『ドラゴンボール』とは、言わずと知れた鳥山明氏原作の少年漫画およびアニメシリーズ。
全世界に波及する高い人気を誇っており、コミックは改訂版(翻訳版・完全版など)を含め累計3億6000万部を越える売上を記録している。
同作のアニメ版は作中ストーリーの進行によってタイトルが変わっており、
原作第1話の悟空とブルマの出会い~第23回天下一武道会での
マジュニア戦までは『ドラゴンボール』(通称『無印』)、
次のサイヤ人編~原作最終回までは『ドラゴンボールZ』として放送。
その後アニメオリジナルストーリーでシリーズ全体の最終エピソードとして『ドラゴンボールGT』が放送され、
シリーズ全体を通して11年という超ロングラン放送となった。
ゲーム自体はアニメ放送当時に多数発売されており、そのジャンルは格闘のみならずRPG、アクション、シミュレーションなど多岐にわたる。
GT放送時に文字通り最終作として発売された『ドラゴンボール FINAL BOUT』で一旦打ち切りになるものの、
2000年代に入りその時々の最新ハードの性能を活かした作品が順次発売されるようになり、
リアルタイムで体験できなかった新たなファンの獲得に成功している。
そのリバイバルブームの中で、2009年4月からは『Z』において当時の原作ストックの影響で製作されたアニメオリジナルエピソードをオミットし、
原作に近い展開に編集、さらにHDリマスター及び音声の再収録を行った『ドラゴンボール改』が放映、
そして20世紀FOXの手によって実写映画も制作された。
公開当時はやんわりと「全然違うけど見てみると案外面白いかもよ(意訳)」と鳥山氏は言っていた。…後に公認黒歴史としたけど
更に原作者の監修の下、アニメ映画として2013年に『ドラゴンボールZ 神と神』、2015年に『ドラゴンボールZ 復活の「F」』が公開。
同年7月には同じく原作者監修のTVアニメ『ドラゴンボール超』も放映された。
といっても初期は『神と神』と『復活のF』に追加エピソードを加えた完全版のようなものだった。
アニメ放送自体は2018年で一旦終了するも、同年12月にて映画『ドラゴンボール超 ブロリー』が公開。
現在もVジャンプ誌上においてアニメに先行する形で始まった漫画版(作画:とよたろう)が連載中。
この他原作に関する詳細な説明はwikipedia、英語版wikipedia、アンサイクロペディア等を参照の事。
MUGENにおいても一通りのキャラクターが作られている。
海外で特に人気があり、アニメ取り込みや3Dで製作されたキャラなど多数存在。
国内産では2D時代のゲームのグラフィックを使ったキャラが見られる。
また、互いのワープや突進技などで高速な戦闘が展開される動画に
「ドラゴンボール」のタグが付いたり「
DBでやれ」とコメントされる事がある。
本稿では主にMUGEN関連、および2D対戦格闘ゲーム関連の情報についてまとめている。
2000年代以降のリバイバル作品は主に3D格闘が多く、MUGENへの移植がほとんど無いためここでは割愛する。
スーパーファミコン世代のゲーム
ドラゴンボールZ 超武闘伝
1993年3月20日にバンダイから発売されたSFC用対戦格闘ゲーム。タイトルは「スーパーぶとうでん」と読む。
ドラゴンボールを原作とした初めての本格的な対戦格闘ゲームだと思われる。
原作での舞空術(空中飛行)を再現しており、対戦ステージ上を自由かつスピーディに移動できる。
その際、地上と空中など対戦相手との距離が大きく開いた場合、
画面中央に仕切りができて画面が分割されるのが本作の特徴である。
格闘攻撃は近距離、かめはめ波などの
必殺技は遠距離専用と用途が分けられており、
必殺技は
カットインデモ演出がある。また、原作通り必殺技を相殺する行動も可能である。
ストーリーモードは原作のナメック星編(フリーザ)から人造人間・セルゲーム編(セル)が中心になっており、
参戦キャラクターではストーリーに合わせて通常状態と超サイヤ人、不完全セルとパーフェクトセルに別れているのが特徴。
また、格闘ゲームで毎回必ずハブられる
人造人間17号の悲劇はここから既に始まっている。
その他、対戦モードや天下一武道会モード(トーナメント)が存在する。
また隠し要素として全キャラクターに隠し必殺技が実装されている事(コマンドは表示されず、自力で探す事になる)、
OPでタイトルが出るまでに『↑X↓B←L→R』と入力すると効果音が流れて同キャラ対戦を可能にし、
更に同じ
コマンドと入力する事で「できた!!」のセリフが出て下の5キャラも対戦やトーナメントで使用可能になる事。
後者に関しては
「実はただ適当にコントローラーをガチャガチャするだけで入力が成功する」という話が結構有名だったりする。
キャラクター
※キャラクターの名称はゲーム中の表記より
- ストーリーモード専用キャラクター(特定条件で他のモードでも使用可能)
メテオスマッシュ
孫悟空の隠し必殺技。相手を上空へ蹴り上げ、高速移動で先回りして両手で叩き落し、
さらにエルボーで吹っ飛ばす空間的な広さを表現した攻撃である。
龍虎乱舞などと同じく当たれば最後まで入る。
原作のテイストをよく再現しており、続編では「メテオ技」系として他キャラクターにも実装された。
ちなみに初代唯一の投げ技でもあった。
デモ必殺技と同じく、FCで重ねられてきたカードバトル式RPGの戦闘演出を格闘ゲームに取り入れた本シリーズの特徴である。
+
|
ちなみに |
起き上がりにこれを重ねるだけで脱出不可能な状況に陥り、相手は延々地面と空を往復させられる事になったりする。
これが有名なメテオハメである。当然『2』からはできなくなったが。
|
ドラゴンボールZ 超武闘伝2
1993年12月17日にバンダイから発売されたSFC用対戦格闘ゲーム。超武闘伝シリーズの2作目。
前作のグラフィックやシステムを改良し、ストーリーモードや隠し要素を充実させている。
後のドラゴンボール格闘ゲームの基礎を築いた人気作である。
主な改良点は、動きの軽量化、全キャラクターに
投げ技の実装、気力溜めのコマンド化、必殺技の防御手段のスリム化など。
ストーリーは「セルゲーム編」から映画版の内容が主で、勝敗により分岐しエンディングが複数ある。
MUGEN動画で有名なブロリーは、このゲームのスプライトを元にさらに描き込んだもの。
本作でも
隠しキャラは健在、悟空が飛行中に『↑X↓BLYRA』と入力する事でブロリーの「カカロットォ」が聞こえたら成功、
なお成功すれば何度でも「カカロットォ」と言ってくれるので何回ブロリーにカカロットを言わせるかという遊びが密かに流行った。
もしかしたらTVゲームの隠しコマンドでもっとも有名かもしれない。
後にレトロキャラゲーオムニバスソフト『Jレジェンド列伝』に本作が収録された。
また、『
超究極武闘伝』の初回購入特典として本作のニンテンドー3DS移植版がダウンロードできるコードが付属した。
ただし、ニンテンドー3DS移植版ではBGMが全曲差し替えられてしまっている。
原曲版を遊びたい人は実機を買うか『Jレジェンド列伝』で遊ぼう。
一説にはBGMを担当した山本健司氏の盗作騒動の影響とされているが、新しく作ったのかは不明。
後にSwitch版『ドラゴンボールファイターズ』の早期購入特典として移植された超武闘伝も同様の措置が取られている。
キャラクター
孫悟空はストーリーの関係上隠しキャラクターになっている。サイヤ人キャラは全員超状態に、セルは完全体に一本化された。
ドラゴンボールZ 武勇烈伝(MD)
1994年4月1日にバンダイが発売したメガドライブ用対戦格闘ゲーム。
システムはSFCの超武闘伝シリーズを踏襲しており、フリーザ編・セル編がメインの内容。
クリリン、
ギニュー隊長、
リクームがプレイヤーキャラクターとして使用できる。
ドラゴンボールZ 超武闘伝3
1994年9月29日にバンダイから発売されたSFC用対戦格闘ゲーム。超武闘伝シリーズの3作目。
人造人間編周辺からブウ編への移行という事でストーリー・新キャラクター共に期待されたが、
当時はまだ原作が進行中という事もあり中途半端な形での実装になってしまった。
また、同上の理由からストーリーモードが無くなり、事実上対戦のみのゲームになった事で、
キャラゲーとしての魅力が減り、これも不評の原因に繋がっている。
また純粋な格闘ゲームとしても舞空術が全く隙がない完全回避となってしまった為に駆け引きが成立しづらくなった事などが不満点としてよく挙げられる
(但し、舞空術が使えないステージはある)。
一応、(状況限定にしろ)『2』までにあった
完全なハメといえるものは無くなったのだが…。
総じて超武闘伝シリーズではいま一つな評価に終わっている。
本作も隠しキャラは健在、タイトルが出るまでに『↑X↓BLYRA』と打ち込む事で未来トランクスが使用可能になる、
本作の隠しキャラは一人だけというのも評価の低さの一因かもしれない。
キャラクター
この頃のゲームから未来から来た青年トランクスと通常時間軸の子供トランクスを区別するために、
未来側をアルファベットで「TRUNKS」と表記するようになる。
ドラゴンボールZ HYPER DIMENSION(SFC)
1996年3月29日にバンダイから発売されたSFC用対戦格闘ゲーム。
超武闘伝シリーズ一部の独自要素(画面分割、気功弾系必殺技の防衛など)が無くなり、一般的な2D対戦格闘システムに似た形式が取られた。
気力専用のゲージが無く、気功弾系の技を使うと体力が減り、それまでの武闘伝シリーズ同様Y+Bによる気力溜めで体力も回復するといった形式になっている。
また、特定のボタンを同時押しする事で一時的に
ライン移動をし、相手の攻撃を躱しながら攻撃するディメンジョンアタックや、
特定の技を当てると相手を他のステージに吹き飛ばし戦場が変わるなど、空間を意識した独自のシステムが搭載された。
ゲームそのものはグラフィック、演出、システム、完成度ともに高い評価を受けている反面、
当時は次世代ハードにゲームの主軸が移動しており、売り上げが伸びなかった不遇のゲームである。
また、ソフトの生産数自体が少なく、今でも状態の良い物は中古で3000~4000円の高値が付くという。
全く同じ状況の『
新機動戦記ガンダムW ENDLESS DUEL』といい、当時のバンダイに何があったのだろうか?
キャラクター
味方側のキャラクターは魔人ブウ編に準拠。
原作にあわせ、
ミスター・サタンと仲良くなったデブのブウを「ミスターブウ」、
最終形態の純粋化したものが「ブウ」というように分けられている。
プレイステーション・セガサターンなど次世代ハードのゲーム
ドラゴンボールZ Ultimate Battle 22(PS)
1995年7月28日にバンダイから発売されたPS用対戦格闘ゲーム。『超武闘伝』シリーズの後継に当たる。
ハードの変更で容量が増えた事もあり、キャラクター数が大幅に増加し、音声も増え、
グラフィックはドットからセル画取り込みになった。
基本システムは『超武闘伝』シリーズを踏襲している。
キャラクター
タイトルの22の通り、22人から選択可能。お祭りゲーム志向で時系列はあまり関係ないらしい。
隠しキャラクターは隠しコマンドで追加でき、その際はタイトル画面が「~27」に変化する。
ドラゴンボールZ 真武闘伝(SS)
1995年11月17日にバンダイから発売されたセガサターン用対戦格闘ゲーム。
内容は前述の『ドラゴンボールZ Ultimate Battle 22』とは登場キャラとそのグラフィック以外は完全に別物。
2D背景とデュアルスクリーンが復活し、SFCの超武闘伝シリーズに近いものに戻った。
ドラゴンボールZ 偉大なるドラゴンボール伝説(PS/SS)
1996年5月31日にバンダイから発売された対戦型格闘ゲーム。PSとSSで発売された。
人気のあったPCエンジン用アクションゲーム『ドラゴンボールZ 偉大なる孫悟空伝説』をベースにしている。
基本は3対3のチーム戦で、サイヤ人編~魔人ブウ編をエピソードごとに戦うストーリーモードがメイン。
ドラゴンボールファイターズ(PS4/XBox One/Nintendo Switch/PC(Steam))
2018年2月1日にバンダイナムコエンターテイメントから発売された対戦格闘ゲーム。
開発は『
GUILTY GEAR』などでお馴染みのアークシステムワークス。
2.5Dと呼ばれるアニメタッチの様な画期的描写で、3DながらもTVアニメに引けを取らないグラフィック描写となっている。
システム面では『MVC2』の様に3人でチームを結成して相手チームと対戦するスタイルとなっている。
キャラクター
TVアニメ版『超(スーパー)』からの参戦キャラや、既存キャラの強化性能仕様版も『超』からの参戦となっているキャラが大半を占める。
また本作完全オリジナルキャラクター「
人造人間21号」(原作者・鳥山明氏監修)が登場する。
オプションで海外吹き替え版の声優陣による英語音声へ変更も可能。ただし、キャラ毎の個別設定は出来ないので注意。
※キャラクターの名称はゲーム中の表記より。括弧の付かない悟空とベジータはサイヤ人編~フリーザ編の時期を再現したもの。
ケフラ、孫悟空(身勝手の極意)、
亀仙人、スーパーベビー2、ゴジータ(超サイヤ人4)
携帯機で発売されたゲーム
ドラゴンボールZ 舞空闘劇(GBA)
2004年3月26日にバンプレストから発売された対戦格闘ゲーム。
画面を縦横無尽に駆け回る『サイキックフォース』に近い形式になっている。
本作ではキャラクター毎にレベルが存在し、レベルによって能力や使用可能な技が変わる。
中にはキャラクター自体が変更されるケースもある。
ドラゴンボール アドバンスアドベンチャー(GBA)
2004年11月28日にバンプレストから発売されたアクション+格闘ゲーム。
『Z』以降を描くゲームが多い中、珍しく無印を題材にしている。
無印と言いつつ『Z』以降のサイボーグタオパイパイが混じっているのは秘密だ
横スクロールのゴチャバトルと一対一でボスと闘うタイマンバトルで構成されている。
タイマンバトルは単体でも遊べるようになっており、通信対戦も可能。
ドラゴンボールZ 舞空烈戦(DS)
2005年12月1日にバンプレストから発売された対戦格闘ゲーム。
『舞空闘劇』から使用可能キャラクターが大幅に増加し、
新たにチームメンバー全員で繰り出す合体攻撃が追加された。
また、隠しキャラクターとして『ネコマジン』からネコマジンZもゲスト出演している。
ドラゴンボールZ 超究極武闘伝(3DS)
2015年6月11日にバンダイナムコエンターテイメントから発売された対戦格闘ゲーム。
開発は上述同様のアークシステムワークス。
タイトルは「エクストリームぶとうでん」と読む。
本作では地上と空中の2ライン方式になっている。
操作可能なバトルキャラに加えて様々な行動で援護するZアシストキャラも選択可能になっており、
最大で5対5のチーム対戦が可能になっている。
Zアシストキャラはバトルキャラの別形態やマニアックなキャラはもちろん
チチやウミガメ等非戦闘員までも網羅されており、
選択可能キャラクターは実に
100体以上と格闘ゲーム全体で見てもかなりの大判となっている。
また、ダウンロードデータ配信によって新モードやキャラクターなどの追加も行われている。
『銀河パトロール ジャコ』からジャコとギネがゲスト出演している他、『ONE PIECE
大海賊闘技場』との通信対戦も可能。
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番外:海外でのみ発売された作品 |
DRAGON BALL Z : TAIKETSU(GBA)
2003年11月24日にATARIから発売された対戦格闘ゲーム。
ラディッツやナッパが使用可能になっておりキャラクター選出の点では見るべき部分があったが、
グラフィックが荒い、ボイスが少ない等様々な問題点が残る作品になってしまった。
だが、一番の問題点は 先に挙げた欠点が些末事に思えるほど格闘ゲームとして根本的にダメな事であろう。
クソ移植で知られるPS版『 ゴウカイザー』や、クソゲーとして悪名高い『ファイティングアイズ』が本作と比べればマシに思えるレベル。
……と書けばそのダメっぷりが伝わるだろうか。
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アーケード用ゲーム
ドラゴンボールZ
1993年に稼動開始したAC用対戦格闘ゲーム。発売はバンプレスト。開発はコブラチーム。
操作系はレバー+3ボタン。パンチ、キック、強攻撃がそれぞれに当てられている。
当時としてはキャラクターが大きめで、色が原作に近い。
しかし技が少ない、
ジャンプができない等、格ゲーとしては疑問が残る出来であった。
キャラクター
ドラゴンボールZ 2 Super Battle
1994年に稼動開始したAC用対戦格闘ゲーム。アーケード版では2作目になる。発売はバンプレスト。開発コブラチーム。
レバー+弱パンチ、中パンチ、弱キック、中キックの計4ボタン。
ジャンプが可能になり技も増えたものの、キャラが小さい、
コンボがない、ゲームスピードが異常な点から、やはり人気は出なかった。
キャラクター
MUGENではこのアーケード版の『1』、『2』共に超神氏のDBキャラのスプライト元として有名。
といっても技が少ないので大量に手描きで追加しているが。
ドラゴンボールZ V.R.V.S
1994年に稼働したAC用対戦ゲーム。開発はセガ、発売はバンプレスト。
操作系はレバー+3ボタンだが、本来の操作系は8方向赤外線パネルセンサーによる体感ゲーム形態。
対戦相手と向かい合ってとにかくレバーを回し続けるという体力を使うゲーム
(本来の操作も赤外線パネルセンサーに向かってとにかくパンチを連打するという過酷な仕様)。
コマンド技もベジータの「ファイナルフラッシュ」はレバーを右側に10回転、孫悟空の「元気玉」は左右パンチ+レバーを右側に10回転と、
とにかく尋常じゃなく回す。
その無理矢理な仕様のために、あっさりと撤去されてしまった疑似3D対戦ゲームである。
キャラクター
魔人オゾット
本作のボスである「魔人オゾット」は鳥山明氏が描き下ろしたオリジナルキャラクター。
ゲーム自体の知名度の低さもあって非常にマイナーな存在だったが、
2016年稼働のAC用トレーディングカードゲーム『スーパードラゴンボールヒーローズ』において、まさかの復活を果たしている。
最終更新:2021年12月22日 16:05