、
処刑というシキから見て惨めな最後を迎えたことに納得がいかず、彼の死後も自身の目的「世界支配」を達成するという形で、
「ロジャーへの勝利」に取り憑かれてしまったのである。
最初に東の海を標的にしたのも、理由はロジャーが「最弱の海」で処刑されたことであり、つまりはシキのロジャーへの執着の裏返しである。
ロジャーに勝てないまま死別したことで向けるべき矛先を見失い暴走したという点では、後の劇場版に出たダグラス・バレットと酷似しているが、
個人の強さで競ったバレットと、「海賊」として競っていたシキとはベクトルが異なり、
シキが敵視していたのはロジャーが自身の死によって起こした「大海賊時代」そのものである。
しかし、それ故に若く成り上がろうとする者の強さを認められなかったシキは、自身が見下していた新時代出身で、
さらにロジャーと同郷の東の海出身の海賊に全てにおいて破れたのである。

+ 原作との関わり
『ONE PIECE』の劇場版は整合性よりも作品単体の面白さを追求するが故に原作とはパラレルとされることが多いが、
『STRONG WORLD』は原作者が直々に監修を務めた作品で、時系列的にはスリラーバーク編とシャボンディ諸島編の間とされており、
シキは劇場版登場のキャラでありながら何度もその名が劇中で登場している。
原作者曰く、シキは映画化以前から構想にあったキャラクターで、当初は第45巻の白ひげとシャンクスの会話の中でも、
ロジャー時代の伝説の海賊の一人として名前を出そうと考えていたと語るなど、長らく原作用に設定を温めていた存在とのことで、
映画公開直前にはシキの過去を描いた特別編「第0話」がジャンプに掲載される等、他の劇場用のキャラとは扱いが一線を画している。
ただし、空を自由に飛んだり浮いたりする奴はなるべく出さないという作者の中で決めたルールがあり、
「フワフワの実」は(構想はあったが)封印していたそうなので、当初からシキがフワフワの実の能力者という設定ではなく、
想定されていた設定に映画化に際して変更を加えたのが本編のシキらしい。

また、新世界編でもかつてロジャー以前に海賊の覇権として君臨していた「ロックス海賊団」のメンバーの一員だったことが明かされている。
白ひげとの飲み会の際に互いに歯に衣着せぬ物言いで会話していたのも、仲間殺しすら珍しくなかったロックス海賊団の中では例外的に、
それなりに無遠慮な関係のためだった模様。

……ぶっちゃけ実力や戦闘経験は新世界編前の時点のルフィを完全に凌駕しており、
作者も当時のルフィが勝利できたことについては「作劇的な都合(意訳)」と称している。
映画公開時点での評価は割を食ったものの、ストーリーが進む中でかつてはシキと肩を並べた全盛期の白ひげやリンリン、
カイドウのトチ狂った実力が描写されるにつれて、ルフィにとってはシキが脱獄時に追ったハンデや潜伏生活を続けたが故のブランクなど、
様々な要因が積み重なっていたための綱渡りの勝利だったと、ファンからはその実力を再評価されている。

新世界編ではマネマネの実の能力者かつロックス海賊団の関係者だったらしい黒炭ひぐらしが能力披露の際に一瞬だけシキらしき男に変化していた他、
ロックス全盛期を知るセンゴクの口からその名が出るなど、長らく間接的にその存在だけが示唆されるに留められていたのだが、
ゴッドバレー襲撃事件の回想で満を持して原作にシキ本人が登場を果たした。
このエピソードがアニメ化の際に声はどうなるのか、シキの出番は省かれたりセリフ無しになるのではないか、
別の人が代役で演じるのではなどファンの間で不安視されていたが、いざこのエピソードがアニメで描かれた際に、
なんと僅かな出番ながら竹中氏が特別出演という形で約16年ぶりに再びシキを演じ、ファンを歓喜させたのだった。

シキ以外でも『STRONG WORLD』で出た要素はいくつも原作にて描かれており、
例として上述したダフトグリーンの同系で猛獣避けになるが無毒な種が、ルフィとレイリーが2年間修業したルスカイナ島に生息していた他、
巨人族が暮らす新世界のエルバフには収縮進化か近縁種かメルヴィユの固有生物と同じ猛獣が確認できる。

なお、作者は単行本の質問コーナーにおいて「大体の映画はムリヤリでも組み込む事はできるんですけど、
そうすると映画を観る事が義務になっちゃうので、あまり原作とつなげることはありません」という方針を語っており、
劇場作品と原作をリンクさせることに関して全否定はしていないが、未視聴の層が置いてけぼりになるのを懸念して消極的である。
後にシキ以外に劇場版初出のキャラの存在が原作で示唆されたことはあったが、それも分かる人だけ理解できるさり気ない描写であった。

+ 戦闘能力
超人(パラミシア)系悪魔の実「フワフワの実」を食べた「浮遊人間」。
自身や触れたものを自在に浮かせ、操作できる能力者であり、拠点である島「メルヴィユ」もこの能力で浮かせている。
これにより空中を自在に飛び回る他、物体をぶつけて攻撃する技も使う。
ただしあくまでも浮かせているだけなので推力そのものは決して強くはなく、
嵐や強風などさらに強い推力に抗えるほどではない点が弱点であり、シキはこれを補うために高い気象予測能力を持つ者を集めていた。

また両刃の名刀「桜十」「木枯し」を用いる剣士でもあり、飛ぶ斬撃も使いこなす。
かつては普通に手で持っていたようだが、両足を失った現在では義足の代わりに足に嵌めており、キックの要領で使っている。


MUGENにおけるシキ

Planeptune氏の製作したキャラが公開中。
氏も制作に協力しているTeam One Piece Mugenの製作者達に作られたコンプゲー仕様のキャラを単体化させたものである。
斬撃による攻撃や、浮遊させた岩を攻防一体の武器とする技を使用する。
AIもデフォルトで搭載されている。
旧バージョン
最新版紹介動画(DLリンクあり)


「東の海の男に、俺はまた阻まれるのか…?」

「ロジャ────────ッ!!!」

出場大会

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最終更新:2025年07月16日 01:21